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2009年(平成21年) 8月 6日(第4507号)
浄水技術ガイドライン改訂へ/水道技術研究センター
誤接続の緊急点検を要請/国交省
就任インタビュー/厚労省水道課水道水質管理官 吉口 進朗氏
「水質年報」まとまる/水資源機構
テーマ決まる PRに全力/ASPIRE東京会議
涼風呼び込む!打ち水大作戦
経産省などに要望活動/工水協
3日間みっちり新任管理者研修/日水協
東京、大阪でセミナー開催/下水道機構
浄水施設一体管理モデルの提示へ/神奈川県内水道事業検討委
上下水道経営ビジョンの策定へ/横須賀市上下水道局
浮上防止で協議会を設置/マンホール3工法
日水協、東京都を訪問/台北市・郭処長
シンガポールと水ビジネス(上)/水道技術研究センター理事長 藤原正弘
4箇所の誤接続箇所を改善/東京都下水道局
新経営計画 策定スタート/東京都水道局
芝浦の再生水で打ち水/メタウォーター
全管理職会議で新局長が訓示/東京都水道局
水道の日フェスティバルを開催/岡山市水道局
温室効果ガス18%削減/東京都下水道局
松田下水道局長が新任挨拶/東京都下水道局
浄水技術ガイドライン改訂へ/水道技術研究センター
水道技術研究センターは3日、浄水技術ガイドライン改訂委員会(委員長=古米弘明・東京大学大学院教授)の第1回会議を東京都港区の日本消防会館で開き、改訂の方針や今後のスケジュールなどを確認した。平成12年に出版された同ガイドラインは、出版から約9年が経過したことや浄水技術で新たな技術・知見が得られていることから、最新の技術動向を反映したガイドラインに改訂することにしたもので、改訂作業は年内の完了、出版時期は今年度中を目指している。
誤接続の緊急点検を要請/国交省
国土交通省は3日付で、汚水の雨水管への誤接続について緊急点検を要請する通知を全国の下水道担当部局長宛てに発出した。晴天時の雨水吐口等の緊急点検を実施し、不適切な事案が判明した場合は、迅速な改善措置、原因分析・再発防止措置を講じること、排水設備の設置は増設・改築でも標準下水道条例第5条に基づく申請対象になることを排水設備設置者・指定工事店等に周知徹底することを強く求めている。
就任インタビュー/厚労省水道課水道水質管理官 吉口 進朗氏
―就任の抱負を。
吉口 水道水質管理室の仕事は、水の安全性や人の健康に、より深く関わっている部分がありますので、本課と違った面で緊張感を持っています。「水質」は水道に対する信頼の最も基礎的な部分ですから、覚悟を持って臨んでいきたいと思いますね。例えば、水質基準の逐次改正は水質管理のベースとなりますので、最新の科学的知見や事業体の実情を踏まえて着実に、と考えています。
「水質年報」まとまる/水資源機構
水資源機構はこのほど、「平成20年水質年報」を公表した。同機構が管理する施設で平成20年に実施した水質検査結果を中心に、水質の特徴や経年変化、植物プランクトンの異常繁殖・濁水長期化などの状況と対策をとりまとめたもの。毎年公表しており、同機構のホームページで見ることができる。これによると、CODなどの水質状況は平年並みのところが多かった。アオコなどの植物プランクトンの異常繁殖現象は39回発生した。これは19年と比べ10回少なくなっている。
テーマ決まる PRに全力/ASPIRE東京会議
2011年10月に東京で開催される第4回国際水協会アジア太平洋(IWA―ASPIRE)地域会議の会議テーマが「持続可能な水供給・循環システムの実現を目指して」(Toward Sustainable Water Supply and Recycling Systems)に決まった。
涼風呼び込む!打ち水大作戦
国土交通省は3日、「水の週間」行事の一環として、「水の週間一斉打ち水大作戦in国土交通省」を同省正面玄関で実施した。甲村謙友・同省技監の号令で松井正樹・同省下水道部長や小川健一・東京都下水道局技監らが同局が提供した下水再生水や同省の風呂の残り湯をまくと、地面の温度が下がり涼風が吹き抜けた。
