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第4171号    8月  8日発行




山村尊房氏に聞く/厚生労働省水道課長
 厚生労働省は8月1日付で、水道課長に山村尊房氏を任命した。水道ビジョンが発表されてから1年以上が過ぎ、その実現に向けてすでにいくつかの施策が具体化されている。山村課長は「これまでの成果を踏まえ、先輩達の努力をさらに発展させたい」と決意を語るとともに、現場とのコミュニケーションの重要性を強調した。ビジョンのさらなる推進に向けて水道界全体が動き出す中、「水道の現場」を知る山村課長への期待は大きい。

<トピック>
 ―水道界幻の名曲を発掘!
―山村尊房・厚生労働省水道課長が26年前に作曲した「水は恋人」が話題を呼んでいる。厚生省水道環境部計画課課長補佐時代の杉戸大作氏が同名著書に発表した詩に曲をつけたもので、作曲者クレジットにはWatermanという名前を使っている。水道人という言葉を意識したというが、意味は「船頭」。まさに水道界の船頭となった山村課長の瑞々しい感性に触れることのできる佳曲だ。
あこがれおおきみなもとに ひとりたたずむあさぼらけ
そっとささやくせせらぎに いつかめばえしこいごころ

残月淡く山百合の 流れに露のひとしずく
やさしき君の思いでは 甘く切なくはてしなく

雨か嵐か降る雪か 明日の定めは知らねども
君に捧げし我が命 男の涙誰か知る
処理場の名称変更を/下水道未来研
 国土交通省と政令指定都市、下水道事業団、日本下水道協会の若手下水道職員がメンバーとなっている下水道未来計画研究会は、指定都市の下水道担当局長に向けて、「終末処理場の名称変更に関する提案書」を送付した。
 研究会では下水道の多様な役割や機能を住民に正しく理解してもらうため、新たな発想による情報発信の方法を検討している。その一環として、終末処理場や下水処理場といった名称の変更を提案することにした。
財政健全化へ一歩前進/日水協理事会
 日本水道協会は3日午後、協会会議室で常任理事会を開き、平成16年度協会会計決算と18年度予算編成案を了承した。
 16年度は、市町村合併等により正会員の退会が350団体(入会は84団体)に及んだものの、決算では455万円の黒字決算となった。人件費をはじめ徹底的な諸経費の節減が功を奏した形だ。18年度予算編成でも収支均衡予算となり、懸案だった財政健全化へ一歩を踏み出した。決算、予算編成案ともに9月6日に開く理事会に諮る。
17年度の活動方針決まる/簡水協・基本問題検討委
 全国簡易水道協議会は7月29日、第3回簡易水道基本問題検討調査委員会(委員長=小笠原紘一・前北海道公営企業管理者)を開いた。ワーキンググループを設置して進めていた維持管理マニュアル修正作業の進捗状況が報告されるとともに、同委員会の16年度調査報告書と17年度の活動計画が承認された。
利根川系水源で高度浄水実験/千葉県水道局
 千葉県水道局が建設を進めていた“利根川系高度浄水処理実験プラント”がこのほど完成し、概ね3ヵ年の計画で実施する実験がスタートした。3日には学識経験者により構成される同実験検討会の5名の委員が同局の木下(きおろし)取水場内に設置された実験プラントを視察。今後は、実験の検証結果を基に識者の提言を踏まえつつ、利根川系浄水場の浄水処理の改善に向けて検討が進められることになる。
中期経営計画(第2期)策定/茨城県企業局
 茨城県企業局は、「中期経営計画(第2期)」(計画期間=平成17年度~21年度)を策定した。5つの基本目標を掲げている同計画は、「建設から維持管理への移行」を計画期間中の基調とし、経営の透明性の向上や進行管理のため「数値目標」と「年度目標」を定めた。また、同計画のうち、水道用水供給事業の収支計画では、施設耐震化や県南水道事務所の改築など、5年間で約250億円の建設改良投資を予定している。
山古志地域で被害調査/中越地震厚労省調査団
 新潟県中越地震で大きな被害を受けた旧山古志村(現長岡市山古志地域)の水道施設被害状況を調査する厚生労働省の調査団(団長=高田至郎・神戸大学工学部建設学科教授)は7月28、29日の両日、現地調査を実施した。現地は、送水ラインが壊滅的被害を受け、大規模な道路崩壊などで管路流出が目立つ。調査結果は報告書などの形でまとめる予定で、中山間地の水道施設の災害対策が前進することが期待される。
弘前市で技術部会/大規模用水供給事業管理者会議
 平成17年度全国大規模水道用水供給事業管理者会議技術部会がこのほど、弘前市のシティ弘前ホテルで開催され、参加者は地震災害への取り組みなどについて活発な討議を展開した。
