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2010年(平成22年) 3月 29日(第4561号)
PSIの規格制定へ/日水協、衛生常設委で了承
クリプト、遺伝子で検出/厚労省が検討
「膜ガイド」コスト面を重視/国交省
民主党が〝水議連〟設立へ/「水基本法」シンポ開催
新技術発表会でNEDOなど講演/下水道機構
未普及解消技術3件を評価/国交省
日水協、施設管理技師2・1級の合格者を発表
小規模水源の紫外線施設が竣工/箱根地区のクリプト対策が完了/神奈川県企業庁
ビジョン実現へ施策推進/阪神水道企業団22年度予算
水道事業管理者に小山氏/札幌市
水道事業管理者に高橋氏/仙台市
初代上下水道局長に齋藤氏/川崎市
首都圏事業体の広域的な広報施策
水とエネルギーの融合/科学技術振興機構
中国でポンプ新会社設立/クボタ
ガス化溶融炉を竣工/神鋼環境ソリューション
PSIの規格制定へ/日水協、衛生常設委で了承
水道用ポリシリカ鉄(PSI)の日本水道協会規格が制定される。浄水場で使用される凝集剤として、原料や品質、試験方法などを規定するもの。19日に開かれた第226回衛生常設調査委員会で規格案が了承されており、試験方法の細かい修正を加え4月1日付で「JWWA K 159:2010」として発効される予定だ。日水協によれば、現在10カ所程度の水道事業体で採用実績がある。規格制定を機に、PSI導入が増えることが予想される。
クリプト、遺伝子で検出/厚労省が検討
厚生労働省水道課はクリプトスポリジウムの検出方法に「遺伝子検出法」を導入できないか検討をはじめた。医療や食品、環境の分野で既に実用化されている方法を水道にも適用しようというもの。実用化されれば、技術に熟練を要するこれまでの顕微鏡観察による方法に加えて、検出方法の選択肢が増えることになる。
23日に開かれた「水道における微生物問題検討会」で遺伝子検出法の概要や検討の必要性について明らかにされた。併せて、クリプト検査法に関し、上水濃縮試料保存法として「粉体ろ過濃縮法」が示された。酸溶解性の粉体(ハイドロキシアパタイト)を用いたケーキろ過により、濃縮時間を短縮できるという。
「膜ガイド」コスト面を重視/国交省
国土交通省下水道部は「下水道への膜処理技術導入のためのガイドライン」第2版の取りまとめへ作業を進めている。今年度行った実証事業“A―JUMP”をはじめ国内外の最新知見を盛り込む。MBR導入のコスト面も意識して記載する方針だ。17日に開いた膜処理技術会議(委員長=山本和夫・東京大学環境安全研究センター教授)の今年度第2回会合で各ワーキンググループが作業状況などを報告した。
民主党が〝水議連〟設立へ/「水基本法」シンポ開催
自治労、全水道、PSI―JC主催による「水基本法(仮称)を求める3・26シンポジウム」が26日、東京都千代田区の憲政記念館で開かれ、与党の国会議員も含め280人が参加した。パネルディスカッションには、武内則男・民主党参議院議員が登場し、民主党内で水に関する議員連盟設立の準備を進めていることを明らかにし、水基本法についても議連の中で検討していく考えを示した。
新技術発表会でNEDOなど講演/下水道機構
下水道新技術推進機構は12日、第15回下水道新技術研究発表会を都内で開き、2題の特別講演と研究第一部、研究第二部、資源循環部の取り組みについての報告が行われた。特別講演では、植松龍二・国交省下水道部町村下水道対策官と、岡部忠久・独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)環境技術開発部長が登壇。植松対策官は平成22年度下水道事業予算や社会資本整備総合交付金の概要を説明し、同交付金における継続事業の取扱については、新年度当初から交付金を受けられるように措置を講じているとした。一方、岡部部長はNEDOの水分野における研究開発の展望と題して講演。NEDOが進めている省水型・環境調和型水循環プロジェクトの現状や、上下水道施設への新エネルギー導入事例を紹介した。
未普及解消技術3件を評価/国交省
国土交通省下水道部は3日、平成21年度第2回下水道クイックプロジェクト推進委員会(委員長=楠田哲也・北九州市立大学教授)を下水道新技術推進機構会議室で開き、実施中の社会実験技術5件について審議・評価を行った。
5件のうち▽改良型伏越しの連続的採用▽道路線形に合わせた施工▽発生土基礎の管きょ施工への利用―については、その有効性を認め、技術評価書をとりまとめるとともに、全国各地で活用できるように技術利用ガイドを作成することになった。また、クイック配管(管きょの露出配管)は、実験を続け平成22年度に評価するとし、地域提案による汚水処理最適化は、これまでの成果を報告としてとりまとめた。
日水協、施設管理技師2・1級の合格者を発表
