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第3985号    5月  29日発行




水道ビジョン策定へ/検討会が6月9日初会合
 21世紀前半における水道行政の方向を示す「水道ビジョン」策定に、いよいよ厚生労働省が乗り出す。検討会を立ち上げ、6月9日に初会合を開くことになったもの。水道事業が抱える課題を明確にし、これに対処するための具体的な政策手法を示すとともに、ビジョンを実現するために必要な体制についても検討していく。委員には学識者、水道事業体、市民代表のほか、水道関連企業から2名を選んだ。官民の連携、新たな技術開発に向けての意見を聞くのが狙いだ。月に1~2回程度の会合をもち、本年度末には成果をまとめる。座長には眞柄泰基・北海道大学教授が就く。
宮城・岩手県で4,500戸断水/26日夕の宮城県沖地震
 5月26日午後6時24分ごろ発生した宮城県沖を震源とする震度6弱の地震により、岩手県、宮城県で水道管が破断されるなどの被害が出た。断水戸数は両県で4,500戸に及んだ。
 厚生労働省水道課が27日午前10時現在でまとめたところによると、岩手県では5市7町6村(玉山村、東和町、北上市、江刺市、衣川村、平泉町、花泉町、大東町、室根村、東山町、川崎村、大船渡市、遠野市、宮守村、釜石市、大槌町、山田町、普代村)で断水被害を確認した。断水戸数は2,141戸。
 宮城県では1市6町1村(鳴子町、気仙沼市、栗駒町、唐桑町、登米水道企業団、瀬峰町、本吉町、花山村)で断水被害が確認された。断水戸数は2,418戸。両県とも27日中には復旧を終える。
 青森県、秋田県、山形県、福島県での断水被害はなかった。
包括的民間委託の導入へ/下水協
 下水協は26日、協会会議室で「第6回維持管理業務委託等調査専門委員会」を開催した。委員会では3月にまとめられた包括的民間委託導入マニュアル素案について引き続き審議するとともに、今後の進め方を決定した。今年中の策定、配布を目指している。
理事長に松井大悟専務理事
 下水道新技術推進機構は27日、東京都港区の赤坂プリンスホテルで理事会を開き、新理事長に松井大悟・専務理事を選任した。任期は平成15年7月1日から2年間。
コンパクトシールドが受賞/土木学会技術開発賞
 東京都下水道局の松浦將行・設計調整課長と高久節夫・同課事業調査担当係長ら5名が開発した『コンパクトシールド工法』が、平成14年度土木学会技術開発賞を受賞した。同工法は、『4分割3ヒンジ構造のインバート溝付き二次覆工一体型セグメント』、『後方設備内包型3分割シールド』、『タイヤ式無操舵搬送システム』、『シールドの分割発進・分割到達』など、システム全体にわたり新しい発想の技術を採用した画期的なシールド工法だ。これらの開発により、コスト、工期、環境負荷、維持管理のコンパクト化を図った。なお、同賞は企業や団体ではなく個人が対象で、下水道事業体関係者では初の受賞となる。
各地で下水協支部総会
<東北支部>
 東北地方支部の総会は5月22日、岩手県北上市で開催された。議事は全5号で、予算獲得へ向けた要望決議案を採択した。

<中部支部>
 下水協中部地方支部総会が22日、高岡市のホテルニューオータニ高岡で開催された。総会には会員約400名、また来賓として上村裕二・国土交通省下水道部下水道企画課長らが出席した。
 総会では経済財政諮問会議などの三位一体の改革の中で、補助金削減が先行して議論されていることを受けて、下水道事業の国庫負担事業の仕組みの堅持といった決議を全員一致で採択した。6月末に策定される来年度予算の方針となる骨太の方針に意見を反映させるため、要望活動を行っていくことになる。

<中国四国支部>
 日本下水道協会中国四国地方支部第40回総会が22日、徳島市の徳島プリンスホテルで開催された。総会では会員約250名、来賓の谷口尚弘・下水協理事、森範行・国土交通省都市・地域整備局下水道部下水道事業課長補佐らが出席するなか、会員提出問題の審議や同地方支部の役員補選、要望決議などが行われた。

<九州支部>
 第22回下水協九州地方支部総会は、22日午後、佐賀市の「ルネッサンス創世」に会員など約280名を集めて開催された。普及率50%弱と全国的にも整備の遅れている九州地区の下水道促進に向けて「16年度事業費の確保と財政支援制度の強化について」など、3件の問題が審議され、全て採択された。来賓の岡久宏史・国交省下水道事業調整官からは「下水道が必要ならば大きな声を出して頂きたい」との要望がなされた。
水中ロボットで浄水場清掃/荏原ES荏原工業洗浄
 あらゆる分野における自動化が進み、各種ロボットの開発、実用化が目覚ましい今日、水道工事においても浄水場の清掃に活躍する水中ロボットの活躍が注目され、採用が増加している。メンテナンス業界の大手、荏原エンジニアリングサービスは水中ロボットと膜ろ過装置を組み合わせ配水池や浄水池の池底部の堆積物を清掃する「配水池・浄水池底面清掃工事」を全国的に提案、これまでの2年間に静岡県伊東市水道山配水池など21カ所で施工、延べ清掃池底面積も1万平方メートルに達し、池の清掃のみならず、亀裂調査や耐震診断にも役立つと高い評価を得ている。
不断水内視鏡カメラを開発/日本水機
 水道管路調査機器・システムなどの専門メーカーである日本水機(本社・神戸市)はこのほど、ハンディータイプの不断水簡易型内視鏡カメラを開発した。同社では、平成13年に内視鏡、流量計、水質監視機器などを搭載した大型システム調査車を開発し、不断水による水道管路内調査業務を開始し、実績を重ねてきた。このうち、内視鏡調査においては「よりスピーディーに、より安価に」との客先の強い要望があったため、今回ハンディータイプの調査カメラを開発し、要望に応えたもの。
前澤工業が受賞/日本銅センター賞
 日本銅センターは21日、東京中央区の銀座東武ホテルで第30回日本銅センター賞の表彰式を行った。
 今回は6件8社が受賞、水道関係では前澤工業埼玉製造所が「鉛レス銅合金のバルブ部品への適用」で受賞した。
15年度総会開く/日本銅センター
 日本銅センターは21日、東京中央区の銀座東武ホテルで平成15年度総会を開き、水道用銅管の一層の普及をめざす平成15年度事業計画などを決めた。
2日に国交省へ要望/下水道施設協
 日本下水道施設業協会(小島啓示・会長)は、6月9日の国土交通省下水道部と日本下水道事業団への要望を皮切りに、今年度も6月中旬から7月中旬にかけて地方整備局始め全国170カ所の下水道事業体へ1.下水道事業の重点的・継続的推進へ事業の堅持を2.改築・更新へ新技術の積極採用と現場の実情を反映した設計、積算3.下水道設備工事における管理技術者の適正配置などの要望活動を展開する。