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2010年(平成22年) 4月 19日(第4566号)
狙うは事業の運営管理/経産省水ビジネス研究会報告書(案)
小規模水道の「持続」へ議論/22年度ブロック会議が開幕/簡水協
2機関を「GIP」初認定/給衛協
下水道の国際拠点を設置/国交省・成長戦略の重点項目
西日本地区の拠点施設に/日水協大阪会館が竣工
太陽追尾で発電量向上/新型太陽光発電設備が稼働/東京都下水道局
10年後を見据えたビジョン策定/北九州市建設局
東村山高度浄水施設が完成/東京都水道局
メータ分類を授産施設に委託/さいたま市・社会福祉就労支援事業
就任インタビュー/八戸圏域水道企業団副企業長 榎本善光氏
省エネ・低コストが鍵に/インターアクアから見る海外水循環ビジネス/ICSコンベンションデザイン執行役員 松井高広氏に聞く
一般社団法人へ舵取り/施設協総会
環境学習の応援隊に/~埼玉県から感謝状~/管路総研
21年度研究成果を報告/科学技術振興機構
バラスト水管理システムを来年販売/クラレ
中国で農集排事業参画/帝人
狙うは事業の運営管理/経産省水ビジネス研究会報告書(案)
12日に行われた、経済産業省の水ビジネス国際展開研究会(座長=伊丹敬之・東京理科大学大学院教授)で示された報告書(案)「水ビジネスの国際展開に向けた課題と具体的方策」では、2025年の民営化された海外の水ビジネス市場のうち、日本の水関連産業が市場の約6%にあたる1.8兆円を獲得することを掲げているが、その具体的方策として、国内企業が運営管理の実績を積むための3つの類型や政府などによる支援策などを掲げている。
小規模水道の「持続」へ議論/22年度ブロック会議が開幕/簡水協
全国簡易水道協議会の平成22年度ブロック会議が13日、近畿ブロックからスタートした。昨年9月の民主党政権の発足以降、公共事業の見直しが求められており、簡水協も具体的かつ積極的な要望と同時に、会議のあり方なども問われている。そこで、今年度から各地域の実態を踏まえ、活発に意見交換する方針となった。
近畿ブロック(和歌山県みなべ町)では、各府県関係者が「簡易水道の現状と課題」を説明。「帰省など一時的な給水量の増加対応が課題」「ソフト統合でも上水道経営の圧迫が懸念」「耐震診断の実施すら困難な事業体も」など切実な実態が示された。また、「アセットマネジメントの推進」について、国庫補助や人的支援制度の創設を求める意見も出された。
これらに対し、若松五常・簡水協事務局長は「小規模水道のあり方については、法改正も視野に入れて検討すべき。アセットマネジメントについては、相談窓口の設置も検討したい」と述べた。
なお、同ブロックの提出議題(1.国庫補助率の引き上げ 2.補助採択基準の緩和 3.財政措置の拡大 4.最大給水量の拡大)は、4題とも全国簡易水道大会に提案することとした。
ブロック会議は5月13日まで、残る5ブロックで順次開催し、全国簡易水道大会・通常総会(6月2日、宮崎県)で、要望を取りまとめる予定となっている。
2機関を「GIP」初認定/給衛協
一般社団法人全国給水衛生検査協会が設けている簡易専用水道優良検査機関(略称・GIP)認定制度でこのほど、制度創設から初めて(社)愛知県薬剤師会生活科学センターと(財)静岡県生活科学検査センターが認定された。奥村明雄・給衛協会長=写真右=は「当協会に参加している簡易専用水道検査を行うすべての検査機関がこの認証を受けることを期待したい」とコメントした。
下水道の国際拠点を設置/国交省・成長戦略の重点項目
国土交通省は13日、同省で検討を進めている成長戦略の重点項目をとりまとめたことを公表した。国際展開・官民連携、観光、航空、海洋、住宅・都市の5分野については、さらなる発展が期待できる分野との認識の下、旧来のパラダイムを転換し大胆な政策提案を行うとしている。
