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2010年(平成22年)  4月 26日(第4567号)






総合交付金への関心高く/国交省・下水道主管課長会議
 国土交通省下水道部は23日、今年度1回目の全国下水道主管課長会議を同省会議室で開き、今年度からスタートした社会資本整備総合交付金や下水道行政の現状と今後の展開などについて、都道府県や政令市の担当者らに説明した。出席者の同交付金への関心は高く、質問も交付金関連に集中した。松井正樹・下水道部長は「我々は皆さんの仲間。一緒に課題を解決していきたい」と、下水道界が結束することの重要性を強調した。

今年度中の結論めざす/関係3省が汚水処理検討会
 汚水処理施設の整備に関係する3省が、今後の望ましい汚水処理のあり方について検討を開始した。「今後の汚水処理のあり方に関する検討会」が設置され19日、初会合が農林水産省で開かれた。検討会の設置は先月10日に3省政務官により合意されていた。初会合には、三日月大造・国土交通大臣政務官、大谷信隆・環境大臣政務官、佐々木隆博・農林水産大臣政務官が出席。この日は各省の汚水処理事業の概要が説明された。
 今後のスケジュールについては、自治体へのアンケートを実施し、それを基に課題を抽出、有識者も交えて検討していくことにしており、今年度中に結論を出す予定。早ければ来年度に関連法案を国会に提出する可能性もある。
 進行役を務めた三日月政務官は冒頭の挨拶で「水は重要な戦略物資であり、重要政策課題と鳩山政権では位置づけている。3省それぞれで経緯・経過があったにせよ、自治体にとっても国民にとっても分かりやすく使い勝手の良いものに改めていく」と説明した。

改正土対法への対応を/厚労省水道課が呼びかけ
 掘削や盛土など、3000平方メートル以上の土地の形質変更がある際に都道府県知事への届出を義務づけるなどした「改正土壌汚染対策法」(土対法)が4月1日から全面施行された。厚生労働省水道課は大臣認可の水道事業者や都道府県の水道行政主管部局に対し事務連絡し、改正法に適切に対応するよう呼びかけている。

年次総会・シンポ開く/水制度改革国民会議
 水制度改革国民会議(理事長=松井三郎・京都大学名誉教授)は7日、年次総会と水循環基本法の制定と水制度改革を求めるシンポジウムを東京都千代田区の星陵会館で開いた。シンポジウムでは、水制度改革議員連盟代表の中川秀直・衆院議員が基調講演を行い、水循環基本法の制定に向けた決意を示した。

水道施設維持管理業務委託で積算要領案/日水協
 日本水道協会は、「水道施設維持管理等業務委託積算要領案―浄水場等運転管理業務編―」を発刊した。水道施設の維持管理業務を委託する水道事業体が増加する中、委託する上での標準的な積算要領をまとめている。

丹保氏が道総研理事長に就任
 丹保憲仁・北海道大学名誉教授は、1日付で発足した地方独立行政法人「北海道立総合研究機構」(道総研)の理事長に就任した。同機構は、22あった道立試験研究機関を統合したもので、総合力を発揮することで道の試験研究機関としての役割を果たすとしている。

安心と信頼を未来へ/長野県企業局・水道事業経営ビジョン
 長野県企業局はこのほど、『水道事業経営ビジョン』(平成22~31年度)を策定した。効率的な運営により健全な財政基盤を確保し、信頼性の高い水道を次世代に引き継ぐことが目的。『安心と信頼を未来につなぐ県営水道』を基本理念に、施設の耐震化や有収率向上などに重点的に取り組む。今後の事業形態では、末端給水事業の市町村への移管、用水供給事業の企業団化を検討していく方向を示した。

春日那珂川水道企で開幕/九州地区水道企業団協議会
 九州地区水道企業団協議会の第25回総会は15日、春日那珂川水道企業団を開催事務局に福岡市博多区の博多サンヒルズホテルで開催した。今後、各地区において水道企業団協議会を開催し、5月に八戸市で開催する全国水道企業団協議会総会で各地区の検討課題を集約させる。

費用対効果の高い要望へ/簡水協東海・北陸ブロック会議
 全国簡易水道協議会の東海・北陸ブロック会議は15日、岐阜市内のホテルで開催された。国庫補助率の引き上げなど5題の各県提出議題を審議するとともに、初の試みとして、各県の簡易水道事業が抱える課題を順番に発表。各地域の実態に即した費用対効果の高い要望事項に絞るスタンスで議論が展開された。

