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2009年(平成21年)  9月  7日(第4514号)






「プロジェクト推進室」が船出/日水協
 ダイナミックに動き出した広域化と公民連携―。日本水道協会は9月1日付で、水道技術総合研究所に「プロジェクト推進室」を設置した。日水協が組織を挙げて取り組むべき課題ごとにプロジェクトを立ち上げて、検討を深めていく方針。プロジェクト第1弾は、水道の安全保障に関する検討会が提言した「広域化・公民連携の推進」の具体化に向けての検討だ。
プロジェクト推進室の看板を掲げる
御園専務(左)と田口部長

22世紀型下水道を描く/下水協の研究会が初会合
 日本下水道協会は3日、「22世紀型都市の水循環と下水道研究会」(座長=松尾友矩・東洋大学学長)の第1回研究会を同協会会議室で開催し、研究会の進め方や研究テーマ、スケジュールなどについて審議した。「下水道ビジョン2100」で示された21世紀型下水道よりもさらに次世代の都市の水循環と下水道の未来像についてヒントを得ることを目的に、テーマごとに知見を持ち寄りさまざまな観点から議論を展開していく。22世紀の下水道についてどのような姿を描くのか注目が集まる。

新JISメータ対応検討/日水協理事会で報告
 日本水道協会は「新JIS水道メータへの対応に関する検討会」を10月に設置する。計量法の改正によって平成23年4月以降、水道メータはすべて新JISメータを調達するようになることを受けてのもので、移行期の課題を明らかにして対応の方向性を示すという。事業体に移行に向けた早めの準備を促したい考えだ。2日に開いた第263回理事会で検討会設置が報告された。

「貯水槽水道」管理の重要性を訴える/シンポジウム
 貯水槽水道に関するシンポジウムが開催される。貯水槽水道の管理の重要性について広く訴えようというもので、厚生労働科学研究費で研究された「貯水槽水道ランキング表示制度」について早川哲夫・麻布大学教授が講演し、水道やマンション関係者らによる「貯水槽水道の安全、安心を考える」と題したパネル討論が予定されている。
 ▽開催日=9月15日▽場所=航空会館(東京・新橋)▽問い合わせ=全国給水衛生検査協会(電話044-270-4375)

指定管理者制度の導入へ前進/大阪府・市水道事業統合
 大阪府と大阪市は2日、水道事業統合協議の今後の進め方について、市案の「コンセッション型指定管理者制度」の導入に向け、府市双方が協力することなどで合意した。府は今月中旬の府営水道協議会への説明会開催に向けた調整などを行うとしており、約1年7カ月に及ぶ統合協議に、ようやく方向性が見えてきた。

日水協中国四国地方支部/高知市で水道事例発表会
 第9回日本水道協会中国四国地方支部水道事例発表会が8月27日から2日間、高知市の高知新阪急ホテルで開催された。会員都市の関係者ら約120名が出席する中、4部門16題の知見が披露された。
 冒頭、工藤恭久・同市水道局次長が「高知の魅力の堪能を」と挨拶。河村寛樹・山口市上下水道部水道整備課主幹は、7月の豪雨被害に対する応援給水の謝辞を述べた。

農薬プライオリティーリストの更新へ/相水協
 相模川・酒匂川水質協議会は横浜市の神奈川自治会館で平成21年度第1回小委員会を開き、21年度事業報告や決算報告などについて審議し、了承した。
 冒頭、中島英雄・神奈川県企業庁水道電気局長は「今後も水質に注視するとともに、相水協の会員で連携していくことが重要」と挨拶した。
 平成20年度の水質事故発生件数は、相模川水系では32件中16件、酒匂川水系では12件中10件が油流出事故と依然として油流出事故が多いという結果が報告された。
 また農薬共同調査として、相模川系統12ヵ所、酒匂川系統4ヵ所で農薬測定を行ったことを報告。今後は共同調査結果や各事業体独自のモニタリング結果を共有し、神奈川県内の農薬プライオリティーリストの更新へ反映させていくとしている。

