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2009年(平成21年)  8月 24日(第4510号)






「環境対策の手引書」改訂/厚労省
 厚生労働省水道課はこのほど、「水道事業における環境対策の手引書」を改訂し、公表した。この手引書改訂版では、水道事業者が策定した地域水道ビジョンでの“環境・エネルギー対策”の実現方策を具体化していくための検討手順などを示しており、対策推進への意識向上や「環境計画」の策定とその進行管理を促している。手引書はすでに大臣認可の水道事業者などに送付され、同課ホームページからもダウンロードできる。

下水道普及率72.7%/平成20年度末
 全国の「下水道処理人口普及率」が平成20年度末現在、72.7%になっていることが分かった。国土交通省下水道部がまとめ20日、公表した。前年度から1.0ポイント増、下水道整備人口は約9,241万人で、130万人増えた。

神戸・国際シンポを振り返って/(財)水道技術研究センター常務理事兼技監 安藤茂
 韓国における水道の課題と施設技術診断の制度
 玄仁煥氏(壇國大學校教授)から、「韓国における水道管ネットワークに対する技術診断の導入と水道事業の将来像」と題して報告があった。特に、韓国では最近、法律に基づく水道施設の技術診断の制度が出来たということであり、これは注目すべきと考える。以下に、その概要を紹介する。

性能評価研究2件を諮問/下水道機構技術委員会
 下水道新技術推進機構は4日、平成21年度第1回技術委員会を同機構会議室で開催し、「合流式下水道改善対策としての水面制御装置の性能評価研究」と「沈殿池高速ろ過施設の性能評価研究」の2案件について、石川忠男・同機構理事長から松井三郎・技術委員会委員長(京都大学名誉教授)に諮問した。両技術は今年度末に新技術として確立する予定だ。

上海市訪問団と意見交換/水道技術研究センター
 中国・上海市の上海市城郷建設和交通委員会科学技術委員会の訪問団が7日、同委員会の海外顧問を務める水道技術研究センターの藤原正弘・理事長らを表敬訪問し、両国の水処理技術をはじめ、来年中国で開催される日中水処理技術交流会や上海万博などについて意見を交換した。

交付要綱を網羅「実務必携」発刊/簡水協
 全国簡易水道協議会はこのほど「平成21年・水道事業実務必携」を発刊した。国庫補助金の交付要綱や歩掛表を網羅。水道実務者必携の書の最新版。価格は10,000円(会員7,000円、消費税・送料込み)。注文・問い合わせは簡水協事務局(電話03-3581-3751、FAX03-3581-3641)へ。

安全対策徹底を要請/国交省
 国交省下水道部は21日、各都道府県と政令市に対し大雨に伴う急激な水位上昇が予想される下水管路内での工事についての安全対策を徹底するよう要請した。19日に沖縄県那覇市の水路で構造物の耐震度調査をしていた作業員が流され4人が死亡した事故を受けてのもの。

簡水にスレッド式ろ過機/十和田市上下水道部
 十和田市は今年4月、同市焼山地区簡易水道(処理水量800立方メートル/日)にクリプトスポリジウムなどの耐塩素性病原性微生物対策としてスレッド式ろ過装置を導入、順調な稼働を続けている。同市は水道事業の基幹浄水場である芳川原浄水場にも耐塩素性病原性微生物対策を目的に膜ろ過施設を導入するなど、安全・安心な水道水の供給に向けて積極的な施策を包括的に展開しており、その取り組みに大きな注目が集まる。
焼山地区簡水に導入された
スレッド式ろ過装置

検針・収納業務を包括民間委託/釧路市上下水道部
 釧路市上下水道部はは、検針および収納等業務を包括的民間委託すると発表した。受託事業者の選定方式は、総合評価型プロポーザル方式で、包括委託期間は平成22年4月から平成27年3月までの5ヵ年。参加申込書の配布期間は8月28日までで、参加申込の提出期限も8月28日までとなっている。なお、予定価格は7億7,500万円。

施設本復旧が長期化へ 台風9号豪雨被害の佐用町/上下水道
 台風9号に伴う豪雨で、約4,600世帯が断水した兵庫県佐用町は、19日までに生活用水の配水が再開したものの、水質検査を経た飲用給水は21日までずれ込んだ。水没した浄水場のうち、佐用簡易水道の本位田浄水場は、本復旧まで1カ月以上を要する見込み。この間、他の浄水場からの切り替えで対応する。
 また、兵庫県宍粟(しそう)市では21日現在、92戸が断水中。道路復旧に併せて、仮配管の設置が急ピッチで進められており、25日中の解消を目指している。
 一方、下水道施設も被害が発生。兵庫県佐用町では2浄化センター(上月・久崎)が浸水し、上月雨水ポンプ場の電気系統が停止した。

被害を受けた上月浄化センター
(日本下水道事業団提供)

就任インタビュー/東京都下水道局長 松田二郎氏
 先月16日付の人事異動で下水道局長には前東京オリンピック・パラリンピック招致本部次長の松田二郎氏が就任した。総務局や知事本局、教育庁など多彩な経歴を持つ氏に下水道事業の今後の役割や抱負などについて伺った。

ピカピカのろ過池に賞賛/京都市上下水道局
 京都市上下水道局の蹴上浄水場では、職員自らがろ過池の手洗い洗浄を毎年実施している。これは、通常の表面洗浄・逆流洗浄等の作業に加え、「浄水場が衛生的できれいな施設であることを市民にアピールする」(伊木同浄水場長)ために取り組んでいるもの。ろ層の洗浄や天日乾燥、ホース洗浄といった通常の維持管理業務に加え、ホース洗浄では洗い流しきれない汚れを職員が手洗いすることで、常にろ過池はピカピカの状態が保たれている。

