広報効果の測定記載へ/SNSや動画の活用も/「広報マニュアル」改訂に着手/日水協

 日本水道協会は、「水道事業における広報マニュアル」を改訂する。平成21年5月発行の現行版を、水道事業を取り巻く状況や水道使用者の意識の変化に対応するよう改める。SNSや動画の活用、広報効果の測定、緊急時・災害時の広報などについて内容充実を図る。水道事業体が「いつ、誰に、どんな情報を、なぜ、どうやって」広報するのかを基本方針に改めて整理・解説するという。15日に開催した第35回広報専門委員会で改訂方針や目次案が了承された。令和4年度末に改訂案を取りまとめるスケジュールで作業を進める。

水道課長に名倉氏/厚労省

 厚生労働省水道課長に名倉良雄氏(環境省廃棄物適正処理推進課長)が就任する。10月1日付人事。熊谷和哉・水道課長は水資源機構理事に就く。

 名倉氏は平成5年4月厚生省入省(水道環境部環境整備課配属)。環境省地球環境局総務課低炭素社会推進室長、水・大気環境局土壌環境課長などを経て、平成30年7月から環境再生・資源循環局廃棄物適正処理推進課長を務めている。厚労省水道課には技術総括の課長補佐として平成22年7月から24年8月まで在籍した経験がある。

 京都大学大学院工学研究科修士課程修了。昭和43年5月生まれの53歳。

集中監視設備を集約/適正・効率的な運営へ審議会/かずさ水道広域連合(企)

 かずさ水道広域連合企業団は9日、同企業団本庁舎で「令和3年度第1回かずさ水道広域連合企業団水道審議会」(会長=太田正・作新学院大学名誉教授)を開いた。水道事業の適正かつ効率的な運営を図るため、重要な施策について調査・審議を行うもので、太田会長ら一部の委員はオンラインで参加するなか、事務局が君津地域水道事業統合広域化基本計画の取り組み状況や水道料金体系の現状、災害対策の状況について説明したうえで、意見交換を行った。

 同広域連合企業団は、千葉県君津地域の水道事業の効率化を図るため、木更津市、君津市、富津市、袖ケ浦市の水道事業を統合し、君津広域水道企業団が行っていた水道用水供給事業との経営の一体化を行うために設立、平成31年4月に事業を開始している。君津地域水道事業統合広域化基本計画は、県と4市による検討を経て29年10月に策定したもので、現在は、基本計画を水道事業ビジョン・経営戦略に位置づけて事業を推進している。

上下水道 生活経済社会の礎に/産・学から多くの論文披露/全国大会・年次学術講演会/土木学会

 土木学会(会長=谷口博昭・一般財団法人建設業技術者センター理事長)は6日から5日間、令和3年度全国大会と第76回年次学術講演会をオンラインで開催した。テーマは「これまでも、これからも生活経済社会の礎を築く土木~市民と連携し、インフラのビッグ・ピクチャーを描こう~」で、全国大会では谷口会長の基調講演、グリーンインフラなどの特別講演2題、全体・研究討論会、国際ラウンドテーブルミーテイング、国際若手技術ワークショップなどが行われた。

 第76回年次学術講演会は9~10日、第Ⅰ~Ⅶ部門と20の共通セッションの合計約450分野で、水道・下水道関連の論文が発表された。

 水道関連では、第Ⅱ部門の河川工学(2)で、自由学園最高学部が複数の水道水源が混在する施設において給水栓の電気伝導率を利用した効率的な配水系統判定手法を提案。給水栓を簡便かつ迅速に選別できるとしている。第Ⅴ部門の製造・施工(1)では、鹿島建設が凝集沈澱処理施設の壁側面の表面気泡除去について、気泡抜き取り器具のピカコンが最も有効と判定。第Ⅵ部門のシールドトンネル(3)でも同社が、砂礫を含む多様な地盤の長距離掘進や5%の急勾配区間における推進・シールド併用工法の事例を報告した。

 第Ⅵ部門の品質管理(3)では、佐藤工業がRC造調圧水槽の構築において打ち継ぎ部処理で止水剤を注入するインジェクトチューブ工法や、配管埋め込み部でクニシールと非加硫ブチルゴムの併用など品質向上対策を披露した。第Ⅶ部門の環境DNAでは、パシフィックコンサルタンツが飲料水のカビ臭原因物質を産生する主な微生物のラン藻類について、早期検出・定量手法として遺伝子検査方法を用いた分析が水源貯水池内での増殖状況などを指標化できる可能性が示されたと発表した。

