水管橋の点検 コンクリ構造物並みに/今後の対応方針案示す/水道の諸課題有識者検討会/厚労省

 厚生労働省が設置した「水道の諸課題に係る有識者検討会」(座長=滝沢智・東京大学大学院教授)の第3回が27日、オンラインで開かれた。「水管橋崩落を受けた今後の施設の維持管理制度」と「布設工事監督者、水道技術管理者の資格要件」を議題に論点を整理。特に、前者では、省令・ガイドラインの見直しにより規制・指導の強化、内容充実を図っていく方針が示され、検討を深めた。現状、省令・ガイドラインで具体的な記載のない水管橋だが、点検頻度や点検手法などをコンクリート構造物並みに強化する方向で進める。今年度中の省令改正・ガイドライン改訂を目指す。

50周年、学会の未来を語る/第25回シンポジウムを開催/水環境学会

 日本水環境学会(会長=西嶋渉・広島大学教授)は7~8日の2日間にわたり、東京大学本郷キャンパスとオンライン形式のハイブリッドで「第25回日本水環境学会シンポジウム」を開催した。水環境分野の幅広い研究の発展と会員相互の情報交換を促進する場として毎年実施している。同学会の各研究委員会が7会場で並行してセッションを行い、知見を共有した。会場参集とオンライン合わせて514人が参加した。

静岡市の断水、懸命作業続く/応急給水支援も各地から

 台風15号に伴う大雨の影響で水道施設が被害を受けた静岡市では、清水区全域6万3000戸断水の解消に向けた復旧作業が続く。主要水源の興津川承元寺取水口で土砂・流木による閉塞が発生し、取水停止していた谷津浄水場では処理再開へ向けた作業が進行中。断水区域の約半分にあたる興津ブロック、巴川ブロックに谷津浄水場から処理水の送配水を行い、28日17時時点で断水を解消した。このほかのブロックについても配水管への充水作業を行った後、30日には安全宣言を発出する予定。その間、水道水の飲用はせず最低限の生活用水としての使用に留める旨の広報に努めた。和田島地区宮嶋橋の水管橋の落橋への対応は、必要な資機材の調達に時間を要しているという。

電気・ガス・水道データの利活用へ/業務効率化やサービス向上へ協定締結/全国初、産学官の連携で/湖西市

電気・ガス・水道データの利活用へ/業務効率化やサービス向上へ協定締結/全国初、産学官の連携で/湖西市

 静岡県湖西市は26日、電気・ガス・水道の検針データとAI・IoTなどの最新技術を利活用して市民サービスの向上や地域課題の解決につなげるため、豊橋技術科学大学、中部電力、サーラエナジー、東京設計事務所、第一環境と包括連携に関する協定書を締結した。産学官が連携して、電気・ガス・水道の検針データを活用した取り組みを検討するのは全国初となる。連携期間は、協定締結日から2025年3月31日までで、新たに設置する「電気・ガス・水道検針データ等利活用促進会議」(座長=井上隆信・豊橋技術科学大学副学長、建築・都市システム学系教授)で具体的なデータの利活用方法やサービスを検討する。初会合は、11月ごろを予定しており、検討結果をもとに25年度から実証実験を行っていく考えだ。

水道メーター情報通信サービス開始へ/遠隔検針、漏水検知を実現/北海道電力ネットワーク

 北海道電力ネットワークは21日、2024年4月から電力スマートメーター通信ネットワークを活用して水道遠隔検針などを実現する「IoT通信サービス」を開始すると発表した。

 同サービスは、水道メーターや隔測表示器に設置した通信端末から電力スマートメーター通信ネットワークを介して、メーター指示値や漏水警報などを提供するもの。遠隔検針により業務の効率化や、検針員不足などの課題の解決が図れるほか、効率的な漏水の検知を実現する。また、水道使用量の見える化、検針票のウェブ化などの住民サービスの向上にもつなげられるなど、多くのメリットがある。