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2010年(平成22年)  6月 21日(第4580号)






工水協の将来、再検討/WG7月設置総会で報告
 日本工業用水協会が協会改革に本腰を入れる。これまでも職員数の削減や水質分析センターの廃止など事業の見直しを行ってきたが、協会が実施すべき事業をさらに精査して、それに見合った組織のあり方を検討するという。公益法人改革への対応に端を発しており、法人格や事務局の必要性までが議論の対象となる。専門のワーキンググループを設置し、検討を進める。18日開いた第52回通常総会でその趣旨が報告された。なお、総会前に開かれた理事会で瀬戸和吉・専務理事が6月末で退任し後任に桑原直雄・元事務局長が就くことが決まった。桑原氏は協会初の“プロパー専務”となる。転換期にある工水協の舵取りは注目される。

「新成長戦略」を閣議決定/政府
 政府は18日、2020年(平成32年)までの経済政策の指針となる「新成長戦略」を閣議決定した。上下水道など日本が優れた技術を持つインフラ整備をパッケージ化し、アジア地域に展開・浸透させていく。また、地方自治体の水道局など公益事業体の海外展開策を策定・推進する。そして、官民が連携して海外展開を推進することで、インフラ関連では2020年までに19.7兆円の市場規模を目指す。
 新成長戦略では、7つの戦略分野において施策を示しており、特に経済成長への貢献度が高い21施策を国家戦略プロジェクトに位置づけた。インフラ関連は「パッケージ型インフラ海外展開」として、アジア展開のプロジェクトの1つとされており、インフラ分野の民間企業の取り組みを支援する枠組みを整備する。

眞柄氏らが基調講演/ASPIRE東京会議
 来年10月に東京で開催される「第4回IWAアジア太平洋地域会議」(IWA―ASPIRE)で、基調講演者は眞柄泰基氏(北海道大学客員教授、トキワ松学園理事長)、ジュン・ユン氏(高麗大学教授、IWA韓国国内委員長)、グレン・T・ダイガー氏(次期IWA会長)の3氏で調整される。18日に都庁で開かれたプログラム委員会(花木啓祐委員長)の第2回会合で決まったもので、論文アブストラクトの募集スケジュールなども確認された。

総会開き来年度予算確保を要望/全業協
 全国下水道整備事業者団体協議会(会長=中村満義・日本土木工業協会会長、鹿島建設社長)は16日、都内で第26回定期総会を開き、来年度下水道事業予算の確保に向けて国土交通省に要望活動を行った。中村会長は挨拶の中で「毎年事業費の削減が続けば、下水道事業全体が縮小し、下水道関係業界の経営環境がさらに悪化する」と危機感を募らせた。

耐震対策指針改定へ準備委/下水協技術委
 日本下水道協会は16日、第68回技術委員会(委員長=前田邦典・大阪市建設局理事)を協会会議室で開き、平成21年度の同委員会および関連委員会の活動報告と、今年度の活動計画(案)について審議した。また、下水道推進工法指針改定調査、下水試験方法改定調査、管路施設の更生工法に関する検討委員会の中間報告がそれぞれ行われた。

技術職員の募集受付中/日水協
 日本水道協会は、技術職員の募集を開始した。採用時(平成23年4月1日現在)に25歳以下で、化学・機械・土木を専攻する大学卒業見込者または卒業者が対象。採用人数は若干名。応募書類の提出期限は7月30日(必着)。詳細は協会ホームページを参照。

大阪広域水道(企)の設立へ/委員長に竹山堺市長
 大阪府営水道の受水市町村は来春の大阪広域水道企業団(仮称)設立に向け、15日に堺市役所で第1回設立準備委員会を開催した。委員長に竹山修身・堺市長を選任し、さらに企業団設立までのスケジュール確認などを行った。今後、委員会では、議員構成を定める規約の作成などを行い、各市町村議会での企業団設立議案の議決を目指した作業を進める。

水安全計画の運用開始/札幌市水道局
 札幌市水道局は、水源から給水栓に至る各段階で危害評価と危害管理を行い、安全で良質な水の供給を確実にする水道システムを構築する「札幌水道水安全計画」を今年度から運用を開始した。
 同計画の運用により、「水道水質の安全性の向上」や「おいしい水の供給」など水質面でのレベルアップに加え、「施設維持管理の向上」や「技術の継承」など、水道システム全体のレベルアップを図っていく。
 同局は、平成20年度に策定作業を開始し、平成21年度末に策定を完了。策定・運用にあたっては、水源チーム、給配水チーム、浄水場チーム、水質チームを編成し、各チームをまとめる総括会議、リーダー会議を設置して作業を行っている。

