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第4348号    9月 13日発行




圧力管の吐出口、伏越し下流部等点検に「硫化水素」追加/国交省
 国土交通省下水道部は4日、管路施設の硫化水素による腐食対策について都道府県、政令指定都市に対して通知した。これは二つの自治体の圧力管の吐出口付近において、硫化水素による管渠の腐食が原因と見られる道路陥没事故が発生したことによるもの。これらの事故は、供用開始後10年程度の一般家庭からの排水を主とする管渠で発生している。管渠の耐用期間は通常50年程度。この件を重く見た国交省は、重要路線下に布設してある管路に加えて、硫化水素が発生しやすい箇所についても調査点検を行うよう求めている。
森山財務副大臣に要望/簡水協
 平成20年度の予算要求が明らかになったことを受け全国簡易水道協議会では6日、政府予算対策緊急合同会議(理事会・事務局長会議)を開催。会議では概算要求について厚労省の山村水道課長から、遠隔監視システム整備への補助創設など簡易水道の統合を後押しする要求内容になっていることなどが説明された。会議後は財務省をはじめ関係各省に対して要望活動を行った。
 堀次郎会長(北海道佐呂間町長)らは財務省で森山裕・副大臣と面会。359万人が水道から取り残されている点や、施設の老朽化や災害対策など問題が山積していることを挙げ、予算確保を訴えた。要望書を受け取った森山副大臣は「私の選挙区も簡易水道に頼っている所が多い。やはり水道が一番大切。災害が起きると、水を急がなければいけない」と理解を示した。
「流域管理のあり方」意見募集/国交省
 国交省下水道部は下水道政策研究委員会流域管理小委員会(委員長=虫明功臣・福島大学教授)が取りまとめた報告書案「水・物質循環系の健全化に向けた流域管理のあり方について」への意見募集を始めた。期間は10月5月まで。寄せられた意見は最終的な報告書へ反映するか検討するという。
 報告書案は今年1月から7月まで5回にわたる小委員会での審議の集大成。下水道ビジョン2100が掲げる“水のみち”の実現に向け「流域の関係者一体での水質改善」「都市内の水辺再生・水量確保」「都市における雨水管理」「再生水の活用」の4つの視点に着目した。水や水に含まれる物質の循環を健全化するために必要な具体的な施策を示している。
より有効な国際貢献を模索/日水協
 日本水道協会は7日、第38回国際委員会(委員長=速水義一・大阪市水道局工務部長、副委員長=石橋良信・東北学院大学教授)を開いた。IWAに関する活動についての報告や、活発化している水道国際貢献推進協議会の活動について審議した。
五感で感じる下水道の日/いきいきフェスティバル
 平成19年度「下水道の日・いきいき下水道フェスティバル」が関東地方に台風9号が上陸した6日、東京都・日比谷公会堂ホールで市民代表などが参加して開催され、国土交通大臣賞の表彰式が行われた。また、全国各地でも9月10日の下水道の日を中心に、多彩な行事が展開される。
 冒頭、下水協会長の篠田昭・新潟市長が「下水道事業を進めるには市民の理解が不可欠」と主催者を代表して挨拶。冬柴鐵三・国土交通大臣は「下水道は都市の水環境の回復に貢献している。さらなる力強い支援を」と求めた。
 続いて目に見える下水道を目指し、積極的な取り組みを続けている団体に贈られる「いきいき下水道賞」の表彰式が行われた。冬柴大臣から受賞した東京都、横浜市、浜松市等11事例に対して表彰状が手渡されると、会場から盛んな拍手が送られた。

冬柴大臣が横浜市の小学生へ
貯留管探検が好評/千葉市
 下水道の日にあわせ各地で下水道イベントが催された。千葉市では9日、中央公園で「千葉市下水道フェア」を開催。各課が担当業務にちなんだアトラクションを用意。管内カメラ体験やバックホウに乗っての撮影会をはじめ、趣向を凝らした出し物が並んだ。
 コンセプトは、見て・触れて・楽しむ。会場を飛び出し、雨水貯留管の中を歩く“トンネル探検隊”や、建設中のポンプ場で実物のリモートショベルを操作する掘削作業体験も大好評。普段見ることのできない施設や機械に、驚きの声をあげるちびっ子もいた。
水道センターセミナー10月/宮島教授らが講演
 水道技術研究センターの「第17回水道技術セミナー」が10月15~16日、さいたま市内のホテルブリランテ武蔵野で開催される。テーマは「水安全計画を支える技術の新たな展開」。
