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2011年(平成23年) 2月 24日(第4637号)
水質外部精度管理調査見直し/厚労省
「現地ニーズに対応を」/水の安全保障戦略機構シンポ
協力のあり方で意見交換/国交省ベトナム建設省
ストックマネジメントをテーマに/下水道機構新技術セミナー
料金やボトル水で意見交換/日韓水道行政会議
中期経営計画2011策定へ/横浜市環境創造局
低含水率脱水機の発注へ/東京都下水道局
九州最大のホースライニング工事/開削困難箇所で採用/佐賀市水道局
水道ビジョンをフォローアップ/神奈川県内広域水道企業団
更新・災害対策に重点/広島市水道局23年度予算案
アセットマネジメントテーマに/日本水道協会関東地方支部
配水池手すりに鳥よけ/伊勢崎市水道局
マンホールで下水道をPR/広島市下水道局
日中のパートナーシップ形成に向け/日中水ビジネスフォーラム
膜で水問題を解決/JDAフォーラム
低流量測定精度を高評価/高感度電磁流量計ROU/愛知時計電機
インターアクアで活動報告/チーム水道産業・日本
地下水浄化・利用で4講演/大阪市大
水中の有機物を分解/宇部興産
水質外部精度管理調査見直し/厚労省
厚生労働省水道課は、水道水質に関する技術水準の把握や向上を目的に実施している「水道水質検査の精度管理に関する調査」(外部精度管理調査)を見直した。同課が設置した検討会からの提言や議論を踏まえての措置で、今年度の外部精度管理調査から、精度不良機関の判定手法の変更、登録検査機関に対する実地調査および階層化評価の見直しを行う。また、来年度調査からは対象機関の拡充や試料購入制の導入を行う。
「現地ニーズに対応を」/水の安全保障戦略機構シンポ
水の安全保障戦略機構は18日、東京・有明の東京ビッグサイトで開催されたInterAqua2011会場内でシンポジウム「水ビジネスの海外展開に向けた展望」を開いた。有識者によるパネルディスカッションでは、海外ビジネス展開において現地のニーズに合わせることが必要、と意見が一致した。メインシアターで行われたが、多数の立ち見の聴講者が出る盛況ぶりだった。
冒頭、丹保憲仁・水の安全保障戦略機構議長、森喜朗・元内閣総理大臣、川端達夫・民主党水政策推進議員連盟会長が登壇し、水ビジネスの進展に期待を寄せた。
続く基調講演では周牧之・東京経済大学教授が日本企業の中国進出に際し「もう一度会社を作るつもりで」とアドバイス、猪瀬直樹・東京都副知事は「技術だけでなく経営を含めた戦略が必要」と提言した。
協力のあり方で意見交換/国交省ベトナム建設省
国土交通省下水道部は14日、昨年12月に下水道分野における覚書を締結したベトナム建設省と、覚書に基づく今後の協力のあり方について国交省で意見交換を行った。ベトナム建設省からはグエン・ハン・ティエン技術インフラ局長らが、国交省からは松井正樹・下水道部長らが出席した。
ストックマネジメントをテーマに/下水道機構新技術セミナー
下水道新技術推進機構は18日、東京都港区の発明会館で「下水道事業におけるストックマネジメント」をテーマに、下水道新技術セミナーを開催した。「下水道施設のストックマネジメント手法に関する検討委員会」で委員長を務める滝沢智・東京大学大学院教授と、石井宏幸・国土交通省下水道部下水道事業課企画専門官が講演を行ったほか、仙台市、日本下水道事業団、下水道機構が、ストックマネジメントの取り組みを報告した。
料金やボトル水で意見交換/日韓水道行政会議
「日韓水道行政会議」が7日、東京・霞ヶ関の合同庁舎7号館で開かれた。日本からは、石飛博之・厚生労働省水道課長、熊谷和哉・厚生労働省水道課水道計画指導室長、松井庸司・日本水道協会研修国際部長、安藤茂・水道技術研究センター常務理事、坂本弘道・日本水道工業団体連合会専務理事らが出席、韓国からは、チョウ・ビョン・オー・韓国環境部上下水道政策課長や韓国上下水道協会(KWWA)の広報担当関係者ら計4人が出席した。4回目となる今回は、両国の水道料金やボトル水の現況について意見交換を行った。
中期経営計画2011策定へ/横浜市環境創造局
