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2010年(平成22年)  8月  5日(第4591号)





一体的取組で海外展開を/国交省「日本の水資源」
 国土交通省は、8月1日の水の日に合わせ「平成22年版日本の水資源」を公表した。水関係のインフラについては、老朽化しているものがあることを指摘、ストックマネジメント手法を導入することの重要性を訴えている。一方で、日本が培ってきた水関連の技術・ノウハウを生かし、アジアをはじめとする途上国の水問題の解決に貢献していくことが必要であり、その際には、建設から運営・維持管理まで一体となった取り組みが有効だとしている。

「水」から都市計画に発信を/第2回「将来の水循環と下水道」フォーラム
 下水道展'10名古屋の最終日である7月30日、日本下水道協会は同会場のポートメッセなごやで「将来の都市における水循環と下水道」フォーラムを開いた。注目を集めた3月の初回に続く2回目の開催で、今回は「低炭素社会」や「人口減少」をキーワードに、社会の変化を踏まえたうえで将来の都市計画と水インフラ、水循環をどう考えていくべきかについて、識者間で活発な意見交換がなされた。
 コーディネーターは松尾友矩・東洋大学常勤理事が務め、楠田哲也・北九州市立大学国際環境工学部教授と荒巻俊也・東洋大学国際地域学部教授が、それぞれ「施設から見る下水道―未来からのバックキャスティング―」「低炭素都市における水循環と下水道」と題して基調講演を行った。また講演後のディスカッションには、パネリストとして2氏と松井三郎・京都大学名誉教授、眞柄泰基・トキワ松学園理事長、藤木修・下水道新技術推進機構新技術研究所長が、オブザーバーとして石井宏幸・国交省下水道部下水道事業課企画専門官と三羽宏明・名古屋市上下水道局次長が参加。「上水道で進んでいる広域的なダウンサイジングの議論は下水処理場の流域単位での再編にもつながる。水道や下水道という最も基礎的なインフラが都市計画に対して発信力を強めていくべき」「最近、下水の議論のテーマがCO2対策中心で、水環境の話が出てこなくなったことに違和感がある。水質行政の国際比較などをして公衆衛生の足元を見つめ直すべきでは」などの意見が出た。

“巧水スタイル”を提案/水の週間記念シンポ
 第34回水の週間を記念するシンポジウム(主催:国土交通省、東京都、水の週間実行委員会)が7月30日、東京都千代田区の科学技術館で開催された。「節水は新たなエコビジネスになりうるのか?~節水型ライフスタイル・社会システムの提案~」と題し、三日月大造・国土交通副大臣の基調講演や北野大・明治大学教授をコーディネーターとしたパネルディスカッションが行われ、日本の優れた節水技術のパッケージ化や国際標準化により海外に売り込むことや、節水のイメージを高めるための新しい言葉として「巧水(たくみ)スタイル」を使うことなどが提案された。

海老江氏が水資源功績者表彰/水の週間
 国土交通省は2日、水の週間関連表彰式を同省特別会議室で開いた。このうち、水資源行政の推進に対し、特に顕著な功績があった個人・団体を讃える「水資源功績者表彰」では、海老江邦雄・北見工業大学名誉教授ら5人が受賞した。
 海老江名誉教授は、網走湖水質保全対策検討委員会水質部会長や北見市水道水の断水に関する原因技術調査委員会委員長、常呂川の濁水に関する流域検討会座長などを歴任。長年にわたり、北海道内の水質環境改善の施策推進に技術的知見から多大な貢献をしたことが高く評価されての受賞となった。
 今回の受賞については「とても光栄なこと。これからも水質改善に向けた取組に関わっていきたい。網走湖の水質改善については、潮止め堰の整備が決まったので、今後は整備後の評価にも取り組みたい」と意欲を語った。

国土交通省で打ち水大作戦
 国土交通省は2日、「水の週間一斉打ち水大作戦in国土交通省」を合同庁舎3号館正面玄関前で実施した。同省や東京都下水道局職員ら約160人が参加、打ち水前に37℃だった気温は36℃に低下し、大成功を収めた。


