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第4221号    3月 13日発行




新技術の普及に弾み/下水道水処理/国交省
 国土交通省下水道部は8日、新しい水処理技術の普及を目的とした「水処理技術委員会・制度検討分科会」を開催した。委員会では下水道管理者がこれまで実績のない新技術を採用する場合と、実績はあるが一般化されていない技術を企業が申請する場合について評価する。企業申請の技術が認められれば、下水道施行令等の処理方法一覧表に追加される。
中小水道の運営強化を/厚労省
 厚生労働省は来年度より、簡易水道を含む中小規模水道の運営管理の強化策の検討を開始し、具体的なモデル地域を選定してケーススタディを行う。
 水道ビジョンで提唱された「新たな広域化」については、既に日本水道協会に委託して4府県でのケーススタディを実施しているが、簡易水道については地理的な条件などから広域化が困難な地域も多い。
 そうした状況を踏まえ、中小規模水道の運営管理を向上させるために、簡易水道として存続させる必要のある水道事業に対して制度的・財政的な支援のあり方を探る。
改良土の共同研究者を募集/土木研究所
 独立行政法人土木研究所は、「下水汚泥焼却灰を利用した改良土による埋設管の耐震対策に関する研究」について共同研究者を募集している。
 下水汚泥焼却灰を利用した改良土は、品質・施工管理を十分に行えば下水汚泥焼却灰と石灰の効果により高い強度を発揮する。そこで土研は改良土の安全性及び耐震性を適切に評価するとともに、実用化に際して課題解決を効率的に行うために共同研究を実施することにした。
 共同研究の内容は、下水汚泥焼却灰を利用した改良土に関して、(1)環境安全性評価手法(化学物質の溶出)(2)耐震性評価(材料としての強度と耐震性の関係)(3)施工方法、施工管理手法(4)耐震対策マニュアルの開発となっている。研究の実施期間は平成18年度から19年度まで。
 募集は平成18年3月17日(金)まで行なう。詳しくは土研HPを参照。
エコ・フィロソフィを提唱/東洋大学が研究
 東洋大学(松尾友矩学長)は8日、環境共生哲学という概念を持つ「エコ・フィロソフィ」学際研究イニシアティブを設置し、東京大学が実施するサステイナビリティ学連携研究機構(IR3S)に、協力機関として参加すると発表した。
 IR3Sは東京大学を中心に、京都大学・大阪大学・北海道大学・茨城大学が連携し、サステイナビリティ学の研究教育のための拠点を設置運営するもの。
 同大学は人文・社会分野からサステイナビリティ学の研究に取り組むため、3つの研究プロジェクト((1)自然と人間に関する東洋の知とエコロジーの探求(2)アジア諸地域におけるサステイナビリティに関する価値意識の究明(3)環境倫理を含む哲学的環境デザインの追求)を立ち上げることにした。
事業規模別にPI分析/水道技術センター
 水道技術研究センターは10日、東京・虎ノ門の同センターでPIの効果的活用に関する検討会(委員長=早川哲夫・麻布大学環境保健学部環境政策学科教授)を開き、「水道事業ガイドラインの業務指標(PI)算定結果」の第2報の内容について原案が示された。
 昨年11月に、センターは水道統計や地方公営企業年鑑を用いて算出できるガイドラインのPI約50項目について全国の水道事業体の数値を算定し、度数分布図の形で公表した。今回はそのデータの解析をさらに進め、事業体規模別の度数分布と各指標の経年変化をグラフにまとめる。
「おいしい水計画」策定へ/大阪市水道局
 大阪市水道局は「大阪市水道おいしい水計画」の策定を進めている。計画の推進組織として「大阪市水道おいしい水計画推進会議」を設置し、水道水の安全性とおいしさに関連した顧客満足度の向上の観点から、市民の視点に立った体系的な施策推進のあり方について、外部有識者も交えて検討・審議していく。先月15日には推進会議の第1回会議が開催され、水道水に対する不安・不満感の原因、水道局と市民との認識のずれやその改善手法などについて議論した。
PI4年分(133項目)試算/大阪市水道局
 大阪市水道局はこのほど、経営改革の取り組みの一環として、「水道事業ガイドラインに基づく業務指標(PI)の試算」および「キャッシュフロー計算書(試算)の作成」を行い、公表した。PIは阪神・淡路大震災の発生(平成6年度)、高度浄水処理の導入前後(全量は11年度)における変化を把握するため、4カ年分(5年度・10年度・15年度・16年度)を対象に133項目を試算した。
 公表済みの大規模7事業体との15年度指標値の分析では、「安心」「安定」は上回ったものの、「持続」はより一層の財政基盤の強化、「環境」は地球環境対策の推進、「管理」は鉛製給水管を含めた経年管更新の推進が求められるとしている。
大口料金値下げ答申へ/松江市水道料金審議会
 松江市水道料金審議会(会長=磯部美津子・島根県立女子短期大学教授)の初会合がこのほど、同市のホテル白鳥で開催された。従量料金の水量区画21立方メートル/月以上(大口需要者)を値下げする水道料金改定案が諮問され、出席委員に方向性が了承された。新料金は10月から実施される予定で、大口需要者は1カ月当たり最大50円/立方メートルの負担減となる模様だ。
3ヵ年分のPIを公表/福岡市水道局
 福岡市水道局はこのほど、水道事業ガイドラインに基づく業務指標の試算結果を公表した。今後、指標値をもとに水道事業の分析を進めると共に、市民との情報共有化のツールとして活用していく。
