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第3854号 11月 8日発行




『21世紀水道宣言』を採択/日水協第70回長野総会終わる
 国民に信頼され続ける水道へ決意表明-。今世紀初の開催となった日本水道協会の第70回長野総会は1日、盛会のうちに幕を閉じた。総会では会務報告、常設調査委委員長報告、決算・監査報告、14年度予算等を了承するとともに、出席者全員の総意により『21世紀水道宣言』を採択した。宣言は、水道に携わることを誇りとし、今後も力をあわせ、国民から信頼され続ける水道を築いていく-との水道界全体の決意を内外に示すものだ。宣言が、水道界全体に活気を呼び起こす起爆剤となることが期待される。次期開催地は神戸市となった。
力強く宣言文を朗読する
遠藤岡山市管理者

21世紀水道宣言全文
 わが国の水道は、20世紀の100年の間に蛇口から直接飲むことのできる水道として96%を超える高普及率を達成し、公衆衛生の向上と生活環境の改善に寄与するとともに、産業経済活動を支え、国民生活に欠くことのできないライフラインとなっている。
 このことは、近代水道創設以来、水道に携わった先人が幾多の困難を乗り越えてきた成果であり、我々はその努力に心から感謝いたしたい。
 今、水道は大きな転換期を迎えている。量的な整備がほぼなされた中で、水道に寄せられる国民の期待は、財政の健全性を保ちつつ、水道水質の一層の向上、渇水や震災に対する水道システムの安定性向上、多様化・高度化するニーズヘの適切な対応など、水道サービスの質を問うものになってきている。さらに、環境・エネルギー問題への対応、新しい技術の開発などが期待されている。
 これらの課題への対応は、いずれも多くの困難を伴うものであるが、我々は、安全かつ良質な水道水の安定的な供給という水道の使命を全うするため、総力を挙げてこれに取り組む。
 また、地球規模で深刻化する水問題についても、水道界の知見と技術をいかし貢献していきたい。
 新しい世紀を迎え、我々は、国民の暮らしに重要な役割を持つ「水道」に携わっていることを誇りとし、今後も力を合わせ時代の要請に応え、国民から信頼され続ける水道を築いていく。
 21世紀最初の日本水道協会総会にあたり、将来の水道の目指すところを明らかにし、さらなる発展と努力を誓い、ここに宣言する。
 平成13年11月1日
 日本水道協会第70回総会

今後の下水道行政巡り議論/都道府県下水道主管者会議
 都道府県の下水道担当課長らが当面する課題について討議・情報交換する第41回都道府県下水道主管者会議が25日、石川県金沢市で約100名が出席して行われた。分科会では下水道における雨天時対策など、今後の下水道行政に求められる役割を巡り熱心に意見が交換された。

水道950億、下水道1,500億/東京都来年度事業計画案
 東京都はこのほど、平成14年度の事業計画案を発表した。それによると、水道局は資本的支出に対前年度108億6,900万円増の1,567億4,500万円、建設改良費には対前年度27億4,900万円増の1,014億1,300万円、施設整備の主要三事業には前年度と同額の950億円を見込んでおり、朝霞浄水場の高度浄水施設の建設工事が本格化し、山口貯水池の堤体強化工事が完成となる。一方、下水道局は区部の下水道事業の資本的支出に対前年度292億5,200万円、下水道建設改良費に対前年度130億円減の1,780億円を計上、下水道建設費は対前年度150億円減の1,500億円を見込んでおり、流域下水道事業の資本的支出は対前年度16億8,600万円減の231億5,700万円を計上、流域下水道建設費には対前年度20億円減の165億円を見込んでいる。区部では東大島幹線や砂町水処理センターの高度処理施設の建設に着手し、港南幹線、南台幹線や南部汚泥処理プラントの6号炉が完成し、また、三河島処理場の高度処理による処理能力増も実現する。流域下水道事業でも、南多摩処理場で高度処理による処理能力増が実現するほか、黒目川、出水川の両雨水幹線が稼働となる。