粕谷課長による将来展望/水道サロン
 水道技術研究センターが7月8日に開催した水道サロンは、粕谷明博・厚労省水道課長をスピーカーに招聘。『最近の水道行政について』と題した講演では、水道ビジョンを軸に事業体が今後進むべき方向性を示唆した内容が詰めかけた水道関係者の興味を誘っていた。
 地域水道ビジョンの策定状況については、「ここに来て策定状況が増えてきており、各事業体のビジョンの分析が求められる時期になってきた」と地域ビジョンの内容を国の施策に反映させる意欲を覗かせた。国庫補助については、メリハリある見直しを軸にした重点化の考え方を説明した上で新規採択事業での適用内容を解説。さらに、水道広域化促進事業の補助対象事業費の考え方にも触れ、「事業統合のインセンティブとする」コンセプトを説明した。

御堂筋に「ミストプラザ」/大阪市水道局
 大阪市水道局は、8月1日から10月15日まで大阪市中央区の関西アーバン銀行本店1階に『御堂筋ミストプラザ』を開設し、1日にオープニングセレモニーを行った。水道広報大使にバロセロナ五輪シンクロナイズドスイミング銅メダリストの奥野史子さんが就任、銀行ロビー内に水のミュージアムなどを常設し、御堂筋に面したエントランスにはドライミストを散布するなど銀行との異業種間コラボとして注目を集めている。

祇園祭にミスト 涼しいどすえ~/京都市上下水道局
 京都市上下水道局は、7月15日から2カ月にわたり、京都市関連施設でミスト装置を稼動させ、水道水の新たな利用法についてPR活動を行っている。

水海道浄水場に高度浄水施設/茨城県企業局
 茨城県企業局は、浄水処理の安定化やおいしい水を供給するため、水海道浄水場にオゾン処理と生物活性炭処理を組み合わせた高度浄水施設を整備する。今年度から3年間で高度浄水処理施設の建設を進め、平成25年度からの供用開始をめざす。今年度は、中間ポンプ棟建築工事、オゾン接触槽・生物活性炭ろ過池築造工事、生物活性炭ろ過池機械設備工事の3工事を発注する予定。全体事業費は42億円。

給水工事者の研修義務化を/日水協地方支部総会が各地で
給水工事者の研修義務化を/中国四国
 第79回日本水道協会中国四国地方支部総会が21日、高松市のサンポートホール高松で開催された。会員ら約300名が出席する中、会員提出問題8題の審議などが行われた。次期総会開催地は福山市。
 大西秀人・高松市長が「協力・連携体制の強化を」、飛原秀登・広島市水道事業管理者が「持続可能なシステム構築へ」と挨拶後、来賓の御園良彦・日水協専務理事らが祝辞を述べた。

専用水道対策など強く要望/関西
 第79回日本水道協会関西地方支部総会が29日、神戸市の神戸国際会議場で開催された。会員ら約350名が出席する中、会員提出問題5題の審議などが行われた。次期総会開催地は彦根市。(3面に関連記事)
 冒頭、石井陽一・神戸市副市長が「英知を結集して経営の工夫を」、白井大造・大阪市水道事業管理者が「一層連携して課題解決へ」と挨拶。来賓の御園良彦・日水協専務理事らが祝辞を述べた。続いて、大森伸一・神戸市水道事業管理者を議長として、会議に移った。

水の展示会
 「水の週間」中央行事である「ウォーターフェア'10東京・水の展示会」が、7月30日から8月1日までの3日間、東京・北の丸の科学技術館で開かれた。

山口県初の水道GLPを取得/下関市上下水道局
 下関市上下水道局は6月29日付で水道GLP(水道水質検査優良試験所規範)の認定を取得しさきごろ、認定証授与式が日水協本部で行われた。授与式には、吉武泰志・下関市上下水道事業管理者と山邊佳文・同市上下水道局浄水課長が出席。御園良彦・日水協専務理事から吉武管理者に認定証が手渡された。
 同市の水道は明治39年に給水を開始。平成17年の合併で現在の給水区域は東京23区とほぼ同じで、給水人口は27万8094人(平成21年3月31日現在)となっている。また、北九州市の一部(馬島)も給水区域となっている。なお今回の認定は山口県内の検査機関では初めてとなる。

