地域医療とのBCP連携/大賞に大阪市水道局/水道イノベーション賞/日水協

 日本水道協会は19日、今年度の「水道イノベーション賞」の受賞事業体とその事例を発表した。大賞は大阪市水道局で、災害医療機関とのリスクコミュニケーションの取り組みを高く評価した。中小規模の事業体や特定分野に特化した取り組みを対象にした特別賞には、札幌市水道局、浜松市上下水道部と、長野県水道事業広域連携推進協議会の取り組みを選んでいる。〝災害対応〟〝広報〟〝連携〟といったキーワードが浮かび上がる今回の受賞事例。水道事業が今まさに直面する課題の解決へ、これら取り組みを水道界で共有したい。

PPP/PFIガイド改正へ/具体的事例や業務の流れなど盛り込む/国交省

 国土交通省下水道部は、中小規模自治体でのPPP/PFI手法導入の促進に向けて「下水道事業におけるPPP/PFI手法選択のためのガイドライン(案)」を全面的に見直す。現行のガイドラインでは、記載の無かった各手法の特徴や、地方公共団体の課題洗い出し方法、手法を検討する際の流れ、具体的な事例を盛り込むことで、地方公共団体がPPP/PFI手法を適切に選定できるようにする。改正版の作成により、官民連携を促進し、下水道事業の持続につなげていく。4回の会合を経て、年度内に改正する予定だ。

 7月28日に都内でガイドラインの改正検討会の初会合を開き、ガイドライン案の構成の見直し、下水道事業の課題とPPP/PFIへの期待などについて討議した。座長には、浦上拓也・近畿大学経営学部教授が就いた。

管路更新・再構築が着々/経営検討委で中期計画進捗を評価/仙台市水道局

 仙台市水道局は9日、今年度の第1回仙台市水道事業経営検討委員会をウェブ会議システムを併用して開催した。正副委員長の選出を行い、委員長に太田正・作新学院大学名誉教授、副委員長に西村修・東北大学大学院教授を選任したほか、「仙台市水道事業中期経営計画」の進捗管理について審議した。

全国初、時間帯別料金体系を実証/ピークシフト誘導し施設効率化/湖西市

全国初、時間帯別料金体系を実証/ピークシフト誘導し施設効率化/湖西市

 静岡県湖西市は、10月から水道スマートメーターを活用した時間帯別料金体系の実証実験を行う。料金改定の検討を行うなかで、配水量のピークシフトを誘導し、水道施設の効率化・省力化につながることなどを期待している。今後の水道料金などのあり方を審議する「湖西市水道事業経営審議会」の第1回審議会が、10日に市役所で開かれ、水道事業の経営状況とともに、水道スマートメーターを導入している地区で時間帯別料金体系の実証実験を行い、その効果検証を踏まえて料金負担のあり方を検討していくなど、今後の検討の方向性が示された。

来宮浄水場再整備を膜ろ過で/実施方針への意見受け付け/熱海市公営企業部

 熱海市公営企業部温泉水道課は、来宮浄水場の再生整備事業に乗り出す。浄水方式を現在のマイクロストレーナーを用いた簡易ろ過から膜ろ過へ変更し、また、施設規模の増強も図る。このほど実施方針を明らかにした。

 同浄水場は市最大規模の浄水場で、1962年度に築造。丹那水源の湧水を原水に、マイクロストレーナーによる簡易ろ過方式で、最大取水能力は3万7500立方m/日(2021年度日最大配水量1万2400立方m/日)。過去にクリプトスポリジウム指標菌の検出履歴があり、浄水方法の変更が必要とされていたという。また、受水している駿豆水道で2008年度、19年度に漏水事故による大規模な断水が発生し、熱海市の観光産業が多大な損害を被っており、一層の安定給水を目的に再整備事業を行うとした。

課題が複雑化、補助拡充求める/関係各省、国会議員に要望書/大規模用水供給管理者会議

 全国21の大規模水道用水供給事業者で構成する全国大規模水道用水供給事業管理者会議は、2023年度水道予算に関する要望書を8月5日付で厚生労働省をはじめ関係各省に提出した。新型コロナウイルスの感染状況を考慮し対面での要望活動は実施せず、郵送するにとどめた。今年度の事務局は岐阜県都市建築部水道企業課が務めており、関係国会議員には岐阜県東京事務所が一括して配布した。

 要望書では、「課題は複雑かつ多様化しており国の強力な援助がなければ事業の推進は困難」「市町村水道の水源として役割を果たす公共性、広域性の強い事業である」などと、水道用水供給事業の課題を挙げながら要望事項を掲げた。

東北環境整備から寄付金/下水道の地震・水害対策に活用/仙台市建設局

東北環境整備から寄付金/下水道の地震・水害対策に活用/仙台市建設局

 仙台市建設局は、環境整備事業を営む東北環境整備(本社=仙台市青葉区、八島和幸・代表取締役社長)から寄付金100万円が贈呈された。このほど市役所で贈呈式が行われ、東北環境整備からは八島社長をはじめ、八島幸夫・取締役会長、平間勝行・営業課長が、同局からは千葉幸喜・局長、甲野藤弘憲・次長、阿部博樹・下水道経営部長が出席した。

社会実装の推進へ提案活動/予算措置、法的位置づけなど求める/日本下水サーベイランス協会

 日本下水サーベイランス協会(会長=村上雅亮・NJS社長)は、下水サーベイランスの社会実装の推進に向けての提案活動を行った。1日に松原誠・国土交通省下水道部長、2日に山本有二・衆議院議員(自民党下水道・浄化槽対策特別委員長)、田村憲久・衆議院議員(自民党下水道事業促進議員連盟幹事長)の3者に提案書を提出し、意見交換を行った。

新CMがオンエア/水道水「うまーっ」/クボタ

 クボタの新テレビCM「クボタが描く未来スマートウォーターソリューション」篇=が20日からオンエアを開始した。長澤まさみさん、パックン、皆川猿時さんが出演するお馴染みのシリーズ。今回は「水インフラの未来」をテーマに、同社が長年蓄積したデータやノウハウにAIやIoTといった最新技術によるソリューションの提供を通じて〝サステナブルな水道〟の実現を目指すという同社のビジョンを描いている。