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2010年(平成22年) 9月 16日(第4600号)
水循環基本法成立めざし/水制度改革求める国民大会
支部方式、結論出ず/日水協・定款変更専門委
22年度会長表彰決まる/日水協
有識者委員会を設置/今後の汚水処理のあり方検討会
東岡創示氏が死去/前・東京都水道局長
循環のみち下水道賞/喜びの表彰式
「水道大学」を10月26・27日に開催/簡水協
寝屋川流域下水道初の高度処理/「なわて水みらいセンター」が通水/大阪府
マダガスカルの水と衛生支援/「TAP KANAGAWA」始動-横浜市水道局など
緊急時の対応策をシミュレーション/防災の日…福岡市水道局
浄水場等運転管理を委託へ/広島県企業局
豪雨影響で断水最大1500戸/静岡・小山町で
合同研修会を開催80人参加、熱心に/企業団協・広水協
白汚零さん写真展で下水道をPR/東京都下水道局
小口径タイプ開発で用途拡大/DO―Jet工法研究会
水道設備総合CADを販売開始/システムズナカシマ
非常用トイレを本格展開/トミス
PPPテーマに夏期講座/水コン協関西支部
消火配管用ポリ管を発売/クボタシーアイ
逆浸透膜拡販順調に/東レ
ベトナム研修生が水団連を表敬訪問
10月に全国サミット/小水力推進協など
水循環基本法成立めざし/水制度改革求める国民大会
水制度改革国民会議は9日、「水制度改革を求める国民大会」を東京都千代田区の星陵会館で開き、水制度改革を訴えるアピールを採択した。会場には、超党派の国会議員で構成する水制度改革議員連盟の所属議員や水制度改革を期待するNPO法人のメンバーなどが駆けつけ、次期通常国会での水循環基本法の成立をめざして活動していくことを確認した。法案の提出・成立には多くの課題がある中、議連と国民会議の今後の活動が注目される。
支部方式、結論出ず/日水協・定款変更専門委
新公益法人制度に移行するため日本水道協会では委員会を設けて検討を進めているが、支部のあり方を巡っては方向性が定まっていない。会計は本部に一本化されるものの現行の「○○支部」の名称を使用できる「支部存続方式」と、支部を任意団体として本部と切り離す「協力団体方式」。双方にメリット・デメリットがあり、どちらが現行に近い形を維持したまま移行できるかなど、議論はさらに重ねられることになった。
9日、「公益法人制度改革に関する定款変更専門委員会」(委員長=加藤英典・東京都水道局総務部担当部長)を開いたが、出席した委員からは両方式とも、それを推す意見が相次いだ。協力団体方式を採用した日本下水道協会に倣うべき,県支部はもともと任意団体,といった意見があれば、企業会計で事業運営している水道事業の特徴から支部存続方式を推す反対意見もあった。公務員による公金の取り扱いについて不明な点もあり、この日は結論に至らなかった。
22年度会長表彰決まる/日水協
日本水道協会は、平成22年度会長表彰受賞者を発表した。功労賞には、札幌市水道事業管理者を務めた横山直満氏や仙台市水道事業管理者を務めた五十嵐悦朗氏、茂庭竹生・東海大学名誉教授、眞柄泰基・トキワ松学園理事長ら10人が選ばれた。特別賞は107人、有効賞は論文1編の関係者5人だった。また、勤続賞は7地方支部合わせて822人が受賞した。
表彰式は10月20日、松山市で開催する第79回総会の初日に行う。
有識者委員会を設置/今後の汚水処理のあり方検討会
国土交通省、環境省、農林水産省の3省は8日、第4回今後の汚水処理のあり方に関する検討会を国交省省議室で開き、検討会の下に有識者等委員会を設置することを了承した。また、都道府県知事と市町村長に対して実施したアンケート調査の結果が報告された。
