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2009年(平成21年) 12月  3日(第4534号)





下水道膜処理技術会議 ガイドライン第2版策定へ/国交省
 国土交通省は「日本版次世代MBR技術展開プロジェクト」(A―JUMP)を加速させるため、平成20年6月に同省が設置した下水道膜処理技術会議の機能を強化した。A―JUMPを推進する体制の一部とし、同省が名古屋市と愛知県で進めているMBR(膜分離活性汚泥法)実証事業や新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)が行っている「省水型・環境調和型水循環プロジェクト」などで得られた知見をまとめさせ、その成果を「下水道への膜処理技術導入のためのガイドライン[第2版]」に反映させる。省庁の垣根を超え、下水道の膜処理技術の発展を目指すこの取組に、関係者は熱い視線を送っている。

来年4月改正 カドミ基準強化へ着々/厚労省
 厚生労働省水道課はカドミウムの水質基準を来年4月に省令改正して現行の0.01mg/Lから0.003mg/Lに強化する準備を進めているが、水栓その他末端の給水用具の浸出性能基準については改定基準値0.0003mg/L(現行0.001mg/L)の適用を2年間猶予する方針を固めた。1日に開いた第2回水質基準逐次改正検討会(委員長=眞柄泰基・学校法人トキワ松学園理事長)での議論を踏まえてのもの。
 この日の会議資料によると、同課が10月17日から1カ月間行った省令改正案に対する意見募集では、カドミの新基準に関する意見が18件寄せられ、すべて給水栓の浸出性能基準に関するものだった。代表的なものでは「現在販売している給水栓には新基準を満たせない製品がある」や、給水栓の原料に使用される銅合金にはリサイクル品が使用されていることから「伸銅業界や鋳物業界からカドミ含有率の低い原料供給の要請があっても炉前保証原料としての供給は不可能」との意見もあった。オブザーバーとして検討会に出席した日本バルブ工業会の調査では、調べた821製品のうち52製品が新基準を満たしていなかった。

水道BCPマニュアル公表/国交省
 国土交通省は11月26日、大規模地震発生時でも必要な下水道機能を確保するため、事前にBCP(業務継続計画)を策定する地方自治体を支援するツールとして「下水道BCP策定マニュアル(地震編)~第1版~」を公表した。リソースの制約を考慮した下水道BCPの策定により、従来よりも速やかにかつ高いレベルで下水道機能を維持・回復できるとしており、策定を契機に、自治体全体でBCP策定の取組が推進されることも期待している。
 マニュアルでは、基本的事項として、策定体制や地震規模等、被害想定、対象範囲、対象業務を定義。また、優先実施業務を選定した上で同業務の「対応の目標時間」を決定すること、その際の留意点を示した。対応の目標時間の決定では、社会的影響度合い等を勘案し、優先実施業務を完了させるべき時間である許容中断時間と、業務を実施するために必要なリソースの制約状況を踏まえ、現状で業務を完了できる時間を把握することを求めた。

下水道機構技術セミナー/滝沢東大教授らが講演
 下水道新技術推進機構は11月13日、第49回下水道新技術セミナーを東京都港区の発明会館で開いた。「下水道の国際協力とビジネス展開」をテーマにしたセミナーでは、滝沢智・東京大学大学院教授の講演などが行われた。
 滝沢教授は「途上国における水・衛生問題と海外ビジネス」と題して講演。開発途上国では衛生・排水施設への高いニーズがあり、大きな市場に成長する可能性があるが、日本にとってのビジネス環境の整備が遅れており、官がやるべきことが多くあると指摘した。

英語版冊子で日本の下水道を紹介/下水道機構
 下水道新技術推進機構は、下水道グローバルセンター(GCUS)の活動の一環として、日本の下水道事業やGCUSの概要、同機構が中心となっている「GCUS・下水道海外ビジネス展開共同研究」のメンバー19者の事業内容などを紹介した英語版の冊子(写真)を発行した。今後、国内外の国際会議や来日する研修生、JICAの現地駐在員などに配布する。

ISO/TC224の状況報告/日水協
 日本水道協会は11月26日、第4回ISO/TC224上水道国内対策委員会(委員長=長岡裕・東京都市大学教授)を開いた。国際規格化に向けたガイドライン案作成を進めているワーキンググループ(WG)6(アセットマネジメント)、WG7(危機管理)とWG5(規格の普及)での検討状況が報告され、今後の対応を確認した。長岡委員長は挨拶で「日本の事業体の意見を反映するために、この委員会の役割は重要」と話した。

貯水槽の改善指導効果など16編/給衛協が簡専水研発
 一般社団法人全国給水衛生検査協会(奥村明雄会長)は11月26~27日の2日間、東京・蒲田の大田区産業プラザPiOで「簡易専用水道全国技術研究発表会」を行った=写真。正会員の34条機関に、自治体などからの出席も含め75人が参加した。貯水槽水道の改善指導の効果をまとめた発表や、夏に近畿地方で発生した水害での水道被害に関する調査、貯水槽の漏水判定を検討したものなど、16編の研究成果が披露された。

