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2010年(平成22年) 11月 11日(第4613号)





講習会見直しで検討委/給水財団
 給水工事技術振興財団は、給水装置工事配管技能者講習会の見直しに向けた検討委員会を設置、5日に初会合を同財団会議室で開催した。同講習会については12年目を迎えるが、実施しない県が徐々に増えてきている状況にある。一方で、配管技能者の高齢化が進んでおり、今後技術の継承が難しくなる可能性があることから、委員会では講習会がより広範な都道府県で実施されるよう必要な見直しを行う。水道利用者に最も近い給水装置の工事が適正に行われることは、水道の安全性・信頼性に直結するため、技術力の確保は不可欠であり、委員会の成果に期待が集まっている。

"建設中止"言及せず/馬淵国交大臣が八ッ場ダム建設地を視察
 馬淵澄夫・国土交通大臣は6日、就任後初めて八ッ場ダム建設地である群馬県長野原町を訪れ、建設現場を視察、その後行われた髙山欣也・長野原町長らとの意見交換会において、これまで掲げてきた“建設中止の方向性”について、今後言及しない旨の発言を行った。民主党政権が掲げる「できるだけダムに頼らない治水」の象徴である同ダムの方向性が変わる可能性が出てきたことは、他のダムにも影響しそうだ。

進化するMBR技術/JS技術報告会
 日本下水道事業団(JS)は10月28日、東京都新宿区の四谷区民ホールで技術報告会を開催した。
 曽小川久貴・理事長の挨拶、佐々木一英・国交省下水道部流域管理官の特別講演に続き、最新の業務報告として、若山泰介・JS近畿・中国総合事務所堺管理事務所長から、MBR(膜分離活性汚泥法)の大規模な適用を試みている堺市の三宝処理場における維持管理について発表があった。
 また、槽別置型MBR、アナモックス反応を用いた窒素処理などの水処理技術や、嫌気性消化ガス発電、下水中からのリン回収など、創エネルギー・資源回収分野におけるJSと民間企業の共同研究の成果も発表された。
 なお、今月17日にも堺市で報告会を開く。

最優秀口頭発表は3編/下水道研発企画運営委
 日本下水道協会は1日、下水道研究発表会企画運営委員会(委員長=津野洋・京都大学大学院教授)を協会会議室で開き、今年7月に名古屋市で行われた第47回下水道研究発表会での最優秀口頭発表者の表彰式などを行った。
 最優秀口頭発表賞を受賞したのは▽連絡管を活用した下水処理施設の効果的運用(東京都下水道局・佐藤研三氏)▽千住関屋ポンプ所におけるケーソン工事について~ケーソン二函の同時施工~(東京都下水道局・山田洋平氏)▽肥料利用を目指したリン吸着剤の開発(東芝・辻秀之氏)―の3編。表彰式では津野委員長から表彰状と記念品が手渡された。

産学官協働の成果披露/下水道機構事業報告会
 下水道新技術推進機構は10月25日、事業報告会を都内で開催し、各部長による事業報告や津野洋・京都大学大学院教授による特別講演を行った。
 石川忠男・理事長の挨拶に続き、講演した津野教授は、下水道の持続的発展に向けて、枯渇する資源の人口循環系構築を基礎とし、製品製造者と技術開発者、技術採用者が協働し社会システムを確立することが必要だと訴えた。

要領・仕様書の説明会開催/日水協
 日本水道協会は2日、積算要領・標準仕様書等説明会を協会会議室で開いた。「水道施設維持管理等委託積算要領(管路維持業務編・浄水場等運転管理業務編)」、「水道工事標準仕様書(土木工事編・設備工事編)」、「水道施設設計業務委託標準仕様書」への理解を深め、実務で有効に活用してもらうことが目的。

クリプト試験法の研修生募集/国立保健医療科学院
 国立保健医療科学院は、来年1月24日から2月4日まで開催する短期研修「水道クリプトスポリジウム試験法に係る技術研修」の願書を30日まで受け付けている。
 水道の水質検査に携わる技術者を対象に、水中のクリプトスポリジウム試験方法や、水道におけるクリプトスポリジウム対策に関する専門知識と技術を習得することを目的にしており、定員は20人。受講資格は、地方衛生研究所、保健所、水道事業体等において、3年以上微生物検査業務に従事した実務経験があり、かつ、水道原水等のクリプトスポリジウム試験に携わっており、寄生性原虫類とその試験法に関する基礎知識を有する者。

5拡完成で情報交換会/阪神水道企業団
 阪神水道企業団の第5期拡張事業が、今年8月で完成した。昭和53年の着手から33カ年、総事業費2150億円に及び、施設能力の増加や高度浄水処理の導入などを図ってきた。同企業団では今後の展開として、今後30年間の施設整備の基本構想を計画。維持更新時代における施設整備の模範として、大きな注目と期待を集めている(10月25日に特集掲載)。
 同企業団では、今後の施設整備の基本方針を「地震に強い安定した用水供給システムの構築」とし、▽既存施設の耐震化▽バックアップ能力の確保▽維持管理性の向上などを段階的に取り組むとしている。

