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2010年(平成22年) 11月  1日(第4611号)






持続可能な水道へ工夫を/厚労省水道技術管理者研修
 厚生労働省水道課は27日、水道技術管理者研修を同省講堂で開催し、担当官による最近の水道行政の動向の説明や、水道事業体による危機管理事例と事業統合・広域化先進事例の報告が行われた。また、武藤芳照・東京大学大学院教授による「健康のために水を飲もう」をテーマにした特別講演も行われ、全国から集まった水道技術管理者たちは、熱心に耳を傾けていた。粕谷明博・水道課長は挨拶の中で、持続可能な水道の実現に向けて関係者が新たな工夫をしていくことが必要だと訴えた。

温暖化対策に全力投球/第50回下水道主管者会議
 流域下水道都道府県協議会・大阪府主催、日本下水道協会後援の第50回都道府県下水道主管者会議が28・29の両日、大阪市中央区のホテル・プリムローズ大阪で開催された。松井正樹・国土交通省下水道部長の講演、地球温暖化や雨天時対策などをテーマとする分科会、さらに先月供用開始した大阪府東部流域下水道・なわて水みらいセンターの視察を行い、流域下水道行政が抱える課題や今後の方向性を巡って熱心に意見を交換した。

水分野国際標準化委を設置/国交省、厚労省、経産省、環境省
 国交省、厚労省、経産省、環境省の4省は26日、「水分野国際標準化戦略検討委員会」を設置すると発表した。日本の水分野の技術が世界で活用されるよう、戦略的に国際標準化の動きに関与することが目的。年度内に水分野の国際標準化戦略を策定する。水分野ではISO/TC224に限らず、再生水利用(TC253)、バイオガス(TC255)の検討が始まっている。
 委員会の下に水道部会と下水道部会を置き、連絡会議を月一回程度開催する。水道部会の第1回会合は11月9日(火)15時から日本水道協会で開催される。出席者を公募しており、詳しくは水道技術総合研究所まで。下水道部会は11月中旬までに開催される予定。

「トリクロロ酢酸」基準強化も
 塩素処理によって生成される消毒副生成物として知られる「トリクロロ酢酸」の水質基準が強化される可能性が高くなってきた。現在、内閣府食品安全委員会で清涼飲料水中の化学物質について健康影響評価を見直しており、中でトリクロロ酢酸の評価値を現行の32μg/㎏体重/日から6μg/㎏体重/日に、約5倍厳しくみるよう検討が進められている。

来年度から年会費廃止/下水道研究会議総会
 一般都市の下水道担当部局で構成する下水道研究会議(代表幹事=針金隆司・横須賀市上下水道局施設部長)は28日、定時総会および分科会を苫小牧市で開催した。総会では、今後の同会議のあり方について、会員市を増加させ、同会議を充実させるために、来年度から年会費を原則廃止することなどを承認した。

JS評議員会会長に三村青森県知事
 日本下水道事業団(JS)評議員会会長に14日付で三村申吾・青森県知事が就任した。同日開かれた第96回評議員会で満場一致で選任された。三村会長は「会長として、より効率的で成果の上がる運営をしていく」と抱負を述べている。

広域化促進の採択“第1号”に/宗像地区事務組合
 福岡県の北東部、宗像市と福津市に給水している宗像地区事務組合は今年4月1日に、用水供給を行っていた従来の事務組合に末端給水の両市水道事業を統合した。新しい宗像地区事務組合として末端給水型の水道事業が船出したところだ。関連する施設整備に10年間で81億円かけて実施する計画で、国が今年度創設した「水道広域化促進事業」の採択第1号になる見込みという。宗像地区の統合・広域化は水道料金の安定化や将来必要となる大量更新に備えた財源確保などを狙った垂直統合だったが、国も補助制度で後押したことが特筆されよう。政策誘導による広域化の先進事例として注目を集めそうだ。

11月は「強化月間」/東京都下水道局
 東京都下水道局は11月1日から1カ月間を「事故予防対策強化月間」と定め、事故の防止に取り組んでいく。年度の下半期に入り、同局発注の工事が最盛期を迎えることから、工事・作業に携わる関係者の安全意識を高めていこうというもの。昨年度、上半期に1件だった事故が下半期は5件だったという。安全管理の徹底で“事故ゼロ”を目指す。

安心できる対応を!合同訓練を実施/日水協中部支部
 日本水道協会中部地方支部は10月26~27日の2日間、合同防災訓練を新潟市で開催した。支部長都市の名古屋市をはじめ、新潟県・長野県・富山県内の水道事業体に、「大都市災害相互応援に関する覚書」基づいて応援幹事都市になるさいたま市から応援隊が集結。見学者も含め約120人で行った。

岡山で企業長・事務局長経営会議開く/企業団協
 全国水道企業団協議会(会長=小林眞・八戸圏域水道企業団企業長、八戸市長)の第41回企業長・事務局長経営会議が14日、岡山市で開催された。約60人が出席し、山本俊政・岡山理科大学工学部准教授の講演、事業別の懇談会が行われた。

水道工学研修終わる/国立保健医療科学院
 およそ6週間にわたり国立保健医療科学院が実施した水道工学研修が10月15日に終わった。研修メニューの実地見学=では研修生らは、神奈川県企業庁が箱根町北側半分に給水している水土野水源の紫外線処理施設(今年3月に運用開始)やイタリー浄水場膜ろ過施設などを見学した。同庁担当者に熱心に質問し、知見の吸収に努めた。見学した施設のメリットなどについて議論し、良い情報交換の場となっていたようだ。

