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2008年(平成20年)  2月 14日(第4382号)





次期プロジェクト決まる/水道技術研究センター
 水道技術研究センターの次期プロジェクトが決まった。「健康リスク低減のための新たな浄水プロセス及び管路更新手法の開発に関する研究」と、「持続可能な水道サービスのための管路技術に関する研究」の二つ。後者については7日、企業向けの説明会が行われた。管路施設の診断・更新に関する新技術、管路の維持管理に関する手法について研究を進めるという。研究は学識者、水道事業体及び企業が参加して行われる。期間は平成20年度から22年度。一方、前者のプロジェクトは21日に発表される。

企業の参加募集/管路プロジェクト
 水道技術研究センターは、「持続可能な水道サービスのための管路技術に関する研究」に参加する企業を募集している。参加条件は同センターの会員であり、3年間の負担金を支払えることなど。負担金は1社につき年額157万5,000円。参加企業は、いずれかの研究部会に所属することになる。企業が費用を負担する持込研究については、複数のテーマを持ち込むことも可能。 参加を希望する企業は申込書に記入して同センターに送る。参加申込の締切は平成20年3月7日(金)午後5時まで。質問は2月22日(金)まで受付けている。募集は同センターのHPで。

日・豪水道の情報交換/ヤング氏が表敬
 豪州水道協会専務理事のロス・ヤング氏が7日、日水協本部を訪れ御園専務理事と会談した。ヤング氏は4日に開催された第4回IWAワークショップ「気候変動が水道事業に与える影響と適応」に講演者として参加、帰国前の表敬訪問となった。
 ヤング氏は「日本の水道事業の高いレベルと、それを支える水道関係者の優れた資質を知ることができ交流を進めたいと強く感じた」などと話し、両国の水道事業発展に向け協力していきたいと提案。これに対し御園専務は「両協会の間で、今後一層情報交換などを促進していく」などと応え、両者は固い握手を交わした。

協力を約束し握手する両専務

推進管の被害状況整理/国交省
 能登半島地震と新潟県中越沖地震の被害を総括し今後の下水道が被災時に担うべき機能について検討するため国交省が設置した下水道地震対策技術検討委員会の第2回会合が5日、行われた。この日は、新潟県中越地震(平成16年)では見られなかった推進管の被害状況について整理された。
 これによると、たるみや最小勾配不足など管全体の変形被害は、柏崎市では周辺地盤の液状化、輪島市では当該箇所の地盤の変状に起因しているものと推定。また、柏崎市で発生した継手部のズレとマンホール内への突き出しは、地震動で粘土層中の管きょの目地部に隙間が生じて発生したなどとなっている。

新技術現場研修会/下水道機構
 下水道新技術推進機構は6日、東京都品川区の中央環状品川線工事現場で新技術現場研修会を開き、シールド工法の発進立坑工事に用いられている「ニューマチックケーソン工法」を視察した。
 ニューマチックケーソン工法はケーソン(潜函)躯体の底部に気密性の作業室を設け、この中に地下水に対抗する圧縮空気を送り、湧水を防ぎながら土砂を掘削・排土して所定の深さまでケーソンを沈める工法。お風呂に洗面器を逆さに沈めると、水の浸入を空気の圧力によって防ぎ水は入ってこない。この原理を応用している。ちなみに、ニューマチックは「空気の、圧搾空気の」という意味。170年前にフランスの炭坑現場で初めて採用され、その後エッフェル塔基礎、ニューヨーク摩天楼基礎などに用いられている。
 下水道工事でも東京都下水道局の東尾久浄化センターポンプ棟、千葉市下水道局の中央雨水ポンプ場工事などで採用されている。
 現場研修会は冷たい雨が降るなか行われた。同工法の概要を担当者が説明した後、参加した約50名は現場を視察。現在、工事はケーソン設備を設置し沈下掘削と躯体構築を12回に分けて繰り返して施工する途中の9ロットまで進んでいる。

眞柄氏とアドバイザー契約/東京都水道局
 東京都水道局はこのほど、眞柄泰基・北海道大学特任教授と“国際貢献施策に関するアドバイザー”の委託契約を締結、6日に同局局長室で委託状の交付式を行った。
 これは、国際貢献に向けて意欲的な姿勢を強めている同局が、国際舞台で幅広く活躍する眞柄教授の豊富な知識や人脈に触れながらこの分野への取り組みを強化しようというもの。
 東岡創示・局長から委託状を渡された眞柄教授は、「局には優秀な職員が沢山おられるので共に勉強していきたい。国際貢献はもとより、将来はビジネスも」と抱負を語った。

