「DX」「支援」「連携」視点に/中期計画2022策定へ/下水協

 日本下水道協会は、2022年から5年間の主要な事業方針や取り組み内容などを定める次期中期計画の概要を明らかにした。広域的・甚大な浸水被害の発生、社会全体のデジタル化の進展、SDGsの達成への取り組み、新型コロナウイルス感染拡大…と、現在の中期計画2017策定時からの下水道事業を取り巻く環境の変化を踏まえながら、会員ニーズに応える事業展開をめざす。視点は「DXの推進」「会員支援の充実」「会員間の連携強化」だという。会員から募る意見を踏まえ、6月に素案を取りまとめ、来年1月に完成させる予定。

効果的な能動的運転管理を検討/事例集・技術資料作成へ/国交省

 国土交通省下水道部は、地域のニーズに応じ季節ごとに水質を管理する能動的運転管理の取り組みをさらに推進するため「能動的運転管理の効果的な実施に向けた検討委員会」を設置した。取り組みのすそ野を広げるとともに、既に栄養塩類の増加運転に取り組んでいる下水処理場において、より適切な能動的運転管理の実施に向け参考となるように「栄養塩類の能動的運転管理に関する事例集」と「栄養塩類の能動的管理の効果的な実施に向けた技術資料」を作成する。

 さきごろ第1回委員会を開き、栄養塩類の能動的運転管理の取り組み状況および今後の検討方針、事例集(案)について審議した。事例集は今年3月に公表、技術資料については、来年度中に公表する予定としている。検討会の座長は田中宏明・京都大学大学院工学研究科附属流域圏総合環境質研究センター長が務める。

管路耐震化や停電対策 積極的に/「中期経営計画」素案を公表/千葉県企業局

 千葉県企業局は1月28日、「千葉県営水道事業中期経営計画」の素案を公表した。令和3年度から7年度までの5年間の経営に関する基本計画で、事業を運営する上での実施計画となるもの。管路の耐震化の推進や、危機管理体制の充実に向けて関係機関との連携強化などに取り組んでいくこととしている。3月1日までパブリックコメントを実施しており、3月中に策定・公表する予定。

 基本理念「いつでも、安全でおいしい水を安定して供給し、お客様が安心し、信頼を寄せる水道」、基本目標「『強靭』な水道の構築」、「『安全』な水の供給」、「お客様からの『信頼』の確保」は現在の中期経営計画から引き継ぐ。基本目標の達成に向け、▽安定給水の確保▽災害に強い施設整備の推進▽危機管理体制の充実▽安全で安心な水づくり▽おいしい水の供給▽お客様サービスの向上▽大規模事業体の責務と社会貢献▽運営基盤の強化―の8つの主要施策と21の主な取り組みを体系化している。

 主な取り組みのうち、「管路の耐震化の推進」では、φ500未満の配水管である小中口径管路の更新延長を現行の70㎞/年から80㎞/年にスピードアップし、湾岸埋立地域における管路の耐震化率を令和元年度の47・7%から7年度には70・0%へと向上させることを目指す。また、災害拠点病院や防災拠点といった最重要給水施設に供給するための管路の耐震化率を同じく25・4%から80%以上とすることを目標にする。

鋼板製消化タンクが竣工/9000立方mで国内最大級/埼玉県中川水循環セに建設/月島機械

 月島機械は1月25日、埼玉県中川流域中川水循環センターで、平成29年から建設を進めていた、合計4槽の鋼板製消化タンクが竣工したと発表した。日本下水道事業団(JS)より「中川流域処理場汚泥処理設備工事」として受注したもの。

 消化タンクの貯留容量は1槽あたり9000立方mで、鋼板製としては国内最大級。下部コーン構造および底部からの汚泥水平引抜により、沈降物の効率的な排出が可能。さらに低動力のインペラ式撹拌機や、汚泥循環ポンプの自動制御運転を採用することで、大幅な省エネルギー化を実現している。

配水池への送水を開始/モバイルシフォンタンクが稼働/凍結漏水被害の中津市で/日本原料

 1月7日の寒波による給水管の凍結・破損で漏水が多発し、一時給水制限を行っていた大分県中津市で復旧支援活動を行っている日本原料は、同市三口浄水場内に可搬型浄水装置「モバイルシフォンタンク」を設置、給水量確保のため25日に市内配水池への送水を開始し、モバイルシフォンタンクの水が市内に給水された。

 三口浄水場に設置したのは、モバイルシフォンタンク(MST―2200S)1基で、処理水量は日量1000立方m。1月10日に中津市上下水道部の支援要請を受けた同社は、翌11日に三口浄水場の現地調査を行い、16日に同社高萩工場(茨城県)からモバイルシフォンタンクをはじめとする資機材を搬入し、設置作業を開始した。齋藤安弘・代表取締役社長が陣頭指揮を執り、昼夜を問わず作業を行った結果、19日には水質調整作業に入り、同日夕方には濁度0・1度以下の水質を確認した。その後、大分市内の水質分析センターで水道水質基準を満たしていることが確認されたため、配水池への送水を開始した。

ライフライン持続へ理解を/関学大で寄附講座開く/大成機工

ライフライン持続へ理解を/関学大で寄附講座開く/大成機工

 大成機工はこのほど、木本圭一・関西学院大学国際学部教授の講座「関西の文化・政治・経済」に寄附講座が組まれたことを受け、同社顧問でWater&Life誌編集長の堂馬隆之氏が「大阪発祥企業の存在意義とライフライン企業の社会的責任」と題し、オンライン講義を行った。

 講義は1.日本経済を支えた企業を生んできた大阪 2.ライフライン企業の使命 3.質疑応答―の3部構成で進行した。