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2008年(平成20年)   4月 14日(第4397号)







水道料金制度で報告書/日水協
 日本水道協会の水道料金制度特別調査委員会(委員長=石井晴夫・東洋大教授)は、水道料金制度見直しの方向について報告書をまとめた。報告書は、1.更新・再構築費用の確保2.地下水利用専用水道の使用者に対する料金制度3.逓増型料金体系4.準備料金と水量料金の配分5.総括原価配賦例の変更についてまとめられている。資産維持率を上げて更新期を迎えた水道施設の更新費用を確保する点や、地下水利用専用水道の使用者にコスト負担を求めている点がポイント。報告書は日水協の水道協會雑誌5月号に掲載される予定。

「総合評価方式」を拡大/JS
 日本下水道事業団(JS)は18年度から試行している総合評価方式の取り組みを今年度、さらに積極的に行って工事の品質確保を図っていく方針だ。
 これまで2年間の試行(18年度=12件、19年度=38件)を踏まえて、工事の難易度や予定価格によって評価型式や評価項目、技術評価点の配点などを整理し体系化した。総合評価方式での工事発注は今年度、100件程度を予定しているという。

理事会フラッシュ
給水工事技術振興財団
 給水工事技術振興財団は先月、第23回理事会を開いた。20年度事業計画などについて審議、了承した。19年度末で任期満了となる藤田賢二・会長(東大名誉教授)、入江登志男・専務理事が再任された。20年度事業の中で注目は「eラーニング研修」の実施。6月をメドに開設する予定。

水道技術研究センター
 水道技術研究センターは先月、理事会を開き、平成20年度事業計画が了承された。同センターは今年で設立20周年を迎えた。
 20年度からはe―WaterⅡとNew Epochに続く産官学の共同研究がスタートする。厚生労働科学研究費による事業では、健康リスク低減のための新たな浄水プロセス及び管路更新手法の開発に関する研究を行う。共同研究事業としては浄水技術、管路技術に関する研究を行う。

造水促進センター
 造水促進センターは先月、評議員会と理事会を開き平成20年度事業計画について了承した。
 平成20年度は新しい膜素材であるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)膜を用い、生物処理と膜分離を組み合わせたMBRによる下水の再生水処理技術開発を行う。

18年度事業決算まとまる/簡水協
 全国簡易水道協議会は平成18年度の簡易水道事業決算の概況をまとめた。これによると、地方公共団体が経営する簡易水道事業の数は891事業で、前年度に比べ18事業減少した。地方公営企業法適用事業の数は前年度と同じ24事業だった。

次亜の手引き送付/厚労省
 厚生労働省水道課は全国の水道事業者等に「水道用次亜塩素酸ナトリウムの取り扱い等の手引きQ&A」を送付した。手引きは日本水道協会が作成したもの。手引きには次亜塩素酸ナトリウムの使用にあたっての水道法上の要求事項、市販の次亜塩素酸ナトリウムにはどのような物質が含まれているかなど、水道事業者の疑問に答える形で20項目が記載されている。

ダル水基金で浅井戸
 日本水フォーラム「ダルビッシュ有水基金」第2、3号プロジェクトとしてソロモン諸島に貯水タンク5基、カンボジアで浅井戸8本が設置される。支援金額はそれぞれ2100ドル、5600ドル。

AWGで作業促進に合意/気候変動の国際枠組み
 地球温暖化防止に向け、2013年以降の気候変動に関する国際枠組みについて議論した作業部会(AWG)が、タイ・バンコクで3月31日から4月4日まで開催された。
 日本からは環境省など関連省庁の担当者が出席。会合ではバリ行動計画にある要素を深めるために、ワークショップ等で作業を促進することに合意。

下水汚泥低含水率脱水技術の共同研究/東京都下水道局
 東京都下水道局は9日、「汚泥炭化施設等におけるエネルギー効率向上のための低含水率脱水技術の開発」の共同研究者として1.月島機械2.三機工業・メタウォーター3.巴工業4.石垣5.クボタ・寿工業―の5者を選定した。今回の共同研究の特徴は、東部スラッジプラントに低含水率脱水技術を導入する際には、開発目標を達成した技術の中から実機を導入する点。これまでの共同研究では、その成果が必ずしも導入に結びついていなかった。研究成果が導入に繋がることで、より一層の技術開発を促すとともに産業活力を向上させる点でも注目される事例といえよう。なお、研究期間は平成20、21年度の2ヵ年。