中期計画評価委を開催/千葉県水道局
 千葉県水道局はさきごろ、中期経営計画事業等評価委員会を開き、重点推進事業の取り組みや達成状況、成果、今後の事業の進め方について評価を行った。
 同委は、局内で行った「千葉県水道局中期経営計画」(平成18~22年度)の事業評価の妥当性を総合的に判断するための外部評価委員会で、太田正・作新大学教授が委員長を務める。今回評価を行ったのは▽配水区域の細分化▽高度浄水処理の導入▽民間委託の拡大▽経営分析の活用▽収納形態の多様化▽接客マナーの向上▽各種情報通信手段の有効活用▽管路耐震整備―の8事業で、全ての事業で「妥当である」と評価された。

みずきフェスタを開催/神奈川県内広域水道企業団
 神奈川県内広域水道企業団は8月22日、社家取水管理事務所で「みずきフェスタ」を開催し、3,000人を超える来場者があった。
 今回も昨年から実施している水源である宮ヶ瀬ダムから相模大堰、社家取水管理事務所を回るバスツアーを企画したほか、魚道やビオトープの観察、クイズラリーなど様々なイベント行った。また、相模大堰の見学も行い、子どもたちは、管理橋の上から、堰から勢いよく流れる様子を眺め、大きな歓声を上げていた。さらに今回は企業団設立40周年を記念して作成した広報ビデオ「ホタルちゃんの水道企業団探検記」がお披露目されたほか、神奈川県のエコメッセンジャーに選ばれたできることドットネットによるコンサートが行われた。また、構成団体の横浜市や川崎市、横須賀市、神奈川県企業庁も環境をテーマにブースを出展していた。

松山の水事情で討議
 市民フォーラム「松山の水事情を知ろう」(まつやまを考える会主催)が8月1日、松山市男女共同参画推進センターで開催された。市民ら約100名が参加する中、岩城一範・同市公営企業局管理部長らの基調提案、パネルディスカッションが行われた。
 基調提案では岩城部長が「松山の水道水の現状と対策」と題し、拡張事業の歩みや節水型都市づくりの取り組み、「水道ビジョンまつやま2009」(今年3月公表)の概要などを説明した。また、山本和子・同市エコリーダーは「私たちにできること」として、節水の楽しみ方を紹介した。

イメージアップで14工事表彰/東京都下水道局
 東京都下水道局は8月25日、都庁第二本庁舎で第30回下水道工事イメージアップコンクール表彰式を開催した。松田二郎局長が受賞した14工事の代表者に表彰状を手渡した。
 大規模管きょ工事部門では日興建設、中規模管きょ工事部門では足立建設工業、小規模管きょ工事部門では日工建設、水再生センター・ポンプ所等工事部門では鹿島建設がそれぞれ最優秀賞を受賞した。

水再生センターと日産スタジアム見学会/横浜市環境創造局
 横浜市環境創造局は8月26日、港北水再生センター&日産スタジアム見学会を開催した。
 同見学会は毎年好評で、今年も子どもからお年寄りまで約60人が参加。午前中は水再生センターで水処理過程などを見学し、水環境についての理解を深めた。

水処理について学ぶ

特別企画展を開催/東京都水道歴史館
 東京都水道歴史館では、8月12日から9月23日まで、特別企画展「サバクからオアシスへ」を開催している。展示は「昭和30年代の東京大渇水時の都の対応」と「質の向上を目指す現在の取り組み」の大きく2つに分けられ、パネルを中心に分かり易く説明されている。

水道記念館で夏イベント/大阪市水道局
 大阪市水道局は水道記念館の夏イベントとして、「淡水魚教室」(7月26日)と「水と親しむ」(8月22~23日)を開催した。「淡水魚教室」では淀川流域に生息する淡水魚の形態などの講演が行われた。

河川で水生生物観察会/広島市下水道局
 広島市下水道局は8月7日、「水質について考える~水生生物観察会in湯来~」を開催した。小学生と保護者ら約30名が参加する中、西部資源再生センター(同市西区)での下水道講座では、下水処理の仕組みの講義や水処理実験などが行われた。