下水道技術検定第1種の合格者
 JSは8日、昨年11月に実施した「第33回下水道技術検定・第1種」の合格者を発表。合格者は25人だった(受験164人)。合格者を職業別にみると公務員が最も多く11人、次いで建設業8人。年代別では40歳代が8人、続いて7人の30歳代の順で多かった。合格発表はJS技術開発研修本部(戸田市)の庁舎内やホームページに掲示。

事務局長会議を開催/簡水協
 全国簡易水道協議会は8日、今年度2回目の事務局長会議を開催。平成20年度簡易水道関係予算案や、来年度事業計画などが議題になった。
 来賓として出席した厚労省水道課の海野補佐は、遠隔監視システム整備への補助の創設などを説明。総務省公営企業経営企画室の森補佐も、地方債計画や簡水の統合にかかる経費への地方財政措置などを解説した。
 また、この日の会議では都道府県からの提出議題として、簡水協の今後の運営方法についても議論。市町村合併や補助制度の見直しにより簡水事業数の激減が予想されており、簡水協の“あり方”について検討会を設けて考えていくことも事務局から報告された。

下町浄化センターの増設/横須賀市上下水道局
 横須賀市上下水道局が平成16年度から進めている下町浄化センター増設工事は、建築工事が最終段階に入っており、今年度中に躯体を完成させ、来年度からは設備関連工事に着手する。諸施設は21年度および22年度に供用を開始する予定。
 下町浄化センターは現在、3系列の水処理施設で日量123,200立方メートルを処理する能力を持っているが、施設が老朽化している上、流入してくる下水に対し処理能力が不足していることから、新たに4、5系列の水処理施設の増設を計画。今回の増設工事では4系列の施設を建設する。

業務指標軸に意見交換/中部上下水道事業懇談会
 第4回中部上下水道事業懇談会が6日、名古屋市内で開催された。同懇談会は、支部長都市・名古屋市を筆頭に中部地方には水道、下水道の両事業を一体的に運営する自治体が多いことから共通する課題の克服や情報・知見の共有を睨んで発足したもの。中部地方で上下水道を一体的に運営する主要事業体トップが一堂に会するというユニークかつ注目度の高い会合と言える。

水道分野で市場化テスト/奥州市が止水栓開閉業務
 奥州市は1月25日、水道止水栓の開閉業務について、市場化テスト(官民競争入札)を実施し、審査の結果、民間の同市水道工事業協同組合を落札候補者に選んた。内閣府の官民競争入札等監理委員会事務局によると、市町村での市場化テストは倉敷市に次いで2例目だが、水道事業に関する業務が対象になったのは初めて。
 同市では、市場化テストのモデルとして水道止水栓の開閉業務を選んだ。
 今回、対象となったのは、前沢区、胆沢区、衣川区の水道止水栓の開閉業務。残りの水沢区と江刺区は、すでに業務を民間に委託している。
 同市新市建設計画推進室によると、業務の難易度が高くないため、価格提案の配点を高くした。審査では、同市水道部の業務提案が最も高い評価を受けたが、価格提案も含めた合計点では、同組合が最高点を獲得した。
 業務開始は4月からで、同市では今後、同組合と正式な委託契約を締結する予定。

Φ50以上に電磁式水道メーター/四日市市上下水道局
 四日市市上下水道局は昨年4月から、愛知時計電機の電磁式水道メーター(SY)を導入し、有収率向上対策に取組んでいる。
 同市では近年、大口需要者が専用水道に切り替え、既設管内の流量が想定以下まで低下するケースが増加。そのため、低流量時における測定誤差が拡大し、課金できない無効水量が有収率を押し下げる一因となっていた。また、直結給水を推進するため管内の水圧を増圧した結果、漏水率が上昇。同市の有収率は、平成9年度末の92%から同17年度末には88.2%まで低下していた。
 そこで同局は、18年度に部課長クラス12人で構成する有収率会議を4回にわたって開催。有収率向上に向けての対策を検討し、漏水防止班によるパトロールや鉛管取替え事業を行うとともに、φ50以上のメーターについては、電磁式水道メーターを全面採用することを決めた。
 同メーターはφ50~150に対応し、計量範囲1,000対1の幅広いレンジで高精度な測定が可能。従来は測定誤差により計量されなかった無効水量分の課金が可能となった。同局によると、採用対象となる645ヵ所のうち、昨年12月末までに100ヵ所に設置した。メーター交換の効果を含めた19年度末の有収率は90.3%まで回復する見込み。
 また同局は、従来φ25までに限り民間委託していたメーターの交換作業を、同メーターの導入開始とともに全メーターに拡大した。

フエ水道公社から研修生を受入/横浜市水道局
 横浜市水道局は、ベトナム・フエ水道公社から6人の研修生を受け入れ、1月28日から今月29日までの5週間、水質管理コースと無収水対策コースで3人ずつに分けて研修を行っている。初日の1月28日には、研修生が大谷幸二郎・水道局長ら同局幹部を表敬訪問し、激励を受けた。

