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2009年(平成21年) 10月  8日(第4522号)





国の組織統合を提案/水循環基本法要綱原案
 水制度改革国民会議の第10回水循環基本法研究会(共同座長=中川秀直・衆院議員ら)が6日、衆議院第一議員会館で開かれ、事務局から水循環政策大綱と水循環基本法要綱の原案が示された。地表水と地下水は公共水であると明確に定義し、水循環の保全に関する政策と行政は河川流域をベースに地方自治体が結成する「流域連合」が担うとした。下水道、浄化槽、し尿処理施設の一体的な整備と管理も打ち出した。また、中央政府の行政組織として、水循環に関わるすべての行政組織を統合した「水循環庁」を設置することなどを提示した。

第51回 水の写真コンテスト
 『水』それは永遠のテーマ―。水道産業新聞社が主催する毎年恒例「水の写真コンテスト」の入賞作品が決まった。グランプリ・厚生労働大臣賞には石角尚義さん(72)の「朝露」が選ばれた。石角さんは第47回に続き2度目のグランプリとなった。51回目を迎えた今回は4,020点の応募があった。

吉口管理官が講演/水道サロン
 水道技術研究センターは9月29日、第99回水道サロンを会議室で開催した。今回の講師は厚労省の吉口進朗・水道水質管理官。吉口管理官は水道課に配属されたのが3回目という霞ヶ関の〝水道屋〟。今年7月に現職に就任した。
 吉口管理官は災害対策、水質管理など現状の課題を網羅的に説明。課題解決に向けてアセットマネジメントの導入が有効とし、データが揃っていない事業体も手引きを参考に「まず着手してほしい」と強調した。

講演する吉口管理官

継手性能の規格化へ/日水協水道施設規格専門委
 日本水道協会の水道施設に関する規格専門委員会(委員長=芦田裕志・東京都水道局建設部技術管理課長)の委員はこのほど、ダクタイル鉄管に関する規格改正審議に先立ち、尼崎市のクボタ阪神工場で同管の製造工程や性能試験に立ち合った。

30日に100回目の水道サロン
 水道技術研究センターが主催する水道技術懇話会(水道サロン)が100回目を迎える。記念すべき第100回の水道サロンは今月30日、講演会とパネルディスカッションの2部立てで、東海大学校友会館(東京都千代田区)にて開催される。

22年度ブロック会議の開催日程決まる/簡水協
 全国簡易水道協議会の平成22年度ブロック会議は開催順に▽近畿ブロック=4月13日・和歌山県▽東海・北陸=4月15日・岐阜県▽東北・北海道=4月22日・秋田県▽中国・四国=4月27日・岡山県▽九州=5月11日・沖縄県▽関東・甲信越=5月13日・神奈川県―となった。先の理事会で了承された。なお全国簡易水道大会は、6月2日に宮崎県宮崎市の宮崎観光ホテルで開催する。

事務所を移転/下水道管理センター
 下水道業務管理センターは東京本部事務室を10月13日から、〒113-0034東京都文京区湯島三丁目26番地9号インテリジェントビル湯島イヤサカ5階に移す。

膜ろ過導入に向け実証実験/釧路市上下水道部
 釧路市上下水道部は5日、同市主力の愛国浄水場で膜ろ過を基軸とした浄水処理実証実験を行うと発表した。実験期間は平成22年2月から平成23年1月までの1年間で、実験プラントを設置して前処理と膜ろ過処理を組み合わせたシステムの原水への適応性や処理性を確認する。現在、実験の参加企業を募集しており、公募の締め切りは10月30日までとなっている。

震災計画等の実効性検証/東京都水道局
 東京都水道局は2日、東京湾北部を震源とする震度6強(M7.3)の首都直下型地震が発生したとの想定で総合防災訓練を行った。
 今回の訓練は、職員の防災意識の向上や震災応急対策計画や各所の行動マニュアル等の実効性の検証、連絡体制・役割分担の再認識を図るのが目的で、本局や多摩水道改革推進本部、各事業所の職員など1,500名以上が参加した。

共同溝の配水管布設大詰め/横浜市水道局
 横浜市水道局が、横浜市磯子区新磯子町と新杉田町を結ぶ一般国道357号直下で建設を進めている新杉田共同溝(国土交通省関東地方整備局)内の配水管布設工事が大詰めを迎えている。今回の新杉田共同溝や今年度発注予定の新磯子幹線などの整備を進め、緊急時のバックアップ機能の強化を目的とした市内を一周する環状ネットワーク構想の完成を目指す。
作業が進む新杉田共同溝