横浜市環境創造局は平成23年度から25年度の下水道事業の事業方針と経営方針を掲げた「中期経営計画2011」(素案)をまとめ、意見募集を行っている。同局では、同計画に基づき、下水道が果たすべき役割と健全な財政運営を両立することで、持続可能な下水道経営をめざす。
低含水率脱水機の発注へ/東京都下水道局
東京都下水道局は、東部スラッジプラント汚泥炭化施設(5号炉)に導入する低含水率汚泥脱水機3台を平成23年度契約に向けて発注する。
脱水機の処理量は、1台あたり60立方m/時。予定価格は税込みで7億1320万円。工期は平成24年12月14日までとなっている。低含水の脱水汚泥は、硬くなり既存の搬送技術では対応が難しいことから、汚泥炭化施設の上部に低含水率汚泥脱水機を設置する。
低含水率汚泥脱水機は、従来よりも低い含水率にするもので、汚泥炭化施設の乾燥工程で使用する補助燃料の大幅な削減が可能。燃料由来の温室効果ガスを低減化する技術として注目を集めている。
九州最大のホースライニング工事/開削困難箇所で採用/佐賀市水道局
佐賀市水道局発注で(株)ミゾタが受注した工事名「市道妙安小路栴壇橋線配水管更新工事」で、九州地区最大口径となる口径700mm(延長400m)のホースライニング工事が大成機工の施工によりこのほど行われ、反転挿入工事など主要工事を滞りなく終了した。7日に行われた最後の工区(延長142m)の工事には、佐賀市のみならず近隣の水道事業体から約50名が見学に訪れ、発進立坑から到達立坑に至るスピーディかつ確実な反転挿入工事を確認した。
今回の施工箇所は、佐賀市水道局(神野浄水場)から南に伸びる口径800及び700mmの鋼管製幹線管路の一部。同管路は一級河川多布施川の堤防敷に布設されており、河川管理者の指示で管の周囲を鉄筋コンクリートで固めている。昭和49年に布設され、まだ耐用年数を迎えていないが、5~6年前に4~5回にわたり鉄筋と鋼管の接触によって発生したとみられるピンホールが原因の漏水事故があった。管路の調査を行なった結果、ピンホールだけでなく虫食い腐蝕も見られるなど劣化が進んでいるため早期の対応に迫られた。そこで、幹線管路更新事業の一環として、19年度から4年計画で更新されることになった。
水道ビジョンをフォローアップ/神奈川県内広域水道企業団
神奈川県内広域水道企業団は「かながわの水道用水供給ビジョン~平成22年度フォローアップ版~(案)」を策定し、全国水道関係者からも意見募集を行っている。
同企業団は10年間の事業運営指針をまとめた「かながわの水道用水供給ビジョン」を平成18年度に策定しているが、22年度で5年が経過したことから、フォローアップを実施。事業環境の変化や施策の実施状況を整理するとともに、新たな課題や強化すべき取り組み項目を明らかにした。その結果を基に、平成23年度から32年度までの10カ年を計画期間として、施策と実現方策の再設定を行った。
更新・災害対策に重点/広島市水道局23年度予算案
平成23年度広島市水道事業会計予算案は、総額385億5100万円(対前年度当初予算比5.1%減)、建設改良費76億5200万円(同15.1%減)を計上。安全でおいしい水の安定供給を図るため、『広島市水道事業中期経営計画』(同22~25年度)に基づき、施設の更新・改良や災害対策などを計画的に推進する。
【第7期水道拡張事業(Ⅲ期)】(5億6200万円)では、水道未整備地区への配水管新設工事(延長5960m)などを実施する。
アセットマネジメントテーマに/日本水道協会関東地方支部
日本水道協会関東地方支部は1月31日、横浜情報文化センター・情文ホールで平成22年度第2回事務・技術講習会を開催。伊藤雅喜・国立保健医療科学院水道工学部水道計画室長、林秀樹・横浜市水道局給水部長が講演した。
伊藤室長は「水道施設の適切な更新計画にむけて~アセットマネジメント、浄水技術ガイドラインの活用~」と題して講演。経年化施設における潜在リスクの可視化を盛り込んだ浄水場更新計画におけるアセットマネジメント活用手法の検討についてを中心に説明した。
配水池手すりに鳥よけ/伊勢崎市水道局
伊勢崎市水道局の日量3000立方mのステンレス製配水池(ベルテクノ)に一寸した工夫がなされている。同配水池は今年の3月に完成予定だが、将来の維持管理の効率化を考え上部の手すりに鳥よけの鋼線を付けている。