排水なんでも相談所協議会を開催/東京都下水道局
 東京都下水道局はこのほど、排水なんでも相談所代表協議会を開催し、1年間の活動報告や副会長の選出、今後の取り組みなどを話し合った。
 「排水なんでも相談所」は排水設備に関する都民からの相談窓口で、東京都指定排水設備工事事業者のうち、協力が得られた店(協力店)と下水道局との協働で行われている。協力店は約1,700社。
 協議会では雨水浸透施設の設置について「浸透管の設置は設備屋にとっては大変な作業だ」「区によって助成金が異なり、費用もかかるので、お客さまに積極的に勧めるのは難しい」などの意見があった。

川崎で循環式貯水槽設置/コスモ工機
 コスモ工機は、神奈川県川崎市多摩区で循環式地下貯水槽の設置工事を実施している。当該工事は応急給水体制の充実強化を図る同市水道局の緊急時給水拠点確保事業の一環。設置する「コスモ飲料水兼用耐震性貯水槽」は耐震性と水密性に優れ、独自の滞留防止機能を有することから、他の事業体の採用や問い合わせも増加している。同社では管網の強化とともに応急給水拠点として同貯水槽の提案も強化していく方針。

水戸で決済サービス開始/日本カードネットワーク
 クレジット情報処理センター大手の株式会社日本カードネットワーク(本社=東京都港区、兼子忠彦社長)は、4月から水戸市水道部に、水道料金および下水道使用料のクレジット決済を可能とする「CARDNET公共料金決済サービス」を提供する。これにより茨城県では初めて水道料金のクレジット決済が可能となる。
 水戸市へ提供する同サービスでは、クレジットカード会社との与信確認や有効性確認を自動処理でき、クレジットカード決済を導入する水戸市の業務負荷を最小限のものにする。個人情報の取り扱いに関しては同社が提供するID変換機能により、カード情報の授受を最小限に抑える。水戸市のクレジットカード情報の保有を不要とすることで、情報漏洩リスクを最小限に抑える。

設立75周年で記念式典/日本金属継手協会
 日本金属継手協会は6日、東京・丸の内の東商ビルで設立75周年記念式典を開催した。
 同協会は、昭和9年に鉄管継手販売(株)として設立。進駐軍用鉄管継手納入協力会などを経て、昭和23年には現在の基礎となる鉄管継手協会に改組し、平成13年に日本金属継手協会へ名称を変更している。
 式典冒頭、同協会の菅野博・溶接継手部会会長(住金機工社長)は「戦前戦後を通じ、輸出の拡大に大きく携わってきたと自負している。金属継手はガスや水道のライフラインをはじめ、あらゆる分野で活用されている。地味ではあるが重要な分野だ」と挨拶し「他管種との競争や原材料の高騰、次代を担う人材の確保など、短期的あるいは長期的な課題は山積しているが、モノづくりの基本を磨き、多様化するニーズに真正面から取り組んでいきたい」と抱負を語った。

ヴァンテック千葉工場に新JIS認証を/日水協
 日本水道協会は1日、東京都千代田区の日本水道会館で新JISマーク認証書授与式を開き、ヴァンテック千葉工場に認証書を授与した。認証製品は硬質ポリ塩化ビニル管(認証番号JW0307018)、水道用硬質ポリ塩化ビニル管(認証番号JW0307019)。

工事の現場をパトロール/設備協
 東京下水道設備協会は、東京都下水道局の葛西水再生センターで平成19年度工事安全パトロールを行った。会員が請け負っている都の下水道設備工事現場を視察し、安全管理のクロスチェックを図ることを目的に例年行われている試みで、今回は21社26名が参加した。
 安全パトロールの対象となった工事は、電気設備工事(明電舎)、反応槽散気設備改良工事(NGK水環境システムズ)、汚泥焼却炉設備補修工事(三菱重工環境エンジニアリング)の3つ。参加者は3班に分かれ、現場の隅々まで目を配りながら視察した。

最新機器を紹介/ENEX2008
 東京ビッグサイトで開催されていた第32回地球環境とエネルギーの調和展「ENEX2008」が盛況の内に幕を閉じた。
 同展示会には141社・団体が出展。最新の機器やシステムが参加者の関心を集めたほか、隣接会場では、平成19年度省エネルギー実施優秀事例として埼玉県荒川左岸南部下水道事務所と埼玉県下水道公社の「下水汚泥焼却炉のチューニングによる燃料使用量削減」(資源エネルギー庁長官賞)が紹介された。

23日に関東囲碁大会/水団連
 日本水道工業団体連合会は23日、東京・市ヶ谷の日本棋院で第33回関東全水道人囲碁大会を開催する。申込みは事務局TEL03-3264-1654まで。