 水源余裕率は平成14年度2.8%、15年度3.9%度、16年度1.7%と水資源に恵まれない状況にあるが、原水有効利用率は16年度で96.9%、漏水率は同年度で2.9%と節水型都市づくりを目指した取り組みが着実に進展。また、給水人口1人当たりの1日配水量は292リットルと利用者の節水意識も高い。
10年で129億円を投じ36㎞/広島県企業局
 広島県企業局はこのほど、管路更新計画を策定した。当面の第1次更新計画の期間は平成20~29年度までの10年間。更新延長・事業費は水道用水供給事業が約23キロ・約66億円、工業用水道事業が約13キロ・約63億円を見込んでいる。
シンポなど活発な活動/日水協北海道地方支部
 日水協北海道地方支部は先月、余市町で水道実務発表会を開催した。同支部では他にも、水道配管技術研修会や災害時相互応援訓練などを行っており、会員間の連携強化や各分野のレベル向上を図るべく活発な活動を展開している。昨秋石狩市で行った事務・技術講習会では、初めての試みとなる学識者を招いたシンポジウムを開催。余市町での水道実務発表会と併せ、同シンポジウムの模様を紹介する。
下水道の知識を地域活動に/東京都下水道局
 東京都下水道局が今年度から始めている「下水道サポーター制度」の活動報告会が2日行われた(写真)。この制度は、局が行うイベントや施設見学などの広報広聴活動を地域住民に手伝ってもらいながら、下水道事業への理解をより広めようというもの。
JS再編で意見交換/施設協
 この4月に日本下水道事業団(JS)が組織再編を予定していることから、日本下水道施設業協会(幡掛大輔会長)は、事業団関係者を招き、新たな事業展開や入札・契約制度の概要について、講習会や意見交換を行っている。先月22日には事業団の佐藤洋行事業課長を講師に招いて、新たな入札・契約方式について講習会を開いたほか、1日の第45回役員懇談会では、曽小川久貴理事ら関係者と機構改革について意見を交換。効率的な事業運営や新技術の積極的な採用などを求めた。
MAPが事業継承し新会社/東亞合成MAP
 東亞合成と三井化学の100%子会社の三井化学アクアポリマー(略称:MAP)は8日、高分子凝集事業を統合することで基本合意した。事業統合の方法は、東亞合成が同事業を分割し、MAPが承継する。
 事業統合に伴って東亞合成はMAPに資本参加し、MAPは東亞合成と三井化学の合弁会社となる。
空調・衛生総合機材展を開催/関配協組
 関東空調工業会、関東配管工事業協同組合主催の第9回空調・衛生総合機材展が7日から10日までの4日間、東京有明の東京ビッグサイトで開かれ、大勢の来場者で賑わった。
 展示会では設備機器、配管機器、配管関連加工機械・装置や周辺機器など最新の技術が多数出展された。
大型モジュールを配備/水道機工
 水道機工がこのほど受注した砧浄水場、砧下浄水所の膜ろ過設備には東レのPVDF製中空子型MF膜が配備される(写真)。
 水道機工はこれまで同種の膜について小規模、中規模施設で導入実績があるが、砧で導入されるのは水道技術研究センターの膜モジュール認定を得た型式とされる。
 これまでの全長2,160ミリ(小型は全長1,120ミリ)既存製品に対し、センター使用の「分類番号1」縦ケーシング一体型による全長2,300ミリ膜モジュールを用いることとしている。
東管協組で製品PR/シーケー金属
 シーケー金属はこのほど、東京都管工事工業協同組合葛飾支部、杉並支部、世田谷西支部の支部会で相次いで「CKMAジョイント」の製品PRを行った。
 同社では昨年12月8日付で同組合からCKMAジョイントの製品紹介認定を受けたことから、同組合26支部に対して製品PRを行うことを決め、葛飾支部からPR活動をスタートさせた。今後は5月までに26支部でのPRを終了させる予定だ。
受注154億円確保へ/日本上下水道設計
 日本上下水道設計(木下哲社長)は3日、月末の定時株主総会をひかえ、国内外分野を含めた決算ならびに平成18年12月期決算見通しなど経営の近況を発表した。
 木下社長は「次期の18年12月期では前期比で約8%増の154億円(受注高)、売上高で143億円、売上総利益の利益率35%を確保できる見通し。受注は下げ止まりしたとみている」と次期への期待を示した。
再生管が特定品目に/塩ビ管・継手協
 塩化ビニル管・継手協会は28日、排水・通気用再生塩化ビニル管がグリーン購入法の特定調達品目(公共工事)に指定されたことを明らかにした。平成15年に排水用途は特定調達品目に指定されていたが、通気用途が追加されたことで、今後環境物品としての塩化ビニル管の需要拡大も期待される。
新型濁度計の販売を開始/東京産業
 東京産業はこのほど、高感度濁度計の新型機をスイスメーカー「シグリスト社」から導入し、日本での販売を開始することを明らかにした。
 今回販売を開始するのは「アクアスキャットWTM型」、「アクアスキャットHT型」、「アクアスキャットP型」の3機種で、従来型に比べて小型軽量化されており、「検出部」と「変換部」が一体化され、設置が非常に簡易なことが最大の特徴。また、日本国内の水道事情に対応し樹脂製部品を多用することで塩素腐食対策が施されている。3機種ともISO7027に準拠。日本国内濁度基準「PSL」にも対応している。
吉田暁氏に聞く/(株)アクアブレイン代表取締役社長
 (株)アクアブレインは、大阪ガス(株)の子会社でガス検針業務を行う大阪ガス・カスタマーリレーションズ(株)(OGCR)と、東大阪市が共同で設立した水道関連サービス会社である。同市の水道検針業務を受託し、2月から業務を開始している。そこで、本紙では社長の吉田暁氏に会社概要や抱負、今後の目標などをインタビューした。