就任インタビュー/北奥羽広域水道総合サービス(株)代表取締役 大澤 章宏氏
 八戸圏域水道企業団の第3セクター、北奥羽広域水道総合サービス(株)は、上下水道の検針・収納や管路システム構築など、上下水道事業の多様な業務ノウハウをもち、公民連携のパートナーとして幅広く事業展開している。4月に同社の代表取締役社長に就任した大澤章宏氏にこれまでの経歴と今後の方向性について伺った。

“マイボトル・マイカップ”始動/環境省、横浜市水道局など
 環境省と大学、横浜市水道局などが連携して実施する「マイボトル・マイカップキャンペーン」の実証実験が6月から始まった。実施期間は6月から7月までの2ヵ月で、横浜市立大学、フェリス女学院大学、大阪大学の3校で行っている。

JICA研修員を3日間受入れ/岡山市水道局
 岡山市水道局は7日から3日間、JICA・インドネシア研修員4名を受け入れた。同国の▽マカッサル市▽ゴア県▽マロス県▽タカラール県の水道公社局長で、水道経営の講習や施設見学などを実施した。
 初日は酒井五津男・同市水道事業管理者を表敬訪問後、同市の水道事業、「岡山市水道事業総合基本計画(アクアプラン2007)」の概要などを説明。2日目は三野浄水場や同市水道記念館の見学、3日目は業務改善について意見交換した。
 JICA研修員は5月28日に来日。厚生労働省や日本水道協会、名古屋市上下水道局、(株)日水コンなどでの研修を経て、今月12日に帰国した。

第一次拡張事業が完了/八戸圏域水道企業団
 八戸圏域水道企業団は昭和61年の設立以来、水道水の安定供給に向け、第一期拡張事業を推進してきた。このほど同事業最後の新田川水系の是川取水ポンプ場や導水施設が完成し、水源が2系統化され、給水の安定化が図られるようになった。24日には第一期拡張事業基幹施設完成式を開催する。それに先立ち、ここでは同事業や関連施設の概要について紹介する。

ドイツ企業と水面制御装置でライセンス契約/東京都下水道局、TGS、日本工営
 東京都下水道局、東京都下水道サービス(株)(TGS)、日本工営(株)の3者とドイツ・シュタインハート社は16日、都庁で「水面制御装置」の使用を許諾するライセンス契約を締結した。同装置は合流式下水道の雨水吐口から、雨天時に河川などの公共用水域へゴミの流出を制御する装置で、動力を必要としないのが大きな特徴。このライセンス契約の締結により、ドイツなどのEU加盟諸国において、都市の水路や河川の水質改善に貢献することが期待される。

環境行動フォーラム開催/横浜市環境創造局
 横浜市環境創造局は5、6日の2日間、環境月間のコアイベントとして、横浜市のBankART Studio NYkで「市民創発・環境行動フォーラム2010」を開催した。同フォーラムでは、ワークショップや生物多様性リレートークが行われたほか、市民団体・NPO・企業・研究機関・自治体などによる約50のブースが出展。多くの市民が来場し、体験型イベントや講演を通して環境の重要性を楽しみながら学んでいた。
 ワークショップでは、横浜市水道局とブリヂストンが水源保全の取り組みを紹介。ブリヂストンは転がり抵抗を低減化させたタイヤ「ECOPIA」の売り上げの一部を森林整備活動の一部としていることを説明したほか、水道局と協定を締結し協働して水源林を守る「水源エコプロジェクト(ウィコップ)」の取り組みを紹介。また水道局は水源涵養林の機能について「裸地の約3倍の保水力を持ち、洪水の防止や水の浄化、CO2の吸収機能などがある」と述べ、ウィコップの取り組みなどを紹介した。

財源確保など5題を審議/下水協関西地方支部総会
 第47回日本下水道協会関西地方支部総会が5月28日、兵庫県宝塚市の宝塚ホテルで開催された。会員ら約150名が出席し、会員提出議題の審議とともに、同地方支部規則の一部改正案では、来年7月からの「関西地方下水道協会」への改称などが報告された。次期総会開催地は京都市。

水道水のおいしさPR/神奈川県企業庁
 神奈川県企業庁は4日、JR相模原駅デッキで水道週間キャンペーンを開催し、ボトル水「神奈川の水」やパンフレットの配布を行い、県営水道をPRしたほか、利き水を行い、水道水のおいしさをアピールした。
 利き水では、水道水、神奈川の水、ミネラルウォーターの飲み比べを行い、神奈川の水がおいしいと答えた人が一番多かった。

