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第4141号    3月 31日発行




"ISO日本規格"を活用/東京都水道局
 東京都水道局は『水道事業ガイドライン』の業務指標を試算し、30日にその内容・結果を明らかにした。今年1月にISO日本規格として策定され、既にISOが認知している同ガイドラインは137項目の業務指標数を持つが、同局はこれらの指標を基に事業内容を精査、全国の事業体に先駆けて指標値を算出。同局のガイドラインの運用により全国の事業体での活用に弾みがつくことになろう。
3年間の合同研センター究終了/給水財団水技
 給水工事技術振興財団と水道技術研究センターが厚生労働科学研究費補助を受けて合同で行っている「家屋内での水有効利用と環境負荷低減に資する給水システム構築に関する研究」の最終合同委員会が17日、日本水道会館で開かれた。
 平成14年度にスタートしたこのプロジェクトは「給水システムの維持管理」について給水財団が、「水道水を有効活用した家屋(アクアハウス)の開発」をセンターが受け持ち、研究を進めてきた。
 給水システムに関する報告書では、3年間にわたって実施してきたアンケートの結果を基に現状と課題を整理している。
17年度の水道予算と計画/本紙調査
 本紙が毎年この時期に実施している「上水道事業予算と計画」の平成17年度調査を集計した。
 今年はピックアップした中から上水道201事業から回答を得た。前年度に比べて予算を増額しているのは全体の47.3%にあたる95事業。減額は81事業40.3%だった。前年度と比べて増額が16ポイントもアップしているのが目立つ。同額は2事業、不明が23事業あった。
 本紙調査による建設投資額の合計は4,526億円だった。事業内容では201事業の75%にあたる151事業が「導・送・配水管の整備」(老朽管の更新・管路の新設・管路の耐震化)を重点事項にあげた。管路整備費は合計で2,302億円にのぼり建設投資額全体の51%(前年度53%)を占めている。浄水場の改築・更新を重点事項としてあげたのは61事業30%だった。浄水施設整備費は合計で871億円となっている。
管路耐震化の成果を確認/福岡県西方沖地震
―耐震管路の積極採用が奏功―!
 最大で震度6弱を記録した福岡県西方沖地震による水道施設への被害が比較的軽微で収まったのは、震度6弱を記録したのが福岡市の沿岸部周辺の狭いエリアにとどまったことや液状化現象があまり見られなかったことに加え、被災した福岡市水道局をはじめとする水道事業体がかねてより耐震管整備を積極的に実施していたことも挙げられる。
 福岡市における配水管路の被害は、主に同市の海岸埋立地で発生、口径75ミリ以上の管路での件数は19件で、鋳鉄管や離脱防止機構を持たないダクタイル管等で漏水。その一方で、同市は、離脱防止機構を配備した耐震継手ダクタイル管を海岸埋立地に約50キロ布設していたが、被害は皆無だった。
大阪市水道局17年度・建設改良に159億
 大阪市水道局はこのほど、平成17年度水道事業会計および工業用水道事業会計予算を明らかにした。水道事業会計の収益的支出に約776億300万円(対前年度当初比4.3%減)、建設改良費に約159億3,200万円(同14.1%減)を計上。収益では景気の回復基調などに伴う給水収益の増加などを見込む一方、費用では特殊勤務手当や福利厚生事業の見直しなどによる総人件費の抑制措置で、収支差引は約40億300万円の黒字となる。新規では柴島浄水場総合管理棟の建設に着工するとともに、3整備事業などを計画的に推進する。
走水水源で膜ろ過実験/横須賀市上下水道局
