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第3933号  10月17日発行




復興への熱い想いを胸に/神戸市で第71回総会開幕/日水協
 日本水道協会の第71回総会が16日、異国情緒あふれる国際港湾都市・神戸市に、全国の水道関係者3,000名を集め、3日間の幕を開けた。水道事業は今、構造改革や地方分権、経済のグローバル化など変革の波にさらされている。阪神・淡路大震災から見事に復興した神戸市での総会は、地震対策の充実や水質管理の強化など、新たな水道ビジョンを描き、未来への決意を固める節目の総会といえる。36回目を迎えた水道展も盛況だ。川北和徳氏の辞任に伴う新専務理事には、赤川正和氏(前東京都公営企業管理者)が就任した。次期開催地は岡山市に内定している。
「e-Water計画」が始動/水道技術センター
 水道技術研究センターは9日午後、霞ヶ関の東海大学交友会館で、『環境影響低減化浄水技術開発研究』の第1回プロジェクト委員会と準備委員会を開いた。厚生科学研究費補助金をベースに、大容量膜の研究など、産官学が英知を結集して取り組む大型プロジェクトがいよいよ動き出す。
 今年度で終了した高効率浄水技術開発(ACT21)の次期プロジェクトとなる『環境影響低減化浄水技術開発研究』(e-Waterプロジェクト)では、(1)省エネルギー型浄水処理システムの開発(2)浄水システムでの水の有効利用(3)浄水システムにおける汚泥量の削減(4)安全な水供給を目的とした水道水源の監視(5)事業費の削減-を開発テーマにあげている。
神戸水道展開く
 日本水道工業団体連合会主催の第36回・神戸水道展が10月16日・17日の両日、第71回日本水道協会総会に併せて神戸市の神戸国際展示場を会場に開催された。
 「新水道時代にチャレンジ」をテーマに、120の会員(団体・企業)が最新の技術・製品の展示、実演を展開している。
貯水槽水道管理へ条例改正/札幌市
 札幌市が来年4月の施行を目指して作業を進めていた給水条例の改正案がこの秋の議会で承認され、今月7日に公布となった。今回の改正は、今春施行の改正水道法で謳われている水道事業者の貯水槽水道管理へのあり方を踏まえて行われたもので、水道事業管理者が貯水槽水道の管理等に関して設置者に指導・助言・勧告を行うことができる旨が新たに盛り込まれ、貯水槽水道への水道事業者の関与が明確になっている。
大容量送水管整備着々と/神戸市
 神戸市水道局が平成10年から進めている大容量送水管整備事業の第I期区間・第1工区分の整備が今年度末での完成に向けて仕上げ段階に入っている。
 通常時の送水能力増強に加えて、既設送水トンネルのバックアップ機能や災害時の市街地における防災拠点としての役割を果たすことになる大容量送水管は、神戸市水道局が進める震災対策の主要施策として注目を集めている。
高度浄水に“軍配”!/大阪府水道部
 大阪府水道部は幹部職員らによる“きき水調査”を実施し、その結果、高度浄水処理水がミネラルウォーターよりも『おいしい』との評価を得た。さらに地下水を水源とする水道水よりも評価は高く、同部は「高度浄水処理水の水質を再認識した。今後は積極的なPR活動を検討したい」と意欲的だ。
富栄養化対策の技術を募集/山口県湖沼浄化システム検討委
 山口県湖沼水質浄化システム検討委員会(会長=浮田正夫・山口大学工学部教授)は、湖沼の水質浄化で実用的な新技術を共同開発する民間企業や研究機関などを募集している。
 問い合わせは山口県環境生活部環境政策課環境保全室水環境班内(電話083-933-3038)まで。
鉛レス銅合金開発相次ぐ/前澤工業
 前澤工業は鉛成分を一切使用せずに製造し、環境に溶け出す重金属類を飛躍的に軽減できる黄銅合金と青銅合金を金属メーカー2社(青銅鋳物は日本青銅(株)、快削黄銅棒はサンエツ金属(株))と共同開発した。
 従来の銅合金は鉛成分不添加にすると、強度・加工性等が低下する問題を抱えていた。前澤工業の新銅合金は加工性・強度・水密性・対摩耗性は従来製品と同等でありながら、環境に溶け出す鉛とカドミウムは従来素材の10分の1以下の数値レベルを実現した。
鉛レス青銅合金を開発/日邦バルブ
 日邦バルブ(本社・長野県松本市、岩原徹社長)と(株)コバチュウ(本社・神奈川県座間市、稲垣正夫社長)はこのほど、来年4月施行の水道法改正に対応するため、鉛レス青銅合金(セイフアロイ)を開発した。実用テストや生産現場の作業環境をクリアーし、量産技術を確立、実用化に成功したもの。
小水力発電システムを発表/大成機工
 大成機工(本社・大阪市)は、16日から開幕した日本水道協会第71回総会併催の日本水道団体連合会主催「神戸水道展」の同社ブースにおいて新システム「不断水工法によるユニット型小水力発電システム」を展示・紹介している。水道管路内に内在する水力エネルギーを有効利用して水力発電を行うもので、環境に優しいクリーンなエネルギー活用システムとして来場者の注目を集めている。
Newキーパロイ開発/キッツ
 キッツ(小林公雄社長)はこのほど、従来からの鉛レス銅合金キーパロイを、鋳造性、機械的に進化、コスト面でも1~2割ダウンできる「Newキーパロイ」を開発、11月より飲料水向け製品を中心にラインアップしていくことを明かにした。同社ではインゴット業界最大手のクロタニコーポレーション(富山県新湊市・黒谷俊雄社長)に生産と販売を委託、共同で販路拡大に努める。
塩ビ管類を値上げ/クボタ
 クボタは11月1日受注分より塩ビ管類の値上げを実施する。改訂幅は(1)パイプ類15~20%(2)継手類10%以上(3)その他塩ビ関連製品10%以上-となっている。塩ビ樹脂の値上げ受け入れに伴う製品価格への転嫁及び事業採算を是正するのが理由。
鋼製の北配水池完成/福山市水道局
 日本鋼管が広島県福山市内で施工した北配水池がこのほど完成した。北配水池は鋼製円形配水池で直径40メートル、有効水深7.3メートル、有効容量9,100立方メートル。福山市水道局ではコストや耐震性、施工性などを比較検討し、鋼製を採用したとしており、同市の既存施設でもメンテナンスフリーで劣化せず、外気温の影響に伴う水温の上昇なども見られないという。
切り回しユニットを開発/クロダイト
 株式会社クロダイト(本社・愛知県高浜市)は年々増加する上水道管路の迂回工事に対応し、少数の資材で短期間に施行できる「切り回しユニット」を開発した。
新「管総研」を設立/エンジ2社が対等合併
 管総研(岩松潤吉社長)とアクアテックソフトウェア(榊原靖社長)は、1日付で対等合併した。合併後の新会社名は、管総研で、社長には榊原靖氏が就任した。管総研は、従来のコンサルティング業務と、クボタが開発している水道業務支援ソフトの管路管理システムと管網解析シミュレーションソフトの販売業務を両輪とした幅広い分野での業容拡大を目指す。