上下水道「急所」の耐震化/プッシュ型の復旧支援へ/地震対策検討委 中間とりまとめ/国交省

 国土交通省は5月29日、今年3月に設置した上下水道地震対策検討委員会(委員長=滝沢智・東京大学大学院教授)の中間とりまとめを公表した。能登半島地震での被害を踏まえつつ、上下水道施設の地震対策を強化・加速するための取り組みを▽各機関の役割▽被災市町の復興に向けた上下水道の整備の方向性▽上下水道施設の被害を踏まえた今後の地震対策のあり方▽上下水道一体での災害対応のあり方―の観点から整理した。今後は、8月に第3回委員会を開催し、最終とりまとめを行う。

輪島市の応援活動を引き継ぎ/関東支部から中部支部に/日水協

輪島市の応援活動を引き継ぎ/関東支部から中部支部に/日水協

 能登半島地震で被災し、いまだに一部で断水が発生している輪島市に対して、日本水道協会の応援活動は関東地方支部を中心に進められてきたが、5月末に中部地方支部に引き継がれた。30日には関東地方支部の東京都と横浜市、中部地方支部の名古屋市と金沢市の関係者が登岸浩・輪島市上下水道局長と面会した。

「救援本部」は解散/引き続き支援、情報発信を

 日本水道協会は1月1日から設置していた能登半島地震の「救援本部」を、5月末をもって解散した。水道の応急復旧の進捗により、全国的な応援活動の調整が不要になることに伴うもの。応援活動は関西地方支部が5月14日に終了し、関東地方支部も5月末で中部地方支部に引き継いでいる。

水道システム再構築推進へ覚書/3浄水場廃止、企業団3浄水場増強/神奈川県・横浜市・川崎市・横須賀市・神奈川県内(企)

 神奈川県・横浜市・川崎市・横須賀市・神奈川県内広域水道企業団の5事業者は5月27日、水道施設の再構築、上流取水の優先的利用、取水・浄水の一体的運用による「水道システムの再構築」を着実に推し進めるため、覚書を締結するとともに施設整備計画を策定した。覚書は、連携して「水道システムの再構築」を計画的に実施していくこと、国へ財政支援を求めること、さらなる5事業者連携強化を検討することなどを内容とするもので、施設整備計画は水道システムの再構築を実施していくため必要となる施設整備の内容と費用などをとりまとめた。今後、5事業者は、関係機関の協力を得て、河川管理者や河川を利用する農業者、漁業者などの関係者へ丁寧に説明し調整を行いながら、取り組みを進めていく。

「持続」へさらなる挑戦を/給水開始100周年式典開く/小諸市

「持続」へさらなる挑戦を/給水開始100周年式典開く/小諸市

 長野県小諸市は5月17日、小諸市文化センター文化会館ホールで関係者約100人を集め、「小諸市水道事業給水開始100周年記念式典」を開催した。

 田中尚公・副市長の開式のあいさつに続き主催者を代表して登壇した小泉俊博・市長は、「大きな節目を迎えたこの特別な年に浅間山麓の水の恵み、そして100年にわたって水道事業に携わった先人たち、さらには水源地の皆様に感謝」と謝辞を述べた上で同市水道事業の足跡について説明し、「公益性を保ちつつ将来に向けて持続を図るために平成31(2019)年に水みらい小諸を設立、今後も諸課題の解決を見据えてさらなる挑戦していく覚悟」と、将来に向けた意欲を口にした。

一般市の課題解決へ/勉強会で活発に意見交換/DX、官民連携災害対応テーマ/下水道研究会議

一般市の課題解決へ/勉強会で活発に意見交換/DX、官民連携災害対応テーマ/下水道研究会議

 一般市が抱える課題の解決に向けて、国や下水道関係団体と連携して調査・研究を行う下水道研究会議の勉強会が5月23~24日、日本下水道協会で開かれた。国土交通省や各団体から最新の動きについて情報提供が行われたほか、DXの推進、官民連携の推進、災害対応の3議題について意見交換を行った。

 冒頭、代表幹事の河西勉・横須賀市上下水道局技術部長が「下水道研究会議は会員の課題解決や進むべき方向性を模索するためのツールとして、来賓の皆様の協力をいただきながら、積極的に情報交換、意見交換する場となれば」と期待を述べた。

県内初、下水汚泥を肥料登録/農業高校と効果検証試験/長野県

 長野県環境部水道・生活排水課は5月21日、安曇野終末処理場(アクアピア安曇野)から発生する脱水汚泥が県内で初めて汚泥肥料として登録されたと発表した。

 肥料名は「アクアピア1号」。安曇野終末処理場から発生した汚泥を濃縮、消化、脱水したもので、主な肥料成分は窒素1・3%、リン0・9~1・3%となる。同処理場の脱水汚泥の発生量は、年間約4000t。

 今後は、一般への利用に向けて、南安曇農業高校と肥料の有効性や安全性に関する効果検証試験を進めていくほか、県機関での園芸利用の検討を進めていく。