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2011年(平成23年)  1月 24日(第4629号)






住民との意思伝達が重要/第6回IWAワークショップ
 第6回IWA(国際水協会)ワークショップ(主催:IWA、日本水道協会、横浜市水道局)が20日、21日の2日間、横浜市で開催され約200人が参加した。「蛇口の水のプロモーション~水道事業体における水道水の飲用促進と広報の実践~」をテーマに会場も交えて活発な議論が展開され、蛇口の水の飲用に限らず、水道事業の広報のあり方についてまで話は広がった。座長を務めた滝沢智・東京大学大学院教授は総括の中で、住民とのコミュニケーションや組織・団体間のネットワーク構築などの重要性を指摘、広報を改善していく必要性を訴えた。

水分野の包括的協力へ/経済産業省サウジ水電力省
 経済産業省とサウジアラビア水電力省は、水分野における包括的な協力関係の枠組みを構築する政府間の覚書を早期に締結することで合意した。覚書案は現在検討中で、早ければ2月中に締結できる見通し。締結後は、2つの都市において、水処理改善事業実施に向けた事前調査事業(プレFS)に着手する予定。事前調査および本格的事業を行う場合は、横浜市と同国での事業経験を持つ日揮(本社:横浜市)で構成する「横浜コンソーシアム」が実施する。

給水管凍結による断水で事務連絡/厚労省水道課
 厚生労働省水道課は、大臣認可の水道事業体と都道府県水道行政主管部局に対し、20日付で「給水管の凍結による断水被害の防止に係る措置について」の事務連絡を発出した。寒波の影響で給水管が凍結し破裂することによる漏水が相次ぎ、配水池の水位が低下したことで、大規模な給水制限に至る事例が報告されていることを受けてのもの。
 寒波が予想される際には、需要者に対して凍結への注意を喚起し、水抜きや屋外に露出している給水管の保温などの凍結防止策を広報することを求めている。また、配水池水位の監視など被害箇所の早期把握に努めることも要請している。
 同課が20日午後5時現在で把握している情報によれば、中津市や杵築市、山口市、対馬市、庄原市で給水制限や断水が行われている。

岡山県での地震想定し情報連絡訓練/大都市下水道部局
 大都市の下水道部局間で取り決めた『下水道災害時における大都市間の連絡・連携体制に関するルール』に基づく情報連絡訓練が14日、20大都市や国土交通省、日本下水道協会が参加し行われた。
 同訓練は阪神・淡路大震災を教訓に平成8年度から実施。今回は1月16日に岡山県東南部でM7.0の地震が発生し、岡山市や近隣都市が被災したとの想定で、大阪市が情報連絡統括都市となって訓練を進めた。
 地震発生日は、休日のため、大阪市が携帯メールを活用して岡山市に被災状況を確認。岡山市からの報告を受けた後は、大阪市が情報を集約しながらメールや衛星電話で大都市への支援要請、支援内容の決定などを行い、支援隊が被災地に到着するまでの情報連絡を確認した。

水の国際展開に意欲/大畠国交大臣就任会見
 大畠章宏・国土交通大臣は18日、専門紙との就任会見に応じ、抱負や今後の取り組みを述べた。
 公共事業の進め方については「施設は年月が経てば必ず劣化するものであり、計画的に更新するのは当たり前だ。国の財政が厳しい中、公共事業予算も減少しているが、国民の安全と暮らしを守るために、必要なものには手当をしていきたい」と述べた。
 一方、水分野の国際展開については、前任の経済産業大臣時代の経験を踏まえて説明。「日本の上下水道技術は世界のトップクラスだ。サウジアラビアでは、漏水率の低さを絶賛され、その技術を学びたいと言われた。これからは、地方自治体が持つ上下水道事業のノウハウを世界で役立てることが求められている。それが、日本の国際的信頼を高めることにもなる。自治体にはがんばっていただきたいし、国交省としても他省と連携して取り組んでいきたい」と意欲を見せた。

大阪湾流総対応の高度処理が完成/神戸市・垂水処理場
 神戸市建設局西水環境センターが平成14年度から、垂水(たるみ)処理場で建設を進めてきた第3期拡張工事が、ほぼ完成した。「大阪湾流域別下水道整備総合計画」の目標水質達成、老朽処理場の代替能力の確保を図るもので、凝集剤併用型ステップ流入式多段硝化脱窒法(3段)+砂ろ過方式を採用しており、処理能力は7万2500立方m/日。現在は試運転中で、4月から運転開始する。併せて、消化ガスを電気と熱に有効利用する、コージェネレーション設備も導入する。

