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2010年(平成22年) 11月 8日(第4612号)
工水の持続へ一層の努力が/工水協総会
サウジ水電力大臣が視察/都芝浦水再生センターの再生水施設
新任インタビュー/給水工事技術振興財団専務理事 江郷道生氏
国の現地調査など追加/厚労省・水質検査信頼性確保検討会
営業マニュアル改訂着々と/日水協
佐々木隆氏講師に技術談義/水道サロン
来年4月採用の正職員募集/下水協
37市町村で大阪広域水道企設立
中国でリン回収事業/岐阜市
給水100周年式典を開催/堺市上下水道局
インド・モルディブへ/東京都水道局ミッション団
ゼニス羽田(株)を設立/ハネックス日本ゼニスパイプ
平成22年度表彰を発表/JS
第9回講演会参加者募集中/浄水技術研究会
水の写真コンテスト作品展/東京・飯田橋で開催
工水の持続へ一層の努力が/工水協総会
日本工業用水協会は5日、第53回通常総会を東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷で開催し、平成23年度予算および事業計画を承認した。理事の選任も行われ、総会後の理事会において、会長、副会長などの主要役員が再任された。また「協会の事業及び組織のあり方検討WG」の中間報告が行われ、協会を今後も存続させるために事業内容や会費、組織を見直していく方向性が示された。産業を支える重要な社会基盤施設である工業用水道が持続していくため、関係者の一層の努力が求められている。
サウジ水電力大臣が視察/都芝浦水再生センターの再生水施設
サウジアラビア国のホサイン水電力大臣は2日、東京都下水道局芝浦水再生センターを視察、再生水造水施設ではその技術力の高さを絶賛した。
今回の来日は、日本の水・エネルギー分野の高度な技術を視察するとともに、国土交通省や経済産業省と会談することで両国の協力関係を強化することが目的。
新任インタビュー/給水工事技術振興財団専務理事 江郷道生氏
10月1日付で給水工事技術振興財団専務理事に就任した江郷道生氏は、昭和43年に広島市水道局に入局後、技術系プロパー職員として水道一筋の経歴を重ね、平成17年4月から4年間は水道事業管理者を務めた。また、広島市退職後も(株)積水化学工業顧問として、水道界の発展に貢献してきた。同財団が専務理事を公募した中で示された、水道事業や技術に対する深い知識と経験を持つ人材としてはうってつけの人物だ。
国の現地調査など追加/厚労省・水質検査信頼性確保検討会
厚生労働省は4日、第6回水質検査の信頼性確保に関する取組検討会を開いた。前回の検討会で取りまとめた報告書案に対して募集したパブリックコメントの結果と、意見に対する検討会の考え方について審議した。
18通39件の意見が寄せられた。パブコメを踏まえ、報告書案を若干修正した。例えば、水道事業者等の取り組みの中で、検査の把握について検査機関が水道事業者等の求めに応じて検査結果を速やかに提供できるよう努める旨や、国の取り組みの中で、検査機関の登録や更新、検査区域の変更に関する書類審査の過程で検査機関の検査体制を現地調査により確認すべきであることなどを追加した。
営業マニュアル改訂着々と/日水協
日本水道協会は10月25日、営業業務専門委員会(委員長=上西賢治・神戸市水道局総務部業務課長)を開き、「営業業務マニュアル」の改訂について審議した。
佐々木隆氏講師に技術談義/水道サロン
水道技術研究センターの第107回水道技術懇話会が先月12日に虎ノ門電気ビル・立山で開催された。
今回の講師は、元・阪神水道企業団管理部長で現・同センター技術顧問及び日水コン技術調査役の佐々木隆氏。オゾン処理技術の課題と展望を軸に阪神水道時代に培われた豊富な知見を披露した上で、来たる大量更新時代を見据えて「浄水技術を見つめ直そう」と主張した。そして、浄水場を造る、あるいは更新する際に、「忘れてはならないのは3つのC。その地域の気候風土(=Climate)、伝統文化(=Culture)、需要者ニーズ(Consumer)」と語り、「すごい浄水場よりいい浄水場を」と訴えた。
来年4月採用の正職員募集/下水協
日本下水道協会は来年4月1日付で採用する正職員を募集している。採用人数は事務職、技術職ともに若干名。
応募資格は大卒見込者または卒業者で、採用時年齢が45歳以下。ただし、32歳以上は下水道関連業務に10年以上従事していることが必要になる。採用試験は職種別に書類審査、筆記・小論文、面接を行う。
応募書類は30日までに提出する。詳細はホームページを参照。問い合わせは総務部総務課(電話03―5200―0811)まで。