下水道については、国際展開・官民連携分野に記述があり、海外へ進出する日本企業への支援ツールと政府サイドの支援体制整備として、「下水道の水・エネルギー再生技術の開発とショーケース機能を持つ国際拠点(ハブ)の設置」を挙げた。
西日本地区の拠点施設に/日水協大阪会館が竣工
日本水道協会大阪会館が竣工した。昨年6月から建替えていたもので、地上4階・地下1階建て。同協会大阪支所の事務室、試験室や検査事業所などの機能、会議室を設け、西日本地区の拠点施設としての役割が期待されている。
16日の竣工式には関係者ら約40名が出席。御園良彦・同協会専務理事は「業務能率の向上に総力を」と挨拶、白井大造・大阪市水道事業管理者は「調査研究に力発揮へ」と来賓祝辞を述べた。
大阪会館は大阪市阿部野区にあり、最寄り駅は同市営地下鉄谷町線「文の里駅」で、徒歩4分の位置にある。
太陽追尾で発電量向上/新型太陽光発電設備が稼働/東京都下水道局
東京都下水道局は、太陽の向きに合わせてパネルが動く一軸追尾型架台と薄膜太陽光パネルを組み合わせた「新型太陽光発電設備」を葛西水再生センターに整備し、このほど稼働を開始した。総容量は、490kWで、大規模な稼働設備としては全国初だという。この一軸追尾型は、固定型と比べて発電効率を向上できるのが大きな特徴。年間の発電電力量は約59万kWhで、CO2削減量は年間約220tを見込んでいる。
10年後を見据えたビジョン策定/北九州市建設局
北九州市建設局は、このほど『北九州市下水道ビジョン』(平成22~32年度)を公表した。世界の環境首都実現に向け、“水めぐる住みよいまち”を基本理念とし、低炭素社会づくり、市民に開かれた下水道の推進など先進的な諸施策を盛り込んでいる。
北九州市では平成20年に市の基本構想となる『元気発進!北九州』を策定し、この構想に沿った街づくりを進めている。下水道事業においても、都市ブランドとして掲げる世界の環境首都、アジアの技術首都の実現や環境モデル都市として低炭素社会づくりに貢献する新展開が求められていた。ビジョン策定に当たっては座長に楠田哲也・北九州市立大学教授、さらに江藤隆・下水道新技術推進機構専務理事らが委員を務め、平成20年12月から22年2月までの5回にわたって検討会を開催してきた。
同市下水道ビジョンは、『水めぐる“住みよいまち”をめざして』を基本理念に、「世界の環境首都の実現に向け、市民みんなで力を合わせ、“水めぐる住みよいまち”をつくります」と掲げている。
東村山高度浄水施設が完成/東京都水道局
東京都水道局は7日、平成16年度から建設工事に着手した東村山浄水場高度浄水施設の完成式を行った。(一部既報)
式典の冒頭、尾﨑勝・東京都水道局長は「平成25年度までに利根川・荒川水系の全量高度を進めている。東村山は自然流下で給水できる浄水場なので工事にあたっては、施設能力を落とさないように努めた。また、オゾン接触方式には、当局で開発した下降管並流接触方式を世界で初めて採用した」と説明。続いて吉川和夫・東京都副知事が「東村山の高度浄水施設の完成により200万人の方においしさを実感していただくことができる」と述べた。来賓を代表して厚生労働省の粕谷明博・水道課長は「他の事業体の模範となる取組をしている。しかも新たな技術を開発して導入するチャレンジ精神を持ち続けてほしい」とエールを送った。
メータ分類を授産施設に委託/さいたま市・社会福祉就労支援事業
さいたま市水道局は平成22年度から社会福祉就労支援事業(水道メータの再資源化分類業務委託)を新規事業として立ち上げた。
同事業は、取り外した水道メータを分解し資材を分類する作業を障害者の人達に就労機会を提供している授産施設に業務委託するもので、平成22年度については、平型水道メータを約5万1500個を3つの授産施設に業務委託する。
これまで、同局では、取り外したメータを一般競争入札にかけて売却していたが、売却先は、メータを分解し、再資源化できるものとそうでないものに分類し、メータのメーカーなどに売却しており、一手間をかけ金属だけにした場合の方が高い価格で売却されている。