3号急速ろ過池が竣工/岡山市水道局三野浄水場
 岡山市水道局が平成17年度から建設してきた、三野浄水場3号急速ろ過池がこのほど完成した。現在稼働中の1、2号急速ろ過池更新時の代替施設、クリプトスポリジウム対策の機能を備えるとともに、躯体は耐震構造となっている。

膜ろ過導入し走水水源を再開/横須賀市上下水道局
 横須賀市水道事業は、今年の12月25日に給水開始100周年を迎えることから、同市上下水道局では、100周年記念事業スタートさせた。3月26日には第一弾として、横須賀水道発祥の地である走水水源地の湧水(通称:ヴェルニーの水)提供を再開し、湧水を原料としたペットボトル水「自然水 走水」の販売も開始した。今後も12月25日に予定している記念式典まで多彩な事業を展開していく。

県下水道で初の小水力導入/岐阜県営水道
 岐阜県東部広域水道事務所は、瑞浪市にある釜戸減圧槽に小水力発電設備を導入し、このほど運転を開始した。小水力発電を導入したのは、県下の水道事業では初の試み。3月15日には、完成式典を行った。
 同事業は、雀子ヶ根調整池から釜戸減圧槽に送水する過程(落差22.18メートル)で水道管内に生じた水圧を有効活用し、発電出力90kW、年間約75万kwhを発電。これは、一般家庭の年間消費電力量に換算すると約208戸分に相当し、285トンのCO2発生抑制効果がある。発電機は富士電機水環境システムズ(現・メタウォーター)の横軸円筒プロペラ水車で、同設備の維持管理は県営水道が行う。

震災時の初動対応訓練/東京都水道局
 東京都水道局は3月26日、震災発生時の初動対応訓練を実施した。平成18年6月に全面改定した東京都水道局震災応急対策計画の実効性を検証するとともに、情報連絡訓練を併せて行うことで、職員に連絡体制や役割分担などを再認識させることを目的にしている。

危機管理セミナーを開催/神奈川県内広域水道協
 神奈川県内広域水道協議会は、横浜市のメルパルク横浜で「公営企業の危機管理に学ぶ」をテーマに危機管理セミナーを開催した。
 講演では、東京ガス(株)防災・供給グループ課長の萬來雄一氏が「東京ガスにおける危機管理」と題して登壇。参加者は同じくライフラインに携わる同社の取り組みを、水道事業における危機管理の参考とすべく、熱心に講演に耳を傾けていた。

合同で送水管視察や耐震講習/日水協鳥取県支部・岡山県支部
 日本水道協会鳥取県支部並びに岡山県支部はさきごろ、合同で視察会および講習会を鳥取市内で開催した。両支部合計で約40名が参加し、知識向上を図った。

職員発表会開き8題を審査/山形市水道部
 山形市水道部はさきごろ、第1回水道部職員発表会を同部水道施設管理センターで開き、85人が参加した。8題の発表について審査した結果、最優秀賞には「見崎浄水場運転業務における巡視点検簿の見直しについて」(見崎浄水場・櫻井政祟技師)が選ばれた。

ダクタイル鉄管関連で講習会/日水協島根県支部
 平成19年度日本水道協会島根県支部技術講習会がさきごろ、東出雲町町民会館で開催された。今回は同県支部の正・賛助会員ら約40名が参加する中、ダクタイル鉄管の特徴や設計などの座学講習が行われた。

「水事業会社」めざし船出/メタウォーター
 NGK水環境システムズと富士電機水環境システムズが統合し1日から業務を開始した新会社「メタウォーター」の発足祝賀会が9日、東京・丸ノ内の東京會舘で開かれた。業界再編の動きが本格化する中、機械、電機の国内トップメーカー同士が合併した同社は、将来的に上下水道事業を計画から維持管理まで総合的に手がける方針を打ち出しており、国内外でどういった事業を展開していくのか、上下水道界での注目度は非常に高い。

案件形成支援で議論/水道産業戦略会議
 水道産業戦略会議(委員長=坂本弘道・水団連専務理事)の第2回会合が11日、東京・市ヶ谷の日本水道会館で開かれた。自由民主党の特命委員会「水の安全保障研究会」(中川昭一会長)の状況や報告書作成プロジェクトチームの発足について報告された他、各委員からは水道産業界の課題と今後の対応策や市場へのアプローチ、政府与党への提案などについて意見が提出された。

