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第4038号    1月  8日発行




水行政の将来像も模索/国交省下水協
 国土交通省下水道部と日本下水道協会は12月17日、「下水道政策研究委員会流域管理小委員会」を下水協会議室で開いた。小委員会では、流域管理の視点から健全な水循環の創出や下水道リスク対策、流域関係者による協議会の設置などについて幅広く検討を行い、水行政の将来像を踏まえて、下水道行政として取り組むべき課題や、他の行政分野との連携のあり方について提言を行うことにしている。
上下水道界の主要行事
 日本水道協会、日本下水道協会、日本工業用水協会、全国簡易水道協議会など水道関係団体の平成16年度主要行事の日程が決まった。
 日水協の地方支部総会は7月1日の九州地方支部(別府市)からスタート。関西地方支部(豊岡市)、東北地方支部(弘前市)、中国・四国地方支部(松江市)、中部地方支部(高山市)、関東地方支部(日立市)と続き、7月29日の北海道地方支部(苫小牧市)で締めくくる。
 下水協の地方支部総会は5月13日(木)に東北地方支部(福島市)からスタートする。関西(篠山市)、関東(川崎市)と続き、5月20日(木)には北海道(富良野市)、中部(長野市)、中四国(鳥取市)、九州(久留米市)の4箇所での開催が決まっている。
山口県で包括委託契約/田布施・平生水道企業団
 山口県の田布施・平生水道企業団は、浄水場等運転維持管理業務委託について、(株)スーパーウォーターと契約したことを明らかにした。契約期間は平成16年度から20年度までの5年間で契約金額は2億4,077万250円。包括委託は三次市、芸北町、太田市、三春町に続くもの。
タンクレス便器で見解/日水協
 日本水道協会は12月12日、協会会議室で第3回給水用具維持管理指針作成委員会(委員長=大村達夫・東北大学大学院教授)を開いた。
 今回の委員会では、前回まで議論してきた、タンクレス洗浄便器の政省令解釈等に対する委員会としての見解を整理。タンクレス洗浄便器を複合的な給水用具(器具ユニット)と位置付け、基本的に水道法施行令や省令をクリアしているとの見解をまとめた。また維持管理指針作成後は、タンクレス洗浄便器を含めた給水用具の管理について関係機関等への周知を徹底していくとし、これを最終整理として厚労省に提出する。
華やかに賀詞交換会
 水団連、日水協、下水協、工水協、簡水協の5団体共催による新春賀詞交換会が6日午後、東京丸の内の東京会館で開かれ、産官学の水道関係者1,600名が集い新春を祝った。
 冒頭、水団連の土橋芳邦会長は「水道、下水道ビジョンの具体化が進めば、必ずや未来は開ける。私共は経営効率化によるコスト縮減、新技術、新製品の開発に全力をあげ、使命を果たしていきたい」と挨拶、拍手を浴びた。
 乾杯の音頭をとった遠山啓氏は、「苦しい時は長くは続かない。申年なのだから、そういうことは早く去って欲しい」とメッセージ。華やかなムードの中、和やかな歓談が続いた。
 駆けつけた国交省の谷戸善彦下水道部長と厚労省の谷津龍太郎水道課長は、「今年は明るく実り多い年にしたい」とエールを交換。中島通夫氏による万歳三唱で締めくくった。
研究発表会の論文を募集中/工業用水協会
 日本工業用水協会は「第39回研究発表会(平成16年3月11日~12日)」の研究発表論文を募集している。
蹴上浄水場(第1期)が完成/京都市水道局
 京都市水道局は蹴上浄水場改良事業の第1期工事を完成させ、12月25日に京都市東山区の同浄水場で関係者ら約100人が出席するなか通水式を行った。同事業は老朽化した2系統からなる浄水処理システムを一元化するもので、今回は半量分が完成、日量9万9,000立方メートルの給水をスタートさせた。
水道経営プランを推進/横浜市水道局
 横浜市水道局(金近忠彦局長)はこのほど、行政改革計画としての『水道局新時代行政プラン・アクションプラン』を策定し、平成15年2月に財政健全化に向けて策定した『水道事業中期財政プラン』と合わせ、『水道経営プラン』として局を挙げた取組を行っていくこととなった。横浜市の中田宏市長は「民の力を存分に発揮できる都市」を掲げ、市営地下鉄やバス事業の民営化を進めるなど各分野で改革を行っている。水道事業を巡る経営環境も厳しいが、同局は、「今後も公営企業として独立した経営を維持していくために生まれ変わる」という意気込みで、『水道経営プラン』を推進していく。
建設費23%減793億円/水資源機構来年度予算
 独立行政法人水資源機構はこのほど、平成16事業年度予算概算決定額を明らかにした。概算決定額は全体で、対前年比92.9%の2,935億円となった。建設事業の合計額は対前年比77.0%の793億円。
 11事業あるダム等建設事業の概算決定額は、対前年比70.4%の491億円となった。思川開発事業は対前年比229.3%の増額となったが、それ以外の10事業は全て前年を下回った。
