水管橋点検、規制引き上げ/省令改正へパブコメ開始/水道の諸課題有識者検討会/厚労省

 厚生労働省水道課が設置する水道の諸課題に係る有識者検討会の第4回が12月27日に行われた。これまでの議論を総括し、水管橋崩落事故の教訓等を踏まえた今後の維持管理制度の見直しとして、水管橋等に対する規制のコンクリート構造物並みへの引き上げを決めた。新技術を積極的に採用する観点から、目視以外の方法も採用できることを明確にする。今年度内に省令(水道法施行規則第17条の2)を改正する。省令改正案について12月28日からパブリックコメントが開始され、1月30日まで意見を受け付ける。水道事業者等における予算確保、体制構築などの期間を置き、2024年4月施行のスケジュールで進める。

上下水道を将来に確実に/関係者が集い決意新たに/5団体共催・新年名刺交換会

上下水道を将来に確実に/関係者が集い決意新たに/5団体共催・新年名刺交換会

 上下水道関係5団体(日本水道協会、日本下水道協会、日本工業用水協会、全国簡易水道協議会、日本水道工業団体連合会)共催による新年名刺交換会が6日、東京・丸の内の東京會館で開かれた。集まったおよそ700人の産官学の上下水道関係者が、新年の決意を新たにした。会場には斉藤鉄夫・国土交通大臣をはじめ国会議員も4人訪れた。

シアノトキシン、PMMoVを報告/微生物問題検討会で知見共有/厚労省

 厚生労働省水道課は12月21日、今年度第1回水道における微生物問題検討会を開いた。微生物対策の実施状況、シアノトキシン、ウイルスに関する知見について共有した。

 事務局が微生物対策の実施状況について2020年1月から22年11月までの水道における残留塩素濃度に関する事故事例のうち、健康被害が確認された21年の岩手県内の事例、22年の東京都内の事例を説明。都内の事例では、飲食店の小規模貯水槽水道で、排水ポンプが故障して汚水が受水槽に流入し、一般細菌と大腸菌が検出された。

3月から自動検針を本格運用/今年度141件、来年度以降7500件/東北電力ネットワークと契約/名取市水道事業所

3月から自動検針を本格運用/今年度141件、来年度以降7500件/東北電力ネットワークと契約/名取市水道事業所

 宮城県の名取市水道事業所は東北電力ネットワークと「電力スマートメーター通信ネットワークを活用した名取市スマート水道メーター共同検針」に係る契約を締結し、3月からスマート水道メーターによる水道使用量の自動検針を開始する。利用者サービスの向上と業務の効率化を目指した取り組みで、今年度は大口需要者141件に導入し、2023年度以降は7年間で一般住宅約7500件に導入することとしている。

大和郡山市が参加を表明/2市除く県と26市町村等で構成/奈良県域水道一体化

 奈良県の用水供給事業と市町村の上水道事業などが事業統合する「県域水道一体化」について、県と23市町村、1企業団(3町)、1組合が参加することとなった。「奈良県広域水道企業団設立準備協議会」のオブザーバーだった大和郡山市が参加する一方、葛城市が不参加を表明し、不参加は奈良市を含めて2市となった。

事業者募集へ実施方針/3月上旬に募集公告/24年度から本格運用へ/下水道官民出資会社設立に向け/秋田県

 秋田県は12月28日、生活排水処理事業等の事務を補完する官民出資会社のパートナー事業者募集に関する実施方針を公表した。実施方針は、現時点で想定しているスキームやパートナーに期待する事項などをまとめたもの。今後は、3月上旬に募集の公告を行い、11月ごろに官民出資会社を設立してプレサービスを開始し、2024年4月から本格運用を開始する考えだ。

コンセッション4月開始へ/運営権者と実施契約/三浦市

 神奈川県三浦市は今年4月からの下水道事業へのコンセッション方式導入に向け、運営権者である、三浦下水道コンセッション(株)(東山基・代表取締役)と12月28日に公共施設管理実施契約を締結した。同市の「公共下水道(東部処理区)運営事業」は一処理区の処理場、ポンプ場、管路のすべての維持管理、改築を含む国内初のスキームとなる。事業期間は2023年4月1日~43年3月31日までの20年間。

課題解決に技術力で貢献/卯年をさらなる飛躍の一年に/賀詞交歓会/施設協・設備協

 日本下水道施設業協会と東京下水道設備業協会は6日、都内で新春賀詞交歓会を開いた。

 木股昌俊・施設協会長は、「昨年は、半導体不足やロシアのウクライナ侵攻が日本経済に大きな影響を及ぼし、会員も電気設備の納期遅延や資機材高騰による採算性の悪化に苦しんだ。また、下水道施設の老朽化、ヒト・カネ不足は深刻さを増し、脱炭素の取り組みや汚泥の肥料利用への検討が始まるなど、下水道をめぐる新旧の課題が山積している。私達民間企業は、率先して新技術の開発や官民連携、ソリューション提案に貢献していかなければならない。干支の兎のように、一層の飛躍を遂げることを祈念したい」とあいさつした。