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第4006号    8月 25日発行




安定的な水利用に不安/15年版「日本の水資源」/国交省
 国土交通省は平成15年版「日本の水資源」をまとめた。地球規模での気候変動による温暖化が深刻化しているなか、「安定的な水供給を確保していくためには降水量の変動は無視できない」と報告しており、「水資源の計画・運用に長期的な予測の視点を考慮することが課題」とまとめている。また、平成6年の列島渇水以来、深刻な渇水は発生していないが、日本の降水量を長期的に見ると減少傾向を示しており、このままのペースで減少した場合、将来において水利用の安定性が低下すると指摘している。
渇水期の節水で調査/日水協
 日本水道協会は20日、協会会議室で「第3回節水対策推進事業調査委員会」(委員長=小泉明・東京都立大学大学院教授)を開き、15年度調査等について意見を交換した。
 会議では、平成15年度に、節水対策が容易な配水管網の整備方法や節水制御の方法、渇水期の節水対策プログラムのソフト化について検討していくことを確認。
発表論文を募集/IWA
 IWAの第6回小規模上下水道システムに関する特別会議が2004年(平成16年)2月11日(水)から13日(金)までの3日間にわたり、オーストラリア・パース市で開催される。
 特別会議は、1日平均処理水量が100立方メートル程度の小規模な上・下水処理場を対象に、小規模ながら安全で確実な上下水道システムに関する事例、栄養塩の除去、水の再利用、無人運転管理の手法、さらに一般住宅や複合住宅の給水及び下水処理システムについて議論するもの。上下水道関係者、政府機関、民間業者、コンサルタント、教育・研修機関から専門家が集結し、参加者は50カ国400名にのぼると見られる。会議に併せて、最新の環境技術、環境設備及び環境サービスの展示会も開催される。
効率的な高度処理へ/JS・研究者決定
 日本下水道事業団(JS)はこのほど、平成15年度新規共同研究者を決定した。
 15年度の新規共同研究2課題のうち、「高度処理プロセスの効率的な制御手法の開発」の共同研究者は1.明電舎、荏原製作所2.新日本製鐵、東亜ディーケーケー、日本碍子、富士電気3.日立プラント建設の3者。処理水質の安定化と運転管理費の削減などを目指す。
 一方、「汚泥発生量低減技術の開発」の共同研究者は日立機電工業となっている。汚泥発生量を流入SS量の、30%以下に低減することなどを開発条件としている。どちらも研究期間は平成15年度から17年度の予定。
日中水処理技術シンポ/水道技術センター
 水道技術研究センターは、11月3日~5日に中国・吉林省で開かれる「2003年日中水処理技術国際シンポジウム」と主要都市の水道施設・水道技術等を視察する「中国水道技術視察調査」への参加者の募集を始めた。
 シンポでは「21世紀における新しい浄水技術」をテーマに、1日目は中国・日本特別講演(日本はセンターの藤原正弘・理事長を予定)や日中各3編の分科講演を予定。2日目の第9回中国「全国水道研究発表会」に続き、3日目には長春・中日友好浄水場視察、8編の日本側技術発表を予定している。また、技術視察では、大連市、北京市、西安市、上海市等を訪問。上海水道120周年記念式や同済大学講演会への参加も予定している。
水道事業実務必携を発刊/全国簡易水道協議会
 全国簡易水道協議会はこのほど、『水道事業実務必携=平成15年度改訂版』を発刊した。「第1部国庫補助金交付要綱」、「第2部国庫補助事業歩掛表」の2部構成。会員価格7千円、非会員価格9千円(消費税・送料含む)。A4判、千頁。
最終報告書を発表/世界水フォーラム
 第3回世界水フォーラムの最終報告書が11日、スウェーデンで開かれたストックホルム水シンポジウムで発表された。報告書には今年3月に日本で開催された第3回世界水フォーラムの声明文、閣僚宣言、各種イベントの概要などが盛り込まれている。英語版は第3回世界水フォーラム事務局で配布している。日本語版は9月完成の予定。
計画から維持管理まで技術募集/TGS
 東京都下水道サービス株式会社(TGS)は、『南部汚泥処理施設廃熱利用整備事業』の事業性を検証するため技術募集を行うこととし、11日にプラントメーカーに向けて説明会を開いた。
 同事業は、地球温暖化防止の観点から温室効果ガス削減策を推進している東京都下水道局が、焼却炉の廃熱を有効活用して得られる熱や電力等に着目し、施設の建設から維持管理までを行うモデルケースとして設定したもの。同局から事業性についての調査を依頼されたTGSが、同社の技術を活かして具体化できる提案を、広く民間事業者から募集する。
森林隊の活動本格化/東京都水道局
 東京都水道局が奥多摩町に建設していた多摩川水源森林隊事務所が完成した。ここを拠点に、昨年7月に設立された「多摩川水源森林隊」が今月より本格的に活動を開始する。21日から週3日、間伐や枝打ちなどの森林保全作業を実施していく。
 完成した事務所は軽量鉄骨造の2階建て。内装材には水源林の間伐材を使用。また作業道具等を収納する倉庫や駐車場も完備している。
 11日に関係者を集めて開所式が行われた。