多層バリア管を試験施工/川崎市水道局
 川崎市水道局は現在、JFEエンジニアリング、日立造船と共同開発した多層バリアパイプの実証工事を行っている。このポリエチレン管は、外面に厚さ0.22ミリの「アルミニウム防護層」と、それを保護する「ポリエチレン保護層」の3層構造になっており、トリクロロエチレンなど有機溶剤の浸透防止を目的に開発されたもの。昨年3月に多摩区で最初の試験施工が行われた。
4月から下水道使用量改定/川崎市
 川崎市は12月19日、定例議会で下水道使用料改定案を可決した。
 平均改定率は8.7%。月8立方メートルまでの一般汚水基本額は現行の610円から660円となり、9立方メートルから10立方メートルまでは据え置きとなる。また、公衆浴場汚水と共用汚水についても据え置き。
水道料金体系を見直し/山口市
 山口市は水道料金体系の見直しなどを盛り込んだ「市水道事業給水条例の一部を改正する条例」を12月議会に提出し、17日に原案通り可決された。基本水量付与の廃止、口径20ミリ以下の料金統一などで、水道料金は平均5.04%値下げした。施行は平成16年4月、適用は同年6月検針分からとなる。
水道料金9.1%値上げ/越谷・松伏水道企業団
 越谷・松伏水道企業団が提出していた水道料金改定案が先月19日、企業団議会で議決され、値上げが決定した。値上げ率は9.1%で、4月から実施される。
 料金改定案は昨年9月に提出され、その後は料金改定特別委員会で審議されていた。前回の料金改定は平成8年。
クリスマスに施設開放/東京都下水道局
 東京都下水道局は12月19日、建設中の神谷ポンプ所(北区)を開放して恒例のクリスマスイベントを行った。 
 このイベントは同局が4年前から実施しており、今回は地域住民を対象に日頃の工事に対する協力に感謝を表すと同時に、下水道事業のさらなる理解を深めてもらうために行った。
不断水規格型ソフトシール弁設置工法/秋田県能代市で初施工/大成機工
 大成機工はこのほど、能代市水道局の配水管における通水状態でのバルブ設置工事において、従来工法に比べ施工時間を大幅に短縮した工法で規格型ソフトシールバルブの設置工事を施工し、滞りなく完工した。
 今回の工事は桧山川橋添架管更新工事の一環。施工場所は、同市扇田地内で、φ150ミリの通水状態の配水管に規格型バルブを2カ所設置するもの。工事は12月18、19日にそれぞれ一カ所ずつ行われ、いずれも順調に実施された。
上水道市場へ積極提案/オリジナル設計
 3次元設計システムや下水道管渠自動設計システム、構造物非破壊調査など、下水道事業における設計や監理効率化のため、独自のコンピュータソフトを開発してきたオリジナル設計(菅脩社長)は、上水道市場向けにも独自の「水道情報管理システム」や「上水道設計システム」を開発、業務の効率化・高度化さらには市民サービスの向上を目指す上水道事業体へ積極的に提案、この分野でのシェア拡大を目指している。
管工事業界の発信基地へ/東管協組
 東京都管工事工業協同組合の今井海記理事長はこのほど記者会見し、昨年1年間を振り返ると共に、「これからは外部へ向けてアクションしていく。技術、IT、講習会などで受講者を募集していくほか、管工事業界の中心を担う当組合として発信基地になる使命感がある」と新年の抱負を語った。
 今井理事長は「昨年、特筆すべきことは、3ヵ年で410万件の水道フレッシュ診断業務を終えたことや給水管取り出し工事で残留塩素測定義務化に伴い、当組合が簡易水質測定器具を発売すると共に、給水管誤接続の防止対策を行った。また、当組合が呼びかけて近県管工事組合事務局との情報交換会を開いて共通問題・課題で胸襟を開いた会合になった。一方、通常総代会で役員任期起算日見直しを行い、全国管工事業協同組合連合会役員任期と一致させることができた。それと初めて私が支部訪問を行い、組合員の生の声を聞き、組合運営に反映していくことにしました。秋には江戸開府400年記念としてとみん・けんせつ・ふれあい広場を都庁広場で行い、当組合も出展して業界をアピールできたことは大きい出来事です」と振り返る。
 近県管工事組合事務局との情報交換会については「同じ仕事をしていながら、事務局同士が遠かった。交換会は大いに意義があり、今後も継続して開いていきたい」と前向きな姿勢だ。
 支部訪問については「支部会がどんな形で行われているか。その生の声を組合運営に反映していきたい。より組合員に信頼される組合、社会的にも信頼される組合に付加価値を向上させていきたい。また、役員任期では、今年の総代会で改選し、任期を1年にして全管連の役員任期と一致させていく。今年は昨年の延長線上の運営を行っていかざるを得ないが、青年部や職員制度の改革を進めていきたい。また、外へ向けた施策を行うと共に、市場原理に対抗し得る骨太の事業を構築していきたい。水道局、下水道局との緊密化もより強化していく方針だ」と述べた。