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2010年(平成22年)  1月 25日(第4546号)






アジアの水問題解決!横浜から世界へ/上水道事業幹部フォーラム
 アジアの水問題解決へ横浜から発信―。アジア各国の水道関係者が水供給の課題解決に向け議論する「アジア地域上水道事業幹部フォーラム」が20~22日、横浜シンポジア国際会議場(横浜市)で開催された。日本を含め10カ国から水道行政責任者や事業体トップらが出席。議論は水道政策にはじまり、事業経営、無収水対策や人材育成など広範にわたった。3日間の成果として、課題を共有したことや各国の連携を強化することなどを盛り込んだ「横浜声明」をまとめた。アジア地域のみならず、世界に発信していく。

2月17日に議連設立へ/水循環基本法
 「水循環基本法」の制定に向けた取り組みが活発化している。19日には水制度改革議員連盟(仮称)の設立発起人会(代表=中川秀直・衆議院議員)が開かれ、今月中に議連への参加を呼びかけ書面を全国会議員に配布し、2月17日に設立総会を開催する予定が決定した。また、同日開かれた水制度改革国民会議(理事長=松井三郎・京都大学名誉教授)の理事会では、同会議内に水制度改革に向けた国民運動推進委員会を設置し、議連の支援を含めた活動を展開していくことなどを決めた。

産業界で提言とりまとめ/施設協
 日本下水道施設業協会(会長=幡掛大輔・クボタ会長)は、昨年実施された事業仕分けなどを踏まえ、下水道に対する一般市民や有識者の理解が十分でないと判断。会員企業から下水道に関する意見を集約し「下水道の必要性についての提言」をとりまとめた。
 同提言では、下水道を「国民生活の安全と安心を実現する上で最も重要な施設」と位置付け、公衆衛生や水質保全など下水道の果たしてきた役割やリン回収など新たな可能性を紹介。整備状況については「自治体の枠をこえた広域的な観点から対応が求められる場合も多々ある」とし、国による支援の必要性を訴える。また、農業集落排水や合併浄化槽と下水道との関係については「それぞれの特徴をふまえて各市町村が主体的に汚水処理構想を策定し計画的に整備を進めていくもの」と説明する。

耐震管更新量を倍増/東京都水道局
 東京都水道局は、平成22年度から24年度までの3年間で取り組む施策の事業計画と財政計画をまとめた「東京水道経営プラン2010」を策定し、22日に公表した。震災対策を強化するため、耐震継手管への取替計画を大幅に前倒し、事業量を増加させ、平成20年度末には24%であった耐震継手率を平成31年度までに48%と倍増させる考えだ。また民有林の購入、低炭素型モデル浄水場の整備、新たな国際貢献スキームの構築などを実施していく。(

下水道研発の申し込み受け付け
 日本下水道協会は名古屋市の名古屋市国際展示場(ポートメッセなごや)で7月27日から29日の3日間開催する第47回下水道研究発表会での論文・ポスター発表の申し込みを受け付けている。期限は2月26日まで。発表者の資格は▽同協会会員▽関係官庁・同付属研究機関および大学の関係者▽大学等の特別会員である教授等の教室に所属する学生―となっている。詳細は同発表会のホームページ参照。

下水道アドバイザー新規登録者を募集
 下水道業務管理センターでは、下水道事業の経験者が下水道事業の普及啓発、計画・建設、経営、維持管理などに関してアドバイスを行う「下水道アドバイザー制度」の平成22年度新規登録者を募集している。
 応募資格は「国交省・下水道事業団、地方公共団体等で下水道事業を豊富に経験し退職された方」で、原則として50歳から70歳までの健康な人。委嘱機関は今年4月から3年間。応募締め切りは2月1日となっている。
 下水道アドバイザーは現在、32人が登録され活躍している。

