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第4272号   10月 23日発行




喫緊の課題浮き彫りに/日水協・秋田総会
 秋田市で開かれていた第75回日本水道協会総会が19日閉会した。水道施設の再構築事業に対する財政支援の要望等といった会員提出問題は、実現を目指して関係省庁に要望を行っていくことを決定した。また、2題の緊急動議も提出された。政府の見解を述べた厚生労働省の山村尊房・水道課長は、地域水道ビジョン策定の拡大を求めるとともに、水道法制定50周年の記念式典を来年6月に開催する計画を発表。次期開催地は横浜市に決定した。
“水”のシンクタンク目指す/水資源機構
 秋田総会で会員提出問題として出された「ダムの建設に関する事業費圧縮等の要請」。これに対し、独立行政法人水資源機構の矢野久志・管理事業部次長は「コスト縮減は最も要望が強いテーマ。本機構では中期計画を策定し平成14年から19年までに15%減を目指している。施工管理の強化や新技術の採用などを進めており、積極的に情報発信したい。実務型シンクタンクとして水道界に貢献していきたい」と答えた。
管理者の責務でシンポ/参加者が課題を共有
 総会終了後には「いま、水道事業管理者は何をなすべきか~管理者の責務とリーダーシップとは」をテーマにシンポジウムが開かれた。100年先の日本の水道が無事に機能しているかは今にかかっている。シンポジウムではシナリオを作らずに本音で議論が行われた。
流域管理小委が検討拡大/下水道政策研
 下水道政策研究委員会(委員長=松尾友矩・東洋大学学長)が設置している流域管理小委員会で新たに、今後20~30年間の施策展開に向けた事業や予算、法制度などについて検討することになった。また、計画小委員会に下水道管理経営検討会を設け、下水道の計画・建設段階も含めた事業全体での維持管理や経営のあり方を検討する。この2つの方針が13日、第18回下水道政策研で決まった。
今年度の検討目標決まる/AM手法/JS
 日本下水道事業団(JS)は平成17年度から、静岡市と共同で下水道施設の運営へのアセットマネジメント(AM)手法導入について検討している。19年度に本格導入する方針だが、これに向けた今年度の検討目標が決まった。
19年度新規研究課題を募集/JS
 JSでは現在、平成19年度に開始する新規研究課題を募集している。民間企業や大学などとの共同研究、JS単独での研究ともに受け付ける。応募課題の中から、外部委員会の審議を経て課題が選定される。
 課題応募の締め切りは11月6日。選定結果は12月下旬公表の予定だ。詳しくは技術開発課(電話048―421―7206)かJSホームページ(http://www.jswa.go.jp)で。
処理水活用し熱利用事業/東京都下水道局
 東京都下水道局は2日、ソニー(株)新社屋に芝浦水再生センターの下水処理水を送水し、ビル空調機の冷却用として活用する熱利用事業を開始した。ビル空調機の廃熱を下水処理水に吸収させることで、人工廃熱を空中に放出する冷却塔が不要になり、年間で約22トンのCO2を削減できるという。事業期間は15年で、同局は熱利用料として年間700万円を収益として確保することになる。同局が下水処理水を活用した熱利用事業を手がけるのは今回が初めて。
横浜にバトンタッチ/日水協秋田総会懇親会
 19日、日水協秋田総会が閉会し、同日夕には、市内のホテルで懇親会が行われた。
 中締めに先立っては、佐竹市長から次期開催地である横浜市の大谷幸二郎・水道事業管理者に日水協旗が手渡された。

佐竹市長(右)と大谷管理者が
がっちりと握手
京都大学で研究発表会/環境システム計測制御学会
 環境システム計測制御学会(EICA、会長=松井三郎・京都大学地球環境学大学院教授)の研究発表会が10月30日、31日の2日間に亘って、京都大学百周年時計台記念館において開催される。第1日目は基調講演とパネルディスカションが、2日目に12分野・58題の発表が行われる。
 参加申し込み及び問い合わせは同学会(FAX058―254―8534、Eメールeica@aqua.ocn.ne.jp)あるいはhttp://eica.jp/まで。
会長表彰に59名、1団体/簡水協
 全国簡易水道協議会は、平成18年度の会長表彰者を発表した。水道事業の普及発展や維持管理などに尽力し、顕著な功績を残した個人・団体が対象で、今年は59名と1団体が受賞した。表彰式は第51回簡易水道整備促進全国大会(11月30日・砂防会館)で行われる。
秋田総会アラカルト
 18日から20日まで秋田市で行われた日本水道協会第75回総会。全国から水道関係者が集い活発な討議・交流が展開されたが、それを支えたのが開催地秋田市のきめ細やかな運営だった。また、会場内外では大小さまざまな出来事が起こった。ここでは、そのうちのいくつかを振り返ることにした。

