今週の紙面

2025年(令和7年)5月29日(第5836号)

2025年(令和7年)5月26日(第5835号)

水道界の災害対応力強化へ/「手引き」改訂版を発行

 日本水道協会は、災害時における会員水道事業体の相互応援のルールを定めた「地震等緊急時対応の手引き」を改訂した。改訂版は昨年の能登半島地震での活動の課題や教訓を踏まえ、初動対応の迅速化や情報共有、応援体制の確立や費用・財政面などの課題を整理し、分かりやすい手引きをめざした。4月にホームページに掲載し、正会員に配布。5月16、21、26日にはウェブでの説明会を開催している。説明会では改訂のポイントと各関係者の役割を解説し、併せて、国土交通省水管理・国土保全局防災課から災害査定のポイントについての説明もなされた。自然災害の頻発化・激甚化が叫ばれる昨今、水道の災害対応力強化へ「手引き」の認知・活用が期待される。

「下水道展25大阪」事前登録を/7/29~多彩な併催行事も/下水協

 7月29日から8月1日の4日間、インテックス大阪で開催される下水道展25大阪(主催:日本下水道協会)の事前来場登録が開始された。大阪での開催は4年ぶりで、出展規模はここ10年来の地方開催で最大規模となる350社・団体/1186小間。展示会のほか、セミナー、研修会、講演会などの併催行事も多数行われる。7月29日から3日間、第62回下水道研究発表会も併催される。

上下水道DX"待ったなし"/最終とりまとめへ議論深める/国交省

 国土交通省上下水道審議官グループは21日、第4回上下水道DX推進検討委員会(委員長=山村寛・中央大学理工学部教授)を開催した。前回委員会を踏まえた検討状況を確認し、最終とりまとめ案について審議した。委員会ではこれまでに、▽業務の共通化▽情報整備・管理の標準化▽DX技術実装▽現状可視化―の観点で対応方針を整理し、4つのテーマごとに課題とそれを解決する対応方針を示している。6月初旬に最終とりまとめを公表する。

管路維持管理業務の高度化へ/埋設確認・立会受付オンライン化/水道施設探索システム開発も/長岡市水道局

 長岡市水道局は、熟練技術者の退職、水道施設の老朽化といった水道管路の維持管理における社会課題に対し、先進技術を積極的に活用し、効率的かつ効果的な水道管路の維持管理業務の高度化に取り組んでいる。2023年度から実施している「AIによる衛星画像解析を活用した漏水調査」に続き、今年度から「水道管の埋設確認・立会受付業務のオンライン化」と「高精度位置測位技術を活用した『水道施設探索システム』の開発」の2つの新たな取り組みを開始している。

災害対応などの意識向上へ/札幌市、かほく市派遣職員が報告/仙台市水道局

災害対応などの意識向上へ/札幌市、かほく市派遣職員が報告/仙台市水道局

 仙台市水道局は13日、同局本庁舎で派遣職員報告会(札幌市人事交流及びかほく市派遣報告会)を開催した。派遣で得た経験や他自治体職員とのやり取りなどの報告を通じて、 水道局職員の災害対応や水道事業に関する一層の意識向上を目的とするもの。同局と「災害時相互応援強化に係る人事交流に関する協定」を締結している札幌市水道局へ昨年度に派遣された渡邉卓也・水道危機管理室主任と、能登半島地震で被災した石川県かほく市へ昨年度に長期派遣された児玉陽介・管路整備課基幹管路係主任がそれぞれ報告、約70人の職員が聴講した。

東京の未来社会に貢献/受託事業の規模が拡大/設備協

 東京下水道設備協会(会長=三井田健・明電舎会長)は19日、都内で第50回定時総会を開いた。議案は2024年度事業報告と財務諸表、監査報告について。

 2024年度は、協会設立40周年記念事業として、機関紙「下水道設備」の記念号を発行。機関紙の連載企画で、写真家の山崎エリナ氏が会員の社員が活躍する姿を捉えた「設備創造」を写真集にまとめ公刊した。また、東京都の下水道技術実習センターの開設時に同協会が提供した展示品についての説明パネルを新たに作成し、同センターに寄贈した。

基盤の強化へ結束強め/帯広で第69回総会を開催/企業団協

基盤の強化へ結束強め/帯広で第69回総会を開催/企業団協

 全国水道企業団協議会(会長=吉田延雄・阪神水道企業団企業長)は22、23日の両日、十勝中部広域水道企業団の開催担当により北海道帯広市内で第69回総会を開催した。関係者約150人が参加。企業団が運営する広域水道の基盤の強化に向け、結束を確認した。