門戸ひろげ鉄管講習会/新潟市水道局
 新潟市水道局はさきごろ、「ダクタイル鉄管(設計施工監理)講習会」を開催した。これは、メーカーなどの民間企業が蓄積している技術や知見を吸収することを目的に実施するもので、今回が初の試み。今年5月にオープンした同局の水道技術研修センターを舞台に同局職員はもとより、県内水道事業体や管工事に携わる施工企業関係者にも門戸を開いている。

締め切り迫る/第13回日本水大賞
 「第13回日本水大賞」の応募締め切りが11月30日に迫っている。水大賞は、水循環系の健全化に寄与すると考えられる活動を讃え表彰するもので、主催する日本水大賞委員会の名誉総裁は秋篠宮さまが務めている。国交省や厚労省をはじめ水に関係する各省、各団体が後援している。

ファンケル&京急百貨店と道志村で/横浜市水道局
 横浜市水道局と水源エコプロジェクト(ウィコップ)協定企業である、(株)ファンケルと(株)京急百貨店が10月23日、道志村で水源林を守り親しむ活動を展開した。

土砂崩れで水道施設が被害/奄美地方集中豪雨
 鹿児島県奄美地方では10月20日に24時間降雨量が観測史上最大となる325mmになり、水道施設に甚大な被害があり、断水が発生している。奄美市では豪雨による土砂崩れで配水池が全壊、さらに導水管2カ所が破損し、同市住用町地区の5カ所の簡易水道が使用できない状態になった。22日には奄美市で830世帯、大和村と伊仙町で300世帯が断水に至った。

処理場包括委託の入札公告開始/千葉市
 千葉市は南部浄化センター等包括維持管理業務委託の入札公告を開始した。選定方法は、総合評価一般競争入札。入札参加資格確認申請書の締切りは11月19日。業務期間は平成23年4月1日から平成26年3月31日まで。

新上下水道料金システム「WISH」を開発/PUC
 PUCは、水道営業業務の効率化とサービスを向上させる上下水道料金に関する新システム「WISH」を開発した。「経営の効率化とお客さまサービスの向上を実現できる」ツールとして水道事業体へ提供していく方針だ。
 同システムは、半世紀にわたり水道料金営業業務をサポートしてきた同社のノウハウを結集したシステム。ITを駆使し、情報と指示の集中管理による業務運営モデルを構築した。上下水道料金システムを中心に業務運営に係わる基本システムで構成している。

出力機能、メンテ性を向上/メタウォーター
 メタウォーターは、同社濁度計シリーズのスタンダード版「高感度濁度計」とフラッグシップモデルの「ハイブリッド形微粒子カウンタ」をリニューアルし、1日、販売を開始する。外部出力機能を拡張し、さまざまな制御システムに対応できるようにしたほか、従来工場で行っていた部品の交換作業を現場で完結できるようにした。同シリーズは旧型機も合わせ既に約800台の納入実績があるが、リニューアルを機に、さらなる拡販をめざす。

鋼管協会小径管部会が40周年/佐藤部会長が会見
 日本水道鋼管協会の小径管部会が昭和45年10月に発足して以来40周年を迎え、10月27日、東京千代田区のJFEスチール本社で佐藤知道部会長(JFEスチール鋼管営業部長)が今後の展望などについて会見した。
 昭和40年代の高度経済成長に支えられ、インフラ整備や集合住宅、ビルが多く建設される中、それまでの建築設備用配管の主流だった亜鉛めっき鋼管の腐食対策として、錆びない給水鋼管の開発・普及を行うことを目的として小径管部会が設立された。

一般社団移行へ調整着々/管カメ協臨時総会
 全国水道管内カメラ調査協会の第5回臨時総会が19日、松山市内のホテルJALシティ松山で開催された。一般社団法人への移行や、来年4月に設立5周年を迎えるにあたり、計画中の記念事業などについて審議した。

山田雅雄副市長が講演/中部WC例会
 中部ウォータークラブの例会が10月14日、名古屋市中区のローズコートホテルで開催された。会場には関係者ら約100人が集まるなか、山田雅雄・同市副市長が『なごや水物語“元名古屋市長杉戸清の描いた水都なごや”』をテーマに講演した。

リサイクルポスター作成/塩ビ協
 塩化ビニル管・継手協会は、使用済みの塩化ビニル管・継手の受入施設への持ち込みとリサイクル塩化ビニル管(JIS品)の使用をさらに促進させ、循環型社会へ貢献していくための取り組みの一つとしてポスターを作成した。

AVKホールディングと資本提携/清水工業
 清水工業は10月18日、かねてから技術提携を行なっていたAVKHOLDINGA/S(デンマーク)と資本提携を行い、AVKグループに参加した。水道産業界を取り巻く環境が大きく変化する中で、世界的なネットワークを持つ企業グループに参加することで、さらなる社業の発展を目指す。

サミット参加者を募集/PSI協会
 NPO法人PSI協会(会長=磯村欽三・磯村豊水機工会長)は、12月3日13時から、埼玉県・越生町のニューサンピア埼玉おごせでPSI浄水発生土リサイクル・モデル事業のキックオフ・ミーティングを開催する(協賛=東北大学大学院農学研究科、全国農業協同組合連合会。後援=厚生労働省、日本土壌協会、日本水道協会、水道技術研究センター、日本水道工業団体連合会ほか)。テーマは「PSIサミット 水と農と食を結ぶ市民・生活者の集い~未利用資源(浄水発生土)の有効利用(農地還元)による新しい社会システムの提案~」。