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第4054号    3月 18日発行




全てに世界のトップレベルの水道へ/水道ビジョン(案)/厚労省検討委
 厚生労働省の水道ビジョン検討会は16日、第8回目の会合を開き、『水道ビジョン』の最終案をめぐり意見を交換した。今後の水道整備の新たな目標となるビジョン案では、長期的な政策目標として「安心」「安定」「持続」「環境」「国際」の5本柱を掲げるとともに、新たな概念による広域化の推進、日本型の官民連携など目標達成のための具体的な施策を示した。単に目標を掲げるだけでなく、課題解決型の具体策を明示したのが特徴だ。達成状況を分かりやすく示すため、基幹施設の耐震化率、異臭味被害率など定量的な施策目標も示した。3月下旬にパブリックコメントを開始し、5月中旬にビジョンをまとめる。(12~13面に「水道ビジョン」案の概要を掲載)
下水汚泥を850℃で燃焼/国交省の環境計画
 国土交通省は地球温暖化防止などを目的とした環境行動計画を策定するため、社会資本整備審議会に環境部会(委員長=村上周三・慶應義塾大学教授)を設け、15日に第1回委員会を開いた。部会では今夏をめどに計画をまとめるという。
 計画では、CO2の約310倍という温室効果を持つ一酸化二窒素対策として、下水汚泥の高温化燃焼が課題として挙がっている。下水汚泥を燃焼する際、一酸化二窒素が発生するが汚泥を850℃で燃焼した場合、現行の燃焼方式を2010年まで継続した場合と比較して、CO2換算で約140万tの温室効果ガスが削減されるという。
新たな河川水質指標/国交省河川局
 国土交通省河川局は12日、従来の河川水質指標であるBODに窒素やリンなどに加え、新たな指標を作成したと発表した。新しい指標は「河川等管理者による測定項目」と「住民との協同による測定項目」に分類されている。河川等管理者による測定は糞便性大腸菌群数、アンモニア性窒素、トリハロメタン生成能、2―MIB・ジオスミン、窒素・リンなどがあげられている。住民との協同測定項目はゴミの量、透明度、川底の感触、水の臭い、水生生物の生息などとなっている。同局は3月25日まで意見を募集している。新しい指標は平成16年度に試行的に導入し、17年度以降に全国の一級河川で本格的に実施していくという。
浸水対策7施設が稼働/横浜市下水道局
 横浜市下水道局が建設を進めてきた浸水対策施設が完成し、4月より供用開始する。完成したのは新羽末広幹線(下流工区)、北部第2下水処理場第2ポンプ場など7施設。時間降雨量50ミリはもちろん、浸水危険度の高い地区については60ミリ対応で施設を整備してきた。下水道、河川、流域が一体で取り組んできた、総事業費約1,735億円の総合治水対策により、住民の安全度が飛躍的に向上すると関係者の期待は大きい。
大阪で水道法逐条解説説明会/日水協
 日本水道協会は4日、「新訂」水道法逐条解説説明会を正会員ら約230名が参加するなか、大阪市淀川区の新大阪シティプラザで開催した。説明会では中村幸雄・日水協調査部長が「新訂 水道法逐条解説」を活用しながら、水道法の各条文を詳細に説明し、より一層の理解向上に努めた。
下水協/施行令改正などで説明会
 日本下水道協会は9日、大阪市淀川区の大阪コロナホテルで「下水道法施行令改正等に関する説明会」を開催した。同説明会には下水協会員など約500人が参加し熱心に聴講した。
10年ぶりに給水制限/沖縄県
 沖縄県渇水対策連絡協議会は15日、那覇市の沖縄総合事務局で第3回協議を開き、3月29日ごろから給水制限を実施することを決めた。沖縄本島での給水制限は平成6年以来10年ぶり。
 沖縄県では昨年冬から少雨傾向が続き、特に本島北部では12月から3月までの降水量が平年の60%以下となった所が多かった。そのため、県内にある全ダムの貯水率は16日現在で47.2%にまで低下しており、北谷にある沖縄県企業局の海水淡水化施設では、1月21日より日量3万5千から4万立方メートル程のフル稼働が続いている。
