「上下水道耐震化計画」策定を要請/上下水道一体で耐震化を推進/国交省

 国土交通省はすべての水道事業者、下水道管理者に対して来年1月末までに「上下水道耐震化計画」を策定するよう要請した。上下水道システムの急所施設や避難所等の重要施設に接続する上下水道管路等について、上下水道一体で耐震化を推進するための計画で、計画期間は原則、来年度から5年程度とする。計画策定にあたっては、関係する水道事業者等と下水道管理者が相互に調整を行いながら、上下水道一体の計画とすることを基本とする。今年1月に発生した能登半島地震では、上下水道施設に甚大な被害が発生し、上下水道システムの急所施設の耐震化が未実施であったことで復旧が長期化した。また、岸田総理がシステムの急所、避難所等の重要施設にかかる管路等の耐震化状況の緊急点検を10月末までに完了する、今年度内にすべての自治体において上下水道耐震化計画の策定を進める旨を発言したことが背景にある。

上下水道の経営基盤強化へ研究会/能登地震踏まえた耐震対策も/総務省

上下水道の経営基盤強化へ研究会/能登地震踏まえた耐震対策も/総務省

 総務省は「上下水道の経営基盤強化に関する研究会」を設置、検討を開始した。人口減少や施設の老朽化が本格化していく中で、上下水道の経営基盤の強化に資する取り組みや、持続可能な経営を確保するための方策について検討する。能登半島地震における上下水道施設の被災状況や対応を踏まえた上下水道事業の地震対策等のあり方についても取りまとめる。上下水道一体での研究会設置は初めて。

宮島名誉教授が能登教訓を整理/地震工学研発で知見共有/土木学会

 土木学会は10、11日、金沢市内で第44回地震工学研究発表会を開催した。オンラインでの受講者も含めて関係者約300人が参加。同学会地震工学委員会委員長の酒井久和・法政大学教授が登壇し、能登半島地震について「道路、上下水道の被災に関してはまだまだ我々がやるべきことがある一方で、橋梁に関してはある程度減災が実現できたことは先輩達の努力の賜物。災害が起こるたびに新たな教訓に直面する」と開会あいさつし、知見の共有と人的ネットワークの深化への期待感を示した。