「冷やすとおいしいのよね」/神奈川県内(企)
 神奈川県内広域水道企業団は7月31日、飯泉取水管理事務所で「みずきフェスタ」を開催し、約200名の市民が訪れた。
 同フェスタは企業団の役割や取り組み、自然環境を守ることの大切さを理解してもらうために開催しているもので、普段入ることのできない飯泉取水堰やポンプ室などの施設見学や、きき水・臭気体験、酒匂川の水生生物の観察、講演会など多数のイベントを行った。

涼を求めて「打ち水」さいたま市で
 さいたま市下水道部は3日、さいたま新都市駅前で「打ち水大作戦」を実施した。猛暑続きの中、一時の涼しさを得ようと多くの親子連れが参加。思い思いのスタイルで日本の夏の伝統文化を実践した。
 打ち水用の水には、新都心西側地域の雨水対策として建設した上落合雨水調整池に貯まった雨水を浄化した再生水を使用。同部では平成17年度から毎年この大作戦を行っており、市民にはずいぶん定着しているそう。毎年幼稚園からの問い合わせもあるとかで、職員は「下水道や水に興味を持ってくれるきっかけになればいいですね」とニッコリだった。

広域化や公民学連携を/山村氏が講演
 山村尊房・前厚生労働省健康局水道課長(NPO法人日本水フォーラム参与)は、日本水道協会関西地方支部総会のウォーターワークスセッションで、「水道ビジョンと関西水道の課題」と題して講演した。
 この中で、山村前課長は、「地域水道ビジョンの進展は自己管理力」につながると指摘。基幹管路の耐震化、低炭素化水循環システムの構築に向けた施策の重要性などを紹介した。

岡山市と玉野市が相互融通/配水管3ヵ所で接続へ
 岡山市と玉野市は7月29日、「渇水時等における水道水の相互融通に関する協定」を締結した。異常渇水や地震など災害発生時に、応急給水ができるよう、市境布設の配水管3カ所を接続する。
 玉野市役所での調印式には、黒田晋・玉野市長(玉野市水道事業管理者)、酒井五津男・岡山市水道事業管理者らが出席。協定書への調印後、黒田市長は「市民の安心感が向上」、酒井管理者は「非常時の安定給水へ協力」と感想を述べた。
 配水管3カ所の接続は今年度2カ所、来年度以降1カ所を予定している。水系の異なる隣接都市間の協定は、全国的にも少なく、岡山県内では、岡山市と倉敷市との間での協定(平成7年)に続き、2例目となる。

リン資源リサイクル協 下水道展に合わせシンポ開催
 第3回リン資源リサイクルシンポジウムが7月29日、下水道展'10名古屋で賑わうポートメッセなごやで開催された。今回はリン資源リサイクル推進協議会と大阪大学フロンティア産業バイオイニシアティブ国際研究拠点の共催で、産官学の会員ら約150人が参集。国内で消費するリンの全量を輸入に依存する日本にとって、回収・再利用の推進や未利用リン資源の利用技術開発は焦眉の急であり、シンポジウムではリン資源回収技術に関する5題の事例発表、発表者によるパネルディスカッションなどを通し、最新の知見が披露された。

中国で水事業を展開/三井物産
 三井物産は2日、シンガポールの大手水事業会社ハイフラックスと組んで、中国で大規模な水事業を展開すると発表した。
 両社は、折半出資で共同事業会社ギャラクシーニュースプリングを設立し、ハイフラックス社が直接保有する4つの水事業資産とハイフラックス・ウォーター・トラスト(HWT)が保有する18の水事業資産を買収して運営する。買収金額は約200億円となる予定。
 ギャラクシーは、10月までにハイフラックスが持つ4事業資産を買い取り、HWTが持つ18事業資産については、HWTが発行する持分の非上場化を前提とした買取を公告した。