有識者等検討委員会は、アンケート調査の結果を踏まえ▽持続可能な汚水処理について(施設の経営や効率的整備、維持管理)▽汚水処理施設の効率的な早期整備をめざした計画論とその手法について▽今後の汚水処理のあり方について―を論点に、委員から意見を聞く。必要に応じて、自治体等からもヒアリングを行う。意見やヒアリング内容は、検討会において政策等をとりまとめるにあたっての参考にする。
東岡創示氏が死去/前・東京都水道局長
前・東京都水道局長の東岡創示氏が13日、死去した。60歳。
東岡氏は、早稲田大学政経学部卒業後、昭和49年に東京都水道局入局。都庁マンとしての経歴の大半を水道局で過ごした水道事務系プロパーで、総務部総務課長、総務部長、次長等を歴任し、平成19年6月から2年間水道局長を務めた。長年の水道事業における業務経験で培われた経営センスとリーダーシップを発揮し、監理団体との一体的運営体制の構築など、同局の多様で積極的な施策展開を切り盛りした。
通夜は15日18時から、告別式16日10時からいずれも埼玉県坂戸市のセレモアつくば坂戸駅前会館で。喪主は妻の則子さん。
循環のみち下水道賞/喜びの表彰式
国土交通大臣賞の循環のみち下水道賞(第3回)の表彰式が9日、東京都台東区の東京国立博物館平成館で開催された。津川国土交通大臣政務官から受賞者に賞状が渡されると会場から大きな拍手が贈られた。この賞は水のみち、資源のみち、サスティナブル活動、特別部門に分かれており今回は9事例、13団体が受賞した。
「水道大学」を10月26・27日に開催/簡水協
全国簡易水道協議会は10月26・27日の2日間、「水道大学基礎講座」を東京・永田町の全国町村会館で開催する。簡易水道をはじめとした中小規模水道事業に従事している担当者らが対象。今年は、厚労省の粕谷課長、岩手県矢巾町の吉岡氏、石狩市の清野氏ら、国、自治体、大学などから7人の講師が講演する予定。
定員は180人。申し込みは、都道府県・市町村の水道担当者(受講料=1万5000円)は各都道府県(簡易)水道協会を通じて、賛助会員(同1万8000円)は簡水協事務局(電話03―3581―0471)に。
寝屋川流域下水道初の高度処理/「なわて水みらいセンター」が通水/大阪府
大阪府都市整備部下水道室は13日、寝屋川北部流域下水道なわて水みらいセンターの通水式を四条畷市の同センター管理棟で行った。地元から田中夏木・四条畷市長、馬場好弘・寝屋川市長をはじめ関係者約70人が出席し、メインスイッチ起動など様々なセレモニーで通水を祝った。
冒頭、井上章・大阪府都市整備部長は「本府は水都大阪再生に向けた取り組みを進めている。なわて水みらいセンターの供用開始で寝屋川の水質改善や水循環による快適な都市形成が進展する。今後はセンターの上部利用なども整備していく」と挨拶。田中・四条畷市長は「本市市民らとワークショップを開き、センターの上部利用を協議してきた。せせらぎや修景地、テニスコートの整備を行い、さらに高度処理水の活用など様々なプロジェクトで水辺空間が甦る」と期待を述べた。その後、中須賀剛三郎・大阪府東部流域下水道事務所長による工事経過報告、メインスイッチ起動、施設見学などを行った。
なわて水みらいセンターは、都市化の進展による計画下水量の増加に対応させるため、平成7年に都市計画決定をし、建設を進めてきた。集水区域は寝屋川市、枚方市、四條畷市、交野市の4市。計画処理人口は29万人、計画処理面積は2724.84ha、処理能力は1日3万8000立方m(全体計画15万2000立方m)となる。
マダガスカルの水と衛生支援/「TAP KANAGAWA」始動-横浜市水道局など
日本青年会議所関東地区神奈川ブロック協議会と日本ユニセフ協会、横浜市水道局は、神奈川県内のホテル、レストラン、カフェとの協働によりTAP PROJECTの日本展開として9月18日から10月4日までの期間「TAP KANAGAWA きれいな水を、世界の子どもに」を実施すると発表した。
