能動的運転管理の普及・促進へ/3月中にガイドライン案公表/国交省

 国土交通省下水道部は2月27日、能動的運転管理の効率的な実施に向けた検討委員会(委員長=田中宏明・京都大学名誉教授)の今年度第2回を開いた。栄養塩類の能動的運転管理の効果的な実施に向けたガイドライン案について審議した。同委員会は、栄養塩類の能動的運転管理のさらなる普及・促進に向け、留意すべき事項や考え方を取りまとめたガイドラインを作成するため、2020年度から開催されており、委員は能動的運転管理を実施している自治体と学識者らからなる。委員からの意見を踏まえ、3月中にガイドライン案を公表する。

産官学から多彩な知見/第58回研究発表会を開催/工水協

 日本工業用水協会による第58回研究発表会が2月27日、都内で開催された。コロナ禍を経て3年ぶりの会場での開催。ネット配信した昨年度の経験も踏まえ、今回はオンラインも併用した。3題の記念講演と、7編の論文発表が行われた。

 記念講演は、昨年1年間に機関誌「工業用水」に掲載された論文の中から編集委員会が選定した論文賞、「愛知県営工業用水道事業におけるBCP等による危機対応の現状と今後の課題について」(愛知県企業庁水道部水道事業課課長補佐・神谷信弘氏)と、「沖縄県小浜島の地下水の水質とその保全」「沖縄県石垣島宮良川およびアヤマシ川流域の陸水の水質」(沖縄県立八重山高等学校教諭・東田盛善氏)によるもの。また、技術の開発・普及に顕著な貢献をした関連産業会員に対し編集委員会が推薦した日刊工業新聞社賞の「Seepa!R新型汚泥掻き寄せ機の開発」(水ingエンジニアリング・伊藤雄斗氏)も披露された。

リン回収や肥料化の4技術採択/B―DASH今年度補正予算で/国交省

 国土交通省下水道部は、2022年度補正予算で着手する下水道革新的技術実証事業(B―DASHプロジェクト)に、下水汚泥資源の肥料利用促進に向けた実規模実証3件、FS調査1件の4技術を採択した。

 実規模実証は1.消化汚泥から効率的にリンを回収する技術に関する実証事業(実施者:水ingエンジニアリング・神戸市共同研究体) 2.MAPにより脱水ろ液から効率的にリンを回収する技術に関する実証事業(JFEエンジニアリング・横浜市共同研究体) 3.新たなリン回収システムによる下水道の資源化に関する実証事業(太平洋セメント・メタウォーター・東京都下水道局共同研究体)―で、FS調査は 4.下水汚泥焼却灰の低コスト肥料化技術に関する調査事業(三機工業・秋田県・東京都下水道局共同研究体)―。

マカッサル市の漏水対策支援/インドネシアでキックオフセミナー/川崎市上下水道局

 川崎市上下水道局は、JICA草の根技術協力事業(地域活性化特別枠)の「マカッサル市における地下漏水対策実行能力向上プロジェクト―水資源の有効利用に向けて―」の活動を開始し、このほど現地でキックオフセミナーを開催した。インドネシアの東部インドネシア地域最大都市であるマカッサル市で大きな課題となっている高い無収水率の削減に向け、市職員などの派遣と研修員受け入れにより地下漏水対策のための支援を、かわさき水ビジネスネットワーク会員とともに実施していく。実施期間は2025年10月までで、今年5月にマカッサル市水道公社の幹部職員2人の本邦研修、6月には地下漏水調査と漏水修理工事の改善に向けた活動の実施のため川崎市の技術職員と技能職員を現地へ派遣する予定となっている。

「水道局アプリ」運用開始/サービス向上、業務効率化へ/さいたま市水道局

 さいたま市水道局は、利用者サービスの向上と業務の効率化を図るため、「さいたま市水道局アプリ」の運用を開始した。パソコン、スマートフォン、タブレットなどからインターネットを利用して、いつでもどこでも使用水量や水道料金の閲覧ができ、メーター検針時に交付する検針票のペーパーレス化を推進するほか、水道の使用中止・開始の手続きなども行うことができる。

高耐久性と高機能監視の薬品注入設備/容易な維持管理、トラブルの未然防止など/「液中型バルブレスポンプPHY型」と「CFA」/磯村

高耐久性と高機能監視の薬品注入設備/容易な維持管理、トラブルの未然防止など/「液中型バルブレスポンプPHY型」と「CFA」/磯村

 磯村の新製品である「液中型バルブレスポンプPHY型」および検流器「CFA(ケミカルフローアナライザー)」の組み合わせによる薬品注入設備が、水道関係者から注目を集めている。「液中型バルブレスポンプPHY型」は、業界トップの高耐圧、高耐久性、簡単にメンテナンスを行える設計、部品の共通化といった特長を持ち、「CFA」は、高機能な吐出監視、初期設定が簡単、ロガー機能搭載などの特長がある。すべての水道事業体をターゲットに普及・展開を図る方針で、事業体の要望に応じてデモンストレーション用のユニットを使った製品説明会を開催していくとしている。

事業持続に向けた取組を共有/東大阪市など講演/第10回水道講演会を開催/ポリテック

 配水用ポリエチレンパイプシステム協会(ポリテック)は2月14日、第10回水道講演会を2年ぶりに大阪市内で開催した。関西地方の水道事業職員ら約170人が参加する中、山下涼・厚生労働省水道課課長補佐、長谷部貴之・総務省自治財政局公営企業経営室事務官、橋場毅之・日本水道協会工務部技術専門監、山口智功・東大阪市上下水道局水道施設部計画推進課主査、塩浜裕一・同協会技術委員長が講演した。

 冒頭、白澤洋・同協会アドバイザーが「2年ぶりに現地開催でき嬉しく思う。本講演が皆様の事業運営の一助となれば」とあいさつ。

「NX羽田ビル」完成/水路設置でドローン開発加速/インスペクション事業の拠点に/NJS

「NX羽田ビル」完成/水路設置でドローン開発加速/インスペクション事業の拠点に/NJS

 NJSがインスペクション(点検・調査・診断)事業の拠点と位置付ける「NX羽田ビル」(東京都大田区内)が昨年12月に完成し、業務を開始している。

 同ビルにはグループ会社のFINDi(ドローン・ロボティクス・調査サービス)と日本X線検査(非破壊検査サービス)が入居して技術開発を進めている。地下に幅1・5m、長さ約20mの水路と水深1mの水槽を設置し、水上走行ドローンや水中ドローンの飛行が可能になっている。いつでも実験施設を使えることになり、ドローンの改良や開発が一気に進むという。