6市町首長が「上下一体の復旧を」/厚労省が水道復旧見通し示す/能登半島地震

6市町首長が「上下一体の復旧を」/厚労省が水道復旧見通し示す/能登半島地震

 石川県が18日に開催した第25回災害対策本部員会議において、水道の復旧見通しが厚生労働省から県を通じて市町に示されたことが報告された。この見通しについて検証され、復旧につなげていくことになる。能登北部地域の6市町の首長からは、断水の早期の解消や上下水道一体での復旧を望む声が相次いだ。被災地域への復旧支援が求められる。

水道システム上流側の耐震化が重要/地盤災害の可能性の調査を/宮島金沢大名誉教授

 金沢大学の宮島昌克・名誉教授は19~20日の2日間、断水が続く能登北部地域の水道施設の被害を中心に調査を行った。

 珠洲市では、施設の復旧支援を行っている名古屋市から復旧の現状について説明を受けたほか、メインの宝立浄水場の被災状況や破損した送水管(水管橋)の確認を行った。宝立浄水場では、1系の沈殿池やろ過池が被害を受けたほか、導水管が破損。導水管の復旧は仮設管を地上に650mほど布設し、19日に取水ポンプと仮設管を接続するとともに、取水ポンプ冷却用の配管を布設。傾斜板の脱落はあるものの、土木構造物の被害がない2系の沈殿池、ろ過池を活用して浄水処理機能の回復を図る。宮島名誉教授が浄水場を視察した19日には、日本原料のモバイルシフォンタンクの設置が進められていた。浄水処理を開始し、配水池に水を貯めた上で、配水を行い、漏水箇所の特定・修繕を進めていく方針だ。

既存施設運転と更新を並行実施/高田浄水場再整備事業で起工式/更新施設にはPVDF製浸漬式膜/小田原市

既存施設運転と更新を並行実施/高田浄水場再整備事業で起工式/更新施設にはPVDF製浸漬式膜/小田原市

 神奈川県小田原市の高田浄水場再整備事業の起工式が16日、同浄水場内で開かれた。この事業は設計・施工・運転維持管理を一括して発注するDBO方式を採用し、設計建設業務は現行の急速ろ過施設の運転維持管理を行いながら、処理方式を膜ろ過に変更するための既存施設撤去、新施設建設を行うもので事業期間は2029年度まで。膜ろ過施設の完成は2027年度末を予定している。一方、運転維持管理業務は今年度から既設急速ろ過施設の運転維持管理を5年間、2028年度から更新後の膜ろ過施設の運転維持管理を20年間、合計で25年となっている。

2025年度水道料金10%改定へ/審議会で計画書案の意見交換/湖西市水道課

 静岡県の湖西市水道課は15日、第5回湖西市水道事業経営審議会(会長=菊地裕幸・愛知大学地域政策学部教授)を湖西市役所で開いた。湖西市では将来の資金不足に備え、急激な料金高騰の回避や世代間の不公平感がないよう計画的な料金検討が必要であるとともに、社会情勢の変化を踏まえた料金制度の見直しが必要と判断し、水道料金改定の検討を行っている。今回は、2025年度に平均改定率10%の料金改定を行うなどとする料金改定計画書(案)について意見交換した。今後は1月下旬から2月下旬を期間として計画書(案)のパブリックコメントを実施し、3月の第6回経営審議会での最終確認を経て、審議会の答申を行う予定となっている。

避難所に可搬型水再生システム提供/WOTA社と協力し七尾市で/水ing

 水ingは15日、小規模分散型水循環システムや水処理自律制御システムの開発を手がける「WOTA」に協力し、能登半島地震で断水している七尾市内の避難所に、断水していてもシャワー浴ができるポータブル水再生システム「WOTA BOX」(ウォータボックス)を1台提供し、同社社員が設置を支援した。また、提供したもの以外の「WOTA BOX」の設置・運営の支援も行っている。

二相ステン鋼が京都市で採用/下水道用設備への適用が拡大/日鉄ステンレス

二相ステン鋼が京都市で採用/下水道用設備への適用が拡大/日鉄ステンレス

 日鉄ステンレスは11日、省合金二相ステンレス鋼「SUS821L1」厚板が京都市上下水道局鳥羽水環境保全センターの雨水滞水池流入ゲートに採用されたと発表した。ゲートは外ねじ式ステンレス製ゲートで、水密方式は4方金属水密(底部フラット金属水密型)。寸法は幅4500mm×高さ1250mmで、SUS821L1ステンレス厚板9~50mmを約3t使用した。受注者は古河産業システムズ、ゲート製造は丸島アクアシステムが担った。このほど稼働開始した。