37市町村で大阪広域水道企設立
大阪府内37市町村が大阪府に申請していた大阪広域水道企業団の設立について2日、橋下徹・大阪府知事から同企業団設立準備委員会委員長の竹山修身・堺市長に設立許可指令書が交付された。大阪府から市町村への用水供給事業の移管が許可され、同企業団は正式発足した。現在、大阪市を除く5自治体が企業団への参画を調整しており、来年4月には府内42市町村で企業団事業がスタートする見通しだ。
中国でリン回収事業/岐阜市
岐阜市は、同市が開発した「下水汚泥焼却灰からのリン回収技術」の中国での導入・普及をめざし、同国学術機関などと共同で事業化可能性調査(FS)に乗り出す。24日に東京都内で開かれた第5回日中省エネルギー・環境総合フォーラムで正式に決定した。
同市は、下水汚泥焼却灰からのリン回収技術をメタウォーター(本社=東京都港区、松木晴雄社長)と共同開発し、北部プラントに導入。今年3月に施設が完成し、下水汚泥の有効利用のみならず、リン資源の枯渇に対する有効な解決策として大きな注目を集めている。
同フォーラムでは、岐阜市、メタウォーター、三菱東京UFJ銀行、中国・同済大学環境科学与工程学院、同・上海社会科学院外国投資研究中心の5者が、同技術の中国における事業化共同研究の枠組みに合意。調印文書を交わした。
給水100周年式典を開催/堺市上下水道局
堺市上下水道局は10月31日、同市堺区のサンクススクエア堺で水道給水開始100周年記念式典を開催した。式典には市民ら約350人が出席し、気象予報士の正木明氏による講演や水道絵画展表彰式、スライドによる水道史紹介など様々なイベントを通して100周年の節目を祝った。
冒頭、澤野哲也・堺市上下水道事業管理者は「明治43年、全国18番目の近代水道として給水を開始し100年を迎えた。今後さらに理解や親しみを深めて頂くため、本式典を開き、これまでの歴史を振り返るとともに新たな一歩の礎にしたい」と開会の挨拶をし、続いて竹山修身・堺市長が「大阪広域水道企業団が設立され、将来的には“ワン大阪”を目指し、そのスケールメリットを活かしていく。100周年を節目とし、水道事業のさらなる発展に向け、様々な課題に全力で取り組んでいきたい」と抱負を述べた。
インド・モルディブへ/東京都水道局ミッション団
東京都水道局の「国際展開ミッション団」のインド・モルディブへの派遣が決まり、日程が発表された。インドが11月14日~19日、モルディブが20日~24日まで。
酒井晃・給水部長をはじめ、水道局5人、東京水道サービス(株)2人が現地を訪れる。インド政府関係者やハリアナ州政府関係者、デリー市関係者、モルディブ政府関係者などと面談。東京都の持つ技術・ノウハウをアピールするほか、新たなニーズの掘り起こしをする。
ゼニス羽田(株)を設立/ハネックス日本ゼニスパイプ
下水道関連のコンクリート二次製品の製造・販売を主力事業とするハネックス(仙波不二夫社長)と日本ゼニスパイプ(塩見昌紀社長)は、来年4月1日に株式移転により共同持株会社「ゼニス羽田株式会社」を設立することで合意した。また共同持株会社設立のための「株式移転計画書」を作成、さらに両社の経営統合に関する「経営統合契約書」を締結した。
平成22年度表彰を発表/JS
日本下水道事業団(JS)は11月1日の創立記念日にあわせ今年度の事業団表彰を発表した。前年度完成した工事から優良工事として14件、前年度に完了した基本設計・実施設計の中から優良設計として2件、また顕著な功績があったとして個人33人が選ばれた。表彰式は9日に本社で行われる。
第9回講演会参加者募集中/浄水技術研究会
浄水技術研究会(会長=森田豊治・イー・ジー・エス代表取締役)は12月16日、「“更新喚起”~持続可能な水道サービスの実現に向けて~」と題して第9回講演会を開く。日本の水道は「世界に冠たる水道」として高い評価を得ている一方で、施設の老朽化、技術者の大量退職など課題も山積している。同研究会は、持続可能な水道サービス実現に向けた施策を探る場として同講演会を企画している。
水の写真コンテスト作品展/東京・飯田橋で開催
本紙主催の「第52回水の写真コンテスト」で入選した作品の展示会が11月5日から、東京・飯田橋のセントラルプラザショッピングセンター「ラムラ」で開催されている。
展示作品は、グランプリ(厚生労働大臣賞)作品など17点で、会期は今月12日まで。
都心の会場ということもあり、近くに勤める会社員や買い物途中の主婦などが作品の前に立ち止まり、「この写真はどうやって撮影したのでしょうね」と興味深げに見入っていた。