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2008年(平成20年) 12月 15日(第4454号)






オールジャパン始動!/「水の安全保障戦略機構」立ち上げ
 水の安全保障に関する特命委員会(最高顧問・森元首相)が10日、自民党本部で行われ国内外の水問題の解決に取り組む「チーム水・日本」の全体像が明らかになった。政・産・学・有識者で構成される「水の安全保障戦略機構」が活動の中心となる構想だ。機構は来年1月に設立される見通し。日本が誇る高い技術力で世界が抱えている深刻な水問題を解決するため、オールジャパンが動き出した。

不十分な塩素処理でシアン/食品工場の地下水問題
 千葉県柏市にある伊藤ハムの食品工場で使用していた水から基準値を超える「シアン」が検出された問題で同社は5日、不十分な塩素消毒によってシアンが生成されたとする調査結果を明かした。同社が設置した調査委員会の報告によれば、アンモニア態窒素を多く含む原水を塩素処理する際に、有効塩素濃度の低下した次亜塩素酸溶液を使用し、更にその使用量を少なくしたために結合残留塩素が発生。結合残留塩素と有機物が反応してシアンが生成されるメカニズムが出来てしまったという。工場で製造されたソーセージなど200万個近くが回収されるという社会的関心事になった今回の問題は、日夜浄水処理と向き合う水道事業にも改めて、その重要性を認識させるものとなりそうだ。

e―WaterⅡプロジェクト/研究成果概要をDVDで
 水道技術研究センターは、2005年度~2007年度に実施した産官学共同の研究開発プロジェクト「e―WaterⅡ(安全でおいしい水を目指した高度な浄水処理技術の確立に関する研究)」の最終成果として、報告書(全3巻)と「LCA実施マニュアル」をこのほど発刊したが、報告書の紹介DVDを希望者に無料で配布する。
 配布の申し込み、問い合わせは、同センター調査事業部(TEL03-3597-0214、FAX03-3597-0215、Eメール:jwrcweb@jwrc-net.or.jp)まで。なお、DVDのダイジェスト版が近日中に同センターのホームページで公開される予定だ。

下水道グローバルセンター設立へ
 日本下水道協会は下水道分野における国際協力活動の一環として「下水道グローバルセンター」の設立に向け、具体的な内容を検討するため準備会を発足させることにした。

AMでシンポ開催/JS
 日本下水道事業団(JS)は「JS新春シンポジウム下水道はマネジメントの時代へ」を09年1月20日(火)13時30分~17時30分に、サピアタワー「東京ステーションコンファレンスホール」(JR東京駅直結、日本橋口)で開催する。シンポジウムでは講演、パネルディスカッションを行い、アセットマネジメント(AM)の考え方を軸としたこれからの下水道について考える。参加費は無料。事前申込制でeメールかファクスで。締切りは09年1月9日(金)必着。詳細はHP。

内示に備え情報収集/日水協 簡水協
 平成21年度政府予算の財務省原案内示(20日見込み)に向け、関係団体が情報収集や会員からの問い合わせの対応にあたっている。
 日本水道協会は10日午前、調査部長室を「予算対策室」に改称するなどして対応している。予算対策用の手帳を作成して、配布も行っている。

下関で中国ブロック研究会
 水道技術研究センター・中国ブロック研究会がさきごろ、下関市で開催された。研究会は2部構成で、第Ⅰ部は3講演、第Ⅱ部は同センターの取り組み紹介などが行われ、関係者ら約80名が出席した。

増圧直結で新たに2方式導入/東京都水道局
 直結給水方式の普及・拡大を推進している東京都水道局は、増圧ポンプを複数設置する新たな給水方式を導入することにより、これまでも直結給水できなかった建物でも、直結給水方式を選択できるようにする。これにより、建物用途および階高については、水理計算上可能な範囲ではあるが「制限なし」となり、直結化の取組も「究極のところまできた」(同局関係者)と言える。

滝村管理官の講演も/日水協関東地方支部水質研発
 日本水道協会関東地方支部水質研究発表会が11月26日、東京都新宿区の新宿明治安田生命ホールで開かれ、管内事業体や民間企業などから約240名が参加する中、13編の新たな知見が報告された。また、滝村朗・厚生労働省水道課水道水質管理官による講演も行われた。