水道管路関連で2題の講演/粕谷全管連専務、荒井都立大准教授が/今年度のダク協セミナー始まる/関東支部

水道管路関連で2題の講演/粕谷全管連専務、荒井都立大准教授が/今年度のダク協セミナー始まる/関東支部

 今年度の日本ダクタイル鉄管協会セミナーが始まった。第1弾は15日、関東支部の主催によりさいたま市内で開かれ、オンラインでの聴講を申し込んだ東北地方や関東地方、中部地方の水道事業体などへの配信も行われた。粕谷明博・全国管工事業協同組合連合会専務理事が「管工事業界の現状と課題」、荒井康裕・東京都立大学都市環境学部准教授が「水道管路システムの維持管理とIoTやAI技術の活用」と題して講演し、会場では27人、オンライン配信は32団体が聴講した。上下水道をはじめとする水業界の持続と発展に寄与する情報を提供するセミナーは、今後各地で開催される。

 主催者を代表して開会あいさつに立った、齋藤弘・同協会顧問は「セミナーは今年12年目を迎えた。毎年開催できるのは参加・聴講していただく皆さんのおかげ。情報交換の場として活用していただけるよう、今後も開催していきたい。地震や水害が頻発し、災害への備えが叫ばれる中、当協会は耐震継手ダクタイル鉄管で貢献していく」と述べた。司会進行は、2020ミス日本「水の天使」中村真優さんが務めた。

電子小黒板合成機能を強化/要望反映しバージョンアップ/現場用カメラ「RICOH G900」/リコー

 リコーが2019年から販売している現場用デジタルカメラ「RICOH G900」は、上下水道をはじめ、建築・土木など幅広い事業者から好評を得ており、この夏には利用者から寄せられた要望を反映して機能を進化・改善するバージョンアップを行った。防水・防塵、耐衝撃、耐薬品対応といった現場用カメラとしての基本性能に加え、電子小黒板機能への対応など黒板撮影業務の効率化を実現することが大きな特長となっているが、今回のバージョンアップでは黒板合成機能のさらなる強化などを図っている。

 電子小黒板は、従来チョークで小黒板に手書きしていた工事名、工種、略図などの情報を電子化し現場画像に写し込むという新たな撮影手法。黒板を持つ作業員が不要となり、準備から撮影まで1人で行えることに加え、高所や足場の悪い現場、暗所でも容易に黒板撮影が可能となるなど、作業効率と安全性の向上を実現できる。

カンボジアから水道拡張工事受注/地方都市部の普及率100%目指し/クボタ建設

 クボタ建設はカンボジア王国からプルサット市の上水道拡張工事を受注した。2019年に日本政府と調印した無償資金協力の一環となる案件。取水施設から浄水場、送配水管網を整備し、普及率向上や安全な水の安定供給を目指す。

 カンボジア政府は2005年時点で平均35%だった地方都市部の水道普及率を2025年までに100%とする目標を掲げる。プルサット市は給水区域内人口(約10万人)に対する2018年時点の給水普及率は38%に留まり、市内唯一の浄水場は給水能力が低く、配水管網も限られている。上水道施設の拡張が喫緊の課題となっていた。

来年度から官民連携情報を提供/キュレーション事業の方針検討/FJISS

来年度から官民連携情報を提供/キュレーション事業の方針検討/FJISS

 持続可能な社会のための日本下水道産業連合会(略称:FJISS、会長=野村喜一・日水コン会長)は16日、オンラインを併用して第8回理事会を開いた。事業の柱の一つで、下水道事業の官民連携や温室効果ガス削減の取り組みに関する情報を収集・整理して会員に提供するキュレーション事業について意見を交わし、今後の事業の進め方を決めた。官民連携については来年度から一部サービスを開始していく考えだ。

 冒頭、野村会長は今年度の活動について「実質、設立後初めてとなる定時社員総会、日本下水道協会との初めての意見交換会、下水道展での初めての連合会主催のセミナーなど、初めての行事・活動を行い、それぞれ所期の目的を達成することができた」と成果を強調。つづけて「今回の理事会では、本年度に立ち上げたキュレーション事業の本格的な活動に向けて、今後の進め方・方針などについて意見交換していく」と述べた。

都下水道局長、流域本部長に要望/経営計画2021の施策実現へ/オンラインで意見交換も/設備協

 東京下水道設備協会(会長=三井田健・明電舎社長)は8日、東京都下水道局に対し、「下水道設備工事に関する要望書」を提出し、実態に合った設計価格や適正な工期の確保などを求めた。東京都に発令されている緊急事態宣言を受け、明電舎の会議室と都庁、流域下水道本部をリモート中継し、要望内容の説明や意見交換を行った。

 三井田会長は、「新型コロナウイルスの感染状況は依然として厳しい局面が続いているが、その中でも貴局の職員の皆さんがエッセンシャルワーカーとして片時も休むことなく都民の安全を守り、安心で快適な生活を支え、良好な水環境の実現に貢献されていることに敬意を表したい。機械・電気設備に携わる私どもは、信頼性の高い設備機器を製造・設置し、都市の安全・安心、都民の生活環境の向上、地域環境・地球環境の保全と持続的な社会の発展に貢献していく」とあいさつした。