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2009年(平成21年)  9月 21日(第4518号)






有機フッ素化合物ワークショップ/起源・動態・リスクの明確化を
 16日、「有機フッ素化合物(PFCs)問題に関するワークショップ」が東京大学で開催された。PFOS、PFOAなどで知られるPFCsによる環境汚染が世界中に拡がり、一部のPFCsでは、規制の動きも出ているが、その毒性や汚染実態などまだ解明されていない点も多い。わが国では今年4月に水道水質の要検討項目に追加されたばかりだが、汚染実態、毒性、規制、処理方法の観点から知見を整理し、どのような対策を打つべきか検討が求められており、同ワークショップは、知見の整理、共有化するための絶好の機会となった。

前原国交相八ツ場ダム中止を明言/前原国交相
 16日、第93代内閣総理大臣に民主党代表の鳩山由紀夫氏が就任し、民主党・社会民主党・国民新党の連立内閣が発足した。上下水道関連では、厚生労働大臣に長妻昭氏、国土交通大臣に前原誠司氏、総務大臣に原口一博氏が就任した。
 前原国交相は17日午後省内で記者会見し、民主党がマニフェストに掲げた八ツ場ダムの本体工事中止について「当該地域の住民や当該自治体への補償措置という法的な枠組みを含め、丁寧な対応が求められる」と、改めて表明。19日からの連休中に現地視察を行いたいとの意向も示した。大臣は「今後の河川行政、公共事業のあり方を見直していく上での“入り口”と認識しほしい」と述べた。
 一方で、建設業界については「景気に対する下支えの効果にある一定の役割を果たしている」と話し、「これまで整備されてきた莫大な社会資本の維持管理に役割を果たしてほしい」と話した。

会見する前原国交相

国総研・独法土研の調査研究最前線/下水道管きょのストックマネジメントに関する研究
1、はじめに
 膨大な施設の老朽化が急速に進みつつある中、ストック(アセット)マネジメントの導入が注目されている。本研究室では、管きょのストックマネジメントについて研究を進めている。
 ストックマネジメントは、点検・調査によって施設の健全状態を定量的に把握し、長期の将来事業量予測や合理的な事業実施の優先度決定を行うことが核となる。ここでは、研究成果の一端として、健全率予測式を活用した改築必要延長の予測手法を紹介する。

理事会・事務局長会議開く/簡水協
 全国簡易水道協議会(会長=井口一郎・新潟県南魚沼市長)は16日、第2回理事会・第1回事務局長会議(政府予算対策合同会議)を東京・永田町の全国町村会館で開催した。例年この時期に要望活動を主として行ってきた会議だが、今年は取りやめた。今後、要望活動は予算編成の動向を見ながら、役員らで行っていくことを確認した。

4年ぶりに改訂「工水実務必携」/工水協
 日本工業用水協会はこのほど、「工業用水道実務必携(2009)」を発刊した。4年ぶりに改訂されたもの。経済産業省は平成19年に工業用水道事業費補助金交付規則を、今年2月に補助金交付要領を改正しており、関連する通知なども数件改正されている。2009年版ではこれらに対応している。申し込み方法などは工水協HPで。

浄水場運転管理、送・配水施設維持管理、料金徴収業務を委託/会津若松市水道部
 会津若松市水道部は、今後必要とされる施設整備の財源確保策の一環として、浄水場運転管理業務、送・配水施設維持管理等業務、水道料金等徴収業務の委託事業者を公募型プロポーザル方式で募集したが、このほどそれぞれの最優秀提案者を選定したと発表した。
 浄水場運転管理は、(株)明電舎、送・配水施設維持管理は会津若松市水道サービス(株)を最優秀提案者とし、水道料金等徴収の最終受託候補者を(株)ジェネッツに選定した。今後、明電舎と会津若松市水道サービスは共同してSPCを設立し、11月2日に契約を締結する予定で、ジェネッツとは10月末に契約する。委託期間は、いずれも平成22年4月~平成26年3月31日までの4年間。

