下水道管路の全国特別重点調査を要請/口径2m以上 94年以前の管が対象/国交省

 国土交通省は18日、全国の下水道管理者に対し、下水道管路の特別重点点検の実施を要請する事務連絡を発出した。埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故を受けて設置された「下水道等に起因する大規模な道路陥没事故を踏まえた対策検討委員会」がとりまとめた提言を踏まえたもの。調査対象は、管径2000mm以上かつ、1994年以前に設置・改築された下水道管路。調査を行うとともに、調査結果を踏まえ緊急改築を実施する。それにかかる費用については、18日閣議決定された予備費(98億9100万円)で支援する。補助率は1/2。

AI活用の漏水検知ツール実用化へ/宇都宮市、KDDIと実証/wavelogy

 音解析技術を用いたソリューション開発などを行うwavelogyは1日、宇都宮市上下水道局、KDDIとAIを活用した漏水検知ツールの実証を開始した。同局の漏水調査エリアにおいて、wavelogyのAI漏水検知ツール「SuiDo」の有用性を検証するもので、漏水音データ収集の運用確立とデータ収集から行い、AI漏水判定の確度向上にも取り組む。実証の結果をもとに、水道管の漏水調査業務の効率化と人手不足の解消に向け、2028年度の実用化を目指す。

上・工・下水道の基盤強化加速を/要望やWGなど活動を活性化/理事会開き新年度の事業計画を決定/水団連

上・工・下水道の基盤強化加速を/要望やWGなど活動を活性化/理事会開き新年度の事業計画を決定/水団連

 日本水道工業団体連合会は5日、都内で第179回理事会を開き、2025年度の事業計画と予算について審議し決定した。また、会議後には関係各省に2026年度政府関係予算についての要望活動を実施した。

 水団連は、会員の諸活動を側面から支援し、広く水道界の発展に貢献する。事業計画によると来年度は、2024年度の水道行政の国土交通省・環境省への移管を踏まえ強靱で持続可能な上下水道の構築に向け、事業の基盤強化施策が加速されていくことから、関係機関と連携しつつ支援事業を実施する。上下水道、工業用水道施設の喫緊の課題である老朽施設の更新や耐震化の促進に資する活動、水道産業界に資する情報収集や支援策等に取り組む。また、水団連の運営および活動の活性化を図るとした。

八潮市道路陥没事故の原因究明へ/第三者委員会が初会合/埼玉県

八潮市道路陥没事故の原因究明へ/第三者委員会が初会合/埼玉県

 埼玉県は14日、「八潮市で発生した道路陥没事故に関する原因究明委員会」の第1回会合を、八潮新都市建設事務所内で開いた。工学的、客観的な見地から、陥没を引き起こしたインフラの損傷が発生し、空洞が拡大するに至ったメカニズムの推定と分析を通じて原因を究明し、陥没の防止に向けた対策を検討する。今回は、委員の間で検討すべき論点の確認とあわせて、事故現場の視察が行われた。

 委員長は藤野陽三・ 城西大学学長、副委員長は二羽淳一郎・ 東京科学大学名誉教授が務め、委員には、大学や研究機関の土木工学を専門とする地盤や地質、コンクリート構造、地下空間、下水道など各分野の有識者7人が名を連ねる。今回の事故は、中川流域下水道管の破損に起因するとみられるが、当該管路は整備から42年が経過しているものの、2021年度の定期点検時には、補修が必要な腐食は確認されていないことなどから、原因の特定には至っていない。

北大工学部で第59回年会開催/北広島市の上下水道施設見学も/水環境学会

 日本水環境学会(会長=池道彦・大阪大学大学院工学研究科教授)の第59回年会が17~19日の3日間にわたり、札幌市の北海道大学工学部で開かれた。全国の大学、研究機関、企業の関係者が集まり、600編を超える口頭・ポスター発表をはじめ、各種表彰式や就活生向けの企画、多彩な併催行事で盛況となった。会期中には、正会員・団体会員により、年会優秀発表賞(クリタ賞)、年会学生ポスター発表賞(ライオン賞)を選出する投票が行われ、多くの票を獲得した発表者に賞状が授与された。