日本学術学会など4団体が緊急提言/科学的視点求める
 日本学術会議土木工学・建設学委員会(濱田政則委員長)と土木学会(近藤徹会長)、地盤工学会(浅岡顕会長)、日本コンクリート工学協会(阪田憲次会長)の4団体は19日、政府・関係機関に対し科学的根拠と合意形成に基づいた社会基盤整備の推進などを求める緊急提言を行った。

管路耐震化は前倒しで実施/東京都水道局
 「東京水道経営プラン2010」では、将来を見据え、持続可能な事業経営を行うため▽安全でおいしい水の安定的な供給▽広域的な事業運営▽お客さまサービスと広報広聴の展開▽次世代を見据えた施策の推進▽経営基盤の強化―を柱に事業を展開する。同プランの特徴の1つには、震災対策の強化が挙げられる。同プラン計画期間内の送配水管の耐震強化事業は、整備延長799km、事業費1187億6800万円と水道経営プラン2007と比較すると倍増している。また、監理団体を活用して新たな国際貢献スキームの構築を図るなど新たな事業にも積極的に乗り出す。

浄水場一体管理で年24億円削減/埼玉県水道広域化検討委
 埼玉県の水道広域化を専門的な見地から評価・検討する「埼玉県水道広域化検討委員会」(委員長=滝沢智・東京大学大学院教授)は15日、第3回会合を開いた。今回は広域化を進める上での段階的な目標設定と広域化方策、広域化方策の効果の検証、広域化方策を実施した場合の財政シミュレーションについて検討を行った。
 段階的な目標設定について事務局(埼玉県生活衛生課)は、水道事業体同士の事業統合を進めていく水平統合ブロックや、水平統合を行いさらに県営水道と経営統合する垂直統合ブロック、広域化を先導するブロックに分け、県営水道と県水道行政ごとに短期(5年)、中期(10年)、長期(20年)の目標を説明。

SCOPE工法で管路を洗浄/壱岐市水道課
 長崎県壱岐市水道課はこのほど、全路線にわたってスケールなどが付着しているうえ、新施設稼働による水流の変化によって濁水による苦情が数多く寄せられていた送水管路を日本水機調査(本社:神戸市)が開発したSCOPE工法で洗浄した。この工法は、開発一年目であるが、既に十一カ所の実績を持つ。施工後は濁水が解消し苦情がなくなるなど良好な結果が得られている。なお、今回の施工は中里建設。

伊勢原浄水場に太陽光発電/神奈川県内広域水道(企)22年度予算案
 神奈川県内広域水道企業団は20日、平成22年度予算案を公表した。収益的支出は437億6800万円(対前年度比4.1%減)、資本的支出は224億3400万円(同9.9%減)となった。来年度は「安全」「防災」「環境」を柱とした事業運営を行うとともに財政計画の最終年度に当たることから、次期計画に向け、財務体質の強化を図るとしている。

東京都平成22年度予算案/主要施設整備費80億増…水道局
 東京都は22日、平成22年度予算案を公表した。
 水道局は、建設改良費を1040億円(対前年度比62億9500万円増)を計上し、主要施設整備事業の総額も980億円(同80億円増)とした。来年度から始まる3ヵ年の経営プランの初年度にあたる。
 同局は、平成22年度に取り組む施策として、高度浄水施設の着実な整備や水道施設の耐震化を続けていくとともに公立小学校水飲栓直結給水化モデル事業の中学校への拡大を行っていくとしている。
 80億増となった主要施設整備事業の内訳は1.送配水施設整備事業590億円(対前年度比50億円増)2.水源及び浄水施設整備事業320億円(同20億円増)3.給水設備整備事業70億円(同10億円増)となっている。