取水と浄水の現場を学ぶ/国立保健医療科学院水道工学研修
 国立保健医療科学院は2日、水道工学研修の実地見学を実施した。26名の研修生は水資源機構の利根導水総合事業所で首都圏の水道事業を支える利根川の重要性を学び、東京都水道局の東村山浄水場では安全でおいしい水づくりのための高度浄水施設の建設現場を見学した。

平成21年度 簡水協会長表彰
 全国簡易水道協議会は平成21年度の会長表彰の受賞者を発表した。水道事業の普及発展や維持管理に尽力し、顕著な功績を残した個人・団体を称える表彰で、今年度は51人だった。表彰式は「第54回簡易水道整備促進全国大会」(11月19日、砂防会館)の中で行われる。

「環境浄化と材料」で2講演/大阪市大大学院オープン・ラボ
 大阪市立大学大学院工学研究科の第39回「オープン・ラボラトリー」がさきごろ、大阪市中央区の大阪産業創造館で開催された。重点研究分野の最新・基礎研究成果を出前研究室として発信しているもので、現在のメインテーマは『材料の“知的”機能とその応用』、今回のテーマは「環境浄化と材料」で2講演が行われ、関係者ら約90名が出席した。

東京都下水道局の東郷部長が講演/下水道機構技術サロン
 下水道新技術推進機構はこのほど、第275回技術サロンを同機構会議室で開き、東郷展・東京都下水道局技術開発担当部長が「東京都の技術開発」をテーマに講演した。

総合技術センターのHPを開設/水資源機構
 18日、水資源機構の総合技術センターのホームページが開設された。同機構の積み上げた様々な技術や知見が掲載されている。総合技術センターは、技術力の継承・向上や人材育成等を図るための組織で、国内外の水資源に関する課題等に対応している。
 アドレスは、http://www.water.go.jp/kanto/sougicenter/

気象情報活用法まとめる/管路管理協
 日本下水道管路管理業協会は、大雨に伴う急激な水位上昇により、下水道管渠などで作業員が流される事故が相次いで発生していることを受け、気象情報の入手方法について詳しく調べるとともに、予報業務許可者の情報提供サービスの提供内容や提供方法、カバーエリア、下水道管路管理に適したサービスなどについて費用なども含めてとりまとめた。

安全教育研修会を開く/日本SPR工法協会
 日本SPR工法協会(前田正博会長)は5日、東京・一ツ橋の日本教育会館で「安全教育研修会」を開き、危機の予防策や災害ゼロに向けた取り組みなどをテーマに講義を行なった。
 研修会の冒頭、前田会長は「昨年8月に東京・雑司ヶ谷で発生した局所的集中豪雨による流出事故で仲間の尊い命が奪われた事は誠に残念でならない。私は協会に来て3つの事を申し上げた。1つ目は原因分析をし出来ることをすぐ取り組んでほしい、2つ目は分析結果により原因を排除するよう取り組んでもらいたい、そして3つ目は情報公開。その後全国各支部には事故防止のマニュアルを策定して頂き、安全講習会も実施して頂いた。また、人間の手を借りずに作業を行えるよう技術開発して頂きたいと開発3社にお願いしていたが、現在では東京都の現場立会いも済み、実施出来るまでになっている。SPRの安全性については会長就任時の大きな課題であった。更にこれを徹底して頂くように本部主催の安全講習会を企画させて頂いた。今回の話のエッセンスをきちんと理解して頂き、事業に反映して頂きたい」と挨拶した。

塩ビ管類を値上げへ/クボタシーアイ/10月21日より平均12%以上
 クボタシーアイは5日、10月21日出荷分より、塩化ビニル管、ポリオレフィン管類の値上げを実施すると発表した。改定幅は、塩化ビニル管類が平均12%以上、ポリオレフィン管類が平均10%以上、継手類が平均6%以上、その他関連製品が平均6%以上となっている。
 同社では「樹脂メーカー各社は、ナフサ価格の上昇を理由として、6月に当社製品の主原料である塩ビ樹脂・ポリオレフィン樹脂価格の値上げを打ち出しました。当社は、管材製品を取り巻く厳しい市場環境を踏まえ、今回の値上げ要請に対し強く抵抗して参りましたが、ナフサ価格の騰勢がその後も収まる気配がないため、原料安定調達の観点から、やむなく8月受け入れ分からの値上げを受諾致しました」とし、「当社は、製品価格への転嫁を極力回避するため、生産・物流体制の合理化や人員対策の推進など、抜本的なコスト低減対策を進めて参りましたが、上昇コスト分すべての吸収は非常に困難な状況にあり、事業存続及び安定供給を維持するために製品値上げを決めた」とコメントしている。