水をまく松井部長(右から2番目)と
小川技監(右)
経産省などに要望活動/工水協
日本工業用水協会は7月29日、平成22年度工業用水道事業施策に関する要望活動を経済産業省や財務省、総務省、国土交通省に対して行い、工業用水道事業の経営基盤の確立に向けて国の支援を求めた。
鎌田猛・愛知県企業庁技術監を団長とする要望団は、経済産業省で斉藤群・産業施設課長や伊藤正義・同課工業用水道計画官らに面会。鎌田団長は「経済状況が厳しい中、工業用水道事業の経営も苦しい。継続的運営のために補助金確保など国の支援をお願いしたい」と訴えた。
3日間みっちり新任管理者研修/日水協
日本水道協会は7月27~29日の3日間、今年度の「新任水道事業管理者研修会」を協会本部で開いた。全国から新任の管理者ら64人が参加、御園良彦・同協会専務理事の「水道事業の今日的課題」との講演を皮切りに、参加者は講義に注意深く聞き入った。
東京、大阪でセミナー開催/下水道機構
下水道新技術推進機構は、8月19日に東京都港区の発明会館、9月2日には大阪市都島区の大阪リバーサイドホテルで第48回下水道新技術セミナーを開催する。
テーマは「下水道長寿命化支援制度に関する手引き」についてで、国交省下水道部の担当官や日本下水道事業団、下水道機構の担当者が講演する予定。
浄水施設一体管理モデルの提示へ/神奈川県内水道事業検討委
神奈川県内水道事業検討委員会(会長=眞柄泰基・トキワ松学園理事長)の第3回会合が7月27日、横浜市のワークピア横浜で開かれた。神奈川県、横浜市、川崎市、横須賀市、神奈川県内広域水道企業団の水道施設の再構築や広域化により水需要に見合った適切な施設能力とするための施設モデルの検討を行ったほか、今後の水質管理の方向性や「神奈川県内水質管理センター(仮称)」の考えられる設置形態について議論を重ねた。
さらに幹線の連絡状況、幹線管路の老朽化状況、県内における主要施設の水位高低図および浄水場別二酸化炭素排出量について説明があった。
上下水道経営ビジョンの策定へ/横須賀市上下水道局
横須賀市上下水道局は平成16年度に「横須賀市上下水道事業マスタープラン2010」を策定し、「お客様の満足度を最大化」することを経営目標として掲げ、事業経営を行ってきたが、平成22年度で終了するため、次の上下水道事業基本計画である「(仮称)横須賀上下水道経営ビジョン」を策定することになった。従前どおりの考え方を越えた発想や視点を持ち、環境の変化に即した、経営ビジョンを策定し、今後の事業の方針を定める。
浮上防止で協議会を設置/マンホール3工法
液状化によるマンホール浮上防止対策の推進へ「WIDEセフティパイプ工法」「アンカーウイング工法」「浮上防止マンホールフランジ工法」の3工法が参加し、「マンホール浮上防止対策協議会」(代表幹事=品田浩一・藤村ヒューム管開発本部本部長)を設立した。
3工法は既に下水道新技術推進機構での公募型共同研究により浮上防止性能の確認に必要な検証を行い「新技術研究成果証明書」を取得している。今後は、浮上防止工法の説明会や性能基準などの広報活動を展開していく。
日水協、東京都を訪問/台北市・郭処長
台湾・台北市の郭瑞華・台北自来水事業処処長の一行が7月15日、御園良彦・日本水道協会専務理事と尾﨑勝・東京都水道局技監(16日付で水道局長に就任)を表敬訪問した。同市で10月18日から22日まで開催される第3回IWA―ASPIRE(国際水協会・アジア太平洋)会議や日本と同市の水道技術などについて意見を交換した。
シンガポールと水ビジネス(上)/水道技術研究センター理事長 藤原正弘
水が最大の課題の国
東京から7時間、ヨハネスブルグから10時間、パリから13時間、というように世界の主要な都市からほぼ等間隔にあるシンガポールは単に地理的な面のみならず水の技術と情報の面で世界のハブだと自称している。この度シンガポールの水会議に出席してきた。第2回シンガポール国際水週間2009と名付けられた会議(6月22日から26日に開催)で、今後毎年開催されるが、シンガポールの意気込みと筆者の感想をお伝えしたい。