鳥は手すりに止まりやすく、そうすると糞をする。鳥の糞は固まると掃除が大変だ。そこで同局では手すりの上に鋼線を張ることを考えた。同局では施設を作る際にどうしたらより良く出来るか常に考えているそう。水道に対する熱意が伝わってくる取り組みだ。
マンホールで下水道をPR/広島市下水道局
広島市下水道局は、マンホール鉄蓋の表面をデザイン化した「デザインマンホール」を制作し、下水道のPRに活用している。
デザインが決定している地区は、▽JR広島駅(平成19年度、折り鶴)▽新球場(同年度、カープ坊や)▽広島港(同20年度、かもめ)▽広島城(同21年度、紅葉)。
平成19年度から施設改築工事に併せて、順次設置している。今後は▽JR横川駅(同22年度製作中)▽平和公園▽平和大通りを対象に、デザインを検討していく予定。
日中のパートナーシップ形成に向け/日中水ビジネスフォーラム
17日、東京ビッグサイトで行われた「インターアクア2011」の特別併催企画として「日中水ビジネスフォーラム」(主催=中国水網、ICSコンベンションデザイン)が開かれた。中国企業の経営層や学識者、日本の自治体や企業が多数参加し、日中の新たなパートナーシップ形成に向けて議論を深めた。
冒頭、殷暁芳・中国水網副総経理が「日中の交流を深めるきっかけとしてほしい」と語り、つづいて清川佑二・日中経済協会理事長があいさつした。
基調講演では、傅涛・清華大学環境系水業政策研究中心主任が中国水ビジネスの政策、市場動向を説明し「中国では、高い技術を求めている。日本企業も市場にもっと進出してほしい」と語った。
膜で水問題を解決/JDAフォーラム
日本脱塩協会(JDA)は16日、東京ビッグサイトでフォーラム「世界の水問題に貢献する水処理膜に関する喫緊の課題と将来展望」(共催=膜分離技術振興協会、後援=水道産業新聞など)を開催した。このフォーラムはインターアクア2011の開催にあわせて行われたもので、国内外の研究者が膜について研究成果を発表した。世界の膜動向を理解できるとあって事前登録で満席に。会場を埋め尽くした聴講者はホットな最新情報を得ていた。
低流量測定精度を高評価/高感度電磁流量計ROU/愛知時計電機
愛知時計電機の電磁流量計『ROU』が平成21~22年度の2ヵ年で、岩手県陸前高田市の8配水施設に導入された。高精度な流量把握に基づく施設および管路管理が可能となった点などが高く評価されている。
ROUは高効率な磁界発生構造を有し、1mm/秒もの超低流量域の計測が可能。φ150の場合、一般的な電磁流量計・φ50と同程度の低流量域での測定精度を有する。また、上流側の直管部分が不要で、曲管に直接取付けても測定精度に影響を受けず、現場状況に応じて柔軟に設置できる。さらに、水没状態での連続使用が可能な水中型仕様であるなどの特長を持つ。
インターアクアで活動報告/チーム水道産業・日本
16日、東京・有明の東京ビッグサイトで開催されている第2回国際水ソリューション総合展「インターアクア2011」で、坂本弘道・日本水道工業団体連合会専務理事が、2010年度のチーム水道産業・日本の活動報告を行った。
地下水浄化・利用で4講演/大阪市大
大阪市立大学の第45回「オープン・ラボラトリー」が1月12日、大阪産業創造館で開催された。同大学複合先端研究機構の戦略課題「都市圏の環境保全と地盤防災のための地下水資源の健全な活用法の構築」の最新研究成果として、「地下水の浄化と有効利用」をテーマに4講演が行われ、関係者ら40人が出席した。
水中の有機物を分解/宇部興産
宇部興産は17日、東京ビッグサイトで開催された「インターアクア2011」の特設会場で行われたシーズ&ニーズセミナーで水浄化装置「アクアソリューション」を紹介した。
同装置は、同社が独自開発したシリカと二酸化チタンからなる光触媒繊維により水中の有害有機物を分解するもので、精密洗浄の純水の殺菌用途を中心に納入実績がある。構造は、光触媒繊維、UVランプをカートリッジ化して水が効率よく光触媒織布に触れる構造となっている。
水質浄化のメカニズムは、近紫外線の照射により触媒繊維表面に活性酸素の一種であるOHラジカルを生成し、有害有機物やバクテリアを二酸化炭素と水に分解する。
同社の柳比呂志・企画管理部光触媒チーム主席部員は「薬剤を使用しないので、人と環境に優しいシステム。活性寿命は10秒と非常に短いので安全だ」と説明した。