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2009年(平成21年)  8月 20日(第4509号)





MBR普及へ飛躍/A―JUMP実施者決まる/国交省
 下水道の膜技術、国内普及拡大と海外展開へ大ジャンプ―。国土交通省下水道部が募集していた日本版次世代MBR(膜分離活性汚泥法)技術開発プロジェクト(通称・A―JUMP)の実施者が、クボタ環境サービス(株)とメタウォーター(株)に決まった。前者は名古屋市をフィールドに「改築MBR」を、後者は愛知県で「サテライトMBR」の実証事業を行うことになる。同部ではこのプロジェクトでさまざまなデータを集め、今後のMBR導入推進や海外展開につなげたい考え。事業の期間は今年度いっぱい。短期間でいかなる結果を出せるか、注目が集まる。

9月中に第1回会合/経産省が水ビジネスで研究会
 経済産業省は、9月をめどに「水ビジネス国際展開研究会」を発足させる。わが国の水ビジネス産業が国際展開していく上で必要な現状分析や課題の明確化を行うとともに、具体的な方策を検討するとしており、9月中に第1回研究会を開催し、来年3月をめどにとりまとめる。
 具体的な検討内容は▽世界の水市場の把握▽わが国の水ビジネスが国際展開を拡大する上での課題の明確化▽わが国が優先して取り組むべき分野・地域の特定▽有望なプロジェクトの絞り込み、実施可能性調査(F/S)の実施及び必要な施策の検討―となっている。

夏の高校野球でPR/健康のため水を飲もう推進運動
 健康のため水を飲もう推進運動(健康のため水を飲もう推進委員会主催、厚生労働省後援)の一環として、こまめな水分補給のPRを甲子園球場(兵庫県西宮市)で行っている。
 現在開催中の第91回全国高校野球選手権大会で、各試合の5回裏終了後、「自ら健康に、水から健康に」「健康のため水を飲もう」と呼び掛けるポスターをバックスクリーンに表示=写真。脱水による健康障害などの予防に努めている。

戦略機構が要望項目示す/水問題に関する関係省庁連絡会幹事会
 水問題に関する関係省庁連絡会の幹事会が11日、内閣府で開かれ、水の安全保障戦略機構と関係省庁との意見交換の促進を目的に、同機構事務局がまとめた「意見交換内容」が示された。関係省庁や自治体への要望項目などが盛り込まれており、9月中旬をめどに関係省庁が回答することになった。



神戸・国際シンポを振り返って
 6月に神戸市で開催された「第8回水道技術国際シンポジウム」では、外国主要講演者が興味深い講演を次々と行った。本紙では、参加できなかった、あるいは聞き逃した読者のため、水道技術研究センターの藤原正弘理事長らに5回にわたり講演内容を紹介していただくことにした。詳しくは同シンポジウム講演集(和文)を参照いただきたい。第1回目は、藤原理事長に中国の清華大学張教授の講演内容を紹介していただいた。

汚泥資源の活用関係機関連携を
 日本下水道協会が事務局を務める下水汚泥資源利用協議会(会長=倉田薫・池田市長)は7日、国土交通省と農林水産省を訪れ、関係機関の連携体制構築や所要の事業費の確保、リサイクル技術の開発・導入を促す特例制度といった施策の検討など、下水汚泥資源の有効活用を促進する措置を講じるよう求めた。先月10日に都内で開いた同協議会定例理事会での決議事項4項目を伝えたのもの。

13日午前中に復旧完了/駿河湾地震
 11日5時7分頃、駿河湾を震源とする地震が発生し、静岡県中西部と伊豆地方で震度6弱を記録し、水道施設にも被害が出た。厚生労働省水道課のまとめによると、静岡県内で7万2,762戸、神奈川県内では、2,053戸で断水が発生。断水の原因のほとんどは、緊急遮断弁が作動したことによるものだった。一部の地域では、配水管の破損もみられたが、被害箇所数は少なく、浄水施設の被害もなかった。なお、断水は13日午前中には解消され、現在、通常通水を行っている。一方、下水道では、吉田町でマンホールの隆起が1箇所、沈下が5箇所みられたほかには、被害はなかった。
破損した配水管を迅速に修繕

