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WHOが暫定ガイドライン値/パブコメ11月11日まで/PFOS・PFOA
WHO(世界保健機関)による「飲料水水質ガイドライン」で、有機フッ素化合物であるPFOS・PFOAの暫定ガイドライン値が策定されようとしている。それぞれ0・1マイクログラム/L(=100ng/L)を暫定ガイドライン値とする案を公表し、パブリックコメントを開始した。意見募集は11月11日までで、WHOホームページ(ニュースルーム)で閲覧できる。日本では水質管理目標設定項目としてPFOS・PFOA合計で50ng/Lの暫定目標値が定められている。日本の水道水質基準等はWHOの知見に拠る場合も多く、今後、この値が参照される可能性もある。
「協会をもっと身近に」/問合せ専用バナー設置/日水協
日本水道協会は、会員や一般の人が問い合わせをしやすいよう協会ホームページトップ画面に「問い合わせ専用バナー」を17日から設置する。また、電話による問い合わせの利便性向上のため、今後「電話相談窓口の一元化」を予定しているという。
専用バナーの設置後もこれまで通りに、電話やメールでの問い合わせも受け付けるとしており、問い合わせ方法の多様化により、対応の向上を図っていく考えだ。
「移管待たず現場力活用して」/水道の災害対応力強化を表明/岸田首相
現在開会中の秋の臨時国会(第210回国会)で水道行政の移管に関連する質疑・答弁があった。7日の参議院本会議、自民党・牧野たかお議員による水道事業における災害対応能力強化についての代表質問に、岸田文雄総理大臣が答えたもの。
牧野議員はさきの台風15号により静岡市清水区内で6万3000戸に及ぶ大規模な断水が続いたことを挙げ、「道路は国が都道府県道や市町村道の災害復旧工事を代行することができる。一方、水道事業を所管する厚生労働省は道路事業を担う国土交通省のように直轄事業を執行することはなく、社会資本整備を担当する層の厚い地方組織も無い。折しも、今年9月のコロナ対策本部において、感染症対応能力の強化のための組織の見直しとして、水道の整備と管理の行政を国交省および環境省へ移管することが盛り込まれ、令和6(2024)年度の施行を目指すとされている。水道事業における災害対応などを考えれば望ましい方向性が示されたと考える。しかし、災害はその時まで待ってはくれない。今からでも令和6年度の施行に向け、厚労省と国交省が一体となって水道事業における災害対応能力の強化を図るべきだと考える」と政府の見解を質した。
利用者サービスの向上へ/「東京都水道局アプリ」運用開始/申込み・支払いなど簡単に/東京都水道局
東京都水道局は、利用者サービスの一層の向上を図るため、1日に「東京都水道局アプリ」の運用を開始した。スマートフォンなどにより水道の使用開始・中止をはじめ、口座振替などの各種申込み、クレジットカードや決済アプリなどによる料金の支払いが可能となる。また、過去の使用水量や料金の閲覧などができるほか、請求書や検針票などを電子配信することによりペーパーレスを推進する。小池百合子・都知事は9月30日の記者会見で「水道の使い方の見える化ができるので、ぜひダウンロードしてご利用いただければ」と語った。
時間帯別料金の実証実験へ/中部電力、東京設計、第一環境と/湖西市
静岡県湖西市は、全国初となる水道スマートメーターを活用した時間帯別料金体系の実証実験を16日から開始する。中部電力、東京設計事務所、第一環境と共同で実施し、時間帯別の使用水量の把握・算出、時間帯別料金単価による使用水量の変化や影響(インセンティブ効果)の把握などを行う。
水道料金を減免するオフピークの時間帯や料金設定などの詳細な実験内容は検討中だが、例えば配水量が少ない夜間の水道料金を低く設定することで、利用者の意識・生活行動の変化により配水量の平準化が図れるかなどについて検証を行う。
2用水供給事業統合へ実施協定/経営合理化、業務効率化へ/静岡県大井川広域(企)、静岡県企業局、御前崎市、牧之原市
静岡県大井川広域水道企業団と静岡県企業局、御前崎市、牧之原市はこのほど、県企業局の榛南水道用水供給事業と企業団の大井川広域水道用水供給事業との統合に係る実施協定を締結した。両用水供給事業を事業統合することにより経営の合理化と業務の効率化を図り、受水団体が将来にわたり水道水を安定的に受水できるようにすることを目指しており、2029年4月の統合目標に向け、統合に係る施設整備などの動きを加速していく。
強靱な水道を目指へ情報共有/講演会で行政動向や地震教訓/鋼管協
日本水道鋼管協会はさきごろ、「WSP講演会」を都内で開催した。「水道の未来、大規模災害に備える~強靱な水道を目指して~」をテーマに、講師に名倉良雄・厚生労働省水道課長、丸山喜久・千葉大学大学院教授を招いた。協会からも技術サービス委員会が規格改正など技術開発の取り組みを説明し、会場には各工法や鋼管製品を紹介するパネル展示も設けた。
過去2年はコロナ禍により中止しており、3年ぶりの開催となった。近隣事業体職員や会員企業関係者らおよそ80人が参加。冒頭、同協会の佐々木史朗・専務理事はあいさつで、自然災害が頻発化・大型化してきていること、水道施設の強靱化が求められていることを挙げ「施設の耐震化や更新、防災・減災、そして事業の強靱化の参考になれば」と期待した。