 定員は200人となっている。応募方法はホームページ(http://www.jwrc‐net.or.jp/)を参考にファクスかEメールで。なお、このセミナーは来年1月に大阪会場でも開催される予定。
 【講師】▽塚田源一郎氏(厚労省水道課)▽浅見真理氏(国立保健医療科学院)▽渡辺志津男氏(東京都水道局)▽松澤亮氏(八戸圏域水道企業団)▽井上久夫氏(埼玉県企業局)▽宮島昌克氏(金沢大学)▽岩瀬伸朗氏(水道技術研究センター)
京都議定書の中間報告/環境省がパブコメ募集
 環境省は8月10日に開催された中央環境審議会地球環境部会・産業構造審議会環境部会地球環境小委員会合同会合において提示された、「京都議定書目標達成計画の評価・見直しに関する中間報告案」についてパブリックコメントを募集している。
 募集期間は9月18日(火)まで。提出先は、環境省地球環境局地球温暖化対策課内・合同会合事務局。電子メールアドレス:chikyu‐ondanka@env.go.jp
老朽管改良へ新計画/横浜市水道局
 横浜市水道局は3日、「横浜市水道局老朽管改良(耐震化)計画策定委員会」の初会合を同局会議室で開き、これまでの計画に代わる新たな老朽管改良(耐震化)計画の策定に向けた検討を開始した。これまでの改良サイクルを短縮し、管路の耐震化率を向上させる必要性から新計画を策定するもので、11月下旬に報告書(案)を提出する予定。会長には小泉明・首都大学東京大学院教授が互選された。
下水道主管部課長会議開く/北海道建設部
 北海道内市町村の下水道を担当する部課長が一堂に会する「平成19年度全道下水道主管部課長会議」が5日、北海道庁別館大会議室で開かれた。これからの下水道に関する3題の講演と5つの実務的テーマの報告・説明という幅広い内容に、熱心にメモを取る出席者の姿が数多く見られた。
指定製品の申請受付/横浜市環境創造局
 横浜市環境創造局は、平成20年度の指定製品製造業者申請を9月28日まで受け付けている。受け付けた申請は、申請書類および製作工場の品質管理などについて1件ごとに審査し、適格者を「製造業者」として選定する。申請者には、審査結果を文章で通知する。
 問い合わせ・申請受付場所は同局総合企画部技術監理課設備基準担当(横浜市中区真砂町2―22関内中央ビル8階、電話045―671―2854)まで。また、同局ホームページ(http://www.city.yokohama.jp/me/kankyou/)でも申請受付の内容を掲載しており、申請用紙をダウンロードして使用することもできる。申請書類は受付場所まで持参することとしている。
下水道連絡会議を開催/JS北海道総合事務所
 日本下水道事業団(JS)北海道総合事務所は6日、道内市町村の下水道担当課長らに下水道に関する新しい技術や経営・運営の情報を提供する「平成19年度下水道事業連絡会議」を札幌市内のホテルで開いた。桜井克信・JS事業統括部長と島田正夫・JS技術開発部総括主任研究員(資源リサイクルグループ)が講演し、出席者との間で活発な意見交換が展開された。
 桜井部長は「アセットマネジメント手法を活用した下水道施設の管理運営」をテーマに講演し、適切な施設管理の必要性や同手法の概要、国の動き、JSの取組、導入の効果などについて解説。
 「バイオマスエネルギー利用と緑農地還元について」で講演した島田総括主任研究員は、下水汚泥のエネルギー利用は地球温暖化対策として有効であると説明。
虹の下水道館で夏祭り/東京都下水道局
 東京都下水道局はさきごろ、東京・有明の虹の下水道館で「虹の下水道館・夏まつり」を開き、多数の親子が訪れた。エコバック作りや、動物2匹からなる漫才コンビ「パペットマペット」による漫才や下水道クイズが行われ、会場を盛り上げた。
13事業体参集し応急給水訓練/日水協岡山県支部
 日本水道協会岡山県支部は8月23日、相互応援参集訓練を同県吉備中央町内で実施した。台風による断水を想定し、県内13事業体の職員35名が県中部域の同町に参集するとともに、地元保育園の園児及び保護者ら63名も参加し、応急給水訓練を行った。
 同県支部では平成16年度から3年間、情報伝達訓練を実施してきたが、緊急時のライフライン確保を図るため、より実践的な訓練を今年度初めて実施した。
地震を想定し災害対策訓練/堺市上下水道局
 堺市上下水道局は6日、平成19年度災害対策訓練を同局浅香山浄水場内で実施した。「東南海・南海地震」の発生を想定し、応急給水訓練や給水タンク車操作訓練などを行い、同局職員ら約60名が参加した。
防災対応能力向上へ訓練実施/熊本市水道局