下水汚泥から再生可能エネルギー創出についての共同研究/横浜市電源開発
 横浜市と電源開発(株)が温暖化対策として開始した、下水汚泥から再生可能エネルギーの創出についての共同研究が完了し、下水汚泥をバイオ燃料の資源として活用すること(下水汚泥燃料化)による「温室効果ガス排出量の削減効果」などの成果を得ることができたと発表した。下水汚泥燃料化と石炭代替燃料の活用で年間約13,800トンのCO2削減が可能となるとした。同市はこの研究成果について、今後の事業化へ向けた検討の一つのモデルとして活用していくとしている。
事業化へ向けた
検討モデルとして活用

配水池撤去に最新工法を採用/東京都水道局小右衛門給水所
 東京都水道局は東部地域に安定した給水を行うため、平成13年7月から老朽化した小右衛門給水所の更新工事を進めてきたが、このほど更新工事が終了したことから、11月24日に完成式を開催した。
ポンプを視察する
尾﨑局長ら

創立40周年でフォーラム開催/神奈川県内広域水道企業団
 神奈川県内広域水道企業団は11月25日、横浜市のはまぎんホールで創設40周年記念フォーラム「かながわの水を考える」を開催し、関係者や市民が300名以上が集まった。フォーラムでは、黒川雅夫・神奈川県政策部長が「神奈川の水源を守る」と題して基調講演を行ったほか、橋本淳司・東京学芸大学客員准教授、見城美枝子・青森大学教授、金子明・神奈川県内広域水道企業団企業団水道技術管理者をパネリストにパネルディスカッションを行った。

岩手紫波地区水道事業協議会フォーラム
 岩手紫波地区水道事業協議会(会長=藤川浩・岩手県矢巾町上下水道課長)は11月18日、水道フォーラムを矢巾町公民館で開催し、岩手県内外の水道事業体や民間企業から100人以上が参加した。水道使用者の視点を盛り込んだ今回のフォーラムでは、長岡裕・東京都市大学工学部教授による基調講演やパネルディスカッションが行われ、会場を巻き込んで活発な意見交換が展開された。

ボトルをアルミにリニューアル/さいたま市水道局
 さいたま市水道局が備蓄水・PR用として販売してきた「さいたまの水」がペットボトルからアルミボトル缶にリニューアルされた。
 同局では、平成18年からペットボトルを販売してきたが、昨今の環境意識の高まりから、リサイクル性に優れるアルミボトルとした。またペットボトルより酸素透過性、遮光性に優れ、賞味期限もこれまでの2年から5年に伸びた。

次亜の管理で一工夫/日水協関東地方支部
 日本水道協会関東地方支部は11月25日、都内で水質研究発表会を開いた。関東の事業体から229名の水質担当者が参加し、日頃の研究成果が発表され、今後の水質業務を進める上で大いに参考になったようだった。

水道週間コンクール表彰式/東京都水道局
 東京都水道局はさきごろ、東京・千代田区の有楽町朝日ホールで第51回水道週間作品コンクールの表彰式を行った。小中学生を対象に「わたしと水道」をテーマとしたポスターと作文部門の募集も行った。その結果、両部門を合わせて2,916点の応募があり、そのうち、最優秀賞2を受賞した20人(各10人ずつ)に対して尾﨑勝・水道局長から表彰状が渡された。また、タレントの松本伊代さんから副賞が手渡された。

富山市へ挑戦状 名水他流試合/名古屋市上下水道局
 名古屋市上下水道局は『名水他流試合第二番勝負』の挑戦状を富山市へ手渡した。『名水他流試合』とは、河村たかし・名古屋市長と「名水御意見番」がきき水をし、投票によりおいしい水を決めるもので、第一番勝負は名古屋市、東京都、大阪市の水で9月に実施しており、名古屋市が一番となっている。第二番勝負は来年1月頃実施予定。

中国水ビジネス参入めざし/日中ビジネス・フォーラム
 ビジネス交流イベント「日中ビジネス・フォーラムin関西2009」(主催=同フォーラム開催委員会)が1日、大阪市中央区のホテルニューオータニ大阪で開催された。関係者ら約250名が出席する中、「日中環境・省エネビジネスの戦略的互恵関係構築に向けて」をテーマに、シンポジウムや中国企業約20社との個別商談などが行われた。このうち、セッション2「関西の対中国水環境ビジネス創造戦略」では、水問題の現状・課題や改善への貢献策などについて討論された。