欧州のMBR動向でシンポ/水環境学会
 日本水環境学会・膜を利用した水処理技術研究委員会(委員長=長岡裕・武蔵工業大学教授)は4月10日、東京都千代田区の日本大学理工学部で、特別シンポジウム「EUにおけるMBR標準化の現状と今後の動向」を開いた。EUのMBR標準化ワークショップ座長であるカッセル大学・フレッヒェン教授(ドイツ)の特別講演や、長岡教授を座長としたパネルディスカッションを行い、約100名の参加者が熱心に聴講した。

民間委託の市場を調査/野村総研
 野村総合研究所は、2012年度までの日本のパブリックサポートサービス市場の分析と規模予測を行った。
 同総研では、都道府県、市町村の施設・事務・事業サービス市場が、07年度の約4.6兆円から毎年増加を続け、12年度には約5.4兆円に達すると分析。水道や下水道、工業用水などの事業関連については、8926億円から12年度には約28%増の1兆1393億円に拡大するとしている。

鉄管類13~17%値上げ/日本鋳鉄管
 日本鋳鉄管は平成20年6月1日受注分より、ダクタイル鋳鉄管類(直管、異形管、接合付属品)を13~17%値上げすると発表した。

セントラル科学
 セントラル科学は10日、水質測定器メーカーのWTW社(ダブリュティダブリュ社・本社=独国バイエルン州)と日本国内総代理店契約を締結したと発表した。今月からWTW社の測定器全製品の取り扱いを始める。またWTW社製品販売開始に伴い、HACH社(ハック社・本社=米国コロラド州)製品の販売は基本的に終了する。

公金決済サービスを開始/NEC
 NECは、NECビッグローブと4月1日より地方公共団体向けに水道料金や自動車税などの料金支払の収納を代行する「NECクレジットカード公金決済サービス」の提供を開始する。
 同サービスは、納付サイトの構築、運用から決済処理、収納管理までの業務をNECビッグローブの決済基盤とデータセンタを活用し、SaaS(サース)型で提供するもの。同社では、10年以上にわたってインターネットサービスを提供し、クレジットカード決済のノウハウを持つNECビッグローブの決済基盤を活用し、信頼性の高い決済サービスを実現。また、冗長化構成や24時間365日対応の監視体制で運営されているNECビッグローブのデータセンタ上で運用することで、安心で安全なサービス提供を可能としている。

ビデオスタの販売強化/朋栄
 電子機械器具などの開発・製造販売を行う朋栄(東京都渋谷区)は映像のブレを補正することができる「IVS―100ビデオスタビライザ」の販売に力を入れている。
 同製品は主に屋外の河川監視など、風が強くシビアな状況下での映像監視に活用ができる。

11事業体で業務受託/ジェネッツ
 料金徴収業務のジェネッツ(東京都中央区、山崎敬文・代表取締役社長)は、今年4月1日より新たに10市・1企業団から業務受託を開始したと発表した。
 同社は現在72事業体から検針、料金徴収、窓口業務を受託しており、今後もさらに営業展開を強化していく方針だ。

丹保氏など講師にセミナー/グリーンサイエンス21
 NPO法人グリーンサイエンス21(小島貞男理事長)、日本水道工業団体連合会主催、全管連青年部協議会、本紙ほか後援のセミナー「みんなの水道」が5月26日、東京・市ヶ谷の日本水道会館で開催される。
 北海道大学名誉教授、放送大学名誉教授で、現在は北海道開拓記念館館長、中央大学研究開発機構教授を務める丹保憲仁氏が「21世紀の日本と世界」と題して特別講演を行うほか、日本水道工業団体連合会専務理事の坂本弘道氏も「とんぼの眼で見た日本水道界」をテーマに講演する。
 参加費は3千円(資料代含む)で、定員150名。申し込みは氏名、住所、電話・ファックス番号、メールアドレスなどを記載のうえファックスで。定員になり次第申し込みを締め切る。問い合わせ、申し込みはグリーンサイエンス21事務局(TEL・FAX03―3952―1121)まで。

日本法人を設立/独フィッシャー
 建設用接合具のアンカープラグでドイツのトップメーカーであるフィッシャー社は日本法人のフィッシャージャパン(本社東京・ゲオルク・レンツ社長)を設立し、営業活動を開始した。建設会社や専門工事会社などに製品供給や技術提案をしていく。
 同社では日本でのパートナーサーポート、技術面のコンサルティングサポート、マーケティング、ロジスティクスを展開し、現在の売上高1億6000万円を2012年10億円を目指す。