職員体験型研修を実施/福岡市水道局
 福岡市水道局は3日、曲渕ダムの水源かん養林で森林内に侵入したモウソウ竹を除伐する作業を、水道局職員体験型研修として実施し、局職員29人が参加した。同研修は職員が水源かん養林を育てることが水源地域において困難となっている現状や水源地域を取り巻く状況を把握し、水源かん養林の働きや大切さを理解できるように昨年度から実施している。

点検業務などを民間開放/大阪府水道部
 大阪府は10日、大阪版市場化テスト監理委員会(委員長=光多長温・鳥取大学特任教授)を開き、『府営水道管理運営業務』について、官民比較した結果、府水道サービス公社が担っていた維持管理などの業務は民間の開放が妥当との結論を出した。

石橋幹線のシールド発進/池田市上下水道部
 池田市上下水道部は8月24日、同市住吉一丁目で石橋第一増補幹線築造工事のシールド発進式を行った。
 同工事は浸水対策を目的に貯留施設として内径2,400ミリ、延長825メートルの管渠を築造する。
 泥土圧式シールド工法を採用し、市道東畑住吉線の中央2車線を占用した発信立坑から北上し、住吉交差点で左折、さらに市道空港北門線を南下し、中央環状線側道の歩道部に設置する到達立坑までのルートとなる。

バイオガスを自動車の燃料に/上田市上下水道局
 上田市上下水道局は来年度から、上田下水浄化センターで下水汚泥を消化処理する際に発生するメタンガスを局の公用車(天然ガス自動車)の燃料として活用する取り組みを試験的に行う。来年度に天然ガス自動車を新たに購入して、試験的な運用を行い、メタンガスの新たな用途を模索していきたいとしている。
現在、増築・更新工事中の消化槽

下水道事業連絡会議を開催/JS北海道総合事務所
 日本下水道事業団北海道総合事務所(飯塚賢司所長)は4日、札幌市のホテルポールスター札幌で平成21年度下水道事業連絡会議を開催した。同会議には道内自治体から42名の参加があり、最新の技術開発の動向や長寿命化支援制度、アセットマネジメントに関して情報提供が行われた。

下水道デー記念して写真展/東京都下水道局
 東京下水道局は9~12日、東京池袋のサンシャインアルパで下水道デー記念写真展『地下探訪~足元に広がる真実~』を開催した。
 同展の作品は白汚零氏によるもので、様々な表情を見せる管路等の施設や、下水道の現場で働く人々の生き生きとした姿を撮影した作品などが展示された。会期中約6,000人の市民が訪れ、普段は見ることができない下水道の姿を興味深げに見ていた。また菅原秀夫・東京都副知事や松田二郎・下水道局長も写真展を訪れ、菅原副知事は「すばらしい作品を見ることが出来た。都民の方々にも下水道への関心を持っていただく良い機会になったのではないかと思う。来年も期待したい」と語った。また、松田局長は「下水道の現場で働く人の真剣な目差しや生き生きとした姿を捉え、上手く表現していると思う。これらの写真を通して下水事業を理解してもらいたい」と語った。

下水道デーイベントを開催/小平市、東京都
 小平市と東京都下水道局は12日、東京都小平市のふれあい下水道館で、下水道デーイベントを開催した。

ミストで水道百年をPR/北九州市水道局
 北九州市水道局は7月からJR小倉駅南口周辺の2ヶ所で水道水を利用したミスト散布を実施し、市民や観光客から好評となっている。

20年度決算概要を公表/大阪市水道局
 大阪市水道局は9日、平成20年度水道事業会計並びに工業用水道事業会計の決算概要を公表した。水道事業は7年連続の黒字(約126億円)、工業用水道事業は2年連続の黒字(約3億円)となった。
 水道事業会計は収益769億2700万円(対前年度比4.2%増)、費用643億7500万円(同3.2%減)で、収支差引125億5200万円の純利益。給水収益同2.2%減だったが、固定資産の売却などに伴う特別利益が増加した。同年度末の未処分利益剰余金は210億7千万円で、減債に67億円、建設改良に58億円を積み立てるとしている。