授業動員数が過去最高に/管路総研
 水環境シンクタンクの管路管理総合研究所(東京・有楽町、長谷川健司理事)が実施している「授業ジャック(出前授業)」の09年度受講生数が9月末現在で2,800人を突破した。動員数は過去最高で推移している。
 同総研は一昨年4月から、下水道の重要性をエンドユーザーである住民にPRし、同時に住民が抱いている下水道に対するイメージや要望を聞き取ることを目的に「授業ジャック」を開始。小・中・高・大学生や教職員、PTA会員などを対象に、生活排水のパックテストやティッシュとトイレットペーパーの水への溶け方の比較実験、管内調査用TVカメラの操作などを行なっている。リピーターも多く、広島のある小学校では「水」をテーマに3ヶ年の理科学習プログラムを組んでおり、その中に授業ジャックが取り込まれた。総研担当者は「電気もガスも市民PRに積極的。我々も社会貢献と言う以上は本当に行動しないといけない」とコメントする。

AM手引きで講演会開く/水団連
 日本水道工業団体連合会は、東京・市ヶ谷の日本水道会館で「水道事業におけるアセットマネジメントに関する手引きの概要」と題して講演会を行なった。
 講師の厚生労働省健康局水道課の木下昌樹・課長補佐は「水道施設の更新と合わせて耐震化を図るためにも、アセットマネジメント(資産管理)の実践は必要不可欠。厚生労働省では、アセットマネジメントの重要性について各事業者が十分に理解した上で、全ての事業者においてアセットマネジメントの実践が推進されることを意図して手引きの策定に着手し、今年7月に公表しました」と、水道資産の現状やアセットマネジメントの基本事項を説明。

就任インタビュー/フジ地中情報社長 杉山清昭氏
 「これからのキーワードはオープン、スマート、リアルタイムです。技術、製品で他社との差別化がこれまでの至上命題でしたが、これからは持続可能な水道事業を実現していくために大きな流れを作れる会社にしていきたい」と意欲を示すのは、9月1日付でフジ地中情報社長に就任した杉山清昭氏だ。
 「一つの国だけで考えることができないような外的要因が大きくなっている時代にあって、これからは、これまでと違ったモノの見方をしないと解決策は出てこないと思います。今まではこれでよかったということが、これからはそれが正解ではないという時代になっていく。変化が急にくる時代です」と取り巻く環境の激変に対するスタンスも十分描いている。

平成21年度講習会開く/関水コン
 全国上下水道コンサルタント協会(関水コン)は29日、大阪市内の大阪府建築健保会館に会員ら約50人を集め『改正独占禁止法とコンプライアンス』をテーマに平成21年度講習会を開催した。

Uメットで新ラインナップ/谷沢製作所
 谷沢製作所は1日、今年3月に発売した「Uメット」(現場の状況をリアルタイムに事務所や本部の管理者と共有できる通信機能付ヘルメット)に、FOMA回線を使いUメットと管理者側のパソコンを簡単に接続できる新開発の専用システムをパッケージ化した新製品「Uメットかんたんセット」を発売した。

公開講演会受講者募集/設備協
 東京下水道設備協会は16日、新宿区の新宿ファーストウエストで公開講演会を開く。講師は田中威夫・日本下水道光ファイバー技術協会技術部長。マレーシアの下水処理場新設における技術指導の経験を基に「海外水事情~マレーシアレポート」と題して講演する。受講料は無料。問い合わせは協会(TEL03-3346-3055)まで。

11月セミナーで募集/光F協会
 日本下水道光ファイバー協会は11月13日9時30分から16時30分まで、東京・大手町の日本ビル3階第一会議室で平成21年度下水道光ファイバー技術講習会を開く。国土交通省の下水道担当者が「下水道光ファイバーを取り巻く最近の下水道事業の動向(仮)」と題して講演するほか、センシング技術やその活用事例、設計・施工・維持管理の技術マニュアルなどを紹介する。参加費は会員企業社員・自治体関係者3,000円、一般6,000円。申込み問い合せは事務局TEL(03-6802-6011)まで。

12月に台湾で商談会/財団法人交流協会
 財団法人交流協会は12月9日に台北国際会議センターで水処理をテーマに開催される「日台環境技術商談会」への参加企業の募集を始めた。
 同商談会は、台湾で水処理などのエンジニアリング事業を行っている主要企業が加盟する台湾環境保護同業公会の要望を踏まえて開催するもの。参加企業は技術・投資説明会(プレゼンテーション)で1時間程度の持ち時間(通訳含む)で自社案件の説明を行えるほか、事前申し込みのあった台湾企業との個別商談を行なう。また翌10日には、台湾政府機関の担当者と今後の上下水道や汚水処理施設整備計画について情報交換する予定。