水の大切さを再認識/川崎市上下水道局
 川崎市上下水道局は5日、川崎駅前の地下街スタジオアゼリアでかわさき水道フェアを開催し、浄水処理工程の紹介や応急給水栓の展示、応急給水マップの配布などを行った。水道水、市販のミネラルウォーター(軟水、硬水)を飲み比べる利き水コーナーは長蛇の列ができるほど人気だった。また、本年度から上下水道局となったため、水道だけでなく、下水道相談コーナーも設けられた。会場は親子連れなど多くの市民でにぎわっており、水の大切さを再認識するいい機会となったようだ。

石原良純氏が講演/新潟市水道局
 新潟市水道局は5日、水道フェスタ2010を開催し、講演会や信濃川浄水場、戸頭浄水場の一般公開などを行った。
 市民プラザで行われた講演会では、俳優・気象予報士の石原良純氏が「自然、水の大切さ&石原家の家族愛について」講演した。講演会は事前に参加募集を行ったところ定員の2倍近い応募があった。ロビーに設置されたウォーターバーも多くの人が訪れ、新潟の水とミネラルウォーターなどの飲み比べを行った。信濃川浄水場では、施設説明会のほかにキャラクターショー、ロードトレインなど行われ、親子連れでにぎわっていた。
 また、同市は今年水道創設100年となることから「水道100周年展」も開催した。新潟市水道のあゆみなどをパネルで紹介したほか、木樋管や昔の水道メータの展示なども行った。

ヒーローショーなどが人気/阪神水道企業団
 阪神水道企業団は5日、「尼崎浄水場特別開放イベント2010」を開催した。施設見学では、階段昇降がないフラットコースを設定するなど、工夫を凝らすとともに、「ドラゴンボール改」ショー、共催の尼崎市水道局が設置した「利き水コーナー」などが人気を集めた。そのほか、企業や団体の協力を得て、ドライミスト体験や絵本の読み聞かせなどが行われ、来場者は過去最高の約3200人を記録した。

水道フェアに4500人来場/岡山市水道局
 岡山市水道局は5日、「おかやま水道フェア」を岡山ドームで開催した。市民ら約4500人が来場するなか、ステージイベント、ブースコーナーによる多彩な催しを行った。ステージでは▽仮面ライダーW(ダブル)ショー▽チアリーディング▽マジック▽水道クイズ大会、グラウンドでは▽水道水飲み比べ▽もちつき・水道設備展示▽ゲームコーナー(フワフワ・サッカーゲーム)などで、終日にぎわった。

11月に北京で/ウォーター・エキスポ・チャイナ
 中国水ビジネスの公式見本市であるウォーター・エキスポ・チャイナが11月17日から19日の3日間、中国・北京市の北京国家会議中心で開催される。
 同見本市は、メッセ・フランクフルト社と中国水利学会の共催で行われ、中華人民共和国商務部が認可し、水利部がスポンサーとなる中国唯一の見本市。出展者・来場者ともに、中国内外の水ビジネスにかかわる主要な意思決定者と交流できる機会となるほか、最新の政策等の情勢を把握できる絶好の機会となる。
 昨年度は、史上最多となる18の国や地域から252社の出展者が参加し、数多くの製品やテクノロジーが展示された。来場者数も史上最多を記録し、30の国や地域から1万239人に上った。

環境負荷の少ない物品調達推進/水資源機構
 水資源機構は1日、「環境物品等の調達の推進を図るための方針」を公表し、環境負荷の少ない物品調達に努める。公共工事では、調達品目を66品目とし、品目ごとに調達目標を定め、事業ごとの特性、必要とされる強度・耐久性、機能の確保やコストに留意して環境物品等の調達を積極的に推進するという。調達品目は▽下水道汚泥コンポスト▽排水・通気用再生硬質ポリ塩化ビニル管▽排出ガス対策型建設機械▽低騒音型建設機械―など資材、建設機械、工法となっている。

IWA・PIA部門賞を受賞/ナガオカ
 ナガオカがIWAの革新的プロジェクト(PIA)2010・東アジア地区に応募していた「革新的な高速生物地下水処理システムの開発と応用」が「スモールプロジェクト」部門で大賞を受賞し、6月4日上海市で受賞式が行われた。