日本水道協会は平成21年度水道施設管理技師2・1級試験の合格者を発表した。種類別の合格者数は▽浄水2級=145人(合格率39.4%)▽浄水1級=21人(35.6%)▽管路2級=58人(38.7%)▽管路1級=8人(28.6%)―。また、技術士に対する特例により浄水2級1人、同1級9人、管路1級2人が資格登録者となった。
小規模水源の紫外線施設が竣工/箱根地区のクリプト対策が完了/神奈川県企業庁
神奈川県企業庁が、クリプトスポリジウム対策として整備を進めていた箱根地区小規模水源の1つである水土野水源(湧水)の紫外線処理設備が完成し、25日に竣工式を行った。同庁は、平成13年に改正された「水道におけるクリプトスポリジウム暫定対策指針」を受けて、箱根地区小水源浄水処理改善事業として2水源に膜ろ過設備を導入したが、今回の紫外線設備導入により箱根地区のクリプト対策は全て完了したことになる。計画処理量は日量1万2800立方mと関東地方では最大級で、紫外線処理設備は理水化学が施工した。
ビジョン実現へ施策推進/阪神水道企業団22年度予算
阪神水道企業団の平成22年度予算は資本的支出111億1600万円、建設改良費19億4600万円を計上。第5期拡張事業が21年度でほぼ完了し、今後は『水道用水供給ビジョン』(20年12月策定)の目標実現へ主要施策を推進する。
水道事業管理者に小山氏/札幌市
31日付で退任する横山直満・札幌市水道事業管理者の後任に1日付けで小山高史氏が就任する。
小山氏は、昭和49年札幌市採用後、南区市民部真駒内連絡所長、水道局総務部財務企画課長、総務局職員部共済担当部長、経済局中央卸売市場長、手稲区長、病院局経営管理室長などを歴任。小樽商科大学商学部卒。昭和26年4月生まれの58歳。
水道事業管理者に高橋氏/仙台市
仙台市水道事業管理者に4月1日付で高橋亨・財務局長が就任する。高橋氏は、昭和51年3月早稲田大学政経学部政治学科を卒業後、昭和52年4月に仙台市に採用。その後、環境局参事兼総務課長、総務局総務部長、建設局次長、環境局次長、環境局長などを歴任した。昭和28年8月生まれの56歳。
なお、五十嵐悦朗水道事業管理者は退職する。
初代上下水道局長に齋藤氏/川崎市
川崎市は22年度から水道局と下水道部門を統合し、上下水道局とするが、初代上下水道局長に齋藤力良・建設局長が就任する。齋藤氏は、昭和53年川崎市入庁後、総務局理事・秘書部長兼総合企画局理事(施策推進担当)、建設局長などを歴任している。中央大学理工学部土木工学科卒。昭和26年9月生まれの58歳。
首都圏事業体の広域的な広報施策
首都圏の大規模水道事業体(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、さいたま市、横浜市、川崎市)は、より効果的で効率的な広報活動を展開するため、平成22年度から連携して電車等でのポスター掲示などの広報活動を行う方向だ。首都圏では、通勤・通学など生活行動範囲が広範囲であり、これまでの給水区域に限定した事業体ごとの広報活動では、費用面、効果的にも限界がある。複数の事業体が連携した広報活動は、ソフト面での広域化であり、事業体単独で行うより、大きな効果を期待できる。そこで、本紙では、各事業体の広報担当者に広報活動のコンセプトや施策、首都圏事業体が連携した広報活動の意義と期待について取材した。
水とエネルギーの融合/科学技術振興機構
科学技術振興機構(略称=JST、北澤宏一理事長)は、戦略的創造研究推進事業(「CREST」および「さきがけ」)の、既存研究領域を対象とした平成22年度の研究提案募集(第1期)を開始した。水に関連する研究領域では、「持続可能な水利用を実現する革新的な技術とシステム」(研究総括=大垣眞一郎・国立環境研究所理事長、副研究総括=依田幹雄・日立製作所情報制御システム社技術主管)が提案を求める。
中国でポンプ新会社設立/クボタ
クボタは、中国・安徽省巣湖市のポンプメーカー「
(以下、三聯ポンプ、何祥炎董事長)と合弁でポンプ製造・販売会社を設立することで契約を締結した。
新会社名は「安徽久保田三聯ポンプ有限公司」。資本金は約6億円(4600万元、1元=13円換算)で、クボタが70%、三聯ポンプが30%出資する。中国、東南アジア諸国向けの上下水道用ポンプや一般産業用ポンプの製造・販売を行う。今年4月の新会社設立後早々に、三聯ポンプの設備を借用しながら生産を開始する。その後、三聯ポンプの隣接地に新工場を建設、順次生産能力を拡大していき、2014年に30億円の売上を目指す。
ガス化溶融炉を竣工/神鋼環境ソリューション
神鋼環境ソリューションが2006年度からの4ヵ年継続事業として建設していた相模原市「南清掃工場」の工事を3月15日に終了、引渡しを完了した。同施設は、流動床式ガス化溶融炉を採用した一般廃棄物処理施設。施設能力は525t/日(175t/日×3基)で、一般廃棄物処理施設向けの流動床式ガス化溶融炉としては国内最大規模。
同社は2000年に日本初となる商用1号機を稼働させて以来、全国に多くの同機種施設を建設し、同機種のトップメーカーとして国内10件・海外1件(技術供与)の実績を有している。