佐賀県初のGLP/佐賀西部広域水道企
 嘉瀬川西部地域の4市3町1企業団に用水供給を行っている佐賀西部広域水道企業団は、先月20日付で水道GLPの認定を取得した。今月13日には日本水道協会で認定証授与式が開かれ、赤司邦昭・企業長が御園良彦・日本水道協会専務理事から認定証を授与された。水道GLPの認定取得は、佐賀県内では初めてで全体では69番目。
 同企業団は、用水供給先のうち多久市、嬉野市、大町町、江北町、白石町、西佐賀水道企業団の2市3町1企業団から水質検査を受託している。平成22年4月には水質管理室を設置し体制強化を図った。赤司企業長は「水質検査の精度や信頼性が認められたことを機に、今後は構成団体の水質検査の一元管理を実現していきたい」と抱負を語る。

横浜水ビジネス協議会の会員募集/来月17日まで
 横浜市が、“日本版ウォーターハブ”国際戦略拠点の招致にあわせ設置を表明していた「横浜水ビジネス協議会」の会員募集が19日から始まった。来月17日まで受け付ける。
 海外水ビジネスの推進に関心があり、横浜市内に本社や営業所など、活動の拠点を有する、若しくは予定がある日本企業・団体等(日本国内で登記されている企業、団体等)が条件となる。来月9日には設立趣旨の説明会を横浜関内ホールで開く。
 協議会では国際戦略拠点の招致に向けた機能の検討と提案、環境技術の広報、海外需要の調査、官民連携による海外水ビジネス展開方法の検討など行う。第1回会合を3月に開く予定。
 問い合わせは、環境創造局企画課(電話)045―671―3586、水道局事業開発課(電話)045―671―3677に。

寒波で給水管が凍結し断水/中国地方で
 記録的な寒波の影響に伴い、広島県や山口県など中国地方で、給水管が凍結・破裂し、断水などの被害が発生している。広島県内では、広島市で1千戸超の凍結・破裂事故を確認。庄原市では給水管の破裂などで、配水池水位が低下し、濁水が発生したため、約220戸が断水した。山口県内の山口市では、給水管が凍結で破損し、約850戸で6時間給水。給水車3台で対応したが、積雪で復旧に困難を極めた。萩市も▽破裂約180件▽濁り約140件▽凍結約60件が発生した。

サウジアラビア訪問/横浜市・加藤部長
 横浜市水道局の加藤茂・浄水部長(水道技術管理者=顔写真)は9日、サウジアラビアを訪問した大畠章宏・経済産業大臣(当時)に同行し、ホサイン水電力大臣に面会し。後の政策対話で漏水技術を中心とした横浜市の水道技術をプレゼンテーションした。
 帰国後加藤部長は、「横浜市の行っているブロックシステム、管のメンテナンス、漏水発見技術や訓練の重要さなどを話した。日本の漏水対策技術は受け入れてらったのではないかと思います」と、訪問を振り返った。

大成機工と共同開発の「耐震形割T字管」が知事表彰/東京都水道局
 去る昨年11月30日、「平成22年度東京都職員表彰式」が都庁内で行われ、石原慎太郎知事から東京都水道局水運用センター運用課の宮﨑文吉氏に表彰状が手渡された。宮﨑氏の表彰分野は「研究、発明・発見」で、件名は「施工性に優れた新しい耐震継手機構の開発」。これは、東京都水道局と大成機工が共同で開発し、平成19年度から採用している「耐震形割T字管」が評価されたもの。事業体に所属する技術者の“耐震”に対する思いにメーカーが真摯に応えたことで実現した“官民連携”の努力が結実した格好だ。

マッピングがカーナビも/フジ地中情報
 水道施設カーナビゲーションで道案内 。フジ地中情報は水道施設管理システム(FマップエーデルVX)のデータを使用したカーナビゲーションシステム「水道施設カーナビゲーションシステム」を開発=、今年から発売する。
 市町村合併により広域化した地方自治体では、合併前の水道施設情報はわかるが、合併された地域の情報についてはわからないといったケースが少なくない。利用者からの問い合わせで現場に向かう際にも同様の悩みがあり、その対策が求められていた。
 こうした悩みを解決するのが「水道施設カーナビシステム」である。
 利用者情報によるナビゲーションでは水栓番号などの情報を基にカーナビが案内する。同社が実施しているような開閉栓などの巡回リストを基にしたナビゲーションもできる。そのほか、管路、消火栓、バルブなどの情報も市販のカーナビの上に重ねて表示できるほか、管路では管種や口径、敷設年度等の表示も行える。データのバージョンアップも容易に行え、常に最新のデータとして使うことができる。

南海地震対策でフォーラム/関西ライフライン研究会
 関西ライフライン研究会(座長=澤田純男・京都大学防災研究所地震災害研究部門教授)はこのほど、地震防災フォーラム「南海トラフ巨大地震に備えて―我々はそれまでに何をするべきか―」を、マイドームおおさかで開催した。「建設技術展2010近畿」のプログラムの一環で、講演やパネルディスカッションが行われ、約200名が聴講した。

