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第4219号    3月  2日発行




まちづくり/下水再生水を利用/国交省都市水路検討会
 国土交通省下水道部と河川局は2月28日、第6回都市水路検討会を開催した。検討会では都市における水路を保全、再生、創出するために昨年モデル地域に選ばれた自治体が、取り組み状況について報告を行った。このうち神戸市と堺市は都市水路の水源として下水再生水を利用すると発表。課題としては水路整備の費用負担のあり方、維持管理方法などがあがった。
アスベスト除去で補助新設/厚労省
 厚生労働省は「簡易水道等施設整備費及び水道水源開発等施設整備費」の国庫補助について、水道施設等建物に使用されているアスベスト対策を目的として交付要綱を改正し、2月21日、各都道府県知事に通知した。
 つまり、この措置により水道事業者などが管理する施設のアスベスト除去等の事業が国庫補助の対象になったということだ。
 補助率は一律3分の1で、事業実施期間は平成17年度、18年度限りとしている。
水道機工に決定/東京都水道局の砧膜ろ過設備
 日本最大の膜ろ過施設となる、東京都水道局発注の砧浄水場と砧下浄水所の膜ろ過設備等設置工事の落札者が水道機工㈱に決定、両者はこのほど契約を締結した。
 先月3日に実施された入札では、同社の入札価格が同局の設定した調査基準価格を下回ったため保留となり、同局による低入札価格調査が行われていた。入札価格は砧浄水場が6億4,800万円、砧下浄水所が5億8,000万円。
サテライト処理場公開/神奈川県
 捨てる水から使える水へ―。神奈川県の相模川流域下水道右岸処理場に整備された「サテライト水循環拠点モデル施設」が一般に公開されている。この施設は、高度処理水を再生水として市街地に供給するといった、下水道の新たな取り組みのモデル施設として注目を集めている。同県は小型で高性能な処理施設を流域内の公園などの地下に衛生のように配置して、流量の減少した支川や枯渇した水路の流量を補う計画を立てている。
 流域下水道幹線から下水を取り、処理施設で処理して市街地へ再生水を供給、汚泥は幹線に返送するという流れだ。
断水人口は1,100万人/衆議院の災害特委
 衆議院の災害対策特別委員会で27日、首都直下地震に対する取り組みが議論された。糸川正晃氏が質問した。
 糸川氏は、「大規模地震では水道の早期復旧が重要だ」と述べ、首都直下地震での被害想定について質問した。
 これに対し内閣府の榊正剛・政策統括官(防災担当)は、「M7.3の東京湾北部地震での断水人口は1,100万人、断水率は26%に及ぶ。水道の復旧には1カ月を要する」と説明。
 糸川氏は、「水道は防火用水としても重要だ。水確保についてはしっかりと取り組んでいただきたい」と求めた。
新型大孔径膜で実証実験/横須賀市上下水道局
 横須賀市上下水道局は同市唯一の市内水源施設、走水水源で大孔径膜を用いた実証実験を行っている。良質な湧水ゆえに滅菌のみの水処理で対応していた同水源は厚生労働省の『クリプトスポリジウム暫定指針』を踏まえて現在は休止中となっているが、ごく微量の指標菌の検出事例があったことを除けば極めて良好な水質であり、今回の実験はその再開を睨んで最新の知見を基に検証に臨んでいるもの。実験には、水道機工が開発した大孔径膜の新型モジュールを使用し、知見の収集・整理が進められている。
水道工事イメージアップコンクール/東京都水道局
 東京都水道局は先月17日、平成17年度水道工事イメージアップコンクール最終審査会を同局研修・開発センターで開き、57件の応募の中から残った10件のイメージアップ事例の審査を行った。各取り組みの発表に対して質問・意見が次々と出され、会場は熱気に包まれた。審査結果の発表および表彰式は今月開催する予定。
主要事業体新年度予算(案)
大阪市下水道事業
 大阪市都市環境局の平成18年度下水道事業会計予算案は、建設改良費に453億円(同99.8%)を計上した。雨水貯留タンク普及促進助成制度を新設するとともに、浸水・水質保全・アメニティの3対策の中でも、浸水対策・合流式下水道の改善・改築更新を重点的に推進する。

