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第3856号 11月15日発行




節水や水への関心高まる/内閣府世論調査
 内閣府は10日、「水に関する世論調査」の結果を明らかにした。水とのかかわりのある豊かな暮らしとはどういうものか-との問いに、回答者のほぼ全員が「安心して飲める水」、「おいしい水」をあげた。水道の水源を知っている人や、下水道の排出先を知っている人も増えるなど、水への関心が高まっていることがうかがえる。現状より負担が増えても災害時の安定給水対策を望む人は56.9%だった。水に関して行政に力を入れて欲しいことについては51.7%の人が、「水質汚濁防止のための下水道整備等」をあげた。

ゴルフ場農薬の追加を検討/環境省水環境部
 環境省水環境部は、「ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁防止法に係る暫定指導指針」への対象農薬10種類の追加を検討している。追加が検討されているのは、殺虫剤がエトフェンプロックスなど2種類、殺菌剤がポリカーバメートなど5種類、除草剤がシデュロンなど3種類となっている。

世界湖沼会議が開幕/琵琶湖に78カ国から2,000人
 “湖沼をめぐる命といとなみへのパートナーシップ”をメインテーマに滋賀県、国際湖沼環境委員会(ILEC)主催の第9回世界湖沼会議が開幕した。12日には大津市のびわ湖ホールで秋篠宮ご夫妻を招いて開会式を開き、湖沼保全に携わる関係者約1,500人が出席するなか、来賓挨拶に続き琵琶湖博物館の川那部浩哉館長らの基調講演、琵琶湖セッションを行った。会議は湖沼の現状や新世紀の方向性などを多角的に議論しながら16日まで開き、『琵琶湖宣言2001』を採択して幕を閉じる。

超高度処理の実用化へ/下水道事業団と滋賀県
 日本下水道事業団はこのほど、平成8年度から滋賀県と共同開発してきた「超高度処理」の概要を発表した。超高度処理は、有機物に加えて窒素、りんの除去も対象とした従来の高度処理を上回る水質浄化を可能とする処理プロセス。研究は滋賀県の湘南中部浄化センターで約4年間行われ、目標とした処理水質COD3mg/l、全窒素3mg/l、全りん0・02mg/lについて実用化レベルまで技術が確立されたことで今回の発表に至った。
 超高度処理の処理法は、前段の生物処理(ステップ流入式多段硝化脱窒法+後脱窒)と後段の物理化学処理(砂ろ過+オゾン酸化+生物活性炭ろ過)から構成される。
豊中市で研究発表会/日水協関西地方支部
 日本水道協会関西地方支部第45回研究発表会が12日から3日間、大阪府豊中市の千里ライフサイエンスセンターで開催された。研究発表会では3日間で約200名が参加するなか、水質や浄水処理などで、43題の最新技術や知見の発表が行われた。
最終提言案で意見交換/21世紀の大阪府下水道検討委員会
 大阪府下水道の中長期ビジョンなどを調査審議している「21世紀の大阪府下水道検討委員会」(委員長=宗宮功・京都大学大学院工学研究科教授)の第7回会議が26日、大阪市淀川区の新大阪シティプラザで開催された。最終回の今回は最終提言案について意見交換が行われた。
 なお、最終提言は事務局の大阪府土木部下水道課が、一任された宗宮委員長と調整を図りながら、11月下旬までに公表するとしている。
猪苗代湖の水環境保全を/福島県
 福島県環境審議会(座長=中村玄正・日本大学工学部教授)はこのほど、『猪苗代湖及び裏磐梯湖沼の水環境保全に関する条例(仮称)』の制定に関する答申を出した。
 答申では、県民、地域住民、事業者、県、関係市町村それぞれの責務を条例に盛り込むべき事項として明記している。富栄養化防止対策としては、日平均排水量が10立方メートル以上の工場・事業場を規制対象として窒素・リンの排水基準を定め、下水道等の計画区域外では生活排水対策として窒素除去型浄化槽を設置することが適当としている。
   
カトマンズ水道の運営民営化/NJSE&Mが応礼
 ネパールの首都カトマンズ市水道は、世界銀行とアジア開発銀行が主導して、2002年4月を目標に、水道事業運営全体を民間会社に全面委託する事とし、国際入札を前提にこの程、現地において正式の現場説明会の前の事前説明を催した。この説明会には、フランスのビベンディ社、イギリスのセバン・トレント社など世界の水道会社12社が参加、我が国からはNJSE&M・荏原エンジニアリングサービス・日立プラント建設の3社を代表してNJES&M社の池田代表取締役社長が出席した。
 今回入札に付された運営契約の内容は、水道局から施設をリースし、職員の大部分を引き受けて、料金徴収から施設の運転管理まで、10年間、民間会社に委託する事業。これに伴って、ネパール政府は、水道法の改正、民間会社を規制する専門の役所を設立するなどの構造改革を世界銀行等の指導下で実施している。
ドルフィン工法協会が発足/小口径管泥濃土推進工法
 最小口径2メートルの立孔から発進でき、小口径管での長距離・カーブ推進が可能な小口径管泥濃式推進工法のドルフィン工法の全国普及を目途に、2日広島市の全日空ホテルにおいて「ドルフィン工法協会」の設立総会が開かれ、会長にコクド工機の中川清徳社長を選任、年末を目途に積極的に会員の入会勧誘活動を展開していくこととなった。
 ドルフィン工法は、コンパクトな発進立孔(最小口径2メートル)から、推進工法用鉄筋コンクリート管の先端に小口径泥濃式掘進機を装備し、遠隔操作により方向修正を行いつつ、切羽と隔壁間のカッターチャンバー内に高濃度泥水を充満させることにより、切羽の土・水圧に見合う圧力を保持し、切羽の安定を図りながら推進する工法。
13年度受託実態調査まとむ/処理施設管理業協
 日本下水道処理施設管理業協会(関根紘一会長)はこのほど、平成13年度の「下水道処理施設維持管理業務受託実態調査報告書」を纏め、内容を明らかにした。それによれば、地方公共団体の財政逼迫と、積算要領で使用されている電工単価が長引く不況の影響で低落していることなどが重なり、従業員1人当たりの年間契約額が、標準仕様外金額(ユーテリティ等)を含め710万8,000円(前年比マイナス0.84%)、標準仕様外金額を除くと684万4,000円(同0.68%)、ここから積算要領による経費率(概ね70%)を加味した従業員への年間支給可能給与額は402万6,000円と極めて厳しい実態が浮き彫りとなった。