昨年は横浜市水道局が横浜青年会議所と共催で「TAP YOKOHAMA」を実施したが、今年は県内すべての青年会議所の協力を得ることで「TAP KANAGAWA」としてより発信力を強める。「TAP KANAGAWA」通じて集められた募金はユニセフがマダガスカルで行う井戸やトイレの設置、手洗いなどの衛生習慣の普及と定着活動に活用される。
緊急時の対応策をシミュレーション/防災の日…福岡市水道局
福岡市水道局は「防災の日」の1日、福岡市水道サービス公社と合同で緊急時対応の図上シミュレーション訓練を実施した。松永徳壽・水道事業管理者や梅村文雄・公社理事長をはじめ、全管理職を中心におよそ60人が参加。実際に災害が起きた時に必要とされる情報伝達や、公報など各担当の役割を確認した。
訓練では、市内を震源とする震度5強の地震が発生し、配水本管2カ所が被災し濁水や水圧低下が発生したと想定。全職員に携帯電話で「参集メール」を送信し、それを受けて災害応急対策計画に基づいて各自が対応を開始した。別室の進行管理者から被害や現場の復旧状況といった条件が与えられ、その状況に応じて計画に基づいて応急復旧や応急給水を実施するというシナリオで進められた。
浄水場等運転管理を委託へ/広島県企業局
広島県企業局は、瀬野川浄水場などの運転管理業務の受託者選定を、公募型プロポーザルで実施する。委託期間は平成23年度から5年間としている。
1.瀬野川浄水場等運転管理業務委託は、▽県営戸坂取水場▽呉市戸坂取水場▽温品浄水場▽田口浄水場が終日、瀬野川浄水場が土日・祝日および年末年始の終日と休日以外の夜間。
委託内容は運転管理業務(設備点検、場外施設の運転監視制御および異常時の初期対応業務など)。委託料の上限額は約6億900万円(税込)となっている。
2.三ツ石浄水場運転管理業務委託は、▽三ツ石浄水場▽白ヶ瀬浄水場が土日・祝日および年末年始の終日と休日以外の夜間。
豪雨影響で断水最大1500戸/静岡・小山町で
台風9号の影響で静岡県小山町では8日、河川の増水による町道崩壊・橋梁崩壊で最大1500戸(4500人)が断水した。13日午後6時までにはほぼ復旧している。
県水利用課のまとめによると主な被害箇所は、▽六合橋=200mmの橋梁添架管が増水により流出▽下野沢橋=200mmの橋梁添架管が橋とともに流出▽柳島地区=75mmの道路埋没管が破損▽湯船地区=宮前橋の橋梁添架管が増水により流出―だった。仮設配水管による被災箇所の切り回しなどを行った。
合同研修会を開催80人参加、熱心に/企業団協・広水協
全国水道企業団協議会と広域水道事業推進連絡協議会の合同研修会が9日、日本水道協会で開かれ、若手・中堅職員を中心におよそ80人が参加した。研修会では日水協と厚生労働省が講師を務め、アセットマネジメントや水道施設耐震化、地方公営企業会計制度の見直しについて説明した。参加者は熱心に聞き入った。
翌10日には、クボタ京葉工場の視察も行われた。
白汚零さん写真展で下水道をPR/東京都下水道局
東京都下水道局は8~12日の5日間、JR上野駅中央改札のコンコースで写真展を開催した。「東京ワンダーグラウンド~地下都市へのご招待~」と銘打ち、写真家の白汚零氏が撮影した下水道施設の写真を展示。普段目にすることができない東京の地下に広がる“ワンダー”な世界に、立ち寄った人たちは興味深そうに鑑賞していた。
この写真展での下水道PR活動は、今年度の「循環のみち下水道賞」特別部門を受賞している。
小口径タイプ開発で用途拡大/DO―Jet工法研究会
DO―Jet工法研究会では、これまで1500mm以上の中大口径を対象としていたDO―Jet工法の適用口径を拡大し、800mm~1350mmに対応できる小口径タイプを開発した。同工法は、主に下水道幹線のシールド工事、推進工事などで採用されてきたが、適用口径範囲の拡大により、水道管の推進工事などにも活用が見込まれ、用途拡大につながる。また、未確認障害物への新たな対応として、障害物がない場合は一般の泥濃式推進工法で施工し、障害物があった場合は設計変更によりDO―Jet工法で施工する「障害物保険方式」を確立。シールド・推進工事において障害物が気になるが、コストは抑制したいとする発注者ニーズを反映したサービスを展開する。