 部会には事務局も含め、全国の大規模用水供給事業体から約40人が参加した。議題は▽地震災害への取り組みについて▽資料提供について(送水管路の維持管理について、水道施設において使用されるエネルギーについて、用水供給事業体から需要者への情報提供のあり方について)▽次回技術部会の議題について▽その他―の4題。
「恵水」の販売民間店舗でも/川崎市水道局
 川崎市水道局が製造するペットボトル水「恵水(めぐみ)」が、7月上旬から同市中原区内の民間5店舗で試験販売されている。500ml1本105円。多摩区生田のさく井から採水される「恵水」の誕生は一昨年。災害備蓄用に製造開始され、防災訓練等で配布されてきたほか、同局7営業所で販売されてきた。
 今回の民間販売は、市民から販売店舗拡大を望む声が多かったことと、飲料水の備蓄促進の一層のPR効果を考慮してのもの。
早明浦ダムで3次制限再開/香川県内16市町で減圧給水
 四国地方の主要ダムの吉野川水系早明浦ダムは1日から、第3次取水制限を再開した。7月初旬の降雨で一時緩和したものの、早明浦ダムの貯水率が30%に迫ったことを受け、香川用水50%、徳島用水19%削減した。香川県内では高松市18.5%など16市町で減圧給水しており、2日までに6町が強化した。なお、早明浦ダムの貯水率は8日10時現在で20.1%となっている。
中越地震の支援記録を発刊/日水協関東支部
 日本水道協会関東地方支部は、新潟県中越地震における同支部の応援活動の状況や派遣隊員の声、関係資料などをまとめた「新潟県中越地震支援活動の記録」を発刊した。
 都県支部別の応援状況や都県支部活動報告書、支援隊活動レポートなどが掲載されている。支援隊員の声が寄せられたレポートでは、支援活動における教訓と課題、関東地方が被災地になった場合の対応などについての提言が盛り込まれている。
経営人材育成スタート/東京都下水道局
 職員教育に力を注ぐ東京都下水道局が、次代のリーダー養成を視野に入れた「次世代経営人材育成」をスタートさせた。これは、30~40代の若手課長級職員全員から5人程度を選抜し、民間の専門学校で経営戦略や人材マネジメントなどを勤務時間外に集中的に学ばせることで、将来の経営幹部育成を目指すという初の試みだ。
 「次世代―」の第1ステップとなる研修(通称・アセスメント)が2・3日の両日、産業能率大学代官山キャンパスで開催された。対象となる課長級職員27人が参加した。
研究大会で活発な討議/工水協
 日本工業用水協会は14~15日の2日間、名古屋市中区の名古屋クラウンホテルに会員ら約170人を集め「平成17年度工業用水事業研究大会」を開催した。
 今年度の指定課題は▽水利権及び未稼働施設等の事業規模見直し▽未売水対策としての需要開拓▽緊急時及び震災対策の課題▽休止管の取扱い―の4題。各テーマについて、選ばれた各事業体の担当者が取り組み事例を紹介するとともに意見交換を行った。
水環境学会
 日本水環境学会は、8月26日に開催する第14回市民セミナー「都市生活と水―快適さの舞台裏―」の参加者を募集している。
 ▽申込み・問合わせ=同学会市民セミナー係(〒135-0006東京都江東区常盤2-9-7グリーンプラザ深川常盤201号、電話03-3632-5351、FAX03-3632-5352、E‐mail:tamura@jswe.or.jp)
大阪で“水シンポ”/土木学会など主催
 土木学会水工学委員会・国土交通省近畿地方整備局・大阪府・大阪市は8月18・19の両日、大阪市北区の大阪国際会議場で『第10回水シンポジウムinおおさか』を開催する。建築家の安藤忠雄氏が特別講演を行う他、“水”をテーマとした分科会、さらに企業・NPOなど関係団体の展示などを実施し、現在、参加者・出展企業を募集中である。
国交省などに積極陳情/町村下水道推進協議会
 全国町村下水道推進協議会は26日、先の同協議会大会で決議した要望活動を主務省に対し行った。小城利重・会長(奈良県斑鳩町長)、泉亭俊彦・副会長(北海道当別町長)、石原真一・同(島根県東出雲町長)ら一行は国交省、総務省、財務省を相次いで訪れた。
石川総合企画部長が講演/推進機構技術サロン
 下水道新技術推進機構は14日、第231回技術サロンを同機構会議室で開き、ゲストの石川智康・横浜市環境創造局総合企画部長が「平成17年度横浜市下水道事業と組織再編について」と題して講演した。
宮崎雨水貯留幹線整備が着々
千葉市下水道局
 千葉市下水道局が平成15年1月から工事を行ってきた宮崎雨水貯留幹線整備が、今年度末完成に向け着々と進められている。路線延長1,542メートル、貯留量3万900立方メートル。完成すれば、千葉市の副都心である蘇我駅東側地区の浸水被害解消に大きく寄与することとなる。総事業費は約51億1千万円。施工は清水・三井住友・東・西武建設共同企業体が請負っている。