沈砂池に油が浮遊/姫路市
 姫路市は18日、浄水場沈砂池内で油の浮遊を発見したことから、取水を停止し、他水源に切り替えて断水を回避した。また、原水並びに浄水の水質検査で、水の安全性を確認後、汚染区画の排水・洗浄、注水を行い、20日から送水を再開した。
 なお、鑑定の結果、油の主成分はコールタールと判明したが、健康被害の報告はない。
 これを受け、厚生労働省は20日付で、水道事業者並びに水道用水供給事業者に対し、「水道水源の監視や水道施設の警備の実施に当たっての留意事項について」連絡し、汚染防止に必要な措置の徹底などを呼び掛けている。

槇野理事長らを再任/関西WC
 関西ウォータークラブの平成22年度定時総会が19日、大阪市中央区のヴィアーレ大阪で開催した。また、総会後には政治評論家の森田実氏が講演した。
 槇野勝理事長の冒頭挨拶に続き、議事では平成21年度事業および決算報告、同22年度事業計画並びに予算案を全会一致で承認。また、任期満了に伴う役員改選では、槇野理事長ら全役員が再任されたほか、新専務理事には西原一裕・水道産業新聞社社長が就任した。
 総会後に行われた講演会では、森田氏が『現在の政治情勢・今後の政局展望』をテーマに、昨今の政治情勢や今夏の参議院選挙の展望などを紹介した。

日本初の連続測定計開発/東京都下水道局メタウォーター
 東京都下水道局は16日、水処理から発生するN2Oを測定する「N2O連続測定計」をメタウォーターと共同開発したと発表した。同局では、これまで「アースプラン2004」を策定し、温室効果ガスの削減を進めてきたが、同局が排出する温室効果ガスの全体の約2割を占める水処理から発生するN2Oについては、長時間、安定して連続測定する計器がなかったため、N2O発生の実態把握や削減効果を把握することができなかった。日本初となるN2O連続測定計を開発したことで、N2O発生の実態把握が可能となり、得られた情報は排出抑制技術の開発に活用していく。今後は、水再生センターに順次導入する予定だという。

包括委託更新6月に公告/横浜市環境創造局南部汚泥資源化センター
 横浜市環境創造局は南部汚泥資源化センターで導入している包括民間委託を更新するため、6月に入札の公告を行うことを発表した。履行期間は平成23年4月1日から平成28年3月31日までの5年間。
 同センターは横浜市南部方面6ヵ所の水再生センター(中部、南部、金沢、西部、栄一、栄二)から送られてくる汚泥を処理する施設で、汚泥処理能力は1万4700立方m/日となっている。同センターは運転管理のさらなる効率化のため平成19年7月から複数年契約による包括的管理委託を導入しており、現在は月島テクノメンテサービスが運転管理を行っている。そ

上馬雨水調整池が完成/東京都下水道局
 東京都下水道局は14日、世田谷区上馬地区の浸水対策を目的とした雨水調整池が世田谷区立小泉公園地下に完成するとともに、調整池の上部を新たに小泉公園水広場として復旧したことを記念して完成式典を開催した。
 世田谷区上馬地区浸水対策事業は、平成14年8月に発生した浸水被害が契機で、平成15年5月に雨水整備クイックプランの重点地区に定め、浸水被害を軽減させるため、暫定貯留管、雨水調整池を整備してきた。公園地下6mに貯留量約3200立方mの雨水調整池を築造するとともに、区道地下7~11mに泥土圧シールド工法で、内径2000mm、貯留量約2500立方mの貯留管(西側延長=400m、東側延長437m)を整備した。
 また、低地部に流れ込んだ雨水による浸水を防ぐため、道路の横断方向に設けたU字溝と特殊雨水桝で雨水を集水する。この特殊雨水桝は、内部が左右に分かれ、集水した雨水が一定量に達した場合に、中央の堰をオーバーフローし貯留管に流れる構造になっている。

6月に東京で施工講習会/POLITEC
 配水用ポリエチレンパイプシステム協会(POLITEC)は、6月16日に「水道配水用ポリエチレン管・継手施工技術講習会」を東京都中央区の東京八重洲ホールで開く。同協会はこれまでも、水道事業体や管工事業組合の要請により施工講習会を全国で開催してきたが、より幅広く、多くの関係者に水道配水用ポリエチレン管・継手の施工技術を習得してもらう機会として同講習会を計画したという。

こてはし台雨水貯留管が完成/千葉市
 千葉市が千種町、三角町地区の浸水対策として、平成19年度から建設を進めていた「こてはし台雨水貯留管」が完成し、4月1日より供用開始した。
 同地区では、都市化の進展によって浸透部分が減少した結果、雨水流出量が増加していた。また、既設雨水管の配水能力を超える大雨によりたびたび浸水被害を引き起こしていた。そのため、整備水準が5年確率降雨だったものを10年に引き上げ、同貯留管を計画し工事に着手した。