 熊本市水道局は8月28日、災害など緊急時における迅速な行動、柔軟な対応能力の向上を図るため防災訓練を実施した。
 訓練は震度6強の地震が発生し、秋田配水系統に過流量を確認、配水系統に破損があったとの想定で行った。
 午前6時30分、幹部職員の情報伝達・参集で訓練はスタートし、水道復旧対策部や動植物公園に現地本部を設置。管路復旧の机上訓練を行うとともに応急給水栓を活用した応急給水活動などを実施した。
中北東洋大教授ら特別講演/アジア・ゲートウェイ構想
 水道国際貢献推進協議会(会長=幡掛大輔・日本水道工業団体連合会会長)は7日、東京・市ヶ谷の日本水道会館で「アジア・ゲートウェイ講演会」を開いた。アジアの成長と活力を取り込み、新たな創造と成長を実現することは、日本の水道産業界にとって大きな課題となっている。何を目指し、何に留意すべきなのか、産官学の識者らが持論を展開した。
リサイクル推進状況を発表/塩ビ協
 塩化ビニル管・継手協会は5日、リサイクル推進状況及びリサイクル量の向上施策を発表した。
 7月度のリサイクル量は910トン、リサイクル率で59.5%、4月からの累計では4,037トン(目標達成度30.5%)、62.8%で推移している。19年度リサイクル目標は13,240トン、66.0%で、現段階のままでは目標を下回る計算だ。特に契約中間処理会社の受入量が大幅に減少している影響が大きい。
 このため、同協会では今月よりリサイクルの受入量をアップするため、PRと支援策を強化する。
大口径粉体ラインが完成/栗本鐵工所
 栗本鐵工所が加賀屋工場で整備していた大口径エポキシ樹脂粉体塗装ラインが完成し、9月から稼動を開始した。
 これまで900ミリ以上の粉体塗装については外注していたが、同ラインの完成により1,500ミリまでの粉体塗装が自社で処理可能となり、納期の短縮や製造コストの縮減が実現した。
環境フォーラム概要明らかに/PSI協会
 NPO法人ポリシリカ鉄凝集剤普及協会(PSI協会)は10日、11月6日に横浜市関内ホールで開催する「第4回PSI環境フォーラム(後援=日本水道協会、日本水道団体連合会、水道技術研究センター、横浜市水道局、協力=水道産業新聞ほか)」の概要を明らかにした。
 4回目となる今回は、「PSIと歩む持続可能な社会へ~地球環境と人の環境を考える~」がテーマ。
都流域下水道本部に要望/設備協
 東京下水道設備協会は7日、東京都下水道局本庁への要望活動に続いて、流域下水道本部に対して要望活動を行った(関連記事10日付3面)。
 要望に際し、片岡啓治・設備協会長(明電舎社長)は「協会としても新技術の開発、コスト縮減、工事の安全に務め、下水道局の目標実現のため、協力していくつもりである。そのためには、会員各社の経営基盤の確保が必要」と事業費の確保を要請した。
 これに対し、中村益美・流域下水道本部長は「現在、耐用年数を超えた施設は16%にのぼり、3年後には、25%になるので、老朽化施設の更新に力をいれていかなければならない。更新時には、省資源・省エネ技術の導入が必要であり、またそういった技術の開発も不可欠。今後も建設的な意見をいただきたい」と応えた。
新会員章の販売を開始/日本技術士会
 日本技術士会は4日、同会の新たなシンボルマークの制定に伴い、新会員章(バッジ)の販売を開始した。
 仕様は黒地にマークを金張。直径14ミリのねじ止め式で販売価格は3,000円。問い合わせは事務局TEL(03-3459-1331)まで。
NEW環境展が大阪で開催
 2007NEW環境展・大阪会場(環境省・大阪府・大阪市など後援)が6日から3日間、大阪市のインテックス大阪で開催された。「守ろう地球 創ろう共生社会」をテーマに、211社・団体(634小間)が環境保全などの技術・機器を出展。上下水道関連では汚泥処理や膜ろ過、水質改善技術などが注目を集めた。同展は今後、名古屋会場(11月14~16日、ポートメッセなごや)でも開催される。
新設コンクリートの品質保証を/奥村組
 奥村組は、新設コンクリート構造物の品質保証システムを開発し、実施工において有効に機能する体制を構築した。コンクリート標準示方書、共通施工仕様書などに示されている製造および施工の詳細な管理項目を守ることで施工品質を保証しているケースが一般的だが、同社では、ICタグを用いた運行管理システム、打設作業のカメラ映像と型枠打設高さセンサーで打設責任者の判断をサポートし締固め不足などによるコンクリートの欠陥防止を行う品質管理システム、赤外線やマイクロフォン、超音波を用いた非破壊検査システムなどを加えた。