下水汚泥から自動車燃料/長岡技大公開実験
 長岡技術科学大学の姫野修司・准教授の研究室は、下水汚泥由来のバイオガスを活用して、ゴルフカートを走らせることに成功し、新潟県長岡市の国営越後丘陵公園で関係者に公開した。また、下水汚泥から作ったリン肥料の効果と安全性が市販の肥料と差がないことも発表した。
 同研究室では、低酸素社会へ向け、さまざまな研究に取り組んでおり、下水汚泥由来のバイオガスから高性能気体分離膜を用いて高純度のメタンを回収し、自動車用燃料化するシステムの技術開発を行っている。平成21年度からはヤマハ発動機と共同でバイオガスカートへの利用技術の開発を開始した。これまでのバイオガスカートではメタン濃度が98%以上必要であったが、エンジンの改良を加えることでメタン濃度90%でも走行可能となった。また、これまで天然ガス車の燃料充填には圧縮に200気圧が必要とされていたが、多くのメタンが貯蔵可能な方式を採用することで10気圧以下の充填でも1回の走行距離を70km程度とし、大幅にコストダウンが図られるようになった。

下水バイオガスカートに試乗

21年度資材需要まとめる/水団連
 日本水道工業団体連合会は、今年6月に都道府県に対して実施した「平成21年度水道事業計画調査」(厚生労働省)を基に、水道事業体の更新計画や水道資材の需要動向などをとりまとめた。事業件数は増加に転じたが1件当たりの事業費は減少している。水道用資材ではダクタイル鋳鉄管や耐震性貯水槽が増加している。

新型ポータブル水質計を開発/東亜ディーケーケー
 東亜ディーケーケーは、省電力設計の新型ポータブル水質計「P30シリーズ」を開発した。
 同シリーズは、前モデルであるP20シリーズのモデルチェンジ品で、最大約30分の1の省電力設計(同社従来品比)、防水構造などの特長を持ち、フィールド測定などで大きなメリットを発揮する。また、1,000データのメモリ機能を搭載し、一定時間ごとの自動メモリも可能なため、排水などの半日程度の簡易モニタリングにも応用できる。さらに表示器の面積も従来品の1.2倍と大きくなり、視認性が向上した。

ステン製キスコマを発売/三和商工
 給排水用部材などを製造・販売する三和商工(本社・大阪市北区)はこのほど、止水栓用パッキン・キスコマの芯棒をステンレス製に改良した『ステンキスコマ』を発売開始した。従来の黄銅製芯棒と異なり、脱亜鉛腐食の発生確率および鉛の溶出量がゼロとなっており、耐久性がさらに向上している。

第一環境サービスを吸収/第一環境
 水道料金業務を行なう第一環境(丹澤慶信社長、本社・東京)は平成21年6月1日を効力発生日として完全子会社である第一環境サービス(宮﨑勝己社長、本社・千葉)を吸収合併した。これにより、第一環境は給水装置管理や施設管理などの水道の技術的業務を含めたトータル受注を目指す。

東京支店を移転/理水化学
 理水化学は7日、東京支店を以下の住所に移転した。(〒104-0033東京都中央区新川1丁目22番17号近藤ビル5階、TEL03-5540-5731)

就任インタビュー/配水用ポリエチレンパイプシステム協会会長 伊澤宣夫氏
 今春、配水用ポリエチレンパイプシステム協会(通称POLITEC)の会長に就任した。これまで一貫して水関連市場に携わるなか、同協会が目指す水道事業の重要性について伺うと「全国に普及した水道網は、世界に誇れる国民の貴重な財産。安心・安全を追及しながら維持・管理を進め、次世代へ引き継ぐことが我々世代の使命と考えます。特に、昨今の耐震化ニーズの高まりを受け、水道配水用ポリエチレン管による耐震管路の構築というアプローチで社会に貢献していきたい」と語る。

小学生に齋藤社長が講義/日本原料
 日本原料はこのほど、東京都大田区立久が原小学校PTAが主催する「夏休み体験課外授業」に参加し、水道水ができるプロセスを実験学習するプログラムを実施した。同社は2006年から毎年この課外授業に参加している。