「藤倉ものがたり」を配布
 秋田市上下水道局が総会会場において配布したペットボトル水「藤倉ものがたり」は、白熱した議論を展開した参加者の乾いた喉を潤し、上々の反応を得ていた。

温かな昼食でもてなし
 総会の昼食と言えば弁当が定番だが、「温かいものを食べて欲しい」という秋田市の心遣いで、今回は会場敷地内に大きな食事スペースを設け、できたての料理を参加者に配った。

竿燈の実演に大きな拍手
 2日目の懇親会に先立って、懇親会会場に隣接する広場で、国の重要無形文化財に指定されている「竿燈」の実演が行われた。

経済効果にも熱い期待
 地方紙、「秋田魁新報」は地域版のトップで『どっと3500人総会特需』の見出しで日水協総会を報道。市内のホテルが満室となり、あおりをくったサラリーマンが宿泊できなくなったことや、タクシー業界が喜んでいることなどを紹介。秋田市上下水道関係者の、「昨年の札幌総会では16億円、一昨年の熊本総会は12億円。会議の成功はもちろんだが、経済効果にも期待したい」との言葉を伝えた。

水団連のブルゾン好評
 併催の水道展は初日から好天に恵まれたが、午後から風が吹き、日が陰り肌寒くなった。ここで活躍したのが水団連の記念品「ブルゾン」。初日の午後では展示会場のあちこちでブルゾン姿が見られた。2日目もAゾーンが朝から陽が当たらず、風もあったせいかブルゾンが重宝されていた。
 記念品は約2500個が用意されたが、初日に約1300個、2日目も引き替えに訪れる人が多く、合計約2000個が引き替えられ、タイムリーな記念品として好評を博していた。

先輩の視線を背に熱弁
 今年も自ら会員提出問題の答弁にたった山村水道課長。43年前、中学生として一年半、秋田市で学んだという。その中学校の先輩にあたるのが議長を務めた秋田市の佐藤管理者。山村課長、先輩の温かい視線を背に、2日間、気持ちを込めた答弁で拍手を浴びた。

展示会場を襲ったモーレツな豪雨
 総会前日の17日午後3時から約10分間、雷を伴うモーレツな豪雨があった。水道展会場では、展示ブースの設営が最終段階を迎えていたが、バケツをひっくり返したような雨に一部のブースは浸水。運よく浸水をまぬがれたブースでも展示品がズブ濡れになるなどの被害が発生した。しかし翌日の開場までには被害の痕跡すらないほどまでに復旧し、無事来場者を迎えることができた。各ブース担当者の奮闘に拍手。