コンビニ収納は有効!/広島市水道局
 広島市はこのほど、平成12年4月から実施している、コンビニエンスストアへの収納事務委託(コンビニ収納)の利用状況をまとめた。それによると、コンビニ収納は、水道局営業所窓口などの営業時間外の支払いが70%に及び、利便性の向上に貢献するとともに、督促状の減少などの効果も見られた。
 同市のコンビニ収納は、支払い時間の拡大の必要性、他の公共料金の実施などで要望が高まったことから、平成10年度から検討し、同12年度から開始した。対象料金は定例分や督促分の水道料金、メーター使用料および下水道使用料で、取扱会社は市内に店舗が多い5社としている。
 同市における平成12年度の料金調定状況は301万2,000件で、口座振替制が259万3,000件(86.0%)、納付制が41万4,000件(13.7%)などとなっている。
 納付制利用者のうち、コンビニ収納は10万7,000件で、利用率は年度全体で28.2%となった。
コンビニ収納を開始/横須賀市水道局
 横須賀市水道局は10月1日より水道料金と下水道使用料のコンビニエンスストア収納を開始した。
 同市では水道使用者の80%が口座振替で、残りの20%にあたる約3,700世帯が納入通知書による収納を行っているが、「料金を払いに行く時間がない」という声も寄せられていたことから、顧客サービスの一環としてコンビニ収納を実施することになった。
 取り扱いができるコンビニエンスストア会社は収納代行会社のセントラルファイナンスと契約している13社で、これにより全国の店舗から24時間納付が可能となる。13社の同市内の店舗数は6月現在で142店舗あり、これまでの支払場所である金融機関、郵便局、本庁・行政センター、収納事務委託会社の合計148カ所とあわせると市内だけでも支払場所が従来の約2倍となる。
秋の褒章・叙勲者
 政府はこのほど、2001年秋の褒章受章者並びに叙勲受章者を発表した。本紙関連では、川島晋大阪工業大学名誉教授、砂田伸二元東京都下水道局長が勲三等瑞褒章、服部陽一元東京都水道局長が勲四等旭日小綬章、柏谷衛東京理科大学教授、金子利全管連会長が勲四等瑞宝章に輝いた。また、田原吉郎前水団連副会長(前澤工業名誉会長)らが藍綬褒章の栄誉に浴した。
◇叙勲受章者
 【勲三等旭日中綬章】
 ▽渋谷正巳(元神奈川県副知事)▽古川武温(元厚生省生活衛生局長)
 【勲三等瑞宝章】
  ▽川島晋(大阪工業大学名誉教授)▽砂田伸二(元東京都下水道局長)
 【勲四等旭日小綬章】
 ▽服部陽一(元東京都水道局長)▽澤龍三(元青森県公営企業局長)
 【勲四等瑞宝章】
 ▽柏谷衛(東京理科大学教授・元建設省土木研究所下水道部長)
 ▽金子利(金子設備工業社長、全国管工事業協同組合連合会会長)
 ▽山本勤(元神奈川県企業局水道局長)
 【勲六等瑞宝章】
 ▽遠藤繁(中央管工業班長)▽横井貢(佐藤鑿井工業所工事主任)
 ◇褒章受章者
 【藍綬褒章】
 ▽田原吉郎(前澤工業名誉会長、前日本水道工業団体連合会副会長)
 ▽重久吉弘(日揮社長)
 【黄綬褒章】
 ▽松橋征吾(弘栄設備工業社長、全国管工事業協同組合連合会理事)
 ▽野口勇(芝工業社長、日本空調衛生工事業協会常務理事)
 ▽丸山邦昭(住友金属工業関西製造所特殊管製造部冷間製管工場副長)
 ▽園田剛(不二水道代表取締役)
「特別講演会」を催す/光ファイバー技術協
 日本下水道光ファイバー技術協会は10月17日東京・永田町の全共連ビルにおいて、全国の下水道事業体、コンサルタント、会員など250名に及ぶ関係者が参加して『特別講演会』を開催、日本のインターネットの父と云われる石田晴久東京大学名誉教授・多摩美術大学情報デザイン学科長教授が「ブロードバンドによる地域情報化への展望と課題」で講演した。
   
