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2014年(平成26年)10月30日(第4947号)

本号の特集

水道を次世代に引き継ぐために/日水協全国会議が名古屋市で

誇るべき水道を、次世代に確実に引き継ごう―。その思いが溢れ出る。日本水道協会の「全国会議」が29日、名古屋市国際展示場・ポートメッセなごやで開幕した。3日間にわたり、水道が直面する課題解決に向けた討議や、研究発表が行われる。全国の水道事業体や産・学の関係者に加え、アジア各国の水道協会など海外からの参加者もあり、およそ2900人が集った。ここ名古屋市の象徴・鍋屋上野浄水場が通水した大正3年から数えて100周年の節目の年に開催する全国会議。先人から受け継いできた水道を“持続”へ、関係者が思いをひとつにする。

名古屋水道は次の100年へ/先人の功績や水源に感謝/住民の信頼を礎に持続を/100周年記念式典

全国会議の開会前日の28日、名古屋市上下水道局は市内の名古屋国際会議場で『水道給水開始100周年記念式典』を開催した。市民や関係者ら約600人が集まり、名古屋水道を築き上げた先人の功績や、水源流域地域に対する感謝の思いを再確認した。さらに、次の100年も引き続き、水道利用者との信頼関係をベースに取り組む上下水道事業の姿勢をイメージで伝える新ロゴタイプを発表した。
 冒頭、河村市長は「市予算の5倍を超える資本を投下し、水道の創設に奔走した先人の英断と努力、水源地域のおかげで美味しい水道水が飲める」とあいさつ。
 来賓からは、厚労省の宮崎水道課長が「これからの100年も引き続き、直面する課題に積極的に取り組んでほしい」、総務省の廣澤室長は「記念すべき節目である今年を、新たな飛躍のステップに」と期待を寄せた。

「水道展」も盛大に

日本水道工業団体連合会主催の「名古屋水道展」も29日に開幕した。過去5年間で最多となる121社・団体が出展。「耐震化・更新を実行し、続けよう水道の信頼を!!」をテーマに、水道の持続の原動力となる最新技術を駆使した製品やシステム、サービスが一堂に集まった。

研発も各会場で熱心に情報交換

水道研究発表会では、8つの分科会にわかれ、日々の業務や研究の成果が披露されている。今年は耐震対策を集めた「耐震化部門」が新たに設けられるなど興味深い発表が目白押し。この3日間、産・学・官による熱のこもった発表と、活発な情報交換が行われる。
 今年の発表数は▽事務=26編▽計画=26編▽水源・取水=19編▽浄水=70編▽導・送・配水=77編▽給水装置=19編▽機械・電気・計装=19編▽水質=55編▽リスク管理・災害対策=28編▽耐震化=21編▽英語=9編―の全11部門369編となっている。

上下水道施設に大きな被害/宮島昌克・金沢大学教授と行く広島市の土砂災害現場

広島市では8月19日夜半~20日未明にかけての豪雨により、市北部の地区で大規模な土砂災害が発生し、管路をはじめとする水道施設が大きな被害を受けた。水道は10月1日までに断水が全戸復旧したが、発生から2カ月が経過した今も、被害の痕跡が残っている。本紙では宮島昌克・金沢大学教授らの視察に同行し、土砂災害現場を取材した。

課題克服へ東北の水道人が結集/会長に石橋東北学院大教授/「東北みずの会」が始動

東北地方の産官学の水道関係者有志により発足した「東北みずの会」の設立会が25日、仙台市内の東北学院大学サテライトステーションで開催された。同会は、東北地方の水道事業者・関係者による意見交換の場を設け、それぞれの地域・分野で行っている先進的な活動のネットワーク化、情報の共有化を図るべく設立されたもの。発起人は▽石橋良信・東北学院大学教授・同大学院工学研究科長▽南部昌秀・仙南町水道事業連絡協議会顧問(前・角田市水道事業所長)▽橋本潔・宮城県公営企業管理者▽岡崎弘・村田町農業委員会事務局長(前・村田町水道事業所長)▽安藤健一・日本ダクタイル鉄管協会東北支部長(元・仙台市水道局次長)―。この発起人の呼びかけに多くの関係者が呼応し、今回の設立に至った。