PE管導入し更新促進/春日井市上下水道部
 春日井市上下水道部は来年4月から、水道配水用ポリエチレン管(PE管)を採用し、老朽管の更新と耐震化を積極的に進める。それに先立ち、配水用ポリエチレンパイプシステム協会(略称=ポリテック)主催の継手施工講習会が3~4日、同市管工事業協同組合事務所の敷地内で開かれた。

坂本水団連専務らが講演/広島県環保協研究協議会
 平成20年度保健所・市町水道担当者研究協議会(財団法人広島県環境保健協会主催)がさきごろ、広島市中区の広島県公衆衛生会館で開催された。坂本弘道・日本水道工業団体連合会専務理事の特別講演、中川裕将・広島県健康福祉局保健福祉部生活衛生課主任技師の講演などが行われ、関係者ら約60名が出席した。

浄水場見学や絵画表彰/大阪市水道局
 大阪市水道局は明治28年11月13日の通水以来、今年で113周年を迎えた。11月16日には通水記念行事「柴島浄水場見学ツアー」として、高度浄水処理をはじめとする水づくりの仕組みや水の大切さなどを説明した。
 また、同日に市内小学生を対象に募集していた「水の絵コンクール」の表彰式を行い、白井大造・同市水道局長から表彰状が手渡された。

水道を止めないためには/浄水技術研究会
 浄水技術研究会(森田豊治会長)は11日、東京虎ノ門のTKP虎ノ門ビジネスセンターで第7回浄水技術研究会を開催した。今日の我が国の水道は、世界に冠たる水道と高い評価がある一方で、施設の老朽化や技術者の大量退職など問題も山積している。そこで今回の講演会では水道関係者に加え、主婦連の和田副会長も交えて水道を止めないための方策を探った。

ドバイの展示会で注目集める/日本原料
 水処理用ろ材、水処理メーカーの日本原料(川崎市、齋藤安弘社長)は、11月23日から27日までアラブ首長国連邦(UAE)で開催された国際総合建設産業展示会「ザ・ビッグ―5」に出展し、同社のオリジナル技術を世界に発信した。

シリーズ 光ファイバ新時代
 戦後60年あまりを経過し、高度成長期に形成されたライフラインを含む構造物、インフラ施設の維持管理とその手法は社会的に重要なテーマになっています。一方、地球温暖化のためでしょうか、異常気象、局地的な豪雨、台風の大型化、落雷など、インフラ施設を取り巻く環境も厳しくなってきているように感じます。また少子高齢化・高学歴化が進む中で、インフラ施設の点検業務に携わる人材の減少対策として、省力化や安全性の向上も今後の課題となるでしょう。さらに物にあふれた現代社会の中で、より安全で安心に生活したいというニーズが市民のあいだでは高まっていくでしょう。このような状況の下、インフラ施設の神経網として、光ファイバセンシングに対する期待が高まっております。本稿は(社)日本下水道光ファイバー技術協会での講演「災害対策と光ファイバセンシング技術」を再編集して、第1回「光ファイバセンシングへの期待」、第2回「技術動向」、第3回「光ファイバセンシングの活用事例と下水道分野への応用」という内容で御紹介したいと思います。

21年度政府予算で要望/水団連
 日本水道工業団体連合会(幡掛大輔会長)は11日、議員会館や各省を訪れ、平成21年度政府予算について水道(上・工・下)産業界の要望書を手渡した。

欧米のマンホール企業が視察/G&U技術研究センター
 欧米のマンホールふたメーカーのイースト・ジョーダン・グループ(米)、ノリンコ社(仏)が10日、埼玉県川島町のG&U技術研究センターを視察した。
 ヨーロッパでは二輪車のマンホールふた上のスリップ事故が問題になっており、両社はスリップ事故対策の視察の一環として同センターを訪れた。

「水道凍結防止作戦」開催/札幌市管工事協同組合
 札幌市管工事協同組合は、11月21、22日の2日間、さっぽろ地下街オーロラスクエアで第6回「水道凍結防止作戦」を開催した。イベントでは、水道凍結防止のための水抜き方法の実演をはじめ、簡易修繕・リフォームなど生活に役立つ水まわり情報や水道資材・器具などを展示。24時間水道のトラブルに対応する「札管協修繕センター」や札幌市の災害対策についてのパネル展示もあり、多くの人で賑わった。