就任インタビュー/八戸圏域水道企業団副企業長 榎本善光氏
今年4月1日付で八戸圏域水道企業団の副企業長に就任した榎本善光氏は、企業団前身の八戸市水道部時代から一貫して水道事業に従事し、水質管理体制整備や水道事業の電算化など多様な分野で企業団の発展に尽力してきた生粋の“水道プロパー”だ。本紙では、榎本新副企業長にこれまでの経歴を振り返っていただくと共に、就任の抱負を伺った。
省エネ・低コストが鍵に/インターアクアから見る海外水循環ビジネス/ICSコンベンションデザイン執行役員 松井高広氏に聞く
この2月に海外水循環ビジネスをテーマとした展示会「インターアクア2010」が開催された。水ビジネスに対して関心が高まる中、国内外から要人を含め多くの関係者が参加し盛況のうちに終了した。これから毎年開催されるインターアクアが果たしていく役割とは?主催者であるICSコンベンションデザインの松井高広・執行役員にインタビューした。
一般社団法人へ舵取り/施設協総会
日本下水道施設業協会(会長=幡掛大輔クボタ会長)は7日、東京・新川の馬事畜産会館で第32回通常総会を開き、22年度事業計画案などを審議・承認した。また、公益法人改革の方針として一般社団法人を目指すことを決定した。
環境学習の応援隊に/~埼玉県から感謝状~/管路総研
環境シンクタンクの管路管理総合研究所(長谷川健司理事)が、埼玉県から「環境学習応援隊」として県内の学校における環境学習の充実と普及に協力したとして感謝状を贈られた。
同総研では、埼玉県の「環境学習応援隊」に登録。総合的な学習の時間や理科、社会科、家庭科などの授業で取り組む下水道を中心とした環境学習の際に、生活排水のパックテストやティッシュとトイレットペーパーの水への溶け方の比較実験、管内調査用TVカメラの操作などのメニューを提供してきた。今回の受賞について「下水道の重要性をエンドユーザーである住民にPRし、同時に住民が抱いている下水道に対するイメージや要望を聞き取ることを目的に、授業ジャックを展開しています。本授業により子ども達の視野が少しでも広がればうれしい」としている。
21年度研究成果を報告/科学技術振興機構
科学技術振興機構(略称=JST、北澤宏一理事長)は14日、東京・三番町のJSTイノベーション推進本部で、戦略的創造研究推進事業「CREST(クレスト)」の水に関連する研究領域「持続可能な水利用を実現する革新的な技術とシステム」(研究総括=大垣眞一郎・国立環境研究所理事長、副研究総括=依田幹雄・日立製作所情報制御システム社技術主管)の平成21年度成果報告会を開いた。
同事業は、今後の科学技術の発展や新産業の創出につながる革新的な新技術の創出を目指すもので、文部科学省が戦略目標を設定し、JSTが推進すべき研究領域と研究領域の責任者(研究総括)を定める。
バラスト水管理システムを来年販売/クラレ
クラレ(本社=東京都千代田区、伊藤文大社長)は、昨年10月に新規開発品として公表したバラスト水管理システム「MICROFADE(マイクロフェード)」を、来年10月から販売開始する予定であることを明らかにした。市場がピークに達すると見られる2015年から2016年の間、年間売上高500億円以上をめざす。
同システムの販売には、IMO(国際海事機関)による環境安全性に関する承認(G9)と国土交通省による型式承認(G8)が必要だが、今年10月にG9基本承認、来年7月に同最終承認、来年10月にG8型式承認を取得する予定で、順調に準備を進めているという。
中国で農集排事業参画/帝人
帝人はこのほど、膜ろ過ユニット製造を中心に水処理事業を展開しているメンブレンテックと共同で、中国江蘇省宜興市と、同市農村部の集落排水処理設備整備事業推進のための提携契約を締結した。
同社の生物処理技術とメンブレンテックの膜ろ過技術を農業集落配水に適した小規模施設に適用するための実証試験を6月に開始し、今年度中の実用化をめざす。