会長表彰33人に贈る/水道の発展に多大な貢献/簡水協

全国簡易水道協議会は平成26年度の「会長表彰」受賞者を発表した。水道の普及・発展、維持管理に貢献した簡易水道関係者の功績を称えるもので、沖縄県地域振興対策協議会簡易水道振興部会長を務めた島袋義久氏(前・大宜味村長)ら33人が受賞した。表彰式は11月20日の「第59回簡易水道促進整備全国大会」の中で行われる。

水道工学研修が終了/特別研究で活発な質疑/国立保健医療科学院

9月8日から行われていた国立保健医療科学院の水道工学研修が今月17日に終了した。16日には、約6週間の日程のうち3分の1以上を占める特別研究の発表会が行われ、9班に分かれた受講生が研究の成果を発表するとともに、活発に質疑応答を行った。
 特別研究のテーマは、水道が抱える最近の課題を中心に設定されており、今年は豪雨による水道施設への影響や高濁度原水への対応、事業体と住民の相互理解、浄水処理工程における副生成物の対策など多岐にわたるテーマとなった。

浄水場運転管理を委託/水みらい広島が夜間休日/呉市上下水道局

呉市上下水道局は9日、宮原浄水場等運転管理業務委託の優先交渉権者に、水みらい広島を選定した。同浄水場(施設能力水道8万2000立方m/日・工業用水道2万1000立方m/日)は、同市水道水の約80%および3社への工業用水を供給。同社は同浄水場、隣接する広島県営の宮原浄水場および場外施設について、夜間および休日の運転管理、場内日常巡回点検、緊急時対応などの各業務を行う。
 業務委託は公募型プロポーザルで実施。業務提案書・見積書などを、宮原浄水場等運転管理業務委託事業者審査委員会(会長=大上賢治・税理士)で、業務評価(115点)と価格評価(35点)の合計で審査・選定。参加2者のうち、水みらい広島が両評価とも上回った。
 委託期間は平成27年4月1日から同30年3月31日までの3年間。今後は12月までに業務委託契約を締結し、来年3月末まで業務の引き継ぎ、習熟などを行うとしている。

11月26日に水質研発開催/日水協関東地方支部

日本水道協会関東地方支部は11月26日、平成26年度水質研究発表会を東京都新宿区の新宿明治安田生命ホールで開催する。長坂雄一・厚生労働省水道課水道水質管理官の講演のほか、11編の発表が行われる。時間は10時から15時45分まで。参加費は無料。問い合わせは発表会運営委員会事務局の神奈川県内広域水道企業技術部水質管理センターの山下氏(電話046―239―2816、FAX046―239―2819、電子メールyamashita.ks@kwsa.or.jp)まで。

次世代管路更新工法を開発/不断水で別位置に耐震管を設置/2種類の三方向切替弁用い/大成機工・横浜市が共同で

大成機工と横浜市水道局はこのほど、共同開発品である「不断水用三方向切替弁」、「新設配管用三方向切替弁」を用いた次世代管路更新工法を開発した。不断水で老朽既設管と異なる位置に耐震管路を更新する別位置布設替え工法で、2012年度・2013年度の2期にわたるフィールド試験を経て実用化に漕ぎつけた。なお、同工法は両者で共同出願済みである。

車両で漏水パトロール/次世代型システムを開発/代表理事に佐藤伸二氏/水道管路管理協会が発足

一般社団法人日本水道管路管理協会の設立総会が8日、都内で開かれ代表理事に佐藤伸二・東日本地下埋調査社長(宮城県石巻市)が就任した。同協会が開発した次世代型水道管路漏水情報管理システム「AIMS(アイムス)」をはじめ、管路管理技術を全国の水道事業体に普及させていく方針だ。アイムスは1日50㎞以上の水道管を漏水管理できるシステムで注目を集めそうだ。会員は6社でスタートしたが、会員募集を行い、組織の拡充にも取り組んでいく。