シンガポールは国土面積が淡路島くらいで、人口は約400万人の都市国家である。水道用水のほとんどはマレーシアからの送水に依存している。外国から水をもらわねばやっていけないというのでは、国家の安全保障上重大問題で、水道用水の出来るだけ多くを国内でまかなえるようにしようと考えるのは無理からぬことである。シンガポールは国を挙げて自国内での水資源開発に力を入れている。逆浸透膜(RO膜)の最新の技術を用い、海水の淡水化、下水の再利用に取り組んでいる。RO膜を用いて処理した下水の再生水は「ニューウォーター」と名付けられている。多額の資金を投入し実施するこれらの事業に世界の水企業が注目し、事業参加をねらっている。
4箇所の誤接続箇所を改善/東京都下水道局
東京都下水道局は3日、雨水放流きょ(吐口)の全件調査および23区の鉄道事業者(JR東日本以外)による駅舎の排水設備調査の結果を明らかにした。
雨水吐口については、733箇所(延長74キロ)で調査を行い、誤接続が5箇所発見された。放流先河川は白子川、石神井川、神田川、日本橋川。このうち4箇所は改善措置を講じ、また残りの1箇所は、埼玉県和光市管理のU字溝から流入する台所排水等であるため、和光市に改善を要請した。
新経営計画 策定スタート/東京都水道局
東京都水道局は7月31日、都庁で「第22回東京都水道事業経営問題研究会」(座長=井出秀樹・慶應大教授)を開いた。同研究会では水道事業経営プラン2007(平成19年度~21年度)に続く、平成22年度からの新たな経営計画についてまとめていく。今回を含め3回議論される。
芝浦の再生水で打ち水/メタウォーター
国交省の「打ち水大作戦」に合わせ、メタウォーターは同社本社が入る東京都港区・城山トラストタワー前で打ち水を行った。使用したのは同社が再生水製造施設を受注した東京都芝浦水再生センターの再生水。松木社長、小牧副社長ら幹部と女性職員が一斉に水をまき、周辺の気温はなんと32.5度から29.5度まで下がった。
全管理職会議で新局長が訓示/東京都水道局
東京都水道局の尾﨑勝・新局長は7月23日、第2回全管理職会議で訓示を行った。
尾﨑局長は局の重要課題をどう解決していくかなどについて語り、施設の更新の進め方については「近々、浄水場が集中的に更新時期を迎える。更新には約1兆円の事業費が必要になるなど、財政面での影響は非常に大きいが、発想や視点を変えれば抜本的に水道システム全体のあり方を見直すチャンスともなる」と語った。またCO2排出量の削減は難しい課題の一つである」とし、「エネルギー効率を重視した水道システムの再構築の検討が必要」と訴えた。
水道の日フェスティバルを開催/岡山市水道局
岡山市水道局は23日、「水と遊ぼう!水道の日フェスティバル」を同市水道記念館・三野浄水場で開催した。通水100周年(平成17年)を記念し、通水日(7月23日)を「岡山市水道の日」として、参加型イベントを催している。
温室効果ガス18%削減/東京都下水道局
東京都下水道局は1日、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(環境確保条例)第8条に基づき、対象となる25事業所の地球温暖化対策計画書制度による「温室効果ガス排出状況報告書」を公表した。
対象となる25事業所の平成20年度温室効果ガス排出量は、基準排出量に対し、全体で約18%削減となった。なお、対象事業所は流域の7水再生センター、区部の13水再生センターと4ポンプ所、南部スラッジプラント。
松田下水道局長が新任挨拶/東京都下水道局
7月16日東京都下水道局長に就任した松田二郎氏が局職員に向けて新任の挨拶を行った。
松田局長は「昨今、公務員への見方は厳しいものがある。きちんと都民の皆様の要望に応えていくことが大事。また、視野を広げて様々なことに積極的に挑戦をしていってほしい。失敗なんて恐れなくていい」と職員を鼓舞した。