韓国製のメーターを受注/東京量水器工業
 NKKの商社部門を担当しているNKKトレーディング(本社・東京、木崎肇社長)の子会社で、メーターボックス、消火栓・弁キョウなど水道用資機材の製造販売会社の東京量水器工業(本社・東京東日本橋、村上勝義社長)はこのほど、10月16日の東京都水道局の水道メーターの入札において、韓国のクンホメーターテック社製の口径20ミリの水道メーターの初受注に成功したことを明らかにした。同社では「家庭用水道メーターの輸入は戦後初めてのものであり、規制緩和の進展の成果といえる」と話している。
公共システム研究発表会開く/三菱電機
 三菱電機・社会システム事業部主催の平成13年度第19回「公共システム研究会」が10月19日、東京・飯田橋のホテルに100名を越す上下水道事業体・コンサルタント関係者を集めて開催された。
 今年の発表は、本格的な維持管理時代を迎えての「上下水道プラントの設備更新」と「インターネット技術を利用したリモート保守センター」とIT革命の担い手として今や生活に不可欠な携帯電話をツールとした「上下水道プラントにおける携帯電話の利用」と、太陽光発電など「上下水道におけるエネルギーの有効活用」の4テーマで行われた。
長岡市等で公開デモ/オールライナー協会
 オールライナー協会は、青森、宇都宮に続き、10月15日には新潟県長岡市寺島町のハイブ長岡において地元新潟県下水道公社、長岡市下水道建設課等の下水道事業体、コンサルタントなど160名にのぼる関係者が参加して「オールライナー工法の公開デモ施工見学会」を催した。
ポリ管の普及拡大へ/積水化学工業
 積水化学工業は1995年から水道用耐震型高性能ポリエチレン管「エスロンハイパーPE」の拡販を行ってきたが、このほどエスロンハイパーの性能、素材特性をより広く普及させていくため、JWWA(日本水道協会)規格品・準拠品である「エスロンハイパーJW」を来年4月から製造販売していくことを明らかにした。
 口径は75ミリ、100ミリ、150ミリでJWWA規格品。継手は準拠品で31種類81品目を新たに製造するとしている。パイプは全品種、EF接合用コントローラー電源を100V仕様にする。
長野水道展が閉幕/水団連
 10月31日、11月1日の両日、長野市の長野ビックハット駐車場に張られた巨大テントを中心に日本水道工業団体連合会主催の「第35回水道展」が、出展企業・団体128と過去最大規模で開催され、両日とも好天に恵まれたこともあって、終日大勢の水道人で大いに賑わった。
 省エネ・創エネ、コスト縮減、耐震を全面的に打ち出した各種パイプ、継手、バルブなどの実演コーナー、大規模施設での導入の兆しのある膜ろ過技術には常に大勢の人だかりがしていた。しかし全体に各ブースとも製品・技術アピールよりは、サロン・喫茶コーナーに力を入れており、あちこちで年に1回の旧交を温める歓談が目立っていた。
仙台市で管路維持管理展/下水道管路協東北支部
 日本下水道管路管理業協会東北支部主催の「下水道管路施設維持管理展01」が10月25日と26日の両日、仙台市のみやぎ産業交流センター(夢メッセみやぎ)で開かれた。東北地方の下水道メンテナンス専門のイベントとあって、約1,000名近い下水道事業体関係者が来場した。
漏水で資格試験行う/漏水調査協会
 全国漏水調査協会は10月27日、全国4会場(仙台会場、東京会場、大阪会場、福岡会場)で一斉に漏水調査技術資格試験を行った。
 資格は主任技師、調査技師、調査士で、主任技師は調査技師の資格を有する者で漏水調査実務の経験が5年以上、調査技師は調査士の資格を有する者で漏水調査実務の経験が3年以上、調査士は調査士補の資格を有する者で漏水調査実務の経験が1年以上となっている。
 試験内容は主任技師、調査技師、調査士とも水道法、水道の一般常識、水理学、水道施設、漏水調査・防止など。今回は主任技師43名、調査技師41名、調査士48名の合計132名が受験した。