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2011年(平成23年) 3月 3日(第4639号)
B―DASHの提案公募開始/国交省
4つの研究テーマを設定/水道技術研究センター「特別研究等推進事業」
膜処理、配水管更新など/日水協・水道技術管理者協議会
1106編の論文要旨集まる/IWA―ASPIRE東京会議
提言案を全委員で再検討/下水協真の価値研究会
流域の一体的管理を提案/水の安全保障戦略機構第7回基本戦略委員会
42技術を答申/下水道機構審査証明委
川崎市23年度上下水道予算
新型下水汚泥脱水機を発表/ハイブリッド型スクリュープレスISGK―V/石垣
就任インタビュー/クボタ鉄管研究部長 二宮 一氏
法人移行の方向性明確化へ/設備協通常総会
検針業務などを民間委託/荒尾市水道局
天神地区の浸水軽減めざし/福岡市道路下水道局
浄水処理で公開講座/グリーンサイエンス21
B―DASHの提案公募開始/国交省
国土交通省下水道部は1日、平成23年度から実施する「下水道革新的技術実証事業」(B―DASH)について、実規模レベルのプラントを設置して実証を行う実証事業の提案を公募すると発表した。応募書類の提出期限は4月12日午後5時必着。また、公募に当たり、8日午前10時から説明会を中央合同庁舎3号館6階の同省都市・地域整備局局議室で開催する。説明書は同部下水道企画課環境技術係で配布している。
4つの研究テーマを設定/水道技術研究センター「特別研究等推進事業」
水道技術研究センターは、「新技術開発引当資産」を財源に平成23年度から開始する「特別研究等推進事業」で取り組むテーマを示した。水道ビジョンの長期的な施策目標である安心・安定・持続・環境・国際を実現するために1.水道における新技術等に関する研究 2.水道事業の業務評価等に関する研究 3.低炭素化水道システムの構築に関する研究 4.アジア・パシフィック水道技術情報ステーション構築―の4つに取り組む。
取り組む4テーマの研究期間は、現在のところ5年程度を想定している。1.については、当面の研究課題として「低ファウリング特性を有する新浄水膜の研究」や「膜ろ過処理システムの高度化研究」が案として挙がっている。 2.は、業務評価手法を確立し、最終的には業務評価マニュアル(仮称)として成果をとりまとめることを目的にする。 3.では、「水道事業のエネルギー排出実態把握方法の確立」と「水道事業における各種エネルギー対策の定量的評価及び事例提案」を研究の方向性として示した。 4.については、今年度すでにwebサイトを公開しており、23年度以降は業務指標を用いた国内外の水道事業体の実態を客観的に把握するためのコミュニケーションツールなどを構築していく予定。
膜処理、配水管更新など/日水協・水道技術管理者協議会
日本水道協会は2月21日、第148回水道技術管理者協議会を協会会議室で開いた。5つの設定議題についての回答が報告されたほか、事務局からJWWA規格の改正などについての報告があった。
今回の設定議題は1.膜処理施設の導入について(提案都市:高松市) 2.配水管における更新基準の設定について(同) 3.大口径管(φ400mm以上)の布設替工事について(前橋市) 4.配水管更新工事における現場監督業務委託について(尼崎市) 5.配水管布設替工事に伴う仮設配管設置における使用材料の選択及び既設管との連絡工事について(吹田市、尼崎市)―。
1106編の論文要旨集まる/IWA―ASPIRE東京会議
10月に東京都で開催される第4回IWA(国際水協会)アジア太平洋地域会議(IWA―ASPIRE)の論文要旨について、事務局の目標であった700編を大きく上回る1106編の投稿があったことが、2月17日に日本水道協会会議室で開かれた第29回IWA国内委員会(委員長=渡辺義公・北海道大学環境ナノ・バイオ工学研究センター長)で報告された。事務局では、できるだけ多くの投稿者に発表してもらうため、会場数を増やすことを検討している。論文要旨の半分は海外からの投稿。分野別では下水処理が最多。
提言案を全委員で再検討/下水協真の価値研究会
日本下水道協会は2月21日、第7回下水道の真の価値を国民各層に知ってもらう研究会(委員長=松本明子・東京都下水道局総務部広報サービス課長)を協会会議室で開催した。今回は全委員が参加し、提言書の最終案取りまとめに向け、議論を行った。
流域の一体的管理を提案/水の安全保障戦略機構第7回基本戦略委員会
水の安全保障戦略機構は2月17日、東京都江東区の有明フロンティアビル会議室で、第7回基本戦略委員会を開催した。今回は「低炭素社会における流域水管理のあり方」をテーマに話題提供と議論を行った。
竹村公太郎・日本水フォーラム事務局長は水道料金の基本料金のみを支払い地下水使用に転換する利用者の問題や、地下水の水質が海水にも影響することを挙げ、「地下水は流域全体の財産であり、表流水も一体とした管理システムを構築する必要がある」と述べ▽流域・自治体単位で「流域協議会」を立ち上げる▽給水人口10万人以下の小規模事業体を支援するため、地下水使用にかかる「基金」の創設―を提案した。委員からは、地下水を大量にくみ上げる飲料水メーカーから使用料を徴収すべきとの意見があった。