広島市下水道局
 広島市下水道局の平成18年度下水道事業会計当初予算案は約882億4千万円(対前年度当初比3.5%減)で、建設改良費は約187億6,500万円(同0.7%増)を計上している。平成17年度に引き続き、浸水の解消や施設の改築更新、合流改善などを重点的に実施していく。
水道記念館をご視察/秋篠宮ご夫妻が大阪市に
 秋篠宮ご夫妻は先月2日、大阪市東淀川区の水道記念館をご視察された。同館の概要説明をお聞きになられた後、館内の淡水魚の水槽などを熱心にご覧になられた。また、南側展示コーナー(1月にリニューアル)では、職員がバーチャルゲームを体験している姿に笑顔を見せられた。秋篠宮ご夫妻は第50回水族館技術者研究会および第50回記念公開フォーラム(2月1~3日開催)にご臨席のため、来阪していた。
大阪市で下水道研究会/下水協関西地方支部
 日本下水道協会関西地方支部の第39回下水道研究会が先月15日、会員ら約130人が出席するなか、大阪市のチサンホテル新大阪で開催された。研究会では広報や下水処理場の再構築に関する講演が行われた。
 
公共事業の必要性訴え/森田実氏が講演/日水協関西管理者講習
 日本水道協会関西地方支部の平成17年度管理者講習会が先月20日、大阪市中央区の大阪城ホールで開催された。64事業体から水道事業管理者ら約80人が集まるなか、本紙で『水の時代を生きる』を連載執筆中の政治評論家、森田実氏が「水道事業の社会貢献と今後の公共事業の意義」をテーマに講演し、参加者の注目を集めた。
中越地震/被害調査大詰め/塩ビ管・継手協会
 塩化ビニル管・継手協会はこのほど、「2004年新潟県中越地震における水道用配水管の被害調査」の結果を取りまとめ、報告書作成の最終段階に入ったことを発表した。今回の調査では、塩化ビニル管路の被害の多くが接合部の離脱であり、塩化ビニル管そのものには問題がないことを明らかにしている。現在は、耐震性能を高めるために必要な継手特性について検討し、実用化に向けてフィールド実験にも取り組んでいる。なお地震調査結果や継手性能の実験データについては、今年5月に長崎市で開催される全国水道研究発表会で発表する予定だ。
現場技術研修会開く/下水道新技術推進機構
 下水道新技術推進機構はこのほど、東京都清瀬市の清瀬水再生センターで第39回現場技術研修会を開催した。
 同研修会では、清瀬水再生センター内で行われている未利用エネルギーを有効活用する共同研究「流動床ガス化動力回収システム」および「オフライン熱供給システム(トランスヒートコンテナシステム)」の概要説明や実証実験設備の見学を行った。
産業排水部門強化へ/積水化学工業積水アクア
 積水化学工業(大久保尚武社長)と積水グループである積水アクアシステム(本社・大阪市、安藤茂社長)はこのほど、担体流動床法を用いた新排水処理システム「AQ」を開発、産業排水処理事業を本格展開することを明らかにした。排水処理システム「AQ」を開発したのは、積水アクアシステムで、積水化学は同システムで用いる微生物固定化担体「ソフトロンキューブ」を供給する。積水アクアシステムでは、食品関係製造分野を中心に2010年度には同事業の売上高40億円、「AQ」の売上高10億円を目指す。
新エコセグを初導入/佐藤工業・日本コンクリート工業
 佐藤工業と日本コンクリート工業はこのほど、横浜市発注の『北部処理区新羽末広幹線北綱島支線下水道整備工事(その3)』において、横浜市環境創造局と共同開発した「高流動エコセグメント」を初めて導入したことを明らかにした。
 「高流動エコセグメント」は、従来からの高流動コンクリートセグメント/SHFCの製造ノウハウを活かし、混和材に下水汚泥焼却灰を利用したシールドトンネル用セグメント。
16年度工事実績まとめる/全国鑿井協会
 全国鑿井協会はこのほど、平成16年度の「さく井工事実績」と「改修工事実績」調査結果をまとめた。それによると、さく井工事実績の利用目的区分別で生活用水(水道用水+雑用水)が45%、工業用水を加えた都市用水として見ると55%となり、平成15年度とほぼ同値だった。しかし、水道用水の比率が低下し、雑用水の比率が増加しており、同協会では「都市部などで工場、個人が非常用または飲料以外の目的としての井戸を掘る傾向を表している可能性がある。観測井や防災井戸については、予想よりも少なかった」と分析している。
72名が熱戦/関東全水道人囲碁大会
 日本ガイシの森洋喜氏が3連覇――。日本水道工業団体連合会主催、日本水道協会、本紙などの後援による「第31回関東全水道人囲碁大会」を東京・市ヶ谷の日本棋院会館で開催し、72名が熱戦を繰り広げた。
 同大会では、A組~E組の計5グループに分け、各人4試合行い、各グループから優勝者、準優勝者を決めた。