経営と災害対応テーマに/下水道トップセミナー開く/下水協

経営と災害対応テーマに/下水道トップセミナー開く/下水協

 日本下水道協会は9日、下水道事業管理者など自治体下水道部門のトップを対象とした「下水道トップセミナー」を都内で開催した。セミナーは昨年度新たな研修として初めて開催し好評だったもので、今年も全国から44人が参加した。今回のテーマは「経営」と「災害対応」を2本の柱として企画し、その分野の専門家など経験豊富な講師陣による講演が行われた。また、国土交通省、総務省から国の下水道事業に関する最新情報の提供があった。

「水道PRブース」広島でも/理解深化へ関係者一丸で/日水協

「水道PRブース」広島でも/理解深化へ関係者一丸で/日水協

 日本水道協会は、昨年神戸市での全国会議・水道展で初めて実施した「水道PRブース」の取り組みを、今年の広島市でも実施する。〝蛇口の奥〟をキーワードに、地元小学生をはじめ広く一般の水道使用者に訴え、水道への理解を深める。

会員相互の情報共有と信頼醸成へ/広域連携の深化へ関係者一堂に/水道料金改定に関する講演も/北奥羽地区水道事業協議会

会員相互の情報共有と信頼醸成へ/広域連携の深化へ関係者一堂に/水道料金改定に関する講演も/北奥羽地区水道事業協議会

 北奥羽地区水道事業協議会(会長=熊谷雄一・八戸圏域水道企業団企業長、八戸市長)は8日、同企業団庁舎で第18回総会を開いた。青森県南・岩手県北の21事業体や民間企業・管工事組合等で構成する協議会で、防災訓練や研修会等での交流を通じて北奥羽地区の水道事業の総合的な発展に向けて取り組んでいる。総会では昨年度の活動報告、今年度の活動計画案について審議したほか、青森、岩手両県からの来賓による行政説明、会員による重点事業説明があった。また、日本水道協会の平賀隆・調査部総括担当課長が水道料金の改定に関する講演を行った。

企業局の現況を報告・共有/受水団体集め水道事業連絡会議/沖縄県企業局

企業局の現況を報告・共有/受水団体集め水道事業連絡会議/沖縄県企業局

 沖縄県企業局は16日、同局石川浄水場内の会議室で水道事業連絡会議を関係者約100人を集めて開催した。本島および本島周辺の離島8村を対象に水道用水供給事業を行っている同局では、例年この時期に受水団体関係者に呼び掛けて同会議を開催し、経営状況や直面する課題とその解決に向けた取り組み内容を詳細に報告することで同局事業の現況の共有を図っている。

行政が責任持てる体制構築を/政策の方向性転換求め声明/全水道

行政が責任持てる体制構築を/政策の方向性転換求め声明/全水道

 全日本水道労働組合は、八潮市で発生した流域下水道管路の破損に起因すると思われる道路陥没事故を受けて、公共へのさらなる投資を訴える声明「水は自治、足元への回帰を」を15日に発出した。同日、国土交通省記者クラブで声明主旨を説明する記者会見を開いた。

「大都市がしっかり連携して」/事業費確保と制度拡充求める/国や国会議員に局長要望活動を実施/大都市下水道会議

「大都市がしっかり連携して」/事業費確保と制度拡充求める/国や国会議員に局長要望活動を実施/大都市下水道会議

 東京都と政令市で構成する大都市下水道会議の局長要望活動が15日、行われた。会議では、吉澤正宏・国土交通省下水道事業課長、清田浩史・総務省大臣官房審議官(公営企業担当)からの下水道事業を取り巻く最近の動向などについての講演と情報共有のための意見交換を行った。その後、関係省庁や国会議員などへ要望活動を実施した。

社会インフラ再設計の時代に/「やくも水神」が発明大賞/施設の情報を可視化・共有/小松電機産業

社会インフラ再設計の時代に/「やくも水神」が発明大賞/施設の情報を可視化・共有/小松電機産業

 小松電機産業のスマートフォン対応型軽量小型水総合管理システム「やくも水神」が、日本発明振興協会の主催する第50回発明大賞で会長賞を受賞した。このほど、都内で第53回優秀発明発表会が開かれ、小松昭夫・会長兼社長が発表を行った。

営業利益が初の100億円超え/25年3月期決算を公表/メタウォーター

 メタウォーターはこのほど、2025年3月期決算を公表した。受注高・受注残高・売上高・営業利益で過去最高を更新した。人的投資、基幹システム更新に伴う減価償却費などの先行投資があったものの、円安・物流増による海外事業の好調な業績により売上総利益率が改善し、本業ベースとしては営業利益が初の100億円を超える水準となった。