42技術を答申/下水道機構審査証明委
下水道新技術推進機構はさきごろ、平成22年度第2回建設技術審査証明委員会(委員長=楠田哲也・北九州市立大学教授)を機構会議室で開き、42技術について審査を行った。内訳は、新規16技術、変更11技術、更新15技術。依頼者による報告と委員間での質疑応答の後、総合審議が行われた。審議の後、全42技術について、楠田委員長から石川忠男・下水道機構理事長に答申が行われた。交付式は、3月8日に行われる予定。
川崎市23年度上下水道予算
川崎市上下水道局は、平成23年度の水道事業・工業用水道事業・下水道事業の予算案を公表した。
水道事業の資本的支出は165億2100万円(対前年度比31億4500万円増)で、建設改良費は132億8000万円(同32億7700万円増)と大幅な増額となった。
建設改良費の増額は、重点事業として進めている施設再構築事業(給水能力の見直しを主軸とした浄水場の統廃合と施設更新)がピークを迎え、62億円(同33億円増)と大幅アップしたことによるもの。長沢浄水場のろ過池や配水池、沈でん地等築造工事や沈でん池機械設備設置工事を進めていく。
新型下水汚泥脱水機を発表/ハイブリッド型スクリュープレスISGK―V/石垣
石垣は、下水汚泥脱水機でトップシェアを誇る「スクリュープレスISGK」シリーズの新製品として「ハイブリッド型圧入式スクリュープレスISGK―V型」を発表した。濃縮機構を独立させ、濃縮汚泥を脱水機構部分にポンプで圧入する方式。2002年に発表したISGK―Ⅳ型と比べ、同一処理量の場合は含水率を2ポイント低減、同一ケーキ含水率の場合で単位時間あたり処理量が増加できるなど、性能を大幅に向上させた。「昨今高まっている下水汚泥の資源化利用や環境対策ニーズに応えた製品」(同社)として、市場に大きなインパクトを与えそうだ。
就任インタビュー/クボタ鉄管研究部長 二宮 一氏
クボタの鉄管研究部といえば、我が国における鉄管研究のトップランナー。その司令塔という重責に就いた心境について「正直なところ自分がこのような立場になるとは想像していませんでした。歴代の研究部長は皆さん偉大な尊敬できる方ばかりです。自分がそういう方々と同じポジションに就くというのは恐れ多いことですし、責任の重さに身が引き締まる思いです。先達の方々の名を汚さないよう、私なりに一生懸命やらせて頂きたいと思っています」と語る。
人柄を反映して控えめな言葉が並ぶが、その言葉の裏からは並々ならぬ意欲が伝わってくる。
法人移行の方向性明確化へ/設備協通常総会
東京下水道設備協会(会長=片岡啓治・明電舎会長)は2月23日、東京都新宿区の新宿ワシントンホテル新館で第34回通常総会を開いた。平成23年度事業計画や収支予算について審議を行い、了承した。
冒頭、片岡会長は「高品質の技術で貢献するため、今後も会員各社が積極的に技術開発を行っていかなければならない」と呼びかけたほか、「東京都下水道局が予算を獲得しやすい環境をつくるとともに、財政部局に下水道局が主張できるような提案を当協会もしなければない」と意見を述べた。
検針業務などを民間委託/荒尾市水道局
荒尾市水道局は事務の効率化などを目的に、水道料金等業務委託に係る公募型プロポーザルを実施し、審査の結果、株式会社タカダを受託事業者に決定した。契約金額2億6229万円。
同局では、お客様サービスの一層の向上、さらなる効率的運営を目指し、職員らで実施していた検針や滞納整理業務などの業務委託を図ることとし、豊富な経験、実績及び信頼性を有し、社会的貢献度の高い優れた民間事業者を選定するために、公募型プロポーザルを実施した。平成22年11月に説明書などを公表し、同23年1月にプレゼンテーションを実施、水道局長などで構成する審査委員会で受託者の選定作業に入り、1月13日に3社の中から最高点のタカダに決定した。
天神地区の浸水軽減めざし/福岡市道路下水道局
福岡市道路下水道局は、天神地区のゲリラ豪雨対策として中部7号幹線築造工事を推進し、2月15日には高島宗一郎・福岡市長らが出席するなか、同市中央区の今泉公園でシールドマシン発進式を行った。
同局は、天神地区における浸水被害の軽減へ向け、平成30年度の完了を目指して「雨水整備レインボープラン天神」を推進中。この整備計画の一環として中部7号幹線を築造し、平行して上流区間の2号幹線の整備も行う。両幹線が完成すると、10年に一度の降雨に対し、浸水面積が現況約50haであったものが約25haに半減する。さらに床上浸水(浸水深40㌢以上)が解消するなど天神地区の浸水被害軽減に大きな効果を発揮する。なお雨水貯留量は約1万3000立方mとなる。
浄水処理で公開講座/グリーンサイエンス21
NPO法人グリーンサイエンス21は22日、東京都・飯田橋のセントラルプラザで第11回市民環境学校を開き、名雪輝直・元東総広域水道企業団水道技術管理者(現千葉県薬剤師会検査センター顧問)が「水環境と浄水処理~水道の現場経験からの発信~」と題して、水質汚濁のメカニズムや水源の水質管理、浄水場の危機管理対策などについて講演した。同学校には土木・環境を専攻する大学生やコンサルタント関係者らも参加し、意見・情報交換を行った。