施工講習会をオープン化/POLITEC
 配水用ポリエチレンパイプシステム協会(POLITEC)は、水道事業体や管工事業組合の要請により全国各地で実施してきた「水道配水用ポリエチレン管・継手施工技術講習会」を、より多くの関係者にも受講してもらいたいと判断し、16日、東京都中央区の東京八重洲ホールでオープン施工講習会を開いた。

水質浄化対策で新技術/マリン技研の水流発生装置・藻類抑制装置
 長崎県のベンチャー企業・(株)マリン技研による閉鎖性水域の水質浄化技術が注目を集めている。長崎県の漁業関係分野から立ち上がった同社が保有するのは、噴流型流動促進、オゾンエアレーション、超音波などを巧みに組み合わせ、表層から底層までの広い範囲に水流を発生させて水域の停滞を解消する技術。薬剤や大量のエネルギーを使用することなく、水深数mの湖沼から100m級のダム湖等において、底層貧酸素解消やカビ臭除去、底質改善などの水質環境改善を実現するということで、採用も増加傾向にあり、注目度が高まってきている。

行政の取り組みが追い風/雨水貯留浸透製品工業会総会
 雨水貯留浸透製品工業会は、東京都台東区の東天紅で定時総会を開き、平成21年度事業・収支決算報告や同22年度事業計画・予算案を承認した。また、任期満了に伴う役員改選では、斎藤章会長(エバタ代表取締役社長)が再選された。

代表幹事に服部博光氏/水道O&M研究会総会
 水道O&M研究会(藤田賢二会長)は9日、東京港区の八方園で第8回通常総会を開き、平成22年度事業計画などを決めた。また、役員改選が行われ代表幹事に服部博光月島テクノメンテサービス社長が就任した。副代表幹事の飯塚保久ジェイ・チーム社長、村山忠義東芝アクアパブリックサービス社長は再選された。

業務委託積算で講演/水道O&M研究会
 水道O&M研究会の総会が9日開かれたが、総会終了後に日本水道協会技術課の長野吉和技術専門監副主幹が「水道施設維持管理等業務委託積算要領案~浄水場等運転管理業務編~」をテーマに講演、水道O&M研究会会員らが多数参加し、高い関心を示した。

工法PRを継続/エアドーム・総会
 エアドーム工法協会(会長=西尾浩志・安部日鋼工業専務取締役)は2日、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷で平成22年度定時総会を開き、22年度事業計画などを審議、承認した。また役員改選では西尾会長が再選された。

各仕様書を検討/建築診断機構・総会
 日本建築設備診断機構(会長=紀谷文樹・東京工業大学名誉教授)は9日、東京・市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷で総会を開催し、22年度の事業計画などを決めた。
 今年度の事業方針としては、新中期事業計画の策定と推進、会員増強対策を図るほか、各種標準仕様書の検討・作成などを行っていく。

第61回大会は日大で/公益事業学会・総会
 公益事業学会(会長=石井晴夫・東洋大学教授)は12日、札幌市の北海学園大学で、2010年度定時総会を開き、今年度の事業計画などを決定した。
 今年度事業では、来年度開催する第61回大会のプログラムを今年11月に行う理事会で最終決定するとしたほか、北海道、東北、関東、関西、九州の各部会で研究会などを数回開催するとした。
 なお、第61回大会は、6月12、13日に日本大学経済学部で開催する予定。

経営者向けに授業ジャック/管路総研
 水環境シンクタンクの管路管理総合研究所(東京・有楽町、長谷川健司理事)は、東京都台東区の上野精養軒で葛飾ロータリークラブのメンバーを対象に「授業ジャック(出前授業)」を行った。
 会社経営者らを対象とした授業ジャックは、22年度では初めて。参加者からは「トイレで流す紙の種類などは意識していなかった」「井戸水使用時の下水道使用料金はどうするのか」「再生水を利用しているエリアが少ない。もっと活用しても良いのではないか」などの意見が出された。

経営者向けに授業ジャック/管路総研
 水環境シンクタンクの管路管理総合研究所(東京・有楽町、長谷川健司理事)は、東京都台東区の上野精養軒で葛飾ロータリークラブのメンバーを対象に「授業ジャック(出前授業)」を行った。
 会社経営者らを対象とした授業ジャックは、22年度では初めて。参加者からは「トイレで流す紙の種類などは意識していなかった」「井戸水使用時の下水道使用料金はどうするのか」「再生水を利用しているエリアが少ない。もっと活用しても良いのではないか」などの意見が出された。