展示で事業内容PR/東京都下水道サービス
 東京都下水道サービスは、本社がある東京・大手町の日本ビル1階の通路で同社の事業内容の展示を行っている。同社の事業を紹介したパネル、企業と共同開発した技術の説明や模型などを展示することで、リアルに見ることができない下水道事業をPRしている。
 展示場所は、多く人通りがあることから、不特定多数の人に事業をPRするには、絶好の場所で、展示に当たっては職員自ら展示のアイデアを考え、“見せるための工夫”を行ったという。

下水処理場の一般公開の一手法/投稿
 大阪市建設局の平野下水処理場では3年前から毎年、市民への一般公開を開催している。下水道施設は管渠が地下に埋設され、処理場がフェンスで囲まれているなど、市民の目に触れにくいという特徴がある。
 また、下水道は水道・電気・ガスなどと同様に重要な社会基盤施設であるが、水道などは市民が受け取るもので、価値が認識されやすいのに対して、汚水や屎尿は排出するもので、その後の処理・処分が意識されることはあまりない。
 しかし、下水道は都市が存続する限り、継続して機能する必要があり、特に老朽化が進む下水道施設の改築・更新を進めるには、市民から下水道が都市生活に不可欠な施設・事業であることの理解を得ることが重要である。

'15年度中期ビジョンを策定/神鋼環境ソリューション
 神鋼環境ソリューションは21日、2015年度を目標とした中期ビジョンを発表した。「新しい時代の要請に応える環境ソリューション企業」を企業ビジョンとし、海外市場や新規事業への積極展開を図ることで連結売上高1000億円、連結経常利益50億円を目指す。

会長には片岡氏が再任/設備協通常総会
 東京下水道設備協会(会長=片岡啓治・明電舎会長)は22日、東京都千代田区の東京會舘で第33回通常総会を開き、平成22年度事業計画などを審議・承認した。また役員改選が行われ、片岡会長が再任された。
 再任された片岡会長は「東京都下水道局では本年度から平成24年度までの3カ年の計画期間である経営計画2010を策定された。お客様の安全を守り安心で快適な生活を支えるための取り組み、良好な水環境と環境負荷の少ない都市を実現するための取り組み、最少の経費で最良のサービスを提供―の3つを掲げている」と都の取り組みを紹介。「当協会としても東京都の下水道の持続的な発展の一助となるよう更に一層の技術開発に努めていきたい」と意気込みを語った。

前年度比2割成長継続を/POLITEC
 配水用ポリエチレンパイプシステム協会(POLITEC)は20日、東京都中央区の鉄鋼会館で理事会・定時総会を開き、平成21年度活動報告案や同22年度活動計画案を承認した。今年度は、技術講習会や施工講習会などを通じて配水用ポリ管のメリットをより積極的にPRしていくとともに、耐用年数の技術的検討も継続して行う。

宮野川会長を再選/下水道耐震協定時総会
 下水道既設管路耐震技術協会(会長=宮野川繁男・日本ヒューム常務取締役)は21日、東京都中央区の東武銀座ホテルで第9回定時総会を開き、平成22年度事業計画などを決めた。また、役員改選が行われ、宮野川会長が再選された。

“首都圏水循環”を紹介/坂本・水団連専務理事
 坂本弘道・日本水道工業団体連合会専務理事は19日、東京都文京区の中央大学で開かれた、水の安全保障戦略機構第3回基本戦略委員会で、水団連が経産省から受託し実施した「平成20年度首都圏における低炭素化を目標とした水循環システム実証モデル事業」について話題提供した。

経営大賞を受賞/昭和螺旋管製作所
 昭和螺旋管製作所(本社=東京都板橋区、水上浩次社長)が平成21年度第13回板橋経営品質賞の大賞を受賞した。
 板橋経営品質賞は、区内企業のすぐれた経営の仕組みを評価・顕彰するため、平成9年に創設されたもの。組織経営で必要な取組みを8つのカテゴリーに分類した上で、それぞれの取組みを評価し、1000点満点の絶対評価が行なわれる。大賞を受賞するためには、日本経営品質賞の審査基準に基づき、総合でA以上の評価が必要で、これまで6社しか到達していない。

角形配水池で指針制定/日本水道鋼管協会
 日本水道鋼管協会(略称・WSP)はこのほど、「ステンレス鋼製角形配水池設計指針」を制定した。角形配水池はこれまで、コンクリート製が主流だったが、施設の耐震化に伴う更新事業では、近年ステンレス鋼製角形配水池のニーズが高まっていることから、ステンレス鋼製の配水池の指針を初めて制定したもの。同指針制定について同協会の川口周作大径管部会長(日鉄パイプライン営業本部営業統括部長)にインタビューすると共に、同指針の要旨を紹介する。