施設の再構築着実に…下水道局
 下水道局は、区部下水道の下水道建設改良費として1570億円(増減なし)を計上。また流域下水道では、流域下水道建設費を129億円(増減なし)、流域下水道改良費を17億円(増減なし)とした。
 同局では、施設の再構築、局所的な集中豪雨への対応、公共用水域の水質改善、地球温暖化防止などを進めていくとしている。区部の予算見積額を重点事業別にみると1.老朽化施設の再構築680億9200万円 2.浸水対策の推進190億7200万円 3.震災対策の推進48億5400万円 4.合流式下水道の改善150億800万円 5.高度処理の推進40億2100万円 6.地球温暖化の防止・エネルギーの有効活用55億4800万円 7.資源・空間の有効利用6億1100万円 8.ソフトプランの推進10億3600万円 9.汚泥処理の効率化6億5800万円―。

マンホールの最新動向解説/下水協愛知県支部・技術講習会
 日本下水道協会愛知県支部の技術講習会が15日、一宮市の一宮スポーツ文化センターで開かれた。同講習会は、県内下水道事業体の技術系職員を対象に、最新技術や事業動向などをテーマに毎年開催されており、マンホールを対象としたのは今回が初めて。会場には会員ら約70人が集まるなか、後藤正信・下水協技術部規格・検査課長をはじめ、組立式マンホール団体協議会、日本グラウンドマンホール工業会の担当者が下水協規格の概要や対応状況、製品の特徴などについて説明した。

理事に大陽日酸エンジの河野氏/水資源機構
 水資源機構は理事の公募を行い、16日付けで理事(経営企画・環境・技術管理・総合技術センター担当)に大陽日酸エンジニアリング(株)堺浜事業所統括所長スタッフの河野克明氏を任命した。

トップインタビュー/新体制で変革の時代に挑む/日水コン・野村喜一社長に聞く
 昨年12月15日付で日水コン社長に就任した野村喜一氏は、早速社内組織の改革に乗り出すなど、就任早々から意欲的に社業に取り組んでいる。本紙新社長インタビューでは、就任の抱負をはじめ、上下水道事業と水関連コンサルタントに対する見解、今後の経営方針を中心にお話を伺った。

帝国ヒュームの事業継承/中川ヒューム興建産業
 中川ヒューム管工業(中川喜久治社長)と興建産業(永吉哲郎社長)はこのほど、帝国ヒューム管東日本(株)のマンホール・振動製品の製造・販売事業を継承して、神奈川県相模原市において、両社が協力して製造し、中川ヒューム管工業東京営業所が販売を開始することを明らかにした。稼動は4月1日からの予定。
 神奈川県下のマンホール・振動製品市場では帝国ヒューム管東日本がシェアを拡げていたが、中川ヒューム管工業と興建産業が引き継ぎ、シェアを維持していく。販売計画は現在策定中。興建産業の神奈川工場で出荷体制を整えて営業活動に入るとしている。

50年機に新たなスタート/水道バルブ工業会・賀詞
 水道バルブ工業会の平成22年度賀詞交歓会は14日、彦根市の彦根キャッスルホテルに会員など約50名を集めて開催され、取り巻く状況は厳しいが、設立50年を機に培った技術力、ノウハウで世界の水インフラ整備に貢献することなどを確認した。

会の隆盛を考える一年に/九州WC賀詞交歓会
 九州ウォータークラブは8日、新春賀詞交歓会を福岡市中央区のJALリゾートシーホークホテル福岡で会員ら約100人が出席するなか開催した。

世界の海淡で最新情報/2月にフォーラム共催/JDA膜協会
 日本脱塩協会(JDA)と膜分離技術振興協会は2月1日(月)、「2009年度JDAフォーラム」を東京都千代田区の都市センターホテルで共催する(後援=日本水道協会、日本水環境学会、水道技術研究センター、水道産業新聞社など)。
 今回のテーマは「世界の海水淡水化ROプラント事業に関する最新情報と将来技術展望」。アジア・オセアニアなど国内外の事例紹介を中心とした講演とパネルディスカッション「中東・アジアおよび豪州の水資源の現状と将来展望」(参加者=講演メンバーと栗原優・JDA会長《東レ》)を行う。参加費は会員員3万円、非会員4万円。詳細は同協会HP(http://www.k4.dion.ne.jp/~jda‐hp21/)まで。