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季節別の計画放流水質創設へ/栄養塩類の能動的運転管理を推進/国交省
国土交通省は、栄養塩類の能動的運転管理を踏まえた計画放流水質の柔軟な運用についての制度改正を進める。18日に開かれた第3回戦略的な水環境管理のあり方検討会(委員長=田中宏明・京都大学名誉教授、信州大学工学部特任教授)で審議された。検討会は、下水道整備の概成が目前に迫る中で豊かな海など水環境に対する新たなニーズや人口減少社会への対応など下水道における水環境政策の大きな転換期にある中、下水道による望ましい水環境のあり方について検討するために昨年度設置された。今年度中を目途に議論を終え、来年度から制度改正に本格的に着手する。
算定要領「資産維持費」焦点に/経営調査委でアンケート速報など/日水協
日本水道協会は20日、第111回経営調査専門委員会(委員長=米澤龍太郎・東京都水道局総務部主計課長)を開いた。今年度、事務常設調査委員会で「水道料金算定要領」を改定することにしており、具体的な見直し作業を同専門委員会で行う。前回6月の委員会で▽水道法・水道法施行規則との整合▽資産維持費▽総括原価の配賦方式▽逓増料金制の設定基準▽加入金・負担金―を検討の重点項目に位置付けることに決めており、今回は担当する委員事業体を振り分け、各事業体での現状、改定の方向性、課題について各委員が意見を述べる形で論点を整理した。
能登地方で大雨災害/断水5000戸超、下水道機能停止も
20~22日にかけて能登地方を襲った大雨で水道、下水道施設が被災した。国土交通省や石川県のまとめによると25日15時現在、輪島市3109戸、珠洲市1750戸、能登町210戸の3市町5069戸が断水中。
輪島市では停電の影響で浄水場が機能停止。復電と原水濁度の低下により浄水処理を再開した。先の地震で被災し、仮設で復旧していた送水管が破損、配水池に水を送れず広い範囲で断水している。送水管復旧工事を25日夜に着工。
工水でウォーターPPP/DB+包括委託でポンプ場整備など/大豊建設らと契約締結/静岡県企業局
静岡県企業局は、「ふじさん工業用水道事業新ポンプ場整備を伴う包括民間委託事業(更新支援型)」を実施する民間事業者を、大豊建設(=代表企業)、ウォーターエージェンシー、建設技術研究所、徳倉建設、石井組、荏原実業、明電舎に決定し、このほど静岡県庁で契約締結式を開いた。DB+包括的民間委託方式を導入し、水運用の変更に係る新ポンプ場などの設計・施工と、新ポンプ場と浄水場など既存施設の運転・維持管理や長期更新計画の策定を一体的に行うもので、管理・更新一体マネジメント方式に準拠したウォーターPPPでの実施となる。事業期間は設計・施工が契約締結日から2029年3月、運転・維持管理は2025年4月から31年3月まで。契約金額は92・7億円で、従来の個別契約で事業を行った場合と比較し、19・5億円・17・4%の経費節減を見込んでいる。
経営プラン・料金の考え方示す/上下水道事業審議会が答申/名古屋市上下水道局
名古屋市上下水道局はこのほど、第5回名古屋市上下水道事業審議会(会長=竹内信仁・名古屋大学名誉教授)を開いた。5月に諮問した「持続可能な上下水道システムの構築に向けた事業運営のあり方について」の答申案の最終確認を実施。収支計画に基づく料金不足を補うために必要な水道11・2%、下水道12・5%の料金改定案などを盛り込んだ答申書を、竹内会長が横地玉和・局長へ手渡した。今後、2025年10月を目途に料金改定を目指す。同局の料金の増加改定は水道で29年、下水道で25年ぶり。答申書を受け取った横地局長は「答申の内容をしっかりと受け止め、事業運営の基本となる経営プランの策定作業を早急に進めていく」と話した。
DBで上烏田浄水場配水池等整備/フソウと基本協定を締結/かずさ水道広域連合(企)
かずさ水道広域連合企業団は10日、「上烏田浄水場配水池等整備DB事業」の優先交渉権者をフソウに決定し、基本協定を締結したことを発表した。統合広域化基本計画における施設統廃合事業の一つである「上烏田、久保、北子安、上飯野配水区域の統廃合」で、上烏田配水区域を拡大することとなっていることから、烏田浄水場の配水池を拡大する配水量に見合った容量に拡充して更新するとともに、耐震化を図る。提案価格は36億9000万円。今後は、事業契約の内容について協議し、10月に契約を締結する予定で、工事期間は10月から2029年3月まで、同年4月の供用開始を目指す。
圧力センサ付バルブの耐候性を確認/管内圧力の遠隔監視や管理向上へ/南会津町でフィールド試験/前澤工業
前澤工業は、圧力センサ付バルブとマンホールアンテナを組み合わせて管内圧力の遠隔監視や管理に役立てる製品のフィールド試験を実施中だ。マンホールアンテナは東京都下水道サービス、明電舎、日之出水道機器による共同開発品を使用している。バルブメーカーとして長年培った経験や技術力を生かし、管内情報を取り出して活用するシステムにより、効率的・効果的な維持管理に貢献していく。
工場内での試験において性能は実証済みであるが、日本全国で広く展開していくためは、寒冷地での試験が必要不可欠だった。同社では、昨年12月から豪雪地域である福島県南会津町で同製品のフィールド試験を実施し、耐候性などの確認を行っている。