横浜市、JBICと協定
 横浜市と国際協力銀行(JBIC)は10月29日、新興国の環境・都市インフラ整備を支援していくため、「環境・都市インフラに関する業務協力協定」を結んだ。締結式では、林文子・横浜市長と渡辺博史・JBIC経営責任者が書面に署名を行い、両者の持つノウハウやネットワークを活用して急激に都市化が進展する新興国の課題解決に向けた取り組みや日本企業の国際展開の支援を行っていくことを確認した。

水道職員研修会を開催/埼玉県水道協会
 埼玉県水道協会は5日、水道事業担当職員研修会を埼玉県企業局・大久保浄水場で開催した。県内の、特に簡易水道を持つ市町村に技術的アドバイスを行っている同協会が毎年開いているもので、県生活衛生課との共同開催。今回は同課と、日本ダクタイル鉄管協会、管路リフレッシュ工法研究会、特定非営利活動法人ポリシリカ鉄協会(PSI協会)が講師を務めた。およそ85人が参加し、最新知見の吸収に努めた。

研修会に550人が参加/阪神7市1町給水装置協
 阪神7市1町給水装置協議会(構成市町…芦屋市、尼崎市、伊丹市、猪名川町、川西市、三田市、宝塚市、西宮市)は1日、伊丹市の伊丹市立文化会館で平成22年度指定給水装置工事事業者研修会を開催した。構成市町内で指定を受けている工事事業者ら約550人が集まるなか、佐川俊二・日本水道協会工務部技術課技術専門監が同事業者制度をテーマに講演した。
 冒頭、和田憲昌・尼崎市水道局参与は「平成8年の水道法改正に伴う指定制度の導入から10年以上が経過した。改善を要する様々な課題を認識し、施工品質のさらなる向上に繋げてほしい」と挨拶。

応急給水など防災訓練を実施/岐阜県営水道
 岐阜県営水道(水道企業課、東部広域水道事務所)は1日、防災訓練を行った。土岐市水道課や県営水道受水市町、地元の東濃管工事組合と土岐市管工事協同組合も参加し100人規模で、初動から情報伝達、応急給水、漏水箇所調査まで一連の行程。昭和59年から毎年行っており、今回で27回目だった。

水道GLP/福井市企業局
 福井市企業局が9月28日付で水道GLP(水道水質検査優良試験所規範)の認定を取得し、11月8日、認定証授与式が日水協で行われた。授与式には嶋田伸行・同市企業局企業管理者、梅藤正一・同局浄水課浄水管理事務所長、齊藤香・同課水質係副主幹が出席し、御園良彦・日水協専務理事から認定証が手渡された。

人材バンクとサポートデスク設置/東京都水道局
 東京都水道局は国際貢献ビジネスを睨んで、今年6月に東京水道国際展開人材バンクとサポートデスクを設置した。局長による委託でメンバーは30名。今後は順次拡大していく予定となっている。
 人材バンクはケーススタディを通じた人材育成や国際展開業務のサポートを行うもので、業務の経験、知識、語学力を持つ職員により組織横断的に編成されている。サポートデスクは、東京水道国際貢献ミッション団派遣職員のサポートを担当し、プレゼン資料のデータ収集協力や翻訳業務などを行う。設置の目的には、メンバーのスキルアップのほか、海外派遣者の負担を軽減することもある。

技術力向上へ日韓水道人が情報交換/ソウル東京フォーラム
 水道関係者が水道技術の研究成果などを発表する「ソウル東京フォーラム2010」がさきごろ、首都大学などで行われた。同フォーラムは首都大学東京(当時は東京都立大学)とソウル市立大学で、水環境工学に関する研究成果を披露し、情報交流を行うことにより、双方の技術力の向上を図ることを目的として、2002年から毎年開催されてきた。

インフラ再設計が成長の鍵/野村総研・未来創発フォーラム
 ―社会インフラの再設計が成長の鍵―。野村総合研究所は10月27日、東京都・千代田区の東京国際フォーラムで「未来創発フォーラム」を開き、国内外の中長期的な課題とその解決策などをディスカッションした。その中で、同社未来創発センターの神尾文彦氏は「社会インフラの再設計が豊かな社会と経済振興を実現する」と主張。水道事業などを例に、日本の“針路”を提言した。

ジェトロ・トロント・センターディビッド・アンダーソン氏に聞く
 ジェトロ・トロント・センター(カナダ)では、カナダにおける日本企業の展開を支援している。同国では、水分野で日本企業が持つ技術力に注目が集まっており、進出を期待する声が高まっているという。本紙では、同センターのディビッド・アンダーソン氏に話を聞いた。