データ分析の成果披露/公益事業学会関東部会
 公益事業学会関東部会(部会長=中村清・早稲田大学教授)は7月10日、東京文京区の東洋大学白山キャンパスで2010年度第1回関東部会を開催した。“電子マネー機能付き交通系ICカード”“情報通信企業のオーナーシップと企業間関係”など4テーマで研究報告が行われたほか、メタウォーターの上野健郎・サービスソリューション本部新サービス推進部部長による特別講演が行われた。

審査証明48件を諮問/下水道機構審査証明委
 下水道新技術推進機構は、平成22年度建設技術審査証明事業(下水道技術)の第1回審査証明委員会(委員長=楠田哲也・北九州市立大学教授)を開き、石川忠男・理事長から今年度の審査証明技術48件について諮問が行われた。このうち、新規技術15件については、依頼者による説明が行われ、委員との間で質疑応答が展開された。
 また、昨年度審議された技術のうち、GR工法(依頼者:積水化学工業)とパルテムSZ工法(同:芦森工業、芦森エンジニアリング)の審議が終了した。

14企業・団体が製品を展示/日水協関西地方支部ウォーターギャラリー
 第79回日本水道協会関西地方支部総会(7月29日、神戸国際会議場)の会場ロビーで、賛助会員の展示「ウォーターギャラリー」が行われた。14企業・団体が最新の技術や製品を展示し、事業体関係者らにPRした。
 開会式では、白井大造・大阪市水道事業管理者に続き、賛助会員代表の辻脇浩司・栗本鐵工所パイプシステム営業本部西部営業部長が「使命と役割を認識し、課題解決策を提案」と挨拶した。
 出展者は次の通り(50音順)。▽アウコンプリア▽阿南電機▽大阪水道総合サービス▽コスモ工機▽JFE▽水研▽大成機工▽タカダ▽ナガオカ▽日本水道銅管協会▽日本ダクタイル鉄管協会▽日之出水道機器▽前澤工業▽理水化学

技術PRの枠越えた展示も/下水道展'10名古屋
 最新の下水道関連技術が披露された下水道展'10名古屋。いくつかのブースでは、単なる自社技術のPRという枠を越えた取り組み例も見られた。
 メタウォーターは、水に関する○×クイズを設置し、クイズ回答者には下水道の役割を分かりやすく解説した冊子を配布した(下水道関係者以外への配布数は約1500部)。同社のキャラクター「めーちゃん」「たーくん」を前面に押しだし、水ヨーヨー釣りコーナーも設けるなど、家族連れや子供たちをターゲットに下水道の啓発を積極的に行い、会場の大きな注目を集めた。

Ⅱ類登録変更でPR強化/抗菌コン研究会総会
 抗菌コンクリート研究会(会長・平沼進シナネンゼオミック取締役)は7月28日、名古屋市で第14回定時総会を開き、平成22年度事業計画などを決めた。
 総会で挨拶した平沼会長は「抗菌コンクリート工法はコンクリート二次製品や生コンの製造段階に混和材として抗菌剤を投入するだけでコンクリートへ耐食性能を付与でき、採用実績も増えている。今後は新設の下水道工事のほか改築・更新分野でも貢献していきたい。また、抗菌コンクリートが日本下水道協会のⅡ類認定資器材として下水道用抗菌コンクリート製品が登録される。現行の下水道用抗菌コンクリート管が取り消され、コンクリート管、コンクリート製マンホール、組立マンホール側塊及びミニシールドセグメントを包括する『抗菌コンクリート製品』として登録変更されることとなった。今後はこの公的認定を踏まえ、抗菌コンクリートの認知拡大に努力していきたい」と述べ、会員の協力と結束を呼びかけた。

カタログを全面改訂/石崎製作所
 石崎製作所はこのほど、同社総合カタログを全面改訂した。「ユーザーがわかりやすく、機種選定が容易になるように工夫した」という。

事務所を移転/ダク鉄協関西支部
 ダクタイル鉄管協会関西支部は2日付で、事務所を左記の住所に移転した。電話およびFAX番号は従来通り。
 〒542―0081大阪市中央区南船場4―12―12(小西日生ビル11階)

青森事務所を移転/日水コン
 日水コンは1日、青森事務所を移転した。移転先は次のとおり。
 〒030―0943青森市幸畑3―13―6、TEL017―764―2831、FAX017―764―2832