日本水道協会正会員に/明和工業
 明和工業は11月20日付で日本水道協会の正会員になった。また、今月1日に新潟東港臨海水道の給水を開始し、国内初の「完全民営水道」をスタートさせた。
 同事業は従来、新潟県、新潟市、聖籠町の3者が出資する新潟東港臨海水道企業団を事業主体として新潟東港工業地帯に水道水を供給していたが、給水量の低迷などで赤字が続き自力での経営改善が困難となったため、民営化により事業再建を図ることになった。
 明和工業は公募型プロポーザル方式での入札の結果、2,000万円で事業を譲受。事業計画では、水道料金の値下げと並行して需要拡大を図り、給水量を拡大することで経営を安定化させるという方針を打ち出している。

下水管のLCC向上へ/ビックリート製品協会・定時総会
 下水道管路防食技術の普及活動を行っているビックリート製品協会は18日、東京都千代田区の帝国ホテルで第14期定時総会を開き、同期事業・決算報告と第15期事業計画・予算案を承認した。

水コン協関東支部/若手社員研修会で熱い議論
 全国上下水道コンサルタント協会関東支部は20日、東京・西日暮里の協会会議室で平成21年度若手社員研修会を開いた。同支部が例年開催しているもので、昨年は会員企業の新入社員が対象だったが、今回は入社10年目までのある程度経験を積んだ社員が対象。参加者は水コンサルタント業界の現状ついて講義を受けるとともに、「コミュニケーション力の養成」をテーマにグループディスカッションに取り組んだ。

膜分離技術セミナーが盛況/膜分離技術振興協会
 膜分離技術振興協会は19日、東京・人形町の日本橋社会教育会館で第15回膜分離技術セミナーを開いた。
 膜分離技術は水道分野、下排水分野ともに急速な普及拡大傾向を見せており、同協会は毎年、膜分離技術に携わる現場技術者などを対象にセミナーを開き、膜の種類ごとの構造、性質、水処理への適用の仕方や実例などを解説している。今回も上下水道事業体職員をはじめ多くの参加者が熱心に聴講し、膜分離技術への関心の高まりがうかがわれた。

幅広い分野で適用拡大/日本オゾン協会技術講演会
 日本オゾン協会は25日、26日の2日間、東京・船堀のタワーホール船堀で「オゾン技術に関する講演会・見学会(後援=日本水道協会、日本工業用水協会、造水促進センター)」を開いた。オゾン技術に関する研究成果・適用事例を紹介したほか、2日目午後には千葉県水道局・柏井浄水場オゾン高度処理施設の見学会を行った。水道、下水道をはじめとする水処理分野で幅広く利用されているオゾン技術だが、その有効性を改めて示す最新の知見に、参加者からは高い関心が寄せられた。また「オゾン発生装置規格認定登録」に必要な「オゾンの安全講習」も併催した。

日水協関西支部と連携強化/関西WC例会
 関西ウォータークラブ(WC)の秋の例会が24日、日本水道協会関西地方支部管理者講習会と共催で開かれた。両団体による合同開催は今回で2回目となり、会場のヴィアーレ大阪に会員ら約120人が集まるなか、惣宇利紀夫・大阪市立大学大学院経済学研究科特任教授が『水道事業を考える』と題し講演した。

INCHEM TOKYO2009/上下水関連企業も多数出展
 民需プラント部門で国内最大級の展示会である「プラントショー」と「先端材料展」で構成される「INCHEM TOKYO2009」が、18日から20日の3日間、東京ビッグサイトで開かれた。関連企画を合わせ、のべ67,000人が来場。上下水道界で活躍する企業も多数出展し、自社の最新技術を披露した。また各社のブースでは、CO2削減に配慮した照明を採用するなど、独自の工夫も目立った。
先進的な温暖化対策技術を展示

新技術・製品が続々登場/さく井協会
 全国さく井協会技術委員会と同協会中央支部主催の研修会が26日、東京・八丁堀の東京建設会館で開かれた。
 同協会では春と秋に研修会を開催しており、好評を博している。今回のテーマは「さく井機械に応用されている新技術とその効果」とした。

第8回講演会開催迫る/浄水技術研究会
 浄水技術研究会は12月7日、東京都千代田区の自動車会館で第8回浄水技術講演会「“甦れ水道”~持続可能な水道サービスの実現に向けて~」を開く。講師は、東幸毅・厚労省水道課水道計画指導室長、吉岡律司・矢巾町上下水道課主任主事(岩手県立大学公共政策研究所客員研究員)、宇都正哲・野村総合研究所上級コンサルタント(工学博士)、眞柄泰基・北海道大学環境ナノバイオ工学研究センター客員教授の4氏。参加費は5,000円で、事業体職員は1事業体1名まで無料。問い合わせは同研究会事務局(TEL080-1087-0777)まで。

農業土木を追加登録/日水コン
 日水コンは11月2日付で、建設コンサルタント登録のうち農業土木部門を追加登録した。これにより、農業水利施設を中心とした河川関連分野における業務領域拡大を図る。