まごころ秋田を実感させる総会
 懇親会の乾杯が日本酒、おいしいご飯の昼食など秋田らしさがいっぱいの総会となったが、特に際立ったのが職員の対応。「スタッフ一同、心をひとつにして皆様をお迎えしたい」との佐藤管理者の言葉通り、スタッフの笑顔と気配りが、「まごころ秋田」を実感。
故 西尾氏の逸話次々と/お別れ会偲ぶ会
 去る8月29日死去した西尾武喜氏(前名古屋市長、日水協名誉会員)のお別れ会が9日開催されたが(既報)、市民も含めて1300名が出席し、また、その後に上下水道関係者で行った偲ぶ会も200人が出席し、都市づくりと上下水道の巨星にして、明るく優しい人柄に相応しい「お別れ」となった。
技術継承で緊急動議/日水協秋田総会
 将来的に水道事業の安定した運営体制が確立されるよう、技術継承のシステムとして人材バンクとモニタリング制度の検討を―。秋田市で開催されていた日本水道協会第75回総会が19日、幕を閉じた。会員提出問題討議後には、水道産業界が緊急動議を提出。技術継承への取り組みとして事業体のノウハウを民間などの関係方面へ技術移転する人的資源の活用と、民営化に伴う業務チェックの人材育成を求めるもので、日本水道協会は検討を進める方針を明らかにした。
「早急な対応求める」/水団連・坂本専務理事が発言
 日本水道協会秋田総会の会員提出問題討議では、水道産業界から水道界の技術継承問題について緊急動議が提出された。これを受けて会場から坂本弘道・日本水道工業団体連合会専務理事が発言。
秋田水道展閉幕
 日本水道協会総会に併せて秋田県立武道館に野外展示場を設置して行われた秋田水道展(主催=日本水道工業団体連合会、後援=日本水道協会・秋田市・水道産業新聞社ほか)が19日、閉幕した。
 「新水道時代にチャレンジ」をテーマに120会員(企業・団体)が最新の技術・製品を展示し、日水協総会に参加した水道事業体関係者などから大きな注目を集めた。
165社が最新の技術を紹介/管工機材展
 東京都管工事工業協同組合主催(協賛=水道産業新聞社など)の第38回管工機材・設備総合展が18日から20日までの3日間、東京都港区の東京都立産業貿易センター浜松町館で開催された。今回は「人に優しさ 環境に配慮 住まいの祭典」をテーマに165社が最新の管工機材製品や住宅設備機器を出品したほか東京都水道局、東京都下水道局も出展し、事業内容などを紹介した。
テープカットで幕明け
指宿市で18年度臨時総会/水道用鉄蓋工業会
 水道用鉄蓋工業会は12日、鹿児島県指宿市で平成18年度臨時総会を開いた。今年度上期事業報告・下期事業計画を確認するとともに、現在作業が行われている水道用鉄蓋の日本水道協会規格改正について、途中経過を報告した。
コルソス標準型を発売/NECインフロ
 NECインフロンティア(木内和宣社長)は19日、Web対応双方向型遠隔監視システム「コルソスCSDX」シリーズの新機種「コルソスCSDX(P)」を発売すると発表した。また「コルソスCSDX」シリーズの対応通信インフラにFOMA対応を追加するなどの機能強化を行う。商品の出荷開始は、新機種「コルソスCSDX(P)」が24日から、機能強化版「コルソスCSDX」シリーズが11月1日からとなる。
 現行機種「コルソスCSD7」と比べ大幅な機能向上を実現しつつ、価格は同じ設定。
金属入継手を20%値上げへ/前澤化成工業
 前澤化成工業は12日、11月1日出荷分より金属入継手(TS/HITS)全種を20%以上値上げすると発表した。銅地金価格の歴史的な高騰が続く中、金属入継手に使用しているインサートなど、砲金製部材の仕入れ価格も値上げが相次いでいる。同社は、こうしたコスト増の要因を「内部努力のみで吸収することが困難な状況に至った」として今回の価格改定に踏み切った。
東京で洗浄総合展開く/日本洗浄技能開発協会など
 日本洗浄技能開発協会などの主催による「2006洗浄総合展」が11日から13日の3日間、東京ビッグサイトで開かれた。
 最近の洗浄産業はプラントや上下水道の管渠をはじめ電子機器、半導体など対象分野が広がっている。今回は、こうした幅広い分野で活躍する洗浄装置・技術はじめ周辺機器が一堂に展示され、高い関心をよんでいた。
滋賀県、京都市の上下水道施設/関水コン18年度施設見学会
 全国上下水道コンサルタント協会関西支部(関水コン)の平成18年度施設見学会が12日に開催された。会員各社の若手社員ら約40人が集まるなか、滋賀県琵琶湖流域下水道湖南中部浄化センターや京都市上下水道局蹴上浄水場などを見学した。
大阪で下水道ビジョンセミナー/管路協関西支部
 日本下水道管路管理業協会関西支部は6日、大阪市淀川区のメルパルク大阪に会員ら約80人を集め『未来を拓く「下水道ビジョン2100」』をテーマに下水道管路管理セミナーを開催した。
関係者集めデモ施工/CPSシステム協会
 シンプルで施工が容易な下水管路の更生・修繕工法を展開するCPSシステム協会は5日、池田市のケンセイ北大阪支店に協会員、施工業者などを招いてCPSシステム工法のデモ施工を実施した。
 CS管路更生工法の施工実演(φ250)、同穿孔機による穿孔、CW大口径修繕工法(φ800)の施工実演、CP樹脂修繕工法CAタイプ(φ150×5メートル)の施工実演、CW大口径修繕工法(φ2000)のエアー注入など、各種工法の手順や、施工性などが紹介され、同工法の優れた特長を確認した。
 なお、同協会では新規会員を募集している。問合せなどは同協会事務局(06―6334―3343)まで。
坂本専務理事が工場訪問/大成機工三田工場
 大成機工の三田工場に5日、日本水道工業団体連合会の坂本弘道専務理事が訪れ、約2時間にわたり工場見学した。
 坂本専務理事は水団連会員の現状などを知るため現場訪問を精力的に行っており、今回、副会長企業である大成機工の視察が実現した。
 工場見学では、矢野裕史社長の案内で、最初に同社の歴史、主力製品に関するビデオ鑑賞を行い、続いて三田工場、三田第二工場を訪れ、製造過程や製品、技術全般について熱心に見学した。