ボランティアを募集/横浜市水道局
 横浜市水道局は、山梨県道志村の民有林整備を市民と協働で進めるため、ボランティアの募集・登録を開始した。
 同局では水源地の道志村に約2,800ヘクタールの水源涵養林を保有し維持管理を行っているが、一方で約3,700ヘクタールに上る民有林の中には、高齢化による人手不足などから適切な管理がされていないものもある。そこで、民有林の所有者や道志村などとと連携し、水源涵養機能の高い森林へ再生していく。
合流改善は待ったなし/下水道新技術推進機構
 下水道新技術推進機構は、このほど東京・大阪の2会場で「合流式下水道の改善技術に関する説明会」を開き、それぞれに全国の下水道技術関係者約300名が参加した。
 4日の東京会場説明会(港区・発明会館)で、推進機構の松井大悟・専務理事は「高度処理と合流式改善は我々にとって急務である。次世代のためにも、今後10年以内の達成を目指したい」と挨拶。国土交通省の増田隆司・下水道事業課企画専門官は、合流式下水道について「厳しい財政状況だが、合流式の改善については、待ったなしの感がある」と改善の必要性を強く示し、合流式改善の実例を川崎市と土浦市がそれぞれ紹介した。
米沢でフォーラムを開催/下水協東北支部
 下水協東北地方支部主催の『下水道環境フォーラムin米沢』が3日、米沢市で開催された。小学4、5年生とその保護者約100名が参加し、米沢浄水管理センターなどを見学して下水道への理解を深めた。
 まず、米沢市役所で髙橋幸翁・市長が「今日は下水道のことについて勉強して下さい。米沢市では計画的に下水道を整備しているので、皆様の協力をお願いします」と挨拶した。
 その後、参加者は浄水管理センターに移動。沈殿池やエアレーションタンク等を見学しながら、職員から汚水が処理されていく過程について説明を受けていた。
東京都下水道局に要望/設備協
 東京下水道設備協会の藤村会長、内田専務理事らの代表は6日、東京都下水道局を訪れ二村局長、大矢技監、前田流域下水道本部長らの幹部に1.来年度予算編成で必要事業量の確保2.新技術のより一層の積極採用3.発注図書に一式計上で無く、数量の明示を4.長い工期の工事には、監理技術者の専任期間の考慮を5.工事施工の改善へ、工事評価点の内容が解るように─の5項目について要望した。また同協会で纏めた「設備再構築工事の効果的施工について」と「地球温暖化防止対策検討書(中間報告)」についても資料を添付して説明、前向きの配慮を訴えた。
排気弁付消火栓を発売/協和工業
 水道用バルブや消火栓などを製造・販売する協和工業(本社:滋賀県湖東町)はこのほど、排気弁付の水道用地下式消火栓「浅埋S255Air型」を開発し、27日から販売を開始する。地下式消火栓に簡易空気弁(排気弁)を付けることで、消火栓取付部の縦管部のエアー溜りによる錆瘤の発生、それに伴う赤水問題などを解決するもの。価格的には、従来の消火栓と同等となっており、ユーザーにとってはメリットの大きい新製品といえそうだ。
大口径水道管を更生/インシチュフォーム工法/JFE工建
 JFE工建(旧日本鋼管工事)は先頃、インシチュフォーム(INS)工法による大口径水道管の更生工事を、名古屋市で施工した。同工法は、1971年に英国で開発・施工され、現在各種開発されている反転工法による埋設管路の更新更生工法のルーツとなるもの。日本には1986年に導入され、他工法に先駆けて日本下水道事業団の技術審査証明を受けている。
 同工法は、熱硬化性樹脂を含浸したライナーバックを既設管内に水圧によって反転挿入し、管内水を加熱してライナーバックを管内に圧着硬化させることで、既設管路の中に新しい管路を構築する。管種や劣化の程度を問わず強度を上げることができ、継ぎ目がない管路となるため、漏水を防ぎ、通水能力も向上する。
グリース阻集システムを開発/日立金属下田エコテック
 日立金属と下田エコテックは東京都下水道局、東京都下水道サービス、西原衛生工業所と共同で小規模飲食店向けに「グリース阻集システム」を開発し、このほど下田エコテックより販売を開始することを明らかにした。
 下水道管の詰まりや臭気問題の発生原因のひとつとして、家庭や飲食店などの厨房から排水される油脂類(ラード)があげられる。また、近年では下水道管の中で固まった油脂類がお台場海浜公園(東京都港区)に白色固形物(オイルボール)となって漂着するなどの問題も起きている。
 こうした問題に対処するため、小規模飲食店向けに厨房の排水中にラーメンの残りスープなど比較的高濃度の油脂類を含む場合を対象として、設置スペースが小さく、維持管理が容易で回収効率の良い「グリース阻集システム」を共同開発したもの。
水道事業計画を説明/水団連説明会開く
 日本水道工業団体連合会は8日、東京・市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷で平成15年度水道事業計画などをテーマに水道事業計画・資材需要説明会を開いた。
 同説明会は、水団連がこのほどまとめた「平成15年度水道事業計画と資材需要調査」の説明を行ったもの。
 講師は、厚生労働省水道課の根木桂三・水道指導官と日本水道協会検査部業務課の羽根田卓一・副主幹が務めた。