水・インフラの国際展開を/関経連
 社団法人関西経済連合会(略称「関経連」、会長=下妻博・住友金属工業会長)はこのほど、「水・インフラ国際展開研究会」を設置した。水やインフラビジネスの国際展開方策について、情報収集や意見交換、ネットワークづくりなど具体的な検討を行う。研究会には27企業・団体(企業24社・行政機関3団体)が参加。7日に第1回研究会を開催し、篠田邦彦・経済産業省貿易経済協力局資金協力課長が「海外インフラビジネス参入に向けた我が国の取り組み」について講演した。

ポリ管の呼び径を拡充/積水化学工業
 積水化学工業は、水道用耐震型高機能ポリエチレン管「エスロハイパーJW」シリーズで呼び径50、200のEF受口付直管と継手の販売を開始した。価格はEFソケットと直管の定価と同額。200の施工時間は業界最速クラスを誇る。
 同社では、呼び径75~150で受口付直管を製造・販売してきたが、ユーザーから呼び径50と200についても受口付直管を求める声が多数寄せられていたことから、今年3月より開発に着手。群馬工場での製造ラインを整えた。
 従来、呼び径200ではEFソケットと直管を組み合わせていたが、EF受口付直管にすることで、融着接合の通電箇所が半分になり、通電時間も最大半分に短縮できる。また、切削や清掃、固定、通電、冷却、検査といった全工程を合計しても作業時間は約26%削減できる。

フルラインアップを機に需要拡大へ

流体テクノロジーをテーマに/大阪管工機材総合展
 大阪管工機材商業協同組合は10日から12日、大阪市住之江区のインテックス大阪2号館で第14回管工機材・設備総合展を開催した。企業や団体、大学、大阪市水道局など158者が出展し、最新の技術や知見を盛り込んだ製品群を披露、3日間で来場者数は昨年を超える13,300人となった。

環境フロンティア21
 授乳の神水といういささかユニークな名の湧水がある。
 4億3千万年前ともいわれる日本列島最古の化石が出土し「九州島発祥の地」とされている熊本県境に近い祇園山(標高1307メートル)の山麓に水神様を祀る妙見神社が建立されている。社殿へと続く急な階段を下りると右手に湧水池があり、石灰岩洞窟からは透明度の高い水が静かに湧き出している。4億年の雫・妙見神水である。澄み切った池底は赤い珪藻でおおわれ、多くのカワニナを見ることが出来る。「妙見さんの水」として親しまれている名水だ。また、古くから「授乳の神水」とも言われ、妊婦がこの水を飲むと丈夫な子が授かり、母乳の少ない人が飲むと乳が良く出ると伝えられる。

高品質と適正収益両立を/JER認定施工協会・総会
 JER認定施工協会は10日、神戸市西区の日本ジッコウ本社に会員ら約70人を集め、第5回定期総会を開催し、技術力向上に向けての積極的な活動展開などを決定した。総会後にはコンクリート防食の動向と展望、新製品・新工法をテーマに研修会を開いた。

ペルーで水事業に参画/丸紅
 丸紅は、ペルー共和国リマ市で浄水施設のBTO事業を運営するコンソルシオ・アグア・アスール社(CAA)の株式29%を買収し、同市の水事業に参画した。CAAを通じて蓄積されるペルーの水道事業のノウハウを活用し、今後増加が予想される同国での新規水事業案件への参入を検討するとともに、近隣南米諸国でも積極的活動を展開していく意向だ。

水道用薬品生成装置の販権取得/双日
 双日は、米国・マイオックス社(本社=ニューメキシコ州アルバカーキ市)との間で、同社が製造する水道用現場薬品生成装置「リオグランデ」の日本における販売代理店契約を締結した。

本部・関東支部 事務局を移転/水コン協
 全国上下水道コンサルタント協会は9月24日、本部・関東支部事務局を移転する。移転先の住所、連絡先は次のとおり。
 〒116-0013東京都荒川区西日暮里5丁目26番8号スズヨシビル7F、TEL03-6806-5751、FAX03-6806-5753