子どもたちに汚泥燃料化技術を紹介/月島機械
 月島機械(本社=東京都中央区)はこのほど、東京都中央区立佃島小学校で行われた「2010年子どもとためす環境まつり」(主催=中央区環境保全ネットワーク)に出展。「下水からエネルギーが生まれる!」と題して、同社らが開発し、広島市西部水資源再生センターに導入された下水汚泥の燃料化技術を紹介した。来場した子どもたちは同技術に興味津々。同社社員に熱心に質問する様子も見られた。
 このイベントは、子どもたちや地域住民を対象に、環境問題の啓発の場として中央区内の小学校で毎年開催されているもので、今年で7回目。中央区にゆかりのある企業や団体が出展している。

金賞に本田翔一氏/技能五輪全国大会配管職種
 第48回技能五輪全国大会が10月22日から25日までの4日間、神奈川県下で行われ、各都道府県から選抜された全39職種、1028名の選手が競技に臨み、併せて2011年10月にイギリス・ロンドンで開催される第41回技能五輪国際大会の選手選考も行われた。22日、横浜市のパシフィコ横浜で行われた開会式では神奈川県から配管職種に出場する(株)金子工業所の伊藤英吉選手が大会旗の旗手を務めた。
 配管職種は神奈川県立産業技術短期大学校を会場に、全国から23名が競技に臨み、現役高校生も参加した。

松山で上下水膜セミナー/膜分離技術振興協会
 第3回上下水道膜セミナー(主催=膜分離技術振興協会情報・技術委員会、協賛=水道技術研究センター・日本水道協会)が28日、松山市総合コミュニティセンターで開催された。関係者ら約30名が出席する中、浄水や下排水関連の膜について、5題が紹介された。
 今回の5題は「浄水膜の種類と開発の歴史」「水道用浄水膜の制度と規格」「水道用膜モジュールJWRC仕様について」「国内外における水道用膜の実用例・これからの浄水膜」「下排水処理関連の膜技術の動向について」。

中国で下水汚泥焼却事業/丸紅
 丸紅は26日、安徽国禎環保節能科技股¥外字(937b)有限公司、大和三光製作所と中国で下水汚泥の乾燥・焼却処理設備の現地製造、プロジェクトの開発を共同で行うことで合意したと発表した。3者は、10月24日に経済産業省などが主催した「第5回日中省エネルギー・環境総合フォーラム」で覚書に調印。拡大する中国下水汚泥処理分野で、共同で市場開拓に注力していくとしている。

第10回市民環境学校を開催/グリーンサイエンス21
 グリーンサイエンス21は11月26日、東京都中野区の中野区勤労福祉会館で「第10回市民環境学校」を開催する。
 今回の市民環境学校では、エコや自然などをキーワードに4講演が行われる。
 開催日時は、11月26日午後1時から午後5時まで。参加費は無料。申し込みは、事務局に電話もしくはFAX03―3952―1121(電話・FAX番号共通)で。

高品質製品で競争力を/レジン製品協・臨時総会
 日本レジン製品協会の平成22年度臨時総会が10月27日、滋賀県米原市のエクシブ琵琶湖で開催された。冒頭、林富士男会長(サンレック社長)は、「日本のお米は高いが、海外ではおいしいとの評価で人気が高い。デフレの時代においても、品質が良ければ値段が少々高いのは問題ない。我々はレジン製品の品質に自信を持っているので、コスト低減を更に進めながら価格競争に負けないよう頑張ってほしい」と挨拶。
 臨時総会では、平成22年度の上期事業報告、下期事業計画が審議、承認されたほか、技術委員会からホームページ更新案として「レジンコンクリートの環境調和性」の追加報告などが行われた。

11月29日から膜技術シンポ/日本能率協会
 日本能率協会は11月29日から12月2日までの4日間、東京都港区の三田NNビルで「第27回ニューメンブレンテクノロジーシンポジウム」を開く(日本膜学会共催)。国内外の水処理、環境分野における膜技術の動向や展望などを報告する。プログラムは次のとおり。
【11月29日】▽セッション1「エネルギー創製と環境負荷低減への挑戦」▽セッション2「膜によるCO2回収と環境負荷低減への挑戦」

合同懇談会を開催/非鉄金属業界8団体
 非鉄金属業界8団体は10月26日、東京都千代田区の東海大学交友会館で合同懇談会を開催した。
 8団体を代表して吉田雅雄・日本電線工業会会長があいさつ。つづいて、7月30日に退職した前経済産業省製造産業局長の平工奉文氏が「海外展開を進めるためには、国内と海外にある各支社のシステムを共通化して効率化していく必要がある」と語り、鈴木正徳・製造産業局長が「環境の整理、PPPなどを進め、ビジネスを一緒につくっていきたい」と述べた。