笑いを誘う4パターン/ラジオCMが好評/大勇フリーズ

水道配管を凍結工法でサポートしている大勇フリーズ(本社・埼玉県川口市、大久保明勇社長)のラジオコマーシャル(CM)が好評だ。
 大久保太陽副社長の発案で3年目に突入した。同社を宣伝するものがカタログとパンフレットしかない現状から新しい媒体に挑戦、ラジオCMに結び付いた。現場や移動中、事務所などでラジオが流れていることに目を付けた。
 ラジオ局は関東一円がエリアで聴取率が高いFM放送のNACK5。1回10秒で週4回(月曜日朝8時頃、水曜日夕方6時頃、金曜日お昼頃、午後4時半頃)流している。CM内容も4パターン(1.社名連呼編 2.ジャック・バウアー風編=米国の人気TV番組「24」で犯人を追いつめるシーンでフリーズ「止まらないと撃つぞ」フリーズと叫ぶ 3.企業イメージ編=ちょっとした配管工事から大規模な断水工事でも水抜き不要・大勇フリーズ 4.俳句編=凍らせて止めてみせよう水道管)を作成。インパクトがあり、笑いも誘う内容でいずれも評判だ。

本社を11月1日に移転/ベルテクノ

ベルテクノは11月1日付で本社事務所を左記の住所に移転し、4日から業務を開始する。
 〒460―0002 名古屋市中区丸の内3―21―20・朝日丸の内ビル9階、電話=052―857―9011(水道事業営業本部、名古屋支店)、FAX052―857―9012(同)

静岡支店を開設/前澤工業

前澤工業は、新たに静岡出張所(橋本隆之所長)を開設し、11月4日から営業を開始する。
 住所・連絡先は次のとおり。
 〒420―0851静岡市葵区黒金町11―7三井生命静岡駅前ビル3階、電話054―254―0850、FAX054―254―0860

東京有楽町に事務所開設/管路管理総合研究所

管路管理総合研究所は、東京有楽町に事務所を開設した。
 住所、連絡先は次のとおり。
 〒100―0006東京都千代田区有楽町1―12―1新有楽町ビル1038号、電話03―6860―5180、FAX03―6860―5182

【特集】ベルテクノの製品と技術

水道事業体では、人口減少に伴う給水収益の減少と事業のダウンサイジングが徐々に進みつつあり、職員は少人数で多種多様な業務に対応することが求められるなど、タイトな状況に直面している。水道事業の〝持続〟に向けた取り組みに人的リソースをるには、新技術を積極的に採用するなどで、日常の維持管理業務を省力化することも有効な手段である。配水池および緊急遮水機能の分野で、こうしたニーズに高い信頼性で応えているのがベルテクノのSUS製配水池と緊急遮水システムだ。本紙では中部および関西地区の4事業体を取材し、採用の経緯や印象などを紹介するとともに、事業の持続に対する貢献度などについて探った。

【特集】名古屋市水道100年の意義と管路の適正管理を語る

名古屋市の水道事業が今年給水開始100周年を迎えた。質・量とも安定した木曽川に水源を求め、高いレベルの配水管網を構築し、「断水のない水道」、「おいしい水を供給する水道」といった高い評価を定着させている。
 こうした過程でいち早く水道管内カメラ調査の有効性に着目し、これまでに1250㎞を超える調査を実施し、管内クリーニングなど適切な対策の選択に活用している。そこで本紙では、新たな100年に向け、現在の高いサービス水準の維持・向上を目指す同市にスポットを当て、同市上下水道局の山下研二次長兼技術本部長、全国水道管内カメラ調査協会の杉戸大作会長、同堀内厚生顧問、小泉明首都大学東京 都市環境学部特任教授(全国水道管内カメラ調査協会特別会員)に名古屋市水道100年の意義、名古屋市水道の今後の方向性、管路の適正管理に向けたカメラ調査の役割などを巡って語り合って頂いた。

【特集】これからの管路整備の考え方について語り合う

水道施設の大量更新の時代がいよいよ到来する中、各地で大規模地震発生の懸念が高まっており、管路耐震化を軸にした「強靭」の実現に向けた取り組みを実践するに当たっては、「持続」を見据えた幅広い視点によって、管種の選定やアセットマネジメント等を駆使した計画的な更新のあり方が問われている。そうした視点に立って今後の管路整備を考えた場合、重要なキーワードとなるのが「長寿命化」であることに論を待たない。本紙では、中長期的視点に立った望ましい管路整備のあり方をテーマとする対談特集を企画、全国会議開催地・名古屋市上下水道局の信田管路部長と、金沢大学の宮島教授とで語り合っていただいた。