資金調達で新チーム設立/野村證券など3社
 野村證券、野村総合研究所、三菱東京UFJ銀行の3社は「水ファイナンスチーム」を立ち上げ、「チーム水・日本」へ参加を表明した。同チームでは、ファイナンス面における水ビジネス活動の支援を行い、日本の水ビジネスの成長を支えていく。
 成長する水ビジネス市場への欧州水メジャーや総合電気系企業の参入、シンガポール、韓国、スペインなどの国家戦略による参入の背景には、強力な資金調達力が指摘されている。このため、海外進出を目指す日本企業においてもファイナンス機能の充実を図っていくことが課題とされている。

維持管理分野へ展開検討/積水化学工業
 積水化学工業の環境・ライフラインカンパニー(滝谷善行・プレジデント)は、新中期経営計画「GS21SHINKA!」(2009~2013)重点施策を発表し、浄水場などの維持管理分野への展開を検討する方針を明らかにした。海水淡水化用逆浸透膜の研究も本格的に進めていく。

台風9号で水道施設被害/兵庫県・京都府・岡山県
 台風9号の豪雨に伴い、兵庫・京都・岡山の3府県の水道施設が大きな被害を受けた。このうち、兵庫県佐用町は9日、浄水場4カ所で水没や浄水池への泥水混入などにより、機能が停止。停電による取水不能や水管橋流出、加圧所水没なども発生し、町内の約65%に当たる約4,600戸で断水した。
水没して流木などが散乱する
佐用町の本位田浄水場

粒度調整灰を保水性舗装に/東京都下水道局
 東京都下水道局は、東京都下水道サービスと竹中土木、竹中道路と「スーパーアッシュ(粒度調整灰)の保水性舗装への適用技術の開発」の共同研究を開始した。研究期間は平成22年12月まで、下水道技術研究開発センターの一部を使って行われる。

JSに要望説明会開く/施設協関西
 日本下水道施設業協会関西事務所は7月22日、日本下水道事業団(JS)に対し『平成21年度要望説明会』を開催した。老朽施設の改築・更新、環境対策、未普及地域の解消など、山積する諸課題の早期解消に向け『事業推進と必要財源の確保』『新技術の採用』など、4項目ついて意見を交換した。

浸水対策を住民にPR/向日市上下水道部
 向日市上下水道部は2・3の両日、浸水対策事業への理解を深めるため石田川第1・2号幹線の見学会を実施した。同会には市民ら約60人が参加し、シールド発進基地やトンネルなどの現状を熱心に見学した。

テレビ会議で市民セミナー
 日本水環境学会は25日、第18回市民セミナー『温暖化、水とくらしはどうなる?どうする?~水環境における賢い適応に向けて~』を東京都世田谷区及び大阪府住之江区の地球環境カレッジホールを会場にテレビ会議方式で同時開催する。

早明浦ダム貯水率回復
 四国地方の水源である早明浦ダムは6月末以降の降雨で、貯水率が徐々に上昇し、10日に貯水率100%を回復した。これを受け、国土交通省四国地方整備局は同日、渇水対策本部(本部長=足立敏之局長)を解散した。

副企業長に安藤氏/阪神水道企業団
 阪神水道企業団の副企業長に14日付で、神戸市水の科学博物館館長の安藤伸雄氏が就任した。6年間務めた小倉晉・前副企業長は13日付で退任した。安藤副企業長は信州大学工学部を卒業後、昭和46年に神戸市採用。同市水道局配水課長、中部センター所長、技術部長、参与などを歴任している。昭和23年8月27日生まれの600歳。

横浜の郵便局が道志水源林を支援
 横浜市東部地域グループの4ヵ所の郵便局は、横浜市水道局と協力して「道志水源林支援企画 山梨特産物即売会」を実施した。
 郵便局は物品販売や広告ビジネスをエリアを限定して行っているが、今回はその第一弾として、横浜市の水源地を守る山梨県道志村に感謝を込めてイベントを企画した。売上の一部は道志水源林を整備する市民ボランティア活動のための「水のふるさと道志の森基金」に寄付される。