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2022年(令和4年)5月16日(第5580号)
給水配管の耐震性を評価/末端まで給水機能確保へ/研究報告書をホームページで/給水財団
給水工事技術振興財団はこのほど、「給水管分岐部に係る給水配管の耐震性評価報告書」を取りまとめ、ホームページで公開した。ダクタイル鋳鉄製の配水支管より分岐する際に用いられるサドル付き分水栓から給水管、継手を経た給水配管について、耐震試験や性能評価を行ったもの。対象とした、耐震性を有するとされているサドル付分水栓、給水管、継手の組み合わせはいずれも「水道施設耐震工法指針」に示されたレベル2地震動に対して耐震性能2を有すると評価している。報告書ではこれらを踏まえ、耐震性の高い給水配管への更新の重要性を指摘している。
災害復旧支援で長野県から感謝状/CP千曲の処理機能が完全復旧/JS
日本下水道事業団(JS)は4月25日、2019年の台風19号(令和元年東日本台風)で被災した長野県千曲川流域下水道下流処理区終末処理場(愛称:クリーンピア千曲)での約2年半にわたる災害復旧工事の完了に伴い、県から感謝状の贈呈を受けた。
クリーンピア千曲は、長野市、須坂市、小布施町、高山村を処理区域とし、処理面積は4466ha、処理人口は約15万人。処理能力は、5系列10池で1日最大8万立方m(2020年度末現在)。1991年3月に供用を開始し31年目となる。
被災地住民待望の雨水渠が完成/広島市下水道局/複数流量を制御し貯留機能装備
豪雨被災地住民が心待ちにしていた雨水渠が完成―。2014年8月豪雨災害を教訓に、広島市下水道局が被災地区である広島市安佐南区八木・緑井地区で、2018年3月から着手していた雨水渠築造工事がこのほど完了、供用した。豪雨時に市街地から流出する雨水に加え、流下能力不足の河川からの雨水も取り込む河川・下水道一体型施設は、全国で初めてとなる。また、放流先河川の許容放流量の制限を踏まえ、複数のオリフィス(流量制御施設)による貯留機能も装備。シールド工事の掘進初期にマシントラブルで一時掘進停止したが、マシンを改良して乗り切った。雨水渠全体の工期は2018年3月~22年3月の約4年間、総事業費は約115億円となっている。
水道スマートメーターの導入を検討/愛知時計、アズビル金門、東洋計器と実験/山間・離島18件のデータ取得/岡山市水道局
岡山市水道局は水道事業のDXの推進に向け、携帯電話回線を利用し、水道メーターの自動検針を行う水道スマートメーターの実証実験に取り組んでいる。漏水の早期発見など新たなサービスの可能性や、検針員の担い手不足対策などを検証するもので、山間・離島部の18件に設置。期間は今年1~12月の1年間で、同局の担当者は「通信品質の確認や設置拡大に向けた課題整理に加え、取得したデータの利活用などを検証したい。今後はコスト面などを考慮し、導入を検討していきたい」と話している。
海外下水処理場のエネルギー自立化を調査/事例もとに国内へ提案/NJS 技術レポート
NJSは技術レポート「下水処理場におけるエネルギー自立化の状況~海外事例を中心として」を発刊した。エネルギー自立化をキーワードに海外の下水道の事例や適用技術、制度を整理するとともに、カーボンニュートラルに向けた下水道の取り組みに係る提案事項をまとめている。同社ホームページで閲覧可能。
エネルギー自立化の状況としては、調査を行った海外の74カ所の下水処理場のうち、31カ所がエネルギー自立化を実現しているという。欧州23カ所、米国7カ所、パレスチナ1カ所となっている。このうちデンマークの3処理場は、エネルギー自給率が150%~180%と最も高くなっている。