環境・省エネで事業創造を/日中ビジネス・フォーラムin関西
 日中ビジネス・フォーラムin関西2010がこのほど、ホテルニューオータニ大阪で開催された。「日中環境・省エネビジネスの創造」をテーマに、中国の環境・省エネ分野における新政策に関するセミナー・シンポジウムが行われ、関係者約230名が参加した。
 冒頭、下妻博・関西経済連合会会長、林康夫・日本貿易振興機構理事長らが「日中関係のさらなる進化を」とあいさつ。セッション1では「『中国環境・省エネ市場の今をとらえ、新たなビジネスを創造する』~様々な“連携のかたち”を通して~」と題し、基調講演などが行われた。

東南アジアで水ビジネスを/おおさかATCグリーンエコプラザ
 おおさかATCグリーンエコプラザセミナー「東南アジアにおける水ビジネスの方向性とビジネスチャンス」が、大阪市住之江区のビオトープ・プラザで開かれた。大阪市水道局などの3講演が行われ、約40名が聴講した。
 まず、菅原正孝・大阪産業大学客員教授が、ベトナムでのエネルギー回収型排水処理技術(UASB(上向流嫌気性汚泥床)法+強力酸化分解菌法)の共同研究を説明するとともに、鉄バクテリア法によるヒ素除去の有効性を強調した。

4月に新連合会発足/建設業関係13団体
 建設業関係13団体は5日、東京都港区の東京プリンスホテルで新春賀詞交歓会を開いた。日本建設業団体連合会の野村哲也会長(清水建設会長)は「真に必要な社会資本は、安全・安心で豊かな国民生活を送るための必要不可欠な基盤であると共に、国内投資・国内立地の促進や産業・都市の国際競争力の強化等、経済活力の活性化・持続的な経済成長に大きく寄与する」とし、新たな社会資本整備重点計画の早期策定を要望。

アジアの環境整備を/廃団連
 日本廃棄物団体連合会(会長=樋口成彬・産業廃棄物処理事業振興財団理事長)は6日、東京都千代田区の東海大学校友会館で賀詞交歓会を開いた。

認定適用資器材拡大を追風に/ビックリート協会総会
 ビックリート製品協会(会長=野村靜夫・日本ヒューム社長)は、東京都千代田区の帝国ホテルで第15期定時総会を開催し、来期の事業計画案や予算案を審議し、承認した。また役員の改選を行い、全役員が再任された。
 冒頭、野村会長は「ビックリートは、(腐食劣化せず)良い製品だが、出荷量は昨年度比の63%となっている。またビックリートの実績が認められ、日本下水道協会のⅡ類認定適用資器材の範囲が管、マンホール、セグメントに拡大されたことで、これまで以上に広く使用できることから、これをビックリートの発展に繋げていきたい。また水ビジネスの海外展開の際にも強力に販売できれば」と今後の抱負を語った。
 来期の事業計画としては、会員との情報交換、技術研修を行うほか、各支部の広報・技術指導などの事業活動の支援強化を図るとしている。

官民連携が必要/日本電機工業会
 日本電機工業会(会長=北澤通宏・富士電機ホールディングス社長)は、5日、東京都港区のANAインターコンチネンタルホテル東京で平成23年年賀交歓会を開いた。

管工機材展成功を/東京機材商
 東京管工機材商業協同組合(小泉久則理事長)は6日、東京都文京区の東京ドームホテルで平成23年賀詞交歓会を開いた。
 交歓会で挨拶した小泉理事長は「今年は7月に管工機材・設備総合展を開く。今回の展示会も下水道展と同時開催となる。展示会は組合事業の中核であり、その正否は今後の組合活動を左右する。出展者の増加を目指して取り組んでいきたい」と述べた。
 来賓として東京都管工事工業協同組合の木村昌民理事長も「管工機材展成功へ全力を挙げて協力していきたい」と述べた。

本社を移転/第一環境
 第一環境(岡地雄一社長)は2月7日、本社を移転する。新事務所の住所、連絡先は次のとおり。
 〒107―0052東京都港区赤坂2丁目2番12号、TEL(代表)03―6277―7920、FAX(同)03―6277―7924

稲場氏が講演/次回水団連講演会
 日本水道工業団体連合会は、2月3日13時から日本水道会館7階会議室で講演会を開催する。今回は、「水循環基本法案の動向について(仮題)」をテーマに、稲場紀久雄・大阪経済大学特任教授が講演する。申込・問い合わせは事務局(電話03―3264―1654)まで。

時流・ウォータービジネス/明電舎・常務執行役員 和地彰氏に聞く
 明電舎では、水環境事業の事務所移転を機に、部署間やグループ企業との連携強化に着手。バリューチェーンの再構築に取り組んでいる。同事業を牽引する和地彰・常務執行役員は「営業・技術営業部門と工事・研究開発部門は、分かれていたのですが、これを同一組織とし、同じフロアに置くことで、時間と距離の短縮を図りました。顔と顔を合わせる距離にいることで、どこを担当していても、常にお客様のニーズを意識し、新技術・製品の開発を意識する体制を考えました」とその狙いを語る。