 横須賀市上下水道局は、走水水源を利用した膜ろ過実験を昨年5月から1年間の予定で行っている。市内唯一の水源である走水水源は、災害時において市民の生命を守る「命綱」としての役割を担っているが、現在は厚生労働省の「クリプトスポリジウム暫定対策指針」により給水ができない状態になっている。このため、膜ろ過による浄水処理が選択肢として浮上した。
JFE・東芝と優先交渉/横浜市下水道局
 横浜市下水道局がPFI事業手法を適用し推進する「北部汚泥処理センター消化ガス発電設備整備事業」の優先交渉権者が、JFEエンジニアリング㈱・㈱東芝グループ(代表企業=JFEエンジニアリング㈱、構成員=東芝㈱)に決定。28日、和泉潔・JFEエンジニアリング神奈川支社長、栗原孝至・東芝首都圏南支社長らが同局に訪れ、事業契約に向け基本協定書が取り交わされた。
平成15年度下水道工事発注動向/国交省
 国土交通省下水道部はこのほど「平成15年度下水道工事資材・工法・機器の発注動向」の調査結果を取りまとめた。
 管材の調査対象は、下水道工事で使用された既成の管材のうち処理場・ポンプ場等のダクト、設備配管などは除いたもので、三面張水路、現場打ちのボックスカルバートなどは除外された。その結果、平成15年度に使用された管材は、総延長で約1万2,510キロとなり、事業費の減少に伴い、前年比では約9.3%減少している。口径別には、口径450ミリ以下の管材の発注延長は約1万1,872キロで、全管材延長に対するシェアは約94.9%だった。
ボルトボックス充填用モルタルを開発/テクノスジャパン
 機能性モルタル類の総合メーカーであるテクノスジャパン(本社:明石市、佐藤武司代表取締役)はこのほど、シールドのコンクリートセグメントなどのボルトボックス充填用高性能モルタル「モルボックスHM―1000 高強度タイプ」「モルボックスKM―2000 軽量タイプ」を開発した。
 同製品は、従来品と比較して厚く付けても施工時にダレやズレが生じないうえ、従来品では3~4回に分けて充填する必要があるボルトボックスの充填が1~2回程度で完了できる。
役員懇談会開く/施設協
 日本下水道施設業協会は先ごろ、東京一ツ橋の学士会館にて第43回役員懇談会を開催した。同懇談会は、下水道事業が抱える諸問題等について理解を深めるために年に2、3回開催しているもので、今回は、来賓として日本下水道事業団の石川忠男事業統括担当理事、栗原秀人事業統括部長、宇田川孝之技術監理部長部長、深町政晴事業統括次長を招き、『日本下水道事業団を巡る最近の諸情勢について』をテーマに積極的な意見交換を行った。
次期プロジェクト/水道技術センター
 水道技術研究センターは23日、東京虎ノ門の日本消防会館で“次期プロジェクト”の企業説明会を開催し、参加希望の企業32社が出席した。
 『安全でおいしい水を目指した高度な浄水処理技術の確立に関する研究』をメインテーマに平成17年からの3ヵ年行われるポストeーwaterプロジェクトはアンケートの結果、「原水条件に応じた最適浄水システムに関する開発研究」の応募が26件、「おいしい水を目指した臭気原因物質等に関する開発研究」が7件、「持ち込み研究」が単独・共同研究を含めて7社の応募があった。
工水研究で2編発表/鋼官協会
 3月10日、11日に行われた日本工業用水協会研究発表会で日本水道鋼管協会が2編の研究発表を行い、注目された。
新日本製鐵の大槻冨有彦氏は「プラスチック被覆の防食上必要膜厚について」を発表。プラスチック被覆鋼管の腐食について膜厚との関係を検討し、ポリウレタン、ポリエチレンの被覆は0.3ミリあれば60年以上の防食寿命が推定できたと述べた。
また、JFEエンジニアリングの松嶋茂之氏は「レキ質材料によるプラスチック被覆鋼管の埋戻し試験」を発表。プラスチック被覆は硬度合が高く耐衝撃性に優れ、現場発生土や再生砕石などのリサイクル材料(レキ質材料)による埋戻しへの適用が期待されている。