水道設備総合CADを販売開始/システムズナカシマ
システムズナカシマ(本社=岡山市、中島義雄社長)は9月7日、水道設備総合CADシステム「ANDES水匠」の発売を開始した。
同システムは、水道設備に関わる様々な図面作成業務を効率化するための機能を多数搭載した水道設備総合CADシステム。水道申請に関わる書類・図面を素早く仕上げることができるほか、現場で必要となる設計図や施工図作成、管割図や作業日報などの本管図面作成、リフォームや増改築提案を行うプラン図作成などで活用できる。CAD開発25年と水道申請CADシステム「ANDES水道Master」の開発・販売で培ってきた独自のノウハウを盛り込むとともに、利用者からの“水道申請に詳しくなくても申請図面が書けるソフトを”という要望を反映させた。
非常用トイレを本格展開/トミス
トミスはこのほど、非常用マンホールトイレ「トミレット(600mm鉄蓋マンホール用洋式トイレ)」を本格的に営業展開すると発表した。大規模地震などの災害時に各種ライフラインが停止した場合、トイレの確保が大きな課題となるが、マンホールトイレの備蓄は、最も効率的かつ衛生的な手法の一つとして地方公共団体の注目度も高い。「誰でも簡単に組み立て、設置が可能」「FRP強化便器を導入した安全設計」「コンパクトに収納、保管が可能」といった特長をもつトミレットで、市場シェア拡大をめざす。
PPPテーマに夏期講座/水コン協関西支部
全国上下水道コンサルタント協会関西支部の夏期講座が8日、大阪市中央区の大阪府建築健保会館で開催された。今年のテーマは「水ビジネスにおけるPPP(官民連携)」。近年注目を集めている問題だけに、会員だけでなく関西地区の上下水道事業体、水関連企業などから約130名が参加し、満員の盛況。各講師の講演に熱心に耳を傾けた。
消火配管用ポリ管を発売/クボタシーアイ
クボタシーアイは1日、消火設備配管用のポリエチレンパイプ・継手の販売を開始した。日本水道協会規格の「水道配水用ポリエチレンパイプ」を消火設備配管に適用拡大するために、日本消防設備安全センターから登録認定を取得し、新シリーズとして発売するもの。呼び径75、100の2サイズで、パイプ・継手15種類をラインナップする。耐震性、耐食性やコストパフォーマンスに優れており、神社仏閣などの重要文化財や大型商業施設などを対象に営業展開する方針。平成23年度で年間5億円の売上をめざす。
逆浸透膜拡販順調に/東レ
東レはこのほど、2011年3月期第1四半期決算の概要を発表した。水処理事業を核とする環境・エンジニアリング分野の業績は、ほぼ期初見通し通りに推移しており、第1四半期売上は346億円で前年同期比124億円増。逆浸透膜をはじめとした水処理膜の拡販推進や、国内子会社による環境関連機器の拡販、米国子会社による逆浸透膜の販売量増が要因となった。
ベトナム研修生が水団連を表敬訪問
平成22年度ベトナム国別研修「日本の水道人材育成」コース研修生は30日、東京・市ヶ谷の日本水道工業団体連合会を表敬訪問し、会員企業(クボタ、荏原製作所、日立プラントテクノロジー、東芝、パシフィックコンサルタンツ)と担当事業や主力製品などについて意見を交換した。また1日には、前澤工業(埼玉)、クボタ(千葉)を訪れ、生産ラインなどを見学した。
10月に全国サミット/小水力推進協など
全国小水力利用推進協議会、都留市、山梨県小水力利用推進協議会の3者は10月16日(土)~17日(日)の2日間、山梨県都留市で「第1回全国小水力発電サミットin都留」(後援=環境省、経済産業省、国土交通省、総務省、農林水産省ほか)を開催する。