離島へ船で応援給水/那覇市から座間味村へ
 那覇市水道局は10日から、水不足に悩む座間味村へ船による応援給水を開始した。
 座間味村は、那覇市の南西約40キロの位置にある座間味島など3つの有人島からなる村で、人口は約1千人。昨春から続く少雨で容量約3万3千立方㍍の座間味ダムは貯水率が20%台に落ち込み、昨年7月から夜間8時間の給水制限を行っていた。しかし、今年に入ってからも厳しい状況が続き、2月からは12時間の給水制限を余儀なくされていたことから、村が県水道災害相互応援協定に基づき応援を要請した。
名古屋市のOBらが選考/水問題研究所
 水問題研究所(西尾武喜会長)は5日、名古屋市中区の名古屋都市センターで優秀論文表彰式を行い、名古屋市上下水道局、緑政土木局から選出した8論文を表彰した。同研究所は21世紀の水政策について長期的・総合的に考察し、都市基盤に関わる水問題の解決、さらには名古屋市の発展を目的に設立され、同市の水行政に携わった経験を持つOBを中心に構成。表彰式は今回で5回目となる。
市民団体と交流活発に/琵琶湖・淀川水質保全機構
 琵琶湖・淀川水質保全機構は住民と水環境保全活動に取り組む各団体のコミュニケーションを活性化させるため15日から『BYスタンプラリー2004』をスタートさせた。市民団体が実施する活動への参加や水関連施設の入場などでスタンプを押印し、スタンプ数で記念品などを贈るキャンペーン。同機構では琵琶湖・淀川流域に関心のある参加者を募集中である。
トランスヒートコンテナを技術導入/三機工業栗本鐵工所
 三機工業と栗本鐵工所はドイツの環境コンサルタント会社のプロジェクト・マネジメント・コンサルタンツ社(本社・ベンスハイム)より低温廃熱の利用によりCO2を大幅に削減することが可能な潜熱蓄熱搬送システム「トランスヒートコンテナ」の技術を導入した。下水汚泥焼却施設などから発生する低温廃熱を潜熱蓄熱材に回収・貯蔵し、コンテナ車で運搬して離れた施設の熱エネルギーとして供給するもので、未利用エネルギーを効率的に活用できると共に、CO2削減に貢献するものとして注目されよう。
尾田氏が海外進出で講演/水団連
 日本水道工業団体連合会は12日、日本水道会館で、講師に第3回世界水フォーラム事務局長の尾田栄章氏を招き、「国際貢献と産業界」をテーマに講演会を開催した。
 尾田氏は、世界の都市の水道民営化について、「日本の企業が海外に進出する際には、その地域に応じてどのような管理形態をとればいいかを考えることが大切」と強調した。
メタルシートで世界最大口径/コスモ工機
 コスモ工機(本社・東京、加藤正明社長)はこのほど、2月20日までに大阪府水道部発注の「不断水バルブ設置工事」で世界最大となる口径2,200ミリの不断水バタフライ弁設置工事を施工したことを明らかにした。
 工事現場は大阪府寝屋川市打上地内で、工事概要は大阪府水道部所有の送水管(南部幹線・口径2,200ミリ)に設置されているバタフライ弁が、現在建設が進んでいる第2京阪道路の建設予定地内に埋設されており、道路建設に伴い既設のバタフライ弁が今後使用できなくなることや将来的な維持管理が不可能になることから、同バタフライ弁を撤去する目的で送水管路上流部の口径2,200ミリのダクタイル鋳鉄管に不断水工法によりバタフライ弁を設置するもの。
開口部調査で中間報告/90ハッチ協会と水フォーラム21
 90ハッチ協会(会長=原田稔・関電製作所代表取締役社長)と、NPO法人・水フォーラム21(理事長=中本正明・ウォーターエンジニアリング代表取締役社長)はこのほど、処理場・ポンプ場などにおける開口部の作業環境の実体を共同調査した。中間報告では開口部の開閉にリスクが伴い、作業員がストレスを感じており、これらへの配慮の必要性などが指摘されている。