水道広域化議論が着々/埼玉県
 埼玉県生活衛生課は県版地域水道ビジョン「埼玉県水道ビジョン」策定に向けて、有識者による「埼玉県水道広域化検討委員会」を設置した。県では今年春に、県内の全水道事業体が参加した協議会を立ち上げ、20年後の県内水道のあるべき姿や広域化推進策の検討を開始。5つのブロックごとに地域特性をみながら広域化組み合わせ案などを議論しているが、協議会での議論をこの検討委員会に報告する。

浜松市が水道GLP
 浜松市が水道GLP(水道水質検査優良試験所規範)を取得し認定式が7月22日、日水協専務理事室で行われた。
 記念すべき第50回目の認定団体となった同市。鈴木俊広・水道事業及び下水道事業管理者は取得に対し「市民への水道事業の理解につながる面と、職員のモチベーション向上につながる両面のメリットがある。水道水の安全PRに活用していきたい」と喜びの声。また、古橋廣一・浄水課長は取得までの経緯を説明し、「職員が自発的に実施してくれた」と嬉しそうに述べた。これに対し、御園良彦・日水協専務理事は「浜松市は地域で一番に取得した。周辺の都市にも呼びかけて欲しい」とエールを送った。

御園専務(右)から認定証を
受け取る鈴木管理者(中)

大口径NS形管採用へ/大阪市水道局
 大阪市水道局はこのほど、ダクタイル管の大口径(φ500~1,000)に、NS形管を採用することを明らかにした。従来はS形管(異形管はKF・UF形管)を採用してきた。
 また、PN形管の適用規格を同局独自仕様としてきたが、日本ダクタイル鉄管協会(JDPA)規格に移行することとした。
 同局では資材供給者の事前承認制度を採用しており、承認希望者も募集している。

新システムで中間報告/新下水収集システム研究会
 管路施設を中心に、新たな下水収集システムを検討している「新下水収集システム研究会」(管清工業、日水コン、日之出水道機器など7社)は18日、現有施設の課題や問題解決の方向性について中間報告をとりまとめた。同報告では、新システムのポイントに、維持管理基準の策定や取付管のマンホール接続、マンホールの機能分類などを挙げている。今後はさらに議論を深め、平成21年末頃をめどに最終報告をとりまとめる。

50%の市場シェア確保へ ~下水高度処理システム「ペガサス」~/日立プラントテクノロジー
 日立プラントテクノロジーは、同社の下水高度処理システム「包括固定化窒素除去プロセス(ペガサス)」について事業戦略を発表し、既設処理場の高度処理化市場で50%のシェア確保をめざすために「省エネルギー・ペガサス」を今年中に開発完了する見通しであることを明らかにした。

流量計校正事業に参入/島津システムソリューションズ
 島津製作所の子会社で、環境計測機器の販売や計装工事などを手がける島津システムソリューションズ(京都市、竹下勇社長)は、プラント向け流量計の実流校正試験設備を改修・増設したと発表した。8月10日より稼働しており、総工費は約6億円。完成した設備は自社製流量計の測定精度保証に活用するほか、2011年春までにJCSS(計量法に基づく校正事業者登録制度)の認定を取得して他社製品を対象とした校正請負ビジネスへの参入を図り、同分野の事業拡大をめざす。これにより「流量計測・監視分野の現在の売り上げ約3.5億円を、3年後には倍増の約7億円にしたい」(同社)意向だ。

4会場でセミナー開く/フューチャーイン
 公営企業の会計・料金調定ソフトの販売やシステムの構築、会計処理および料金徴収業務などを行うフューチャーインはこのほど、全国4会場で『公営企業会計セミナー』を開催した。宮田要・日本水道協会経営アドバイザーを講師に、消費税及び地方消費税(以後、消費税等)の会計処理などを解説した。

日独でMBRワークショップ
 日本水環境学会・膜を利用した水処理技術研究委員会は5日、東京都千代田区の日本大学理工学部で「日独MBRワークショップ」を開いた。共催は日本下水道事業団(JS)、日本水環境学会関東支部、膜分離技術振興協会で、ドイツからはドイツ膜技術協会会長でゲルゼンキルヘン応用科学大学教授のヴィンフリード・シュミット氏や、アーヘン工科大学水環境研究所のクリストフ・ティーミッヒ氏、バイアー・シルヴィオ氏を招き、MBRに関する日独の最新知見について情報交換した。

優良設計者を表彰/日本下水道事業団
 日本下水道事業団は、建設コンサルタント委託業務の品質の向上を図るため、東西両本部が発注し前年度に完了した委託業務453件(東日本本部252件、西日本本部201件)の中から、総合的品質が特に優れている業務を担当した者であって、品質を向上するために創意工夫や高い技術力等がみられた優良な設計技術者(管理技術者または担当技術者)を表彰(本部長表彰)した。

尼崎浄水場に学ぶ/水コン協関西支部
 平成21年度の全国上下水道コンサルタント協会関西支部施設見学会が5日、会員各社の社員など約35名が参加のもと、阪神水道企業団尼崎浄水場で行なわれた。

貯水タンク清掃でアンケート/インターワイヤード
 インターワイヤードは、インターネットを利用して水道水に関するアンケート調査を実施し、モニター10,366人からの回答を集計した。
 同調査では、水道水質への質問以外に、集合住宅の貯水タンクに対する質問も実施。「タンクの清掃・整備状況の認知」については、2割以上の23.7%が「知らない」と回答。「よく知っている」「ある程度知っている」との回答は、約半数(49.1%)にとどまった。