地元小学生が現場見学
 7月12~14日には、地元の宮崎小学校4・5・6年生の児童がシールド工事現場を訪れた。これは(財)日本土木工業協会が提唱する「100万人の市民現場見学会」キャンペーンに千葉市下水道局も参画したもの。幹線内を見学した児童は、自分たちの学ぶ学校の真下を通る幹線内で大ハシャギ。めったに出来ない体験に目を輝かせていた。
G-3、4で講習会開く/日本グラウンドマンホール工業会
 日本グラウンドマンホール工業会はこのほど、東京都千代田区の麹町会館で第2回JGMA講習会を開催し、下水道用鋳鉄製マンホールふた(JSWAS G-4)および下水道用鋳鉄製防護ふた(JSWAS G-3)規格改定の内容について講習会を行った。
 近年、マンホール蓋は、道路の一部としての安全性、集中豪雨などによるマンホール蓋の浮上・飛散現象防止など、その安全機能向上が求められてきた。今講習会は、社会のニーズに応えた形となった7月1日の「G-3、G-4」規格改正について説明し、会員の安全に関する認識深めるためもの。
経済産業大臣を受賞/SPR工法
 第1回「ものづくり日本大賞」経済産業大臣表彰式が3日、東京都港区の東京プリンスホテルで開催された。本紙関連では、「『老朽化した下水道管』を、下水を流しながら新管同等に蘇らせる管路更生工法の開発」としてSPR工法が認められ、足立建設工業の秋元榮器氏、村木健二氏、内田広治氏、山城浜夫氏の4名と積水化学工業の北山康氏、菅原宏氏、今川明氏、渡辺充彦氏、高谷明彦氏の5名が表彰された。
月島・クボタが提携/上下水道水処理機械設備
 月島機械とクボタは先月26日、上下水道の処理機械設備に関して資本ならびに業務の両面で提携したことを明らかにした。今回の提携は、両社が上下水道分野での処理機械設備部門で共有する商品・技術での相互補完や新製品・新技術の開発などに伴う収益率の向上をはかる一方、資本面で相互に株式を保有することによって経営基盤をより強化するために実施したもの。
背負子型燃料電池を開発/バンテック
 バンテック(本社・栃木県那須塩原市、鈴木和芳社長)はこのほど、背負子型燃料電池、キャスター型燃焼電池「アースセーバー」を開発した。工事用電源として活用できるほか、災害用としても威力を発揮でき、関心を集めている。
飲料水検査技術講習会も予定/2005分析展
 日本分析機器工業会主催の『2005分析展』が8月31日~9月2日の3日間、千葉市美浜区の幕張メッセ・国際展示場で開催される。同時に『JAIMAコンファレンス』が開催され、